JPS59181158A - 創傷カバ−剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は広域創傷部の修復治癒を助長するカバー剤に関
するものであって、更に詳しくは創傷部における組繊細
胞の生育を助長すると共に創傷部からでる体液を創傷部
面から除去し、しかも外部からの細菌侵入による創傷部
面の感染を防止する、新規な創傷カバー剤を提供するも
のである。

創傷部は火傷、皮膚剥離（植皮用）、物理的部□害など
によって起生されるが、これらの治療法としては、硝酸
銀を含む軟膏基剤や、局所抗生剤を含む軟膏基剤などを
用いてなる被覆療法が一般的に行われている。

この療法は、創傷部に該軟膏を塗布することによシ、体
液を吸収させると共に細菌感染を防止して治癒しようと
するものである。

しかして、該療法では積極的に組繊細胞の生育を助長す
る手段が採られていないために、完治までに長時間かか
るという欠点がある。

近時かかる療法に代って、人間の皮膚を用いるホモグラ
フト法と豚皮を用いるヘテログラフト法とが検討され採
用されている。

しかし、ホモグラフト法は人間の皮膚を用いるためにそ
の応用範囲には自ずと限界があシ、またへテログラフト
法においても、新鮮な豚皮では熱湯洗浄殺菌などの煩雑
な操作を必要とする上に、品質の均一なものが得られに
くいという問題がある。

一方、凍結乾燥した豚皮を用いる試みもなされ、一部で
臨床テストもされているが、使用時無菌的に生理食塩水
に浸漬して軟化させるという煩雑な操作を必要とするう
えに、処置後豚皮上に水などが付着すると、水が浸入し
て治癒を遅らせるなどの不都合がある。

さらに、近時カバー剤として、ポリメチルグルタメート
、ポリベンジルグルタメートやシリコーンコム、ポリア
ミド又はポリエステルなどの繊維カラするフロック状物
、ポリビニルホルマールスポンジなどが提案されている
が、組織に対する付着性、体液の吸収孔、透湿性などの
点において、末だ満足なものが見い出されていないのが
現状である。

従って本発明の第１の目的は、創傷部組縁への付着性が
良好でしかも組繊細胞の生育を助長する創傷カバー剤を
提供することにある。

本発明の第２の目的は、創傷部からでる体液を吸液によ
シ除去しうると共に外部からの水又は細菌類の侵入を防
止した創傷カバー剤を提供することにある。

かかる本発明の目的は、微孔性高分子フィルムと吸液性
薄葉材料と吸水性樹脂を含む生体親和性高分子フィルム
とがこの順序で積層されていることによシ達成される。

本発明の創傷カバー剤によれば、創傷部への付着性が良
好であると共に組繊細胞の生育を助長するので創傷部の
治癒も早り、シかも細菌などによる感染も防止されると
いう特徴を有する。

本発明の実施に当って使用される微孔性高分子フィルム
とは、外部から水や細菌などを侵入させず、しかも創傷
部の面の湿分を蒸散させるに充分な孔径を有する微孔を
無数に有するものであって、例えば微孔性フッ素樹脂フ
ィルム、微孔性ポリウレタン樹脂フィルム、微孔性ポリ
オレフィン樹脂フィルム蔦微孔性ポリスルホン樹脂フィ
ルムなどの微孔性高分子フィルムが用いられるが、とシ
ゎけ微孔性フッ素樹脂フィルムは、特に撥水性が高く、
シかも均一な微孔を形成できるので好ましいものである
。

微孔性高分子フィルムにおける微孔の孔径は、１００人
〜１００μｍ１好ましくは１ｏｏｏλ〜１０μｍの範囲
であって、１００１以下では湿分の蒸散を阻害するため
に好ｉしくなく　ｓ　１００　ｐｍ以上では水などが侵
入するために好ましくないものである。

また本発明の実施に当って用いられる吸液性薄葉材料と
しては、創傷部から出る体液を吸収するものであれば特
に制限されず、例えば厚さ５〜３００μｍのガーゼ、不
織布、発泡体などが挙げられる０ さらに吸水性樹脂を含む生体親和性高分子フィルムとし
ては、コラーゲン、ケラチン、キチンなどの蛋白質から
なる、厚さ２０００　ｐｍ以下、好ましくは１０〜５０
０μｍの範囲のフィルム中に吸水性樹脂を分散及び／又
は溶解状態で含有させたものが挙げられるが、とシわけ
コラーゲンからなるフィルムは、組繊細胞の生育に大き
く寄与するので好ましいものである。

吸水性樹脂としては、でん粉−アクリル酸グラフト共重
合物、セルロース−グラフト共重合物、アクリル酸系重
分物、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール
系、ポリエチレンオキシド系の如き５〜４００倍（体積
比）の水を吸水するものが挙げられ、かかる樹脂は１〜
９５重量％、好ましくは５〜５０重量％の範囲で配合さ
れる。１重量％以下では樹脂を配合したことによる特性
が得られず、９５重量％以上では生体親和性高分子材料
の特性が得られないので好ましくないものである。

これらの生体親和性高分子フィルムには、その柔軟性を
高め、皮膚に対する刺激をなくするために、グリセリン
、ポリエチレングリコールの如き多価アルコールで４０
０〜５０００の分子量を有するものを、５０重量％以下
の量で配合することができる。

また生体親和性高分子フィルム自体を多孔質化しておく
と、体液の分必量が多い場合には、該フィルムの孔（０
，０５〜１００μｍ）を経由して、速やかに吸水性樹脂
及び吸液性薄葉材料に吸収され、治癒が早められるので
好ましいものである。

また生体親和性高分子フィルムには、体液などにより融
解されるのを防止するために、紫外線照射などの光照射
又はアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドの如きアルデ
ヒド基を有する化合物を用いて適度に架橋することは好
ましいことである。

このように微孔性高分子フィルムと吸液性薄葉材料と吸
水性樹脂を含む生体親和性高分子フィルムとを複合して
なる創傷カバー剤には、必要に応じて創傷治癒促進効果
を有する硫酸、ムコ多糖例えばコンドロイチン硫酸、ヒ
アルロン硫酸などを前記高分子フィルム層に配合してお
き、これを所望形状に切断して創傷部位に外科用接着テ
ープで固定するか、或いは予めカバー削片の周辺部に額
縁状に生体適合性接着剤を形成しておいて固定するなど
して用いられるものである。

本発明の創傷カバー剤は以上のように構成されているの
で、微孔性高分子フィルムによって外部からの水や細菌
の侵入が防止されるので生体親和性高分子フィルムの融
解が起生せず、しか□も吸水性樹脂及び吸液性薄葉材料
によって体液が速やかに吸収され、さらに生体親和性高
分子フィルムによって創傷部の治癒が促進されるので、
創傷部の修復が速いという特徴を有する０ 以下本発明の実施例を示す。

実施例 厚さ８０μｍ１平均孔径０．４５μｍの微孔性フッ素樹
脂フィルム面に感圧性接着剤を斑点状に塗布し、この上
に厚さ１００μｍ、坪量２０　、ｖ／ｍ２の合成繊維製
不織布を貼シ合せ、さらにこの不織布面にコラーゲン４
５重量部、澱粉−アクリル酸共重合物２５重量部及びグ
リセリン３０重量部及び水２００重量部からなる水溶液
を塗布し、紫外線を照射して乾燥し厚さ１５０μｍの吸
水性樹脂を含む生体親和性フィルムを有する創傷カバー
剤を得たＯ 該カバー剤を１０匹のウィスター系ラット（体重２５０
〜３００９　）の用いて試験をした。

試験は、ラットの背部の毛を剃シ、アルコールで消毒し
て麻酔して、背中線を介して、左右に３ｃｍ　Ｘ　３　
ｃ！ｎ角、厚さ６ｕの皮膚剥離創傷部を１ケ所ずつ作り
、一方に実施例のサンプルをエチレンオキサイドガスに
て滅菌処理して貼シ付け、他方に凍結乾燥した豚皮を滅
菌した生理食塩水に無菌的に浸漬（２０分間）したもの
を貼シ付け、夫々生体用接着剤で固定し、さらにガーゼ
を被せて外科用接着テープで固定する０１４日後の創傷
部の治癒状態及び密着状態を目視によシ観察した０その
結果、治癒効果の目安である上皮形成状態は実施例及び
対照とも同程度に良好なものであった。しかし、密着状
態は実施例のものでは良好に密着しているのに対し、対
照では密着不良が認められた。　　　　　　　特許出願
人 日東電気工業株式会社 ／　　　代表者土方三部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）微孔性高分子フィルムと吸液性薄葉材料と吸水性樹
   脂を含む生体親和性高分子フィルムとがこの順序で積層
   されていることを特徴とする創傷カバー剤。 ２）微孔性高分子フィルムが微孔性フッ素樹脂フィルム
   である特許請求の範囲第１項記載の創傷カバー剤。 ３）微孔性高分子フィルムの平均孔径が１００＾〜１１
   ００ｐである特許請求の範囲第１〜２項の各れかに記載
   の創傷カバー剤。 ４）生体親和性高分子フィルムがコラ−ケンフィルムで
   ある特許請求の範囲第１項記載の創傷カバー剤。 ５）コラ−ケンフィル台が多価アルコール類ヲ含むもの
   である特許請求の範囲第４項記載の創傷カバー剤。