JPS5917245B2 - エンジン動弁系のゼロラツシユアジヤスタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エンジン動弁系のゼロラッシュアジャスタに
関するものである。

従来のフィンガーアーム式オーバーへラドカム用のゼロ
ラッシュアジャスタは、カムベース円の振れならびにカ
ムシャフトの撓みにより、カムベース円において動弁系
を圧縮する力が発生し、バルブの着座不良を起していた
。

この対策として、ラッシュアジャスタのチェックボール
とプランジャシートとの間に隙間を設けて上記カムベー
ス円の振れならびにカムシャフトの撓みの微少な動きを
プランジャの上下運動で吸収させることを試みたが、そ
の隙間精度を確保するためには、直接式のチェックボー
ルスプリングを廃止する必要があり、−！たこの隙間は
騒音および運動面から大きくできないなどの問題があり
、さらに、該チェックボールスプリングの廃止によって
、エンジンの始動時のラッシュアジャスタ高圧室へのオ
イル供給通路が絞られるようになり、したがって、オイ
ル粘度の高い低温でのエンジン始動時に前記高圧室への
オイル供給が充分になされないため、タペツ°・ト音な
どの打音が発生するという問題があった。

本発明は、フィンガーアーム式オーバーヘッドカム用の
ゼロラッシュアジャスタにおいて、カムベース円振れな
らびにカムシャフト撓みを吸収する微少な隙間をチェッ
クボールとプランジャシートの間に設けるとともに、チ
ェックボールを保持するリテーナを２重構造にして低温
始動でのラッシュアジャスタに起因する打音発生をなく
するようにしたもので、その一実施例について、図面を
参照しながら説明する。

第１図において、１けラッシュアジャスタ本体で、つま
り、ボディである。

２はプランジャで、前記本体１と選択嵌合され、高圧室
りを形成しており、またリターンスプリング７により押
上げられて動弁系の隙間をなくする働きをする。

３はチェックボールで、プランジャ２のシート面と接触
して高圧室りからのオイルの流出を防止する。

４は第１リテーナで、端面をプランジャ２に当接してチ
ェックボール３とシート面に隙間Ａを設けるようにしで
ある。

５はチェックボールスプリングで第１リテーナ４の外側
に設けられている。

６は第２リテーナで、プランジャ２に圧入され、チェッ
クボールスプリング４の反力を受ける。

７はリターンスプリングで、プランジャ２と前記本体１
の間に組付けられてプランジャ２を常に押し上げている
。

その他、Ｂは前記第１リテーナのストローク、つまり、
チェックボール３のストローク、Ｃはエンジン組付時の
プランジャストローク、Ｅはオイル溜りである。

第２図は第１図のラッシュアジャスタ８を用いた動弁機
構の説明図であるう第２図において、ベース円振れＦが
あった場合、カム１０が回転するに従い、ベース円振れ
Ｆは−１２−で拡大され（２（１ て、ロッカアーム９を介してプランジャ２に作用する。

ところが、前述のように、プランジャ２のシートとチェ
ックボール３との間に隙間Ａを設けであるため、チェッ
クボール３け、プランジャ２がある程度沈むまで、逆止
弁の作用をしない。

したがって、プランジャ２が沈んだ分だけベース円振れ
を吸収する。

逆にベース円振れがＦのような場合には、プランジャ２
はリターンスプリング７により、ベース円振れＦに追従
して押し上げられる。

この状態でカム１０が回転し、開弁時期にくると、隙間
Ａに対応した分だけプランジャ２が沈み、ベース円振れ
Ｆを吸収する。

なお第２図において、１１はスプリングリテーナ、１２
はバルブスプリング、１３はバルブ、１４はシリンダヘ
ッドである。

第３図はカムジャーナル１５と１５′とで支承されてい
るカムシャフト１６の撓みについての説明図である。

第３図の上の図のように、カム１０がベース円にあり、
カム１０′がリフト中にある場合、カムｉｏ’ｉｕ力Ｐ
１作用しているため、カム１０上において、カムシャフ
ト１６にδの撓みカ生じる。

この時、カム１０と対のプランジャ２はリターンスプリ
ングγによりカムシャフト１６の撓みδ分だけ押し上げ
られる。

そしてカム１０が回転して第３図の下の図のように、カ
ム１０と１０′がともにベース円になると、カム１０に
その撓みδ分の反力Ｐ２が作用する。

しかし、隙間Ａを設けであるため、前述のベース円振れ
Ｆと同様にプランジャ２の沈みでカムシャフト１６の撓
みδを吸収する。

つぎに、エンジンの始動前には、必ず数個のラッシュア
ジャスタ８はストロークＣがゼロの状態にある。

したがって、エンジンが始動されると、カム１０に追従
してプランジャ２がリターンスプリングγによって押し
上げらようとする。

この時、オイル溜りＥにあるオイルは、チェックボール
スプリング５に打ち勝って、第１リテーナ４およびチェ
ックボール３をストロークＢだけ押し下げて高圧室りに
流入する。

したがって、流入時の通路面積が確保され、オイル粘度
の高い低温時においても、オイル溜りＥから高圧室りに
容易にオイルが供給される。

なお第４図は、横軸に前述の隙間Ａ−をとり、縦軸にプ
ランジャ２の沈み量Ｙ（μ）をとったもので、曲線ａけ
油温３０℃の場合、曲線すは油温か８０℃の場合である
。

上述のように、本発明は、カムベース円振れならびにカ
ムシャフト撓みを吸収する微少隙間をチェックボールと
プランジャシートの間に設けるとともに、チェックボー
ルを支持するリテーナを２重構造にして低温始動でのラ
ッシュアジャスタに起因する打音発生をなくすようにし
であるから、カムベース円振れならびにカムシャフト撓
みによるバルブ着座不良を解決することができ、また動
弁系に無理な圧縮力が発生しなくなるため、ロッカアー
ムの摩耗が減少する。

しかも、燃焼圧によって生じるパルプ傘変形がバルブ端
面を持ち上げるが、これも同様に吸収することができる
ので、この点でも、ロッカアームの摩耗に対して有利と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の断面立面図、第立面図、第
２図は第１図のラッシュアジャスタの使用状態の一例を
示した説明図、第３図はカムシャフトの撓みについての
説明図、第４図は第１図のプランジャの沈み量について
の説明図である。 １・・・・・・ラッシュアジャスタ本体、２・・・・・
・プランジャ、３・・・・・・チェックボール、４・・
・・・・第１リテーナ、５・・・・・・チェックボール
スプリング、６・・・・・・第２リテーナ、γ・・・・
・・リターンスプリング、８・・・・・・ラッシュアジ
ャスタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フィンガーアーム式オーバーへラドカム用ノゼロラ
   ッシュアジャスタにおいて ラッシュアジャスタ本体に
   内挿されているプランジャのシートとチェックボールと
   の間に設けられてカムベース円振れおよびカムシャフト
   の撓みを吸収する微少な隙間を備え、かつ、低温始動で
   のラッシュアジャスタに起因する打音発生を防止するよ
   うに、端部を前記プランジャに当接して該チェックボー
   ルとシート間に前記隙間を保持せしめる第１リテーナと
   、前記プランジャに圧入されて該第１リテーナの外側に
   設けられたチェックボールスプリングの反力を受ける第
   ２リテーナと、前記ラッシュアジャスタ本体とプランジ
   ャの間に組付けられて該プランジャを常に押圧している
   リターンスプリングとを備えていることを特徴とするエ
   ンジン動弁系のゼロラッシュアジャスタ。