JPS591659Y2 - 回転式カミソリの巻き軸装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スプリングモータにより駆動される回転式カ
ミソリに関し、カミソリの使用が便利にできるように巻
き軸装置を改良したものである。

保持体に密に巻きつけた板バネコイルを巻上げドラムに
よってＳ字方向に巻きとり、その巻戻し作用によって回
転力を得るようにしたスプリングモータが回転式カミソ
リの動力源として用いられているが、このスプリングモ
ータの巻き軸は、摘み部分がカミソリの握持部分に突出
しているため、手に当ってカミソリの使用を不便にする
し、また、スプリングモータの巻戻し動作時に、摘みを
非回転状態に保持する逆転防止機構を巻上げドラム側に
設ける必要があり、組立て作業を煩わしくする等の問題
がある。

本考案は上記の問題を解決したものであって、その目的
とするところは、板バネコイルを巻上げドラム側に巻き
とる巻き軸にクランクを起倒自在に取付け、このクラン
クの起倒動作に関係付けて巻き軸を回転機構側と連動自
在となし、回転刃側に回転が伝達されるカミソリの使用
時には、クランクの回転を停止させると共に該クランク
ケース体側に設けた収容部に収容し違和感を生ずること
なくひげ剃りができる回転式カミソリを提供することに
あり、また他の目的とするところは、作動が確実であり
構成が簡単である斬新な巻き軸装置を提供することにあ
る。

以下に本考案の実施例を添付図面を参照しながら説明す
ると、ケース体１は通常の電動式カミソリとほぼ同様な
形状に作られており、両手ケース体を結合して構成され
ている。

ケース体１内には、機枠２を用いて板バネコイル３を密
に巻きつけた保持体４と該板バネコイル３をＳ字方向に
巻きとるための巻上げドラム５とによって構成したスプ
リングモータが収設されており、巻上げドラム５の回転
軸６は連動歯車機構７によって回転刃駆動用の回転軸８
と連動自在であって、回転刃は図示省略しであるが、公
知のこの種のカミソリと同様に回転軸８上に着脱自在に
嵌着されている。

連動歯車機構７中の連動軸７ａは機枠２にあけた円弧状
の長孔９に遊架され、板バネコイル３を巻上げドラム５
に巻きとる蓄勢時には連動軸７ａに固定した歯車７ｂが
回転軸８側と常時連動している歯車７Ｃから外れ、逆に
板バネコイル３が保持体４側に巻戻されるときは上記歯
車７ｂと７０は噛合い、巻上げドラム５の回転を回転軸
８に伝達する仕組は従来のそれと同様である。

次に、機枠２には軸方向に対してコイルバネ１１の付勢
下に置かれた巻き軸１２が摺動自在に横架されており、
この巻き軸１２に固定した巻上げ歯車１３は巻上げドラ
ム５側に結合させた伝導歯車１４と噛み外し自在である
。

機枠２から突出した上記巻き軸１２の一端にはクランク
１５の根元部１６が枢支され、この根元部１６は縁辺の
一部を円弧状のカム部１７に形成し、クランク１５を機
枠２に対して起倒させると、カム部１７は機枠２と離接
し、その当接時にはコイルバネ１１に抗して巻き軸１２
をクランク１５側に引き寄せ、第５図に示すように巻上
げ歯車１３と伝導歯車１４との噛合いを外す。

一方、カム部１７が機枠２から離間している状態では、
第３図に示すように上記両歯車１３と１４は噛合い、ク
ランク１５の回転操作により板バネコイル３を巻上げド
ラム５に巻きとることができる。

なお、巻き軸１２上にはビス等の固定子１８を用いて固
定環１９を固定し、この固定環１９にクランク１５の根
元部１６を根止してあす、２１は枢止軸である。

また、根元部１６は二股状部に形成され、この二股状部
の縁辺の一部が前述したカム部１７に形成されている。

ケース体１の片面部上には前述したクランク１５を受入
れる収容部２２を設けてあり、この収容部２２はクラン
ク１５の根元部１６を収容する凹んだ穴部２２ ａと、
この穴部２２ ａからケース体１の底面部１ａに至る溝
部２２ ｂとによって形成されており、クランク１５を
ケース体１の底面部１ａ側に向けて倒したときに、クラ
ンク１５を収容部２２内に収容しく第１図仮想線の状態
）、ひげ剃り時にクランク１５が邪魔にならない工夫を
講じである。

以上の構成によれば、第１図に示すように収容部２２よ
りクランク１５を引出して回転操作を行なうと、板バネ
コイル３は巻上げドラム５側に巻きとられ、第４図に示
すように蓄勢される。

そして、板バネコイル３が原形に戻ろうとする復元力が
動力源となり、保持体４側に巻戻されるときに回転力を
歯車連動機構７に与え、回転軸８を回転させて回転刃を
高速回転させることができる。

また、クランク１５を収容部２２から引出し回転操作を
行なうときに、クランク１５の根元部１６の一部が固定
子１８に当り、クランク１５が必要以上回動することを
阻止し、クランク１５を安定させて回転操作することが
できる。

即ち、固定子１８はストッパーの機能を発揮する。

なお、機枠２上には制動板２３が軸２４により根止され
ており、この制動板２３の若干湾曲した先端２３ ａは
連動歯車機構７中の一つの連動軸７ｄと当接自在とされ
、連動歯車機構７の作動を停止できるように機能付けら
れている。

制動板２３に固定した操作用摘み２５はケース体１にあ
たり長孔２６より外出している。

２７は板バネコイル３を巻上げドラム５上に固定するビ
スである。

本考案は上記の如くであって、クランク操作によりスプ
リングモータの蓄勢を容易確実に行なうことができるし
、非操作時にクランクをケース体の収容部に収容できる
ようにしたのでケース体を握持し易く、また、ケース体
外に突出する不体裁は解消されて便利よく使用できる等
、そして実用的価値は極めて多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は斜視図、
第２図はケース体及び回転刃を取除いた正面図、第３図
は同上側面図、第４図は同上一部を省略した巻きとり完
了時の側面図、第５図は同上巻き軸解放時の側面図であ
る。 図中、１はケース体、１ａは底面部、２は機枠、３は板
バネコイル、４は保持体、５は巻上げドラム、７は連動
歯車機構、８は回転刃の回転軸、１１はコイルバネ、１
２は巻き軸、１３は巻上げ歯車、１４は伝導歯車、１５
はクランク、１６は根元部、１７はカム部、１８は固定
子、１９は固定環、２２は収容部、２２ ａは穴部、２
２ ｂは溝部である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）回転刃の回転軸が保持体に密に巻きつけた板バネ
   コイルと該板バネコイルをＳ字方向に巻きとるための巻
   上げドラムとによって構成したスプリングモータにより
   駆動され、上記回転軸と巻上げドラムとは連動歯車機構
   を介して連動と遮断が自動的にできるように結合し、こ
   れらの作動機構を取付けた機枠をケース体に収設すると
   共に、巻上げドラムの巻き軸を機枠に回転自在に横架し
   た回転式カミソリの巻き軸装置において、巻き軸を軸方
   向に対しバネ作用下に置いて機枠に摺動自在に取付ける
   と共に、巻き軸には巻上げドラム側に結合した伝導歯車
   と歯み外し自在である巻上げ歯車を固定し、機枠外に突
   出した上記巻き軸の一端にクランクの根元部を根止する
   と共に、この根元部にはクランクの起倒動作によって機
   枠に当接自在である円弧状のカム部を設け、かつ、ケー
   ス体上には上記クランクを収容する収容部を設けて成る
   ことを特徴とする回転式カミソリの巻き軸装置。
2. （２）収容部はクランクの根元部に対する凹んだ穴部と
   該穴部からケース体の底面部に至る溝部とによって形威
   し、かつ、クランクの根元部は固定子によって巻き軸に
   固定した固定環上に根止して成ることを特徴とする前記
   実用新案登録請求の範囲第（１）項記載の回転式カミソ
   リの巻き軸装置。