JPS6243596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、駆動車軸に直接巻装したコイルばね
の他端に、ばね保持体を介した過巻防止機構を設
けた玩具用駆動装置に関する。

従来、コイルばねを動力源とする玩具用駆動装
置においては、動力蓄勢時におけるコイルばねの
巻き過ぎを防止するため、コイルばねの外端に係
止爪を形成し、この係止爪を、コイルばねを受け
るドラム等に形成した係止溝と係止させて過巻防
止機構を構成し、コイルばねが所定量巻上げられ
たときには、それ以上の巻上げがあると係止爪を
係止溝から外しコイルばねを空転させていた。し
かし、この従来のものにおいては、通常、合成樹
脂からなるドラムと金属からなるコイルばねが直
接圧接するため、ドラムの係止溝等各部の摩耗が
早いと共に、過巻時における係脱作動もあまり円
滑でないなどといつた欠点があつた。

本考案は上記の欠点に鑑みてなされたもので、
駆動車軸に直接巻装したコイルの他端に、ドラム
と同材質からなるばね保持体を装着し、、このば
ね保持体にドラムの係止溝と係止する丸爪を設け
ることにより、過巻時の円滑な係脱作動を可能な
らしめると共にドラム等の摩耗をなくした玩具用
駆動装置の提供を目的とする。

以下、本考案玩具用駆動装置の一実施例を第１
図乃至第３図にもとづいて説明する。

第１図は駆動装置の分解斜視図、第２図は駆動
装置の要部横断面図、第３図は過巻防止機構の説
明図を示す。

図面において、１は中空状のハウジングであ
り、開口部に係合突起２ａを突設したケース２
と、側面に該係合突起２ａと係合する溝３ａを設
け、係脱自在にケース２と合体するドラム３とに
よつて形成されている。これらケース２とドラム
３は合成樹脂によつて成形されている。４は両端
に車輪５を嵌着した駆動車軸で、ケース２とドラ
ム３の中央部を貫通し、ケース本体１に回転自在
に軸受されている。６は内周に歯部を刻設した内
歯形のラチエツトホイールで、ケース２の内部に
おいて車軸４と固着しており、車輪５とともに一
体的回転を行なう。７はラチエツトホイール６と
噛合して伝達機構を構成するラチエツトで、駆動
車軸４に回転自在に軸装されている。

８は合成樹脂からなるばね保持体で、その基部
から一対の円弧状部材８ａを円周方向に巻回する
ようにして弾性的に設け、この先端に丸爪８ｂを
それぞれ設けてある。このばね保持体８の丸爪８
ｂは、ドラム３の内壁に等間隔に形成した複数の
係止溝３ｂと係止する。後述するように、このば
ね保持体の円弧状部材８ａとその先端の丸爪８
ｂ、及びドラム３の係止溝３ｂによつてコイルば
ねの過巻防止機構を構成している。９は円筒形を
したコイルばねで、一端をラチエツト７の基部に
装着すると共に、他端をばね保持体８の基部に装
着した状態で、駆動車軸４に直接巻装してある。
さらに、コイルばね９は、その弾発力によつてラ
チエツト７とばね保持体８を、それぞれラチエツ
トホイール６とドラム３の内部に圧装してそれら
の噛合，係止を確実ならしめている。

このような構成からなる実施例の玩具用駆動装
置においては、走行玩具を把持して、後部車輪５
を押圧しつつ後引きすると、車輪５の回転は駆動
車軸４を介してラチエツトホイール６に伝達され
る。これによりラチエツトホイール６は、その歯
部に噛合するラチエツト７を介してコイルばね９
を巻上げる。この巻上げが十分行なわれた状態
で、さらに車輪５が後引きされコイルばね９が巻
上げれらると、コイルばね９の他端に設けたばね
保持体８の爪８ｂがドラム３の係止溝３ｂから外
れて空転する。したがつて、所定量以上のコイル
ばねの巻上げを防止することができる。

以上の如く本考案によれば、コイルばねの他端
に設けたばね保持体と、ドラムの係止溝によつて
コイルばねの過巻防止機構を構成しているので、
ばね保持体とドラムを同材質のものとすることが
でき、過巻時における丸爪の係脱作動をきわめて
円滑に行なうと共に、丸爪の圧接による摩耗を少
なくし長期間にわたつて確実に巻過ぎを防止する
ことができる。また、係脱作動時に生ずる作動音
も小さくすることができる等種々の優れた効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案玩具用駆動装置の分解斜視図、
第２図は玩具用駆動装置の要部横断面図、第３図
は過巻防止機構の説明図である。 １……ハウジング、２……ケース、３……ドラ
ム、３ｂ……係止溝、４……駆動車軸、６……ラ
チエツトホイール、７……ラチエツト、８……ば
ね保持体、８ｂ……丸爪、９……コイルばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コイルばねを動力源とした下記要件からなるこ
   とを特徴とした玩具用駆動装置。 (イ) ケースとドラムによつて駆動装置のハウジン
   グを形成し、このハウジングで駆動車軸を軸受
   すること。 (ロ) 駆動車軸に固設されたラチエツトホイールと
   噛合するラチエツトを上記駆動車軸に回転自在
   に軸装すること。 (ハ) 上記ドラムに係止溝を形成すると共に、この
   係止溝に係止する丸爪を備えたばね保持体を駆
   動車軸に回転自在に軸装すること。 (ニ) 上記コイルばねを駆動車軸に直接巻装すると
   共に、コイルばねの一端をラチエツトに装着
   し、他端をばね保持体に装着すること。