JP3049270B2 - 車両用収納体装置 - Google Patents

車両用収納体装置

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JP3049270B2
JP3049270B2 JP7244819A JP24481995A JP3049270B2 JP 3049270 B2 JP3049270 B2 JP 3049270B2 JP 7244819 A JP7244819 A JP 7244819A JP 24481995 A JP24481995 A JP 24481995A JP 3049270 B2 JP3049270 B2 JP 3049270B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、灰皿等の収納ケー
スを自動的に車室内に突出させることが可能な車両用収
納体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車体側に固定されるリテーナに、収納ケ
ースを移動可能に支持させ、収納ケースをスプリングに
よって車室内側に突出させる車両用収納体装置は、例え
ば特公平4−59176号公報、実公平6−22605
号公報に開示されている。
【0003】図18および図19は、従来の車両用収納
体装置の一例を示している。図18に示すように、収納
ケース1には、シャフト2が回動自在に保持されてお
り、シャフト2の両端部には、リテーナ3側に形成され
たラック(図示略)と噛合うギヤ4がそれぞれ取付けら
れている。シャフト2の中央部分には、ガイド5が取付
けられている。ガイド5の外周には、駆動スプリング6
が設けられている。駆動スプリング6は、一端がガイド
5に固定されており、他端が収納ケース1に固定されて
いる。ガイド5の端部には、外方に突出する突起5aが
形成されている。収納ケース1には、突起5aと係合可
能な板状のストッパスプリング7が取付けられている。
図18の車両用収納体装置においては、収納ケース1を
押し込む際の操作フィーリング向上のため、図19に示
すように、駆動スプリング6は開放状態から矢印X方向
に2〜3回転巻かれた状態で組付けられる。この状態で
は、駆動スプリング6のトルクTは、突起5aとストッ
パスプリング7との係合によってキープされている。
【0004】図20および図21は、従来の車両用収納
体装置の別の例を示している。図20に示すように、リ
テーナ10側には、ギヤケース11が設けられている。
ギヤケース11内には、駆動ギヤ12が回動可能に収納
されている。ギヤケース11の外周部の一部は切除され
ており、切除部分から駆動ギヤ12の一部が露出してい
る。切除部分から露出している駆動ギヤ12の外周部
は、収納ケース13に形成されたラック14と噛合って
いる。駆動ギヤ12の内側には、駆動スプリング15が
設けられている。駆動スプリング15は、一端が駆動ギ
ヤ12に固定されており、他端がギヤケース11に固定
されている。図20の車両用収納体装置においては、図
18と同様に、収納ケース13を押し込む際の操作フィ
ーリング向上のため、駆動スプリング15は開放状態か
ら1〜2回転巻かれた状態で組付けられ、駆動スプリン
グ15のトルクは、ギヤケース11に形成されたストッ
パ16と駆動ギヤ12に形成されたストッパ17との係
合によりキープされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図18の車両
用収納体装置では、組付けの際には、駆動スプリング6
の初期トルクを保持するために、ストッパスプリング7
を組付けるまでの間は、治具や作業者の手等により、駆
動スプリング6を弾性変形させた状態に押えておく必要
がある。したがって、作業者による組付作業が繁雑にな
り、作業能率が悪くなるという問題があった。図20の
車両収納体装置では、ストッパ16、17の係合量Kだ
け駆動ギヤ12が上下に動くため、駆動ギヤ12の係合
が外れないように、駆動ギヤ12を作業者の手等で押え
ていなければならない。また、ストッパ16、17が係
合した状態でも、僅かな衝撃によりストッパ16、17
の係合が外れることがあるため、駆動ギヤ12の組付け
後は、手で駆動ギヤ12を押えるかわりにクリップや粘
着テープ等で仮止めしなければならない。したがって、
この場合も組付け作業が繁雑となり、作業能率が著しく
低下する。
【0006】本発明の目的は、別部品を用いることなく
組付け時における駆動スプリングの巻き戻りを防止する
ことが可能な車両用収納体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る車両用収納体装置は、次の通りである。 (1) リテーナに移動可能に保持される収納ケース
と、前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一方に設
けられ、収納ケースをリテーナから突出させるための駆
動スプリングと、前記駆動スプリングと連結され、該駆
動スプリングが設けられない前記リテーナ側と収納ケー
ス側のいずれか一方に形成されたラックと噛合う駆動ギ
ヤと、前記駆動ギヤに一体成形されるストッパと、前記
駆動ギヤと対向する部材に一体成形され、前記駆動スプ
リングの巻き上げ方向には前記ストッパとの接触により
外方に弾性変形して駆動ギヤの回転を許し、前記駆動ス
プリングの巻き戻し方向には前記ストッパと係合し駆動
ギヤの回転を阻止する弾性片と、を備えたことを特徴と
する車両用収納体装置。 (2) リテーナに移動可能に保持される収納ケース
と、前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一方に回
動可能に支持されるシャフトと、前記シャフトに取付け
られ、該シャフトが設けられない前記リテーナ側と収納
ケース側のいずれか一方に形成されたラックと噛合う駆
動ギヤと、前記シャフトに取付けられ、該シャフトの軸
方向にのみ移動可能なガイドと、前記ガイドに連結さ
れ、該ガイドを軸心まわりに付勢するとともにシャフト
の軸方向に付勢する駆動スプリングと、前記ガイドに一
体成形される第1のストッパと、前記ガイドと対向する
部材に一体成形され、前記駆動スプリングの巻き上げ方
向には前記駆動スプリングの前記シャフト軸方向撓みに
より前記ガイドが前記シャフト軸方向に移動するため
1のストッパと係合せず、駆動スプリングの巻き戻し方
向には第1のストッパと係合し前記ガイドの軸心まわり
の動きを阻止する第2のストッパと、を備えたことを特
徴とする車両用収納体装置。
【0008】上記(1)の車両用収納体装置では、駆動
ギヤにストッパが一体成形され、駆動ギヤと対向する部
材に弾性片が一体成形される。弾性片は、駆動スプリン
グの巻き上げ方向にはストッパとの接触により外方に
性変形するので、駆動ギヤの連続的な回転が可能とな
り、駆動スプリングを所定量だけ巻き上げることができ
る。弾性片は、駆動スプリングの巻き戻し方向にはスト
ッパと係合し駆動ギヤの回転を阻止するので、駆動スプ
リングを所定量巻き上げた状態に維持することができ、
駆動スプリングによる初期トルクを得ることができる。
したがって、組付け時における駆動スプリングの巻き戻
りを防止することができ、組付け作業能率を高めること
が可能となる。また、 ストッパは駆動ギヤに一体成形
され、弾性片は駆動ギヤと対向する部材に一体成形され
るので、別部品を用いる必要もない。上記(2)の車両
用収納体装置では、ガイドが駆動スプリングによりシャ
フトの軸方向に付勢されているので、ガイドに一体成形
された第1のストッパは、収納ケースに一体成形された
第2のストッパ側に押し付けられる。第2のストッパ
は、駆動スプリングの巻き上げ方向には前記駆動スプリ
ングの前記シャフト軸方向撓みにより前記ガイドが前記
シャフト軸方向に移動するため第1のストッパと係合し
ないので、駆動スプリングが連結されるガイドを連続的
に回転させることが可能となり、駆動スプリングを所定
量だけ巻き上げることが可能となる。第2のストッパ
は、駆動スプリングの巻き戻し方向には第1のストッパ
と係合しガイドの軸心まわりの動きを阻止するので、駆
動スプリングを所定量巻き上げた状態に維持することが
でき、駆動スプリングによる初期トルクを得ることがで
きる。したがって、組付け時における駆動スプリングの
巻き戻りを防止することができ、組付け作業能率を高め
ることが可能となる。また、第1のストッパはガイドに
一体成形され、第2のストッパは例えばガイドと対向す
る部材と一体成形されるので、別部品を用いる必要もな
い。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明の第1
実施例を示している。図1および図3において、31は
車体側に固定されるリテーナを示している。リテーナ3
1には、灰皿等として用いられる収納ケース32が出し
入れ可能に保持されている。収納ケース32は、合成樹
脂から構成されている。収納ケース32の両側壁には、
凹状の軸受部33、34がそれぞれ形成されている。一
方の軸受部33と他方の軸受部34との間には、金属製
のシャフト35が配置されている。シャフト35は、断
面形状が6角形となっている。シャフト35の両端部に
は、合成樹脂からなる駆動ギヤ36、37がそれぞれ取
付けられている。駆動ギヤ36、37の側面の回転中心
部には、外方に突出する軸部36a、37aが形成され
ている。軸部36aは軸受部33に回動可能に挿入され
ており、軸部37aは軸受部34に回動可能に挿入され
ている。各駆動ギヤ36、37は、リテーナ31に形成
されたラック39、40と噛合わされている。
【0010】シャフト35の外周面には、合成樹脂から
なるガイド42が固定されている。ガイド42は、駆動
ギヤ37と一体成形されている。ガイド42の外周に
は、駆動スプリング44が設けられている。駆動スプリ
ング44は、トーションコイルスプリングから構成され
ている。駆動スプリング44の一端部44aは、駆動ギ
ヤ37に形成された切欠部45に嵌め込まれている。こ
れにより、駆動スプリング44の一端部は、駆動ギヤ3
7と連結されている。駆動スプリング44の他端部44
bは、リテーナ31に形成された係合穴46に引っかけ
られている。これにより、駆動スプリング44の他端部
は、リテーナ31に連結されている。ガイド42は、駆
動スプリング44を所定の形状に保つ機能を有する。
【0011】駆動ギヤ37には、収納ケース32の軸受
部34側の側壁に向って突出する合成樹脂からなるスト
ッパ50が形成されている。ストッパ50は、駆動ギヤ
37と一体成形されている。ストッパ50は、図2に示
すように、断面形状が台形となっている。ストッパ50
は、収納ケース32の側壁に対して垂直となる係合面5
1と、収納ケース32の側壁に対して傾斜する傾斜面5
2とを有している。収納ケース32には、ストッパ50
と対向可能な位置に配置される弾性片55が形成されて
いる。弾性片55は、合成樹脂からなり、収納ケース3
2と一体成形されている。
【0012】弾性片55は、図2に示すように、先端部
の断面形状が台形となっている。弾性片55は、収納ケ
ース32の側壁に対して垂直となる係合面56と、収納
ケース32の側壁に対して傾斜する傾斜面57とを有し
ている。弾性片55は、駆動スプリング44の巻き上げ
方向にはストッパ50の傾斜面52との接触により外方
に弾性変形して駆動ギヤ37の回転を許容する機能を有
している。また、弾性片55は、駆動スプリング44の
巻き戻し方向にはストッパ50の係合面51と係合し駆
動ギヤ37の回転を阻止する機能を有している。
【0013】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。シャフト35には、ガイド42の外周に駆動
スプリング44を配置した状態で、駆動ギヤ37と駆動
ギヤ36とが取付けられる。駆動ギヤ36、37には軸
部36a、37aが形成されているので、例えば一方の
軸部37aを軸受部34に挿入させた状態で他方の軸部
36aを軸受部33に挿入させる場合は、軸部36aと
収納ケース32の側壁との接触により収納ケース32の
側壁が外方に弾性変形する。この状態で軸部36aを軸
受部33に挿入すると、収納ケース32の側壁は再び元
の形状に復帰し、各駆動ギヤ36、37は、収納ケース
32に回動可能に支持される。つぎに、駆動スプリング
44の一方を駆動ギヤ37の切欠部45に挿入し、駆動
スプリング44の他端部をリテーナ31の係合穴46に
引っかける。この状態では、駆動スプリング44にはト
ルクは生じていない。
【0014】駆動スプリング44の一端部が駆動ギヤ3
7に連結され、他端部がリテーナ31に連結された状態
では、駆動ギヤ37が駆動スプリング44を巻き上げる
方向に回転させられる。この状態では、図4に示すよう
にストッパ50と弾性片55が接触することになるが、
傾斜面52と傾斜面57とが接触するので、弾性片55
は図5に示すように外方に弾性変形する。そのため、駆
動ギヤ37の連続的な回転が可能となり、駆動スプリン
グ44を所定の量だけ巻き上げることができる。弾性片
55は、駆動スプリング44の巻き戻し方向には係合面
56がストッパ50の係合面51と係合するので、駆動
スプリング44の巻き上げ完了後は、駆動ギヤ37の回
転が阻止される。したがって、駆動スプリング44は所
定量巻き上げられた状態に維持され、駆動スプリング4
4による初期トルクを得ることができる。これにより、
車両用収納体装置の組付け時には、従来装置のように作
業者によって駆動スプリング44を押える必要もなくな
り、組付け作業能率を高めることが可能となる。
【0015】また、ストッパ50は駆動ギヤ37と一体
成形され、弾性片55は収納ケース32と一体成形され
るので、別部品を用いることなく組付け時における駆動
スプリング44の巻き戻りを防止することが可能とな
り、車両収納体装置のコスト低減が可能となる。
【0016】本実施例では駆動スプリング44に初期ト
ルクを与えた状態で、駆動ギヤ36、37がリテーナ3
1側のラック39、40と噛合わされる。この状態で
は、収納ケース32はリテーナ31から所定量だけ突出
した位置にあり、収納ケース32をリテーナ31側に押
し込むことにより、駆動ギヤ36、37が回転し、駆動
スプリング44はさらに巻き上げられる。これにより、
組付け作業は完了する。収納ケース32がリテーナ31
に完全に押し込まれた状態では、収納ケース32の押圧
を中止しても、収納ケース32は図示しないロック機構
によりその位置に静止したままとなる。この状態で、再
度収納ケース32を押圧することによりロックが解除さ
れ、駆動スプリング44により収納ケース32を車室内
に突出させることができる。収納ケース32のリテーナ
31に対しての移動量は、駆動ギヤ36、37の1回転
以内に規制されており、収納ケース32をリテーナ31
に対して出し入れする際にはストッパ50が弾性片55
に接触することはない。なお、本実施例おける組付け後
の上記使用態様は、後述する他の実施例にも適用され
る。
【0017】図7および図8は、本発明の第2実施例を
示している。図7において、71は車体側に固定される
リテーナを示している。リテーナ71には、灰皿等とし
て用いられる収納ケース72が出し入れ可能に保持され
ている。リテーナ71には、有底容器状の合成樹脂から
なるギヤケース74が取付けられている。ギヤケース7
4は、外周部の一部が切除されている。ギヤケース74
の底壁75の中央部には、上方に延びる軸部76が形成
されている。軸部76の頂部には、スナップフィット部
77が形成されている。スナップフィット部77は、軸
部76の外周面から半径方向外方に突出する複数の係合
爪77aを有している。
【0018】ギヤケース74には、合成樹脂からなる駆
動ギヤ78が収納されている。駆動ギヤ78は、ギヤケ
ース74の軸部76に回動可能に支持されている。駆動
ギヤ78は、スナップフィット部77との係合によりギ
ヤケース74から抜け出るのが防止されている。駆動ギ
ヤ78の外周部には、歯部76aが形成されている。ギ
ヤケース74の切除部分からは、駆動ギヤ78の外周部
の一部が露出している。ギヤケース74から露出してい
る駆動ギヤ76の歯部76aは、収納ケース72に形成
されたラック79と噛合わされている。駆動ギヤ78の
内側には、駆動スプリング80が配置されている。駆動
スプリング80はぜんまい(うず巻きばね)から構成さ
れている。駆動スプリング80は、一端部がギヤケース
74に連結されており、他端部が駆動ギヤ78に連結さ
れている。
【0019】駆動ギヤ78の外周部の下端側には、ギヤ
ケース74の底壁に向って突出する合成樹脂からなるス
トッパ82が形成されている。ストッパ82は、駆動ギ
ヤ78と一体成形されている。ストッパ82は、図8に
示すように、断面形状が台形となっている。ストッパ8
2は、ギヤケース74の底壁に対して垂直となる係合面
83と、ギヤケース74の底壁に対して傾斜する傾斜面
84とを有している。駆動ギヤ78と対向するギヤケー
ス74の底壁75には、弾性片85が形成されている。
弾性片85は、合成樹脂からなりギヤケース74と一体
成形されている。
【0020】弾性片85は、図8に示すように、先端部
の断面形状が台形となっている。弾性片85は、ギヤケ
ース74の底壁75に対して垂直となる係合面86と、
ギヤケース74の側面に対して傾斜する傾斜面87とを
有している。弾性片85は、駆動スプリング80の巻き
上げ方向にはストッパ82の傾斜面84との接触により
弾性変形して駆動ギヤ78の回転を許容する機能を有し
ている。また、弾性片85は、駆動スプリング80の巻
き戻し方向にはストッパ82の係合面83と係合し駆動
ギヤ78の回転を阻止する機能を有している。
【0021】つぎに、第2実施例における作用について
説明する。駆動ギヤ78をギヤケース74に組付ける際
には、駆動ギヤ78の穴78bをギヤケース74の軸部
76に位置決めし、この状態で駆動ギヤ78をギヤケー
ス74の底面に向けて押圧する。これにより、軸部76
の頂部に設けられたスナップフィット部77の係合爪7
7aが穴78bの内壁面との接触により内側に弾性変形
する。駆動ギヤ78の押し込み量が増加し、穴78aが
スナップフィット部77を完全に通過すると、各係合爪
77aは自己弾性により元の形状に戻り、駆動ギヤ78
は軸方向に各係合爪77aと係合可能な状態となる。つ
ぎに、駆動スプリング80は一端部が駆動ギヤ78に連
結され、他端部がギヤケース74に連結される。この状
態では、駆動スプリング80にはトルクは生じていな
い。
【0022】駆動スプリング80の端部が駆動ギヤ78
とギヤケース74にそれぞれ連結されると、駆動ギヤ7
8は駆動スプリング80が巻き上げられる方向に回転さ
せられる。この状態では、図8に示すようにストッパ8
2と弾性片85が接触することになるが、傾斜面84と
傾斜面87とが接触するので、弾性片85は図8の2点
鎖線で示す如く、外方に弾性変形する。そのため、駆動
ギヤ78の連続的な回転が可能となり、駆動スプリング
80を所定の量だけ巻き上げることができる。弾性片8
5は、駆動スプリング80の巻き戻し方向には係合面8
6がストッパ82の係合面83と係合するので、駆動ス
プリング80の巻き上げ完了後は、駆動ギヤ78の回転
が阻止される。したがって、駆動スプリング80は所定
量巻き上げられた状態に維持され、駆動スプリング80
による初期トルクを得ることができる。
【0023】駆動ギヤ78が支持されるギヤケース74
の軸部76の頂部には、スナップフィット部77が形成
されているので、駆動ギヤ78が軸方向に僅かに移動し
た際にはスナップフィット部77の各係合爪77aと係
合することになり、駆動ギヤ78の位置ずれが防止され
る。そのため、組付け時の衝撃等によりストッパ82と
弾性片85との係合が外れることはなくなる。したがっ
て、組付け時に駆動ギヤ78を粘着テープ等により押え
る必要もなく、組付け作業能率を高めることが可能とな
る。
【0024】図9ないし図17は、本発明の第3実施例
を示している。図9、11において、91は車体側に固
定されるリテーナを示している。リテーナ91には、灰
皿等として用いられる収納ケース92が出し入れ可能に
保持されている。収納ケース92は、合成樹脂から構成
されている。収納ケース92には、軸受穴93、94が
形成されている。各軸受穴93、94には、一本の金属
製のシャフト95が挿通されている。シャフト95の両
端部には、合成樹脂からなる駆動ギヤ96が圧入により
それぞれ取付けられている。一方の駆動ギヤ96のボス
は、軸受穴93に回動可能に支持されており、他方の駆
動ギヤ96のボスは、軸受穴94に回動可能に支持され
ている。各駆動ギヤ96は、リテーナ91側に形成され
たラック98と噛合わされている。
【0025】シャフト95の各駆動ギヤ96の間には、
合成樹脂からなる筒状のガイド100が挿入されてい
る。ガイド100は、シャフト95の軸方向にのみ移動
可能となっており、シャフト95に対して軸心まわりに
は移動不可能となっている。ガイド100の外周には、
駆動スプリング102が設けられている。駆動スプリン
グ102は、トーションコイルスプリングから構成され
ている。駆動スプリング102の一端部102aは、ガ
イド100に形成され切欠部101に嵌め込まれてい
る。これにより、駆動スプリング102の一端部は、ガ
イド100と連結されている。駆動スプリング102の
他端部102bは、収納ケース92に形成された係合穴
97に引っかけられている。これにより、駆動スプリン
グ102の他端部は、収納ケース92に連結されてい
る。ガイド100は、駆動スプリング102を所定の形
状に保つ機能を有する。
【0026】ガイド100には、収納ケース92の軸受
穴94側の側壁に向って突出する合成樹脂からなる第1
のストッパ104が形成されている。第1のストッパ1
04は、ガイド100と一体成形されている。第1のス
トッパ104は、図10に示すように、断面形状が台形
となっている。第1のストッパ104は、収納ケース9
2の側壁に対して垂直となる係合面105と、収納ケー
ス92の側壁に対して傾斜する傾斜面106とを有して
いる。収納ケース92には、第1のストッパ104と対
向可能な位置に配置される第2のストッパ108が形成
されている。第2のストッパ108は、合成樹脂からな
り収納ケース92と一体成形されている。
【0027】第2のストッパ108は、図10に示すよ
うに、断面形状が台形となっている。第2のストッパ1
08は、収納ケース92の側壁に対して垂直となる係合
面109と、収納ケース92側壁に対して傾斜する傾斜
面110とを有している。第2のストッパ108は、駆
動スプリング102の巻き上げ方向には第1のストッパ
104と係合せず、駆動スプリング102の巻き戻し方
向には第1のストッパ104と係合しガイド100の軸
心まわりの動きを阻止する機能を有している。
【0028】つぎに、第3実施例における作用について
説明する。各駆動ギヤ96が収納ケース92に回動自在
に支持され、駆動スプリング102の端部がガイド10
0と収納ケース92にそれぞれ連結された状態では、駆
動スプリング102にはトルクは生じていない。この状
態では、図12の矢印に示すように、ガイド100の一
端が駆動スプリング102により一方の駆動ギヤ96の
ボスの端面に押圧されている。つぎに、駆動ギヤ96を
駆動スプリング102が巻き上げられる方向に回転させ
ると、図13に示すように、第1のストッパ104と第
2のストッパ108とが接触することになるが、傾斜面
106と傾斜面110とが接触するので、第1のストッ
パ104は図15に示す如く第2のストッパ108を乗
り越えることになる。
【0029】第1のストッパ104が第2のストッパ1
08を乗り越える際には、図14の矢印に示すように、
ガイド100はシャフト95の軸方向に移動し、これに
伴って駆動スプリング102はシャフト95の軸方向に
弾性変形する。さらに、駆動ギヤ96を駆動スプリング
102の巻き上げ方向に回転させると、第1のストッパ
104は第2のストッパ108を通過し、図16の矢印
に示すように、ガイド100は駆動スプリング102に
より元の位置に押し戻される。したがって、駆動ギヤ9
6を駆動スプリング102の巻き上げ方向に連続して回
転させることができ、駆動スプリング102は所定量巻
き上げられる。
【0030】第2のストッパ108は、図17に示すよ
うに、駆動スプリング102の巻き戻し方向には係合面
109が第1のストッパ104の係合面105と係合す
るので、駆動スプリング102の巻き上げ完了後は、駆
動ギヤ96の回転が阻止される。したがって、駆動スプ
リング102は所定量巻き上げられた状態に維持され、
駆動スプリング102による初期トルクを得ることがで
きる。これにより、組付け時には、作業者等によって駆
動スプリング102を押える必要もなくなり、組付け作
業能率を高めることが可能となる。また、第1のストッ
パ104はガイド100と一体成形され、第2のストッ
パ108は収納ケース92と一体成形されるので、別部
品を用いる必要もない。
【0031】上記各実施例は、収納ケースを例えば灰皿
として用いた場合を説明したが、収納ケースは灰皿に限
定されることはなく、カップホルダや小物入れ等として
用いることも可能である。また、上記実施例では、駆動
ギヤは収納ケース側に設けられリテーナ側に形成された
ラックに噛合うように構成されているが、これに限定さ
れることはなく、リテーナ側に駆動ギヤを設け、駆動ギ
ヤを収納ケース側に形成されたラックに噛合わせる構成
としてもよい。
【0032】
【発明の効果】(1)請求項1の車両用収納体装置によ
れば、ラックと噛合う駆動ギヤに、ストッパを一体成形
し、駆動ギヤと対向する部材に、駆動スプリングの巻き
上げ方向にはストッパとの接触により外方に弾性変形し
て駆動ギヤの回転を許し、駆動スプリングの巻き戻し方
向にはストッパと係合し駆動ギヤの回転を阻止する弾性
片を一体成形したので、組付け時における駆動スプリン
グの巻き戻りを作業者等によって押える必要がなくな
り、車両用収納体装置の組付け作業能率を向上させるこ
とができる。また、ストッパは駆動ギヤに一体成形さ
れ、弾性片は例えば駆動ギヤと対向する収納ケースに一
体成形されるので、別部品を用いる必要がなくなり、車
両用収納体装置のコストを低減することができる。 (2)請求項2の車両用収納体装置によれば、ラックと
噛合う駆動ギヤが取付けられるシャフトに、このシャフ
トの軸方向にのみ移動可能なガイドを設け、駆動スプリ
ングより、ガイドを軸心まわりに付勢するとともにシャ
フトの軸方向に付勢し、ガイドに第1のストッパを一体
成形し、ガイドと対向する部材に、駆動スプリングの巻
き上げ方向には前記駆動スプリングの前記シャフト軸方
向撓みにより前記ガイドが前記シャフト軸方向に移動す
るため第1のストッパと係合せず、駆動スプリングの巻
き戻し方向には第1のストッパと係合しガイドの軸心ま
わりの動きを阻止する第2のストッパを一体成形したの
で、組付け時における駆動スプリングの巻き戻りを作業
者等によって押える必要がなくなり、車両用収納体装置
の組付け作業能率を向上させることができる。また、第
1のストッパはガイドに一体成形され、第2のストッパ
は例えばガイドと対向する収納ケースに一体成形される
ので、別部品を用いる必要がなく、車両用収納体装置の
コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る車両用収納体装置の
要部断面図であって図3のB−B線に沿う断面図であ
る。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1の斜視図である。
【図4】図1の装置におけるストッパと弾性片との接触
直前の状態を示す断面図である。
【図5】図1の装置におけるストッパと弾性片との接触
時の弾性片の弾性変形状態を示す断面図である。
【図6】図1の装置におけるストッパと弾性片の係合状
態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る車両用収納体装置の
要部断面図である。
【図8】図7のC−C線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る車両用収納体装置の
要部断面図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図9の斜視図である。
【図12】図9における第1のストッパと第2のストッ
パとの接触直後の状態を示す断面図である。
【図13】図12のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図14】図9における第1のストッパが第2のストッ
パを乗り越す状態を示す断面図である。
【図15】図14のF−F線に沿う拡大断面図である。
【図16】図9における第1ストッパと第2のストッパ
との係合状態を示す断面図である。
【図17】図16のG−G線に沿う拡大断面図である。
【図18】従来の車両収納体装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図19】図18の部分拡大斜視図である。
【図20】従来の車両収納体装置の別の例を示す斜視図
である。
【図21】図20のH−H線に沿う断面図である。
【符号の説明】
31 リテーナ 32 収納ケース 37 駆動ギヤ 44 駆動スプリング 50 ストッパ 55 弾性片 71 リテーナ 72 収納ケース 78 駆動ギヤ 80 駆動スプリング 82 ストッパ 85 弾性片 91 リテーナ 92 収納ケース 95 シャフト 96 駆動ギヤ 100 ガイド 102 駆動スプリング 104 第1のストッパ 108 第2のストッパ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リテーナに移動可能に保持される収納ケ
    ースと、 前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一方に設けら
    れ、収納ケースをリテーナから突出させるための駆動ス
    プリングと、 前記駆動スプリングと連結され、該駆動スプリングが設
    けられない前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一
    方に形成されたラックと噛合う駆動ギヤと、 前記駆動ギヤに一体成形されるストッパと、 前記駆動ギヤと対向する部材に一体成形され、前記駆動
    スプリングの巻き上げ方向には前記ストッパとの接触に
    より外方に弾性変形して駆動ギヤの回転を許し、前記駆
    動スプリングの巻き戻し方向には前記ストッパと係合し
    駆動ギヤの回転を阻止する弾性片と、 を備えたことを特徴とする車両用収納体装置。
  2. 【請求項2】 リテーナに移動可能に保持される収納ケ
    ースと、 前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一方に回動可
    能に支持されるシャフトと、 前記シャフトに取付けられ、該シャフトが設けられない
    前記リテーナ側と収納ケース側のいずれか一方に形成さ
    れたラックと噛合う駆動ギヤと、 前記シャフトに取付けられ、該シャフトの軸方向にのみ
    移動可能なガイドと、 前記ガイドに連結され、該ガイドを軸心まわりに付勢す
    るとともにシャフトの軸方向に付勢する駆動スプリング
    と、 前記ガイドに一体成形される第1のストッパと、 前記ガイドと対向する部材に一体成形され、前記駆動ス
    プリングの巻き上げ方向には前記駆動スプリングの前記
    シャフト軸方向撓みにより前記ガイドが前記シャフト軸
    方向に移動するため第1のストッパと係合せず、駆動ス
    プリングの巻き戻し方向には第1のストッパと係合し前
    記ガイドの軸心まわりの動きを阻止する第2のストッパ
    と、 を備えたことを特徴とする車両用収納体装置。
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