JPS5916577Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテ゛イスクブレーキ、とりわけフローティング
キャリパ型ディスクブレーキの改良に関する。

この種のディスクブレーキは回転円板を挾んで固定支持
体に封装して配置した一対のパッドを、該固定支持体に
円板厚さ方向に移動可能に支承したキャリパにて作動す
るようにしており、キャリパに内蔵したシリンダ手段に
て一方のパッドを円板−側面に圧接させる一方、その時
に生ずる反力により固定支持体に対してキャリパを移動
させ、この移動により他方のパッドを円板他側面に圧接
させて円板の回転を制動させている。

前記キャリパの固定支持体への支持構造としては固定支
持体に一対のスライドピンを摺動可能に挿入支持させ、
このスライドピンにキャリパを取付ける構成が採られて
いる。

ところで、かかるテ゛イスクブレーキにおいては、前記
一対のパッドはその両端を固定支持体に形成した段部上
に載置して下方への脱落を防止する一方、前記キャリパ
を各パッド上に被冠して上方への脱落を防止しているの
であるが、前述の様にパッドの円板厚さ方向への移動を
許容するためにはキャリパをパッドに密接して被冠する
ことは好ましくない。

このため、キャリパとパッドとの間に隙間が生じること
は回避できず、この隙間がガタとなってパッドを円板半
径方向に遊動させ、キャッパや固定支持体との当接によ
り異音を発生したり更には制動作用に悪影響を及ぼす等
の問題が生じる。

従って従来のこの種ディスクブレーキにあっては、キャ
リパとパッドとの隙間内に板は゛ねを介装し、パッドを
固定支持体側に押圧することにより前記パッドの遊動防
止を図る試みが種々なされているが、これらのものでは
１枚の板ばねにて両パッドを押圧しようとすると構造が
複雑になると共に、両パッドの上面全域に延設すること
になるためパッド摩耗状態確認用の透孔を塞いでしまう
という不具合を有する。

また、この種板ばねはパッドを単に下方に押圧するだけ
であるがら、ブレーキ組立時等にキャリパを固定支持体
がら取外した状態では板ばねの押圧力は作用せぜす、従
ってパッドの固定支持体に対する縦方向の位置規制が行
なわれずパッドが前記段部がら脱落し易くなるという不
具合も有している。

一方、パッド毎に板ばねを用いる試みもなされており、
これによれば前記前者の不具合は幾分解消し得るものの
、２枚の板ばねを夫々介装するための作業はがえって面
倒になると共に前記後者の不具合を解消することは困難
で゛ある。

本考案は上記に鑑みなされたものでその目的とするとこ
ろは、パッドを固定支持体に押圧するパッド保持用のス
プリングとして線材からなる線ばねを用いかつ、この線
ばねを対向する両パッドの端部を包囲してこれに係合す
る保合部と、キャリパ内面に弾接する弾接部とを有する
ように一体形成し、各端部において夫々パッド、キャリ
パ間に介装することにより、前記した種々の不具合を一
挙に解消することができるディスクブレーキを提供する
ものである。

以下、図面に示す実施例により本考案を説明する。

第１図乃至第４図において、Ｄは図外の車輪等と一体の
回転円板であり、１は車体等の固定部に取着した固定支
持体である。

この固定支持体１は前記回転円板りの周側部が走行する
溝２を有し、後述するパッドを介して伝達される制動力
を受けるトルク受部３，３を有している。

またこのトルク受部３，３はその対向内面にパッド支持
用の段部４，４を夫々有する一方、円板厚さ方向に穿設
して一側面に開口したガイド穴５，５を有している。

前記回転円板りの両側に配設した内、外の各パッド６．
７は裏側に一体形成した裏金８，９の各両端部８ａ、
８ａ、９ａ、９ａを夫々前記段部４．４に乗せて支持
される一方、該段部４，４上を摺動して円板厚さ方向に
移動できるようになっている。

キャリパ１０はこれらパッド６．７を跨ぐように配設し
てあり、内蔵した液圧シリンダ１１のピストン１２端面
を前記内側パッド６の裏金８外面に当接する一方、該ピ
ストン１２に対向する反作用部位１３を外側パッド７の
裏金９外面に当接している。

前記キャリパ１０は前記トルク受部３，３に対向するよ
うにその両端に夫々側外方向に突設したキャリパ支持部
１０ ａ、 １０ ａを有し、このキャリパ支持部１０
ａ、１０ａには前記ガイド穴５，５に軸方向に摺動可能
に挿入したスライドピン１４，１４をその頭部１４ａ、
１４ａと、ねじ部１４ｂ、１４ｂに螺合するナラ）−１
５，１５とで挾むように取着してあり、このスライドピ
ン１４．１４のガイド穴５，５内における摺動によりキ
ャリパ１０を移動することができる。

図中、１６．１６はタ゛ストフ゛−ツ、１７はシールリ
ング、１８はシリンダのダストブーツ、１９はキャリパ
に設けた透孔である。

前記各パッド６．７を固定支持体１に押圧するパッド保
持用のスプリング２０．２０は第１，３及び４図に示す
ように線材からなる１本の線ばねを曲げ加工して形成し
である。

これらスプリング２０゜２０はパッド６．７の両端に夫
々設けてあり、一方のスプリング２０にて示すように、
前記パッド６゜７の裏金各端部３ａ、９ａを包囲するよ
うに両パッド６．７間に亘って長方形状に折曲し、その
外側一部が前記裏金８，９の端部に切欠いた切欠き８ｂ
、９ｂに係合する保合部２０ ａと、この保合部２０
ａの両端延長部を略方形に折曲しかつ幾分上方に起立し
てキャリパ１０内面に弾接するようにした弾接部２０
ｂとを有し、これらを一体に形成している。

前記保合部２０ ａの長さｌは前記トルク受部３の長さ
に略等しく、換言すれば段部４の長さは等しく、従って
パッド６．７の両側方向の移動を拘束して段部４からの
パッド６．７の脱落を防止する。

また、弾接部２０ ｂはキャリパ１０内面に弾接したと
きにその反作用による弾力が保合部２０ ａの内側に及
びパッド６．７を段部４に適宜力にて押圧するような形
状、寸法に形成する。

以上の構成のディスクブレーキによると、回転円板の制
御動時にはシリンダ１１に圧液を供給すればピストン１
２はシリンダ１１から突出して内側パッド６を円板−側
面に圧接し、一方この反作用力によりキャリパ１０はス
ライドピン１４．１４を介して反対方向に移動し、その
反作用部１３において外側パッド７を円板他側面に圧接
して回転円板を制動する。

スプリング２０．２０は弾接部２０ｂ、２０ｂをキャリ
パ１０内面に弾接していることにより、その反作用によ
って係合部２０ａ、２０ａが裏金の両端部８ａ、 ８
ａ、９ａ、９ａを段部４，４に押圧しパッド６．７のガ
タを防止する。

スプリング２０．２０は線ばねからなりかつパッドの両
端部において夫々設けられていることから透孔１９を塞
ぐことはなく、しかもその製作は単なる曲げ加工だけで
よいから極めて簡単である。

更に、スプリング２０．２０の組付に際しては、固定支
持体１上にパッド６．７を載置した後、キャリパ１０を
組付ける前に切欠き８ｂ、 ８ｂ、 ９ｂ。

９ｂを通してスプリング２０．２０を裏金８，９に係合
することから、スプリングの組付作業は極めて簡単にな
る一方、係合したスプリング２０．２０により各パッド
６．７の両側方向への移動をキャリパ１０をはずした状
態においても拘束でき、段部４゜４からの脱落を防止す
ることができる。

尚、スプリングは第５図に示すように、係合部２０ａ′
側に線ばねの両端を位置するようなスプリング２０′に
形威してもよく、その作用効果には少しも変りはない。

以上要するに本考案のテ゛イスクブレーキによればパッ
ドのガタを防止するようパッドを固定支持体に押圧する
パッド保持用のスプリングを線ばねから形威し、かつこ
のスプリングを裏金両端を包囲する係合部と、キャリパ
内面に弾接する弾接部とから構成したことにより、スプ
リングの構造を簡単にしてその製作及び組付作業を容易
なものにする一方、パッド摩耗確認用の透孔の有効利用
を図り得ると共に組立途中におけるパッドの意に反する
脱落を防止し得る等実用上天なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のディスクブレーキの一部破断平面図、
第２図は正面図、第３図は一部破断背面図、第４図は第
３図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は他の実施例の要部
破断平面図である。 １・・・・・・固定支持体、４・・・・・・段部、６，
７・・・・・・パッド、８，９・・・・・・裏金、８ａ
、ｇａ・・・・・・両端部、８ｂ、９ｂ・・・・・・切
欠き、１０・・・・・・キャリパ、１１・・・・・・シ
リンダ、１２・・・・・・ピストン、１４・・・・・・
スライドピン、１９・・・・・・透孔、２０・・・・・
・パッド保持用のスプリング、２０ ａ・・・・・・係
合部、２０ ｂ・・・・・・弾接部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）回転円板の両側に配設した一対のパッドを固定支
   持体に形成した段部に封装して支持すると共に、これら
   パッドを前記円板に圧接し得るシリンダ手段を有するキ
   ャリパをスライドピンにて前記固定支持体に取着し、更
   にパッドの両端部において前記パッドとキャリパとの間
   に介装してパッドを前記段部側に押圧するパッド保持ス
   プリングとを備え、このスプリングは前記各パッドの裏
   金端部を包囲した状態にて該端部に係合した保合部と、
   キャリパ内面に弾接しその反作用力により前記保合部に
   前記押圧力を付与する弾接部とからなり、前記係合部と
   前記弾接部とを線材を折曲て形成したことを特徴とする
   ディスクブレーキ。
2. （２）パッドの裏金の両端部外縁には切欠きを設け、ス
   プリング保合部が該切欠きに係合してなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のディスクブレーキ。