JPS5915692Y2 - ドアトリム固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はドアトリムの固定装置に関し、とりわけドアト
リムの上端部の固定装置に関する。

従来のドアトリム上端部の固定手段を第２図によって説
明すると、１はドア３のインナパネル４面にクリップ止
めされたドアトリムで、その上端部２は内側に曲折成形
され、この曲折した上端部２をインナパネル４の上端フ
ランジ４ａに係止して固定されている。

６はドアトリム上端部２に固着したインナウェストウェ
ザ−ストリップ、７はアウタパネル５上端部のウェスト
モール８と一体成形されたアウタウェストウェザ−スト
リップ、９はドアガラスを示す。

以上の如き従来の固定手段では、ドアトリム上端部２を
単にインナパネル４の上端フランジ４ａに係着しである
だけであるため、例えば乗員の腕等によりドアトリム１
の上側部に第１図のＰ方向に外力が作用すると、ドアト
リム上端部２がフランジ４ａより離間してバタツキを生
じ、商品価値を損なってしまうものである。

また、通常ドアガラス９はアウタウェストウェザ−スト
リップ７との当りを基準にして配設されるのであるが、
該ドアガラス９とインナパネル４の上端フランジ４ａと
の間隔ｌが成形誤差または組付誤差等により基準寸法よ
りも広がった場合には、ドアトリム上端部２に固着した
インナウェストウェザ−ストリップ６とドアガラス９間
のシール性が損なわれてしまうものであり、逆に前記間
隔ｌが狭まった場合には１インナウエストウエーザスト
リツプ６がドアガラス９に強く接触しすぎて該ドアガラ
ス９の昇降操作性が損なわれてしまうものである。

本考案はかかる従来の実状に鑑み、通常、ドア内部にド
アガラスの振れ止めとして配設されるガラススタビライ
ザを有効利用し、このガラススタビライザに切起し片を
形成して、この切起し片にドアトリム上端部を係着する
ことにより、該トリム上側部に外力が作用した場合にも
バタツキを生じることなくしっかりと固定することがで
き、また、該トリム上端部に固着されるインナウェスト
ウェザ−ストリップとドアガラスとの接触圧の調整をも
自在に行うことができるようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第３図乃至第５図において、１０はアウタパネル５に固
定したブラケット１１にボルト・ナツト１２固定された
アウタスタビライザ、１３はインナパネル４の上端部を
内側へ曲折して形成されたブラケット４ｂにボルト・ナ
ツト１４により取付けられたインナスタビライザで、こ
れらアウタ、インナの両スタビライザ１０．１３はそれ
ぞれドア３の前側部および後側部に各一対配設され、ド
アガラス９の内、外側面にローラ１５．１６を摺接させ
て該ドアガラス９の振れ止めを行うものである。

インナスタビライザ１３のベースプレート１７には車幅
方向の長孔１８が設けられていて、この長孔１８を介し
て前記ボルト・ナツト１４により車幅方向に調整可能に
装着されるもので、ドアガラス９はアウタウェストウェ
ザ−ストリップ７並にアウタスタビライザ１０を基準に
して該アウタウェストウェザ−ストリップ７、アウタス
タビライザ１０に当接するようにし、そしてアウタ、イ
ンナの両パネル５，４間の寸法りのバラツキに対し、前
記インナスタビライザ１３を長孔１８の範囲で車幅方向
に位置調整し、前後各一対のアウタ、インナの両スタビ
ライザ１０，１３でドアガラス９をしっかりと押えて振
れ止めを行うのである。

また、インナスタビライザ１３のベースプレート１７に
は車幅方向に離間して二つの切起し片１９．２０が設け
られている。

一方、ドアトリム１の内側へ曲折成形された上端部２に
は、予めインナウェストウェザ−ストリップ６が固着さ
れていると共に、前記インナスタビライザ１３に対応す
る部位には内側にオフセットして取付部２１が形成され
ており、この取付部２１を前記切起し片１９．２０間に
挿込んでこれら切起し片１９．２０により挾持固定され
ている。

従って、本実施例によれば、ドアトリム１の上側部に第
３図Ｐ方向から外力が作用した場合でも、トリム上端末
、つまり取付部２１がインナスタビライザ１３の切起し
片１９．２０間に挟持されているため、該トリム上端部
がドアガラス９側に浮上ってバラツキを起すようなこと
がなく、のって、商品価値を損なうようなことはない。

また、インナスタビライザ１３の車幅方向調整によって
ドアガラス９の押え調整するのに伴って、該スタビライ
ザ１３と共にトリム上端部２が移動するため、インナウ
ェストウェザ−ストリップ６はドアガラス９面に適正に
密接することができ、シール不良を起したりドアガラス
９の昇降操作性に悪影響を与えるようなことが回避され
るのである。

第６図乃至第８図に示す実施例はインナスタビライザ１
３のベースプレート１７に一片の切起し片２２を設け、
他方、トリム上端部２には断面Ｓ字状のクリップ２３を
挟着し、このクリップ２３を前記切起し片２２に嵌着し
てトリム上端末を固定するようにしたものである。

この実施例の場合も前記実施例と同様にトリム上端部の
固定に際してはクリップ２３を切起し片２２に嵌着する
だけの簡単な作業で済み、そして、トリム上側部に作用
する外力に対してはクリップ２３と切起し片２２との保
合により十分に対抗してバラツキを防止でき、また、イ
ンナウェストウェザ−ストリップ６のシール性は、イン
ナスタビライザ１３の車幅方向移動によるドアガラス押
え調整に伴って適正に調整されるのである。

以上のように本考案によれば、ドアトリム上端末部はガ
ラススタビライザの切起し片にしっかりと固定されてい
るため、トリム上側部に作用する外力にも十分対抗して
バラツキを生ずることがなく品質向上を実現できるもの
であり、また固定に際してはトリム上端末部をガラスス
タビライザの切起し片に係着するだけでよいので取付作
業性が良いといった特長を有する。

また、インナウェストウェザ−ストリップは前述の如く
トリム上端部に予め固着されているため、インナスタビ
ライザの車幅方向調整に伴ってドアガラスとの当りが調
整され、のって常に適正なシールが得られるという実用
上の効果を有する。

また、インナースタビライザーの位置調整が外側で作業
できる（従来はドア内に作業者が手を入れて手さぐりで
調整するようにしていた）のでスタビライザー調整作業
が極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の略示的側示図、第２図は第１図ＩＩ
−ＩＩ線に沿う従来のトリム固定手段を示す断面図、第
３図は本考案装置を示す断面図、第４図はガラススタビ
ライザの斜視図、第５図はドアトリム上端部の斜視図、
第６図〜第８図は異なる例を示すもので、第６図は断面
図、第７図はガラススタビライザの斜視図、第８図はド
アトリム上端部の斜視図である。 １・・・・・・ドアトリム、２・・・・・・トリム上端
部、３・・・・・・ドア、４・・・・・・インナパネル
、５・・・・・・アウタパネル、６・・・・・・インナ
ウェストウェザ−ストリップ、７・・・・・・アウタウ
ェストウェザ−ストリップ、９・・・・・・ドアガラス
、１０．１３・・・・・・ガラススタビライザ、１９゜
２０、２２・・・・・・切起し片、２３・・・・・・ク
リップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナウェストウェザ−ストリップをドアトリムの上端
   部に固着する一方、ドアインナパネルに車幅方向に調整
   自在に取付けたガラススタビライザに切起し片を形成し
   、この切起し片に前記ドアトリムの上端末部を係着した
   ことを特徴とするドアトリム固定装置。