JPH0220394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用ドア窓ガラス調整装置に関す
るものである。

自動車のドア窓ガラス昇降機構において、窓ガ
ラスの振れ止めとガラス昇降時の案内を兼ねて窓
ガラス面に接触し窓ガラス昇降に伴つて窓ガラス
面上を転動するローラ又は窓ガラス面に摺接する
可撓性部材等を備えたスタビライザをドア内部に
取付ける方策を採つているものがある。

このスタビライザは特にサツシユレスドアにお
いて必要であり、ドアを車体に組付けた後スタビ
ライザを調整して、窓ガラスの周縁部が車体側に
設けたウエザストリツプの所定位置に完全に弾接
するよう窓ガラスの位置調整を行わなければなら
ない。

上記のようなスタビライザの調整操作は、従来
はドアのインナパネルに設けた作業孔から工具を
さし込み、スタビライザの調整用ボルト又はナツ
ト等をまわして行うのが普通であり、窓ガラスの
外側面を規制するアウタ側スタビライザの調整の
為に、窓ガラスの下縁部近傍部分（窓ガラス上限
位置においてドア内に位置する部分）に工具挿込
用の窓孔又は切欠きを設け、窓ガラスを上限位置
近くまで上昇させてドアインナパネルに設けた作
業孔と窓ガラスに設けた窓孔又は切欠きとを一致
させた上で、工具を作業孔から挿し込み更に窓ガ
ラスの窓孔又は切欠きに挿し込んでドアアウタパ
ネル側に取付けられたアウタ側スタビライザの調
整ボルト又はナツトを回動調整すると言う極めて
厄介な操作を必要とするものであつた（例えば実
公昭53−6901号公報、実開昭54−122525号公報等
参照）。

上記のような従来のものは、スタビライザの調
整操作が厄介なる上に、窓ガラスに工具挿入用の
窓孔又は切欠きを設けなければならず、その加工
が非常に面倒でコストも高くなる等の欠点を有し
ている。

本考案は上記のような先行技術の欠点を解消す
ることを目的とするもので、以下第１，２図の実
施例につき説明する。

第１図は本考案の第１の実施例を示すもので、
１はドアのアウタパネル、２は該アウタパネル１
の上方部内側に設けられたアウタリンホースメン
ト、３は窓ガラスを示す。

４はアウタ側のスタビライザで、該スタビライ
ザ４はスタビライザベース５と、該スタビライザ
ベース５に軸７により回転可能なるよう支持され
たゴム、合成ゴム等の弾性材よりなるローラ６に
より構成される。

スタビライザベース５にはねじ孔５１が設けら
れ、該ねじ孔５１に螺着した調整ボルト８により
スタビライザベース５はアウタリンホースメント
２の上部にドア厚味方向に移動調整可能なるよう
取付けられる。又アウタリンホースメント２には
孔２２が設けられスタビライザベース５に設けた
舌片５２が該孔２２に嵌入係合し、調整操作時の
スタビライザベース５の廻り止めと、スタビライ
ザベース５のドア幅方向移動の案内を行うように
なつている。

アウタパネル１上縁部にはアウタ側ウエザスト
リツプ１０が装着されるが、本考案ではアウタパ
ネル１の上縁部のウエザストリツプ１０にて覆わ
れた部分に部分的に切欠き部１ａを設け、アウタ
リンホースメント２の上記アウタパネル切欠き部
１ａに対向する位置に調整ボルト８の挿込部２１
を設け、スタビライザベース５のねじ孔５１に螺
着した調整ボルト８の頭部を挿込孔２１に挿込
み、外側からロツクナツト９で締付けることによ
り、アウタリンホースメント２の挿込孔２１周縁
部を調整ボルト８の鍔部８１とロツクナツト９で
挾圧して、スタビライザ４をアウタリンホースメ
ント２に固着するものである。

そしてウエザストリツプ１０を部分的にめくり
上げてアウタパネル１外側からロツクナツト９を
わずかにゆるめ、調整ボルト８の頭部８２をドラ
イバ等の工具でまわす。すると調整ボルト８の回
転によりそれに螺合しているスタビライザベース
５は該調整ボルト８の軸方向即ちドア厚味方向に
移動し、ローラ６が窓ガラス３の外側面を押圧し
窓ガラス３のドア厚味方向位置を調整規制するこ
とができる。

この場合係合部５２と孔２２の係合によりスタ
ビライザベース５は共廻りを起すことなく的確に
ドア厚味方向に移動調整される。

調整完了後は、ロツクナツト９を締めつけウエ
ザストリツプ１０をもとにもどすことによりアウ
タパネル１の切欠き部１ａはウエザストリツプ１
０により完全に覆われ、外観性を損なうことがな
いばかりか、雨水等のドア内への侵入も的確に防
止される。

第２図は本考案の第２の実施例を示すもので、
スタビライザ４として第１図のローラ６に代えス
タビライザベース５に窓ガラス３の外側面に弾性
をもつて摺接する合成樹脂の植毛等よりなる摺接
片６′を設けたものを用いた例を示している。

この例では窓ガラス３の上下昇降に際し摺接片
６′が窓ガラス３の外側面上を相対的にスライド
して窓ガラス３のドア厚味方向位置を規制する点
が第１図のものと異なるだけで、他の構成及び機
能は第１図と全く同じであり、第１図と同一の符
号は同一の部分を表わしている。

ただしこの例では摺接片６′にかかる窓ガラス
３の反力がスタビライザ４をアウタリンホースメ
ント２に取付けている調整ボルト８の軸心線上に
作用するような構造にすることが容易であり、ス
タビライザ４の取付支持剛性及び調整時の安定性
等の面で有利である。

尚上記第１，２図の実施例において、窓ガラス
の内側面の規制構造については図示を省略してい
るが、これは例えば従来と同様インナ側スタビラ
イザをドアインナパネル側部材にインナパネル側
から調整可能なるよう取付けた構成としても良い
し、又インナ側スタビライザを省略しインナ側ウ
エザストリツプで窓ガラス内側面の規制を行うよ
うにしても良い。

以上のように本考案によれば、アウタ側スタビ
ライザを調整ボルトによりドア厚味方向に移動調
整し得るようアウタリンホースメントの上部に取
付けると共に、ドアアウタパネル上端のアウタ側
ウエザストリツプにて覆われる部分に切欠き部を
設け、該切欠き部より上記調整ボルトを回動させ
てスタビライザの調整を行なうよう構成したもの
で、これによりドア窓ガラスに調整用工具挿込用
の窓孔又は切欠きを設ける必要がなく加工工数及
びコストの著して低減をはかり得ると共に、窓ガ
ラスを上限附近まで上昇させた状態でしか調整操
作を行い得なかつた従来のものに比し、本考案で
は窓ガラスの上下位置に関係なくドア外部から容
易に調整を行い得るので、調整作業の大幅な簡易
化をはかることができるもので、実用上多大の効
果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本考案の第１の実施例を示す要
部断面図及びスタビライザの正面図、第２図イ，
ロは本考案の第２の実施例を示す要部断面図及び
スタビライザの下面図である。 １……ドアアウタパネル、１ａ……切欠き部、
２……アウタリンホースメント、２１，２２……
孔、３……窓ガラス、４……スタビライザ、５…
…スタビライザベース、５１……ねじ孔、６……
ローラ、６′……摺接片、８……調整ボルト、９
……ロツクナツト、１０……アウタ側ウエザスト
リツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドア窓ガラスの外側面に摺接若しくは転動し得
   るよう当接して窓ガラスのドア厚味方向位置の規
   制及び昇降作動時の案内を行うアウタ側スタビラ
   イザを、ドアアウタパネルに設けたアウタリンホ
   ースメントに調整ボルトによりドア厚味方向に移
   動調整可能なるよう取付け、ドアアウタパネル上
   縁部のアウタ側ウエザストリツプにて覆われる部
   分に、上記調整ボルトの回動調整をドアアウタパ
   ネル外部から行うための切欠き部を形成したこと
   を特徴とする自動車用ドア窓ガラスの調整装置。