JPS5913321Y2 - 空冷多気筒エンジンのシリンダヘッド冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、空冷多気筒エンジンのシリンダヘッド冷却
装置に関する。

一般に、エンジンのシリンダヘッドは、その下面を平面
に仕上げ、平面に仕上げたシリンダの上面にガスケット
を介して重ね、ボルトによって上記シリンダに締着して
いる。

従って、複数のシリンダを互いに並列に配設したシリン
ダ列に対して直角方向から冷却空気を送給するようにし
た空冷多気筒エンジンにおいては、冷却風は前から後へ
抜けることがなく、十分冷却が行なわれにくいため、互
いに対向するシリンダヘッドの下面およびシリンダ上面
部の肉厚を厚くし、すなわち熱容量を大きくし、エンジ
ン性能向上に伴う高温の燃焼熱による極部的な熱破損を
防止するようにしている。

このため重量が増し重くなる等の問題があつた。

この考案は、かかる点に鑑み重量を増すことなくエンジ
ン冷却効果を向上させるようにしたものであって、以下
図面に示す本考案の実施例について説明する。

シリンダ１の上面に、ガスケット２を介してシリンダヘ
ッド３の下面を重ね、ボルトによって締着する。

ところで、シリンダ１は並列に多数の気筒を有するもの
で、シリンダヘッド３にも、これに対応して多数の燃焼
室４が形成される。

一方、シリンダヘッド３のシリンダ１と対向する下面に
、燃焼室４，４間において前後に貫通する溝５を設ける
。

溝５は締着用のボルトの孔６を避ける形状とし、前端に
拡開部７を設ける。

そして、上記シリンダ１の列に対して直角方向（前から
後）に冷却空気が流れるようにする。

なお８は吸気孔、９は吸気弁、１０は排気弁、１１は点
火栓を示す。

しかして冷却風は、前から後（第２図で下側から上側）
へ流れ、溝５の拡開部７から入って、溝５を通って後方
に抜け、その周りを効果的に冷却する。

以上説明したように、この考案は、シリンダの上面にガ
スケットを介してシリンダヘッドを締着するとともに、
複数のシリンダを互いに並列に配設したシリンダ列に対
して直角方向から冷却空気を送給するようにした空冷多
気筒エンジンに於て、シリンダヘッド下面に燃焼室間に
おいて前後に貫通し前端に拡開部を有する溝を設けたの
で、溝内に冷却風が流通し、その周辺のシリンダヘッド
及びガスケットが十分冷却されて冷却効率が向上する。

さらに冷却がよくなることによりシリンダヘッドとシリ
ンダとの対向部の肉厚を薄くできて重量軽減ができる。

更に溝は、シリンダヘッド底面の平面削り加工の場合、
切削剤及び切粉の排出溝にも有効である。

そして、溝はシリンダヘッド鋳造時に鋳放しで形成すれ
ばよく、コストアップがない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は背面図、第２図
はシリンダヘッドの底面図である。 １・・・シリンダ、２・・・ガスケット、３・・・シリ
ンダヘッド、４・・・燃焼室、５・・・溝、７・・・拡
開部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダの上面にガスケットを介してシリンダヘッドを
   締着するとともに、複数のシリンダを互いに並列に配設
   したシリンダ列に対して直角方向から冷却空気を送給す
   るようにした空冷多気筒エンジンにおいて、シリンダヘ
   ッドの下面に、燃焼室間において前後に貫通し前端に拡
   開部を有する溝を設けたことを特徴とする空冷多気筒エ
   ンジンのシリンダヘッド冷却装置。