JPS5913100B2 - 情報信号再生素子の再生針駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ００近来、各種の情報信号の高密度記録及びその再生を
情報記録媒体円盤（以下、ディスクと略称することがあ
る）によつて行なうようにするための開発研究が盛んに
なり、これまでにディスクによる情報信号の高密度記録
ならびに再生に関する多１５くの提案がなされて来てい
ることは周知のことであり、本出願人会社でも従来から
各種形式のディスクによる情報信号の高密度記録再生方
式についての研究を進めて来ている。

そして、本出願人会社では従来からの研究成果２０に検
討を加えた結果、再生時に再生モードが自由に変更でき
るようなディスクとしては無溝形式のものでなければな
らないこと、及びディスクからの情報信号の読出し（検
出）手段としては静電容量変化の検出形式のものが最も
優れていること、２５その他の諸条件を勘案して、無溝
形式のディスク（以下、無溝ディスクという）による情
報信号の高密度記録再生方式に関する実用化研究を推進
し、先に、特願昭５１−３８８０９号（特開昭５２−１
２３２０５号公報参照）においてその原形を提３０案し
、また、その後の実用化研究により特願昭５２−１３３
２２号（特公昭５７−３２４１５号公報参照）、その他
多くの提案を行なつている。

上記した本出願人会社の既提案の情報信号記録、再生方
式、その他などにおいて明らかにしたよう３５に、本出
願人会社では主要な情報信号と対応するピットを、平坦
な面に渦巻状あるいは同心円状に配列することにより、
平坦な面に渦巻状あるいは同心円状の記録跡（トラツク
）が、所定の記録跡間隔（トラツクピツチ）を隔ててい
るように、かつ、前記した主要な情報信号と対応するピ
ツトの配列によつて形成されたトラツク（以下、主要な
情報信号トラツクと略称することもある）の相隣り合う
もの同士の間に、前記主要な情報信号と対応するピツト
が存在しない領域（スペース）が形成されるようにする
と共に、前記した各相隣るトラツクの間に形成された渦
巻状あるいは同心円状のスペースに、トラツキング制御
用信号と対応するピツトを連続的あるいは間欠的に配夕
１ルて、スペース中に前記したトラツキング制御用信号
と対応するピツトの配列による渦巻状あるいは同心円状
のトラツク（以下、トラツキング制御用信号トラツクと
略称することもある）を形成させ、また、前記した主要
な情報信号と対応するピツトと、トラツキング制御用信
号と対応するピツトとが、ピツトの巾方向において互に
幾分か重畳するようになされているような記録パターン
を示すように、かつ、トラツキング制御用信号として、
互に周波数値を異にする２つの信号を用い、デイスクの
１回転毎にデイスクの特定な位置（回転位相）において
前記２つの信号を交互に切換えて、前記２つの信号の内
の一方の信号により、連続的または間欠的にトラツキン
グ制御信号と対応するピツトの配列によるトラツクが形
成されているデイスクを構成し、また、前記したデイス
クからの主要な情報信号の再生は、デイスク中ににおけ
る主要な情報信号と対応するピツトのピツト巾（主要な
情報信号と対応するピツトによつて形成されたトラツク
のトラツク巾と同じ）と略々同じ電極巾（再生巾）を有
する電極４ａを備えると共に、トラツクの巾方向でトラ
ツクピツチよりも広い接触巾でデイスクの面と接触しう
るようになされた例えば、特願昭５２−２２７６４号（
特開昭５３→０８４１３（号公報参照）に示されている
ような再生針（走査針）を用いてデイスクに記録されて
いる複数個の情報信号を、前記した電極とデイスクに形
成されている各情報信号と対応するピツトとの間の静電
容量値の変化の検出によつて行なうようにし、ま ，た
、前記の再生に当つては主要な情報信号トラツクの両側
に形成されているトラツキング制御用信号トラツクから
得た信号をトラツキング制御用信号として用い、トラツ
キングサーボ系の動作によｊり、再生針における電極の
中心と主要な情報信号トラツクの中心とが常に一致され
るようにしたものを提案した。

上記した無溝デイスクからの情報信号の再生に当つては
、再生針が再生の対象とする記録跡上を常に正確に追跡
している状態となるようにトラツキングサーボ系の動作
によつてトラツキング制御されていることが必要とされ
ることは勿論であつて、再生針はトラツキングサーボ系
におけるトラツキング制御駆動装置によつて駆動変位さ
れるようにされている。

また、デイスクは情報信号の再生に当つて所定の回転数
で正確に回転駆動されるようになされているものである
が、デイスクはその製造時、その他各種の原因によつて
どうしても機械的な変形（歪）を有するものとされてい
るから、それが再生時に一定の回転数で回転されていて
も、前記した機械的な変形の存在によつて記録跡と再生
針との相対速度に変化が生じ、それにより再生信号中に
いわゆる時間軸誤差（ジツタ）が含まれてしまう。

このため、従来から再生信号中の基準信号と標準の信号
とを比較して得た時間軸誤差の補正信号を、再生針の時
間軸誤差補正制御回路の駆動装置に与え、それにより再
生針を記録跡の延長方向に駆動変位させて、再生信号中
に時間軸誤差が発生しないようになされている。

したがつて、無溝デイスクからの情報信号の再生に当つ
ては、時間軸誤差の補正制御とトラツキング制御との２
つの制御によつて、再生針を記録跡の延長方向とそれと
直交する方向との双方へ２次元的に駆動変位させること
が必要とされる。

そこで、本出願人会社では、先に、無溝デイスクの再生
時に再生針を２次元的に駆動変位させることのできる再
生針駆動装置を完成して、その実施により予期したとお
りの成果を挙げ得ているのであるが、その後の引続く研
究によつて、より一層特性の優れた再生針駆動装置の完
成が必要とされることが判かつた。すなわち、本出願人
会社における上記した情報信号再生素子の再生針駆動装
置では、再生針が固着されたカンチレバ一を含む可動部
材に永久磁石が取付けれており、その永久磁石と励磁コ
イルに流れる電流との間で発生された電磁気力によつて
可動部材が駆動されるようになされているので、可動部
材を駆動するための駆動力の大きさは励磁コイルに流さ
れる電流の大きさが一定の場合には永久磁石の磁力が大
きい程大きくなるが、一方、再生針に対してトラツキン
グ制御及び時間軸誤差の補正制御などが良好に行なわれ
るためには、前記の各制御を行なうためのサーボ系が良
好な追従特性を有していなければならないことから、再
生針を駆動する部分の駆動系は高い共振周波数を示すも
のとなされていなければならない。

しかしながら、カンチレバ一はそれによつてトラツキン
グ動作を行なわせる場合には高い周波数領域で横たわみ
共振を生じ、この点でトラツキング性能の限界が定まる
から、より一層高い周波数までトラツキング性能を良好
なものとするためには、カンチレバ一の剛性を増加させ
ることが必要とされるが、剛性の増加は必然的にカンチ
レバ一の慣性モーメントの増加をもたらす。

そして上記のように慣性モーメントが増加したカンチレ
バ一を、慣性モーメントが増加しない状態でトラツキン
グ匍脚を行なつた時と同じ駆動電力で同じ駆動変位量が
得゛られるようにするためには、カンチレバ一に対して
取付けるべき永久磁石は、磁力の大きさ、すなわち、体
積形状の大きなものとなり、それによりカンチレバ一の
慣性モーメントがやや増加するが、このように、カンチ
レバ一の慣性モーメントが増加すると、可動部材による
デイスクの面振れ追従特性が劣化し、時として所期のト
ラツキング？ｈｌ脚が行なわれない場合も生じるという
とが問題になつた。

この問題を解決するために、本出願人会社では先に、「
情報記録媒体円盤における記録跡から情報信号を読取る
再生針を時間軸誤差の補正信号に応じて記録跡の延長方
向に駆動変位させると共に、トラツキング制御のための
補正信号に応じて記録跡の延長方向とは直交する方向に
駆動変位させるようになされた情報信号再生素子の再生
針駆動装置として、再生針と一体的に変位自在となされ
るように支持体に支持された可動部材と、それぞれ中空
の筒状となるように巻回された２個のコイルと、前記し
た２個のコイルが並置された態様を以つて前記した支持
体に固着された状態において、前記した２個のコイルに
おけるそれぞれのコイルの一側方の部分が挿入されるべ
き第１の空間部と、）前記した２個のコイルにおけるそ
れぞれのコイルの他側方の部分が挿入されるべき第２の
空間部とを有している如き直流磁界の形成部材であつて
、前記の第１の空間部は直流磁界の形成部材における各
一対の異なる極性の磁極を対向配設することにより強い
磁界が形成されている如き空間部となされており、また
、前記した第２の空間部は直流磁界の形成部材における
片方の極性だけの磁極を対向配設して構成させたものと
なされているような直流磁界の形成部材とからなる情報
信号再生素子の再生針駆動装置］を提案したが、この既
提案のものでは、２個のコイルをトラツキング制御のた
めの補正信号と時間軸誤差の補正信号とによつて駆動す
る場合に、前記の両補正信号を演算処理することが必要
とされるということが問題となつた。

本発明は、情報記録媒体円盤における記録跡から情報信
号を読取る再生針を時間軸誤差の補正信号に応じて記録
跡の延長方向に駆動変位させると共に、トラツキング制
御のための補正信号に応じて記録跡の延長方向とは直交
する方向に駆動変位させるようになされた情報信号再生
素子の再生針駆動装置において、再生針と一体的に変位
自在となされるように支持されている可動部材に連結固
着された少なくとも３個以上のコイルを設け、前記した
少なくとも３個以上のコイルは、その内の特定な２個の
コイルよりなる第１のコイル組と、残りのコイルよりな
る第２のコイル組とに分け、前記した第１のコイル組に
属する各コイルは、それぞれのコイルの一側方の部分、
直流磁界の形成部材における各一対の異なる極性の磁極
を対向して配設することにより強い磁界が形成されてい
る如き空間部中に配置されているように、また前記した
第１のコイル組に属する各コイルにおけるそれぞれのコ
イルの他側方の部分は、前記した直流磁界の形成部材に
おける片方の極性たけの磁極を対向配設して構成させた
空間部中に配置されているように、さらに前記した第２
のコイル組に属するすべてのコイルは、前記した直流磁
界の形成部材における各一対の異なる極性の磁極を対向
して配設することにより強い磁界が形成されている如き
空間部中に実質的に配置されるように、前記した第１の
コイル組のコイルと、前記した第２のコイル組のコイル
と、前記した直流磁界の形成部材とが配設されてなる情
報信号再生素子の再生針駆動装置を提供して上記した諸
問題点を解消したものであり、以下、添付図面を参照し
てその内容を具体的に説明する。

第１図は本発明の情報信号再生素子の再生針駆動装置の
一実施態様のものの一部を破砕して示した斜視図、第２
図は同上平断面図、第３図は同上分解斜視図であり、ま
た第４図ａ−ｃ図は本発明の情報信号再生素子の再生針
駆動装置の構成原理及び動作原理を図示説明するための
図である。

まず、第１図乃至第３図で示されている本発明の情報信
号再生素子の再生針駆動装置における一実施態様のもの
において、１は切欠部１ｂを設けたポールピース１ａが
突設されている磁路底板、２ａ，２ｂは永久磁石、３は
磁路前面板であつて、上記した磁路底板１とボールピー
ス１ａ１及び永久磁石２ａ，２ｂ１ならびに磁路前面板
３などは直流磁界の形成部材を構成している。前記した
磁路前面板３に穿設された孔３ａとポールピース１ａの
外周との間に形成される磁気空隙２０｛第２図及び第６
図ａ−ｃ参照｝には、例えばアルミニウムのような非磁
性材料で作られた取付体７に固着された３個のコイル４
，５，６におけるコイル４，５の一側方の部分４ｈ，５
ｈ｛第２図及び第６図ａ−ｃ参照｝となる半円筒面部と
コイル６とが可動自在に位置されており、また、前記し
たコイル４，５の他側方の部分４ｎ，５ｎ｛第２図及び
第６図ａ−ｃ参照｝となる平面部は、無磁界もしくは弱
い磁界しか存在しないようになされるべき空間部２１｛
第２図及び第６図ａ〜ｃ参照｝を構成するボールピース
の切欠部１ｂ中に可動自在に支持されており、さらに、
取付体７には係合用のＶ字状の切欠部が形成された２個
の突起７ｂ，７ｂが一体的に設けられていると共に、ネ
ジ孔７ａが穿設されており、さらに前記した取付体７に
おける突起７ｂ，７ｂ及びネジ孔７ａ，７ａの間の部分
にはマグネテイツクカツブラの構成部材となる永久磁石
１１が固着されている。

なお、各コイル４〜６は可動時においても磁気空隙の構
成部材へ摺接するようなことが生じないようになされて
いることは当然である。前記した取付体７のネジ孔７ａ
，７ａには、板厚方向断面がフレーム構造（ラーメン構
造）の板バネ８の透孔８ａ，８ａに挿通された取付ネジ
９ａ，９ａが螺合されていて、板バネ８と取付体７及び
３個のコイル４〜６などには一体的に固着されている。

前記の板バネ８は、その両側面に穿設された透孔８ｂ，
８ｂに挿通されたネジ１０，１０によつて磁路前面板３
の側面に設けられたネジ孔３ｂ，３ｂに固着されていて
、３個のコイル４〜６のコイル軸方向への変位と透孔８
ａ，８ａを結ぶ線を回動軸とする回動が円滑に行なわれ
得るようになされている。また、ＴＴはターンテーブル
、Ｄはデイスクであり、１２はデイスクＤの盤面と摺接
する摺接面を備えた再生針であつて、この再生針１２は
カンチレバ一１３に固着されている。

１４はダンパ、１５は強磁性材料製のガイドピン（例え
ばピアノ線で作られている）であり、前記のカンチレバ
一１３は、その基部付近に取付けられているガイドピン
１５を取付体７の突起７ｂ，７ｂにおけるＶ字状の切欠
部によつて案内させることにより、ガイドピン１５が永
久磁石１１に吸着されて、カンチレバ一１３と取付体７
とは一体的に連結固着される。

上記のように構成された第１図（乃至第３図）示の再生
針の駆動装置は、２個のコイル４，５を適当な接続極性
で接続された第１，第２のコイル組とし、コイル６を第
２のコイル組として、前記第１，第２のコイル組のコイ
ルに電流を通じることにより、それら第１，第２のコイ
ル組は直流磁界の形成部材中の永久磁石２ａ，２ｂにお
ける着磁の仕方に応じて定まる方向に変位し、再生針１
は記録跡の延長方向と、記録跡の延長方向と直交する方
向との両方向に駆動変位される。

第４図ａ図は、上記した第１図（乃至第３図）に示され
ているような実施態様の再生針駆動装置の構成原理及び
動作原理を図示説明した図である。

｛第４図ａ図において、永久磁石２ａ，２ｂの極性を図
示の状態に対して逆転させても、各コイル組からカンチ
レバ一に対して与えられる駆動力の方向は変化しないの
で、そのような場合についての駆動装置の図示説明は省
略している。この点は第４図ｂ図，第４図ｃ図の場合で
も同様である。また、第４図ａ図〜第４図ｃ図では、コ
イルと、直流磁界の形成部材、などの部分だけが示され
ている｝。さて、本発明の情報信号再生素子の再生針駆
動装置は、再生針と一体的に変位自在となされるように
支持されている可動部材に連結固着された少なくとも３
個以上のコイルを設け、前記した少なくとも３個以上の
コイルは、その内の特定な２個のコイルよりなる第１の
コイル組と、残りのコイルよりなる第２のコイル組とに
分け、前記した第１のコイル組に属する各コイルは、そ
れぞれのコイルの一側方の部分（図中で添字ｈが付され
ている図面符号で示されているコイルの部分）が、直流
磁界の形成部材における各一対の異なる極性の磁極を対
向して配設することにより強い磁界が形成されている如
き空間部２０中に配置されているように、また、前記し
た第１のコイル組に属する各コイルにおけるそれぞれの
コイルの他側方の部分（図中で添字ｎが付されている図
面符号で示されているコイルの部分）は、前記した直流
磁界の形成部材における片方の極性だけの磁極を対向配
設して構成させた空間部２１中に配置されているように
、さらに前記した第２のコイル組に属するすべてのコイ
ルは、前記した直流磁界の形成部材における各一対の異
なる極性の磁極を対向して配設することにより強い磁界
が形成されている如き空間部２０中に実質的に配置され
るように、前記した第１のコイル組のコイルと、前記し
た第２のコイル組のコイルと、前記した直流磁界の形成
部材とを配設してなるものであるから、第４図ａ図にお
いて各コイル４〜６が置かれている部分の磁界がそれぞ
れ図示のとおりであつたとし、また第１のコイル組を形
成するコイル４，５の接続極性が図示のとおりであつた
とすれば、第１のコイル組を形成するコイル４，５に流
される電流によつて第１のコイル組はコイル４，５に流
れる電流と磁界との間で発生する電磁気力により、コイ
ル４，５のコイル軸を含み磁界と平行な面に垂直な軸の
まわりに回動し、また第２のコイル組を構成するコイル
６に電流が流れると、第２のコイル組はコイル６に流れ
る電流と磁界との間で発生する電磁気力により、コイル
軸の方向に駆動変位されることになる。

したがつて、電流を流すことによつてコイル軸の方向に
駆動変位されるコイル組を構成しているコイルには時間
軸誤差の補正信号を供給し、また、電流を流すことによ
つて、そのコイル組を構成する各コイルのコイル軸を含
むと共に磁界と平行な面に垂直な軸のまわりに回動する
ように駆動変位されるコイル組におけるコイルには、ト
ラツキング制御のための補正信号を供給すれば、第１図
（乃至第３図）示の再生針駆動装置は再生針１２に対し
て時間軸誤差の補正動作とトラツキング制御動作との両
動作を２次元的に同時に行なうことができる。

第１図（乃至第３図）示の実施態様の再生針駆動装置は
、コイル６の方がコイル４，５に比べて多くの磁束と鎖
交しているから、コイル６による制御作用より効率が高
い。

第４図Ｂ，ｃ図は、第１図（乃至第３図）示の実施態様
のものにおけるコイル６を除去し、その代わりに、第１
図中のコイル４，５の部分にそれぞれ別のコイル６ａ，
６ｂを付加して巻回した構成とした第１図示の実施態様
のものの変形実施態様であり、第４図Ｂ，ｃ図において
、コイル４とコイル５とは第１のコイル組を構成し、ま
た、コイル６ａとコイル６ｂとは第２のコイル組を構成
している。

コイル４とコイル６ａとは、それぞれ同じコイルボビン
に互に絶縁された状態で重ね巻き、または、バイフアイ
ラ巻き、もしくは並置して巻回するなど、適当に巻回さ
れて一体的となされているものであり、また、コイル５
とコイル６ｂも、それぞれ同じコイルボビンに互に絶縁
された状態で重ね巻き、または、バイフアイラ巻き、も
しくは並置して巻回するなど、適当に巻回されて一体的
となされているものである。

第４図Ｂ，ｃ図示の構成例に示されている再生針駆動装
置において、直流磁界の形成部材における磁極の状態及
び各コイル４，５，６ａ，６ｂに流される電流の向きな
どが、それぞれ図示の例のようなものであつたとすると
、コイル４，５で構成される第１のコイル組は、第４図
ｃ図示の場合にはコイル軸の方向に駆動され、また、第
４図ｂ図示の場合における第１のコイル組は、各コイル
軸を含む磁界と平行な面と垂直な軸のまわりに回動し、
さらに、コイル６ａ，６ｂで構成される第２のコイル組
は、第４図ｃ図示の場合には、各コイル軸を含む磁界と
平行な面と垂直な軸のまわりに回動し、さらにまた、第
４図ｂ図示の場合における第２のコイル組は、コイル軸
の方向に駆動されるのであり、したがつて、コイル４，
５よりなる第１のコイル組と、コイル６ａ，６ｂよりな
る第２のコイル組とを、第４図ａ−ｃ図示のように一体
的に設けて、前記第１、第２のコイル組の内の所要な一
方のものにトラツキング制御のための補正信号を供給し
、また、他方のものに時間軸誤差の補正信号を供給すれ
ば、既述した第１図（乃至第３図）示のような構成の再
生針駆動装置の場合と同様に、再生針に対して２次元的
な駆動制御を行なうことができるのである。

以上、詳細に説明したところから明らかなように、本発
明の情報信号再生素子の再生針駆動装置においては、ト
ラツキング制御及び時間軸誤差の補正のために再生針を
記録跡の延長方向と直交する方向及び記録跡の延長方向
とに２次元的に駆動するための駆動機構における可動部
が、コイルとカンチレバ一及び連結部だけであるために
、可動部はその質量や慣性モーメーントを小さなものと
することができ、また、可動部に対して空間を介して設
けられる直流磁界形成部材として、コイルが可動する部
分の磁気空隙の磁束密度が充分に大きなものを使用する
ことが可能なために、コイルに流れる電流と磁界との間
で発生される電磁気力を充分に大きなものとすることが
できるから、所要量の時間軸誤差の補正と所要量のトラ
ツキング制御とを充分な余裕を以つて行なうことのでき
るサーボ糸が構成でき、さらに、直流磁界の形成部材に
おいて、コイルが可動する磁気空隙部分の磁界の方向や
強さなどを所望のように設定して、複数個のコイルの内
からトラツキング制御のために用いられるコイル組と、
時間軸誤差の補正のために用いられるコイル組とを必要
に応じて選定して使用することができるなどの諸利点が
得られる他、本発明によれば既提案装置で必要とされた
ような演算回路を用いずに再生針を２次元的に駆動でき
る再生針駆動装置が容易に構成できるという特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の情報信号再生素子の再生針駆動装置の
一実施態様のものの一部を破砕して示した斜視図、第２
図は同上平断面図、第３図は同土分解斜視図であり、ま
た、第４図ａ−ｃ図は上記した第１図に示されている本
発明の情報信号再生素子の再生針駆動装置の構成原理及
び動作原理を図示説明するための図である。 １・・・・・・磁路底板、１ａ，２１〜２３・・・・・
・ポールピース、１ｂ・・・・・・切欠部、２，２ａ，
２ｂ，１１・・・・・・永久磁石、３・・・・・・磁路
前面板、４，５，６，１６〜１８・・・・・・コイル、
４ｈ，５ｈ・・・・・・コイルの一側方部分、４ｎ，５
ｎ・・・・・・コイルの他側方部分、７・・・・・・取
付体、８・・・・・・板バネ、９・・・・・・取付ネジ
、１０・・・・・・ネジ、１２・・・・・・再生針、１
３・・・・・・カンチレバ一、１４・・・・・・ダンパ
、１５・・・・・・ダンパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 情報記録媒体円盤における記録跡から情報信号を読
   取る再生針を時間軸誤差の補正信号に応じて記録跡の延
   長方向に駆動変位させると共に、トラッキング制御のた
   めの補正信号に応じて記録跡の延長方向とは直交する方
   向に駆動変位させるようになされた情報信号再生素子の
   再生針駆動装置において、再生針と一体的に変位自在と
   なされるように支持されている可動部材に連結固着され
   た少なくとも３個以上のコイルを設け、前記した少なく
   とも３個以上のコイルは、その内の特定な２個のコイル
   よりなる第１のコイル組と、残りのコイルよりなる第２
   のコイル組とに分け、前記した第１のコイル組に属する
   各コイルは、それぞれのコイルの一側方の部分が、直流
   磁界の形成部材における各一対の異なる極性の磁極を対
   向して配設することにより強い磁界が形成されている如
   き空間部中に配置されているように、また、前記した第
   １のコイル組に属する各コイルにおけるそれぞれのコイ
   ルの他側方の部分は、前記した直流磁界の形成部材にお
   ける片方の極性だけの磁極を対向配設して構成させた空
   間部中に配置されているように、さらに前記した第２の
   コイル組に属するすべてのコイルは、前記した直流磁界
   の形成部材における各一対の異なる極性の磁極を対向し
   て配設することにより強い磁界が形成されている如き空
   間部中に実質的に配置されるように、前記した第１のコ
   イル組のコイルと、前記した第２のコイル組のコイルと
   、前記した直流磁界の形成部材とが配設されてなる情報
   信号再生素子の再生針駆動装置。