JP2645079B2 - 磁気ヘツド駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気ヘツド駆動装置に関し、もう少し詳
しくいうと、VTRなど磁気テープに記録された情報と、
この情報を記録・再生する磁気ヘツドとの間のトラツク
ずれを制御するための磁気ヘツド駆動装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、この種の磁気ヘツド駆動装置として第４図，第
５図に示すものがあつた。図において、磁気ヘツドチツ
プ（１）を支持する支持プレート（２）は円筒状のトラ
ツク制御用コイル（３）と共に円筒状のコイルホルダ
（４）に保持されている。コイルホルダ（４）は弾性支
持部材（5a），（5b）により支持されている。コイルホ
ルダ（４）の内部に配置された円柱状の内ヨーク（８）
の両端には円柱状の永久磁石（6a），（6b）が当接して
配置されている。円板および円筒状のヨーク（7a），
（7b），（7c）は弾性支持部材（5a），（5b）および永
久磁石（6a），（6b）を保持する固定台を兼ねている。

以上の構成により、トラツク制御用コイル（３）に、
周知の方法で得られたトラツクずれの情報に基づいた電
流を印加することにより、コイルホルダ（４）、ひいて
は支持プレート（２）を図中矢印（Ａ）方向に駆動して
トラツク制御を行う。このとき、コイルホルダ（４）
は、その上下両端部を弾性支持部材（5a），（5b）によ
り支持されているので、矢印（Ａ）方向に対して傾くこ
となく駆動される。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の磁気ヘツド駆動装置は以上のように構成されて
いるので、永久磁石（6a），（6b）ならびに内ヨーク
（８）を位置決めして組立てる必要があり、組立性の点
で問題があつた。また、ギヤツプにおける磁束密度を大
きくするためには、永久磁石を２個使用するなど体積を
大きくする必要があり、小形化することが困難であると
いう欠点があつた。

この発明は上記のような課題を解決するためになされ
たもので、小形で組立て性がよく、安価な磁気ヘツド駆
動装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る磁気ヘッド駆動装置は、磁気ヘッドチ
ップを保持する支持プレートと、ほぼ円筒状に巻回され
たトラック制御用コイルと、該トラック制御用コイルを
保持するコイルホルダと、該コイルホルダの少なくとも
一端を支持する弾性支持部材と、ほぼ中空の円筒状で前
記磁気ヘッドを駆動する方向とほぼ直交する方向に着磁
された永久磁石と、前記トラック制御用コイルを間に挟
んで前記永久磁石と対向するように設けた磁性材からな
る内ヨークと、前記弾性支持部材を保持し、前記内ヨー
ク、前記永久磁石、前記トラック制御用コイルを取り囲
むように配置され、前記永久磁石の位置決め部を設けた
外ヨークを備え、前記磁気ヘッドは前記外ヨークの外側
に位置しているものである。永久磁石、ヨークの位置決
めを容易にして組立性を改善するとともに、同一体積の
永久磁石を用いても従来装置に比べてギヤツプにおける
磁束密度を大きくすることができる。

〔実施例〕

第１図および第２図はこの発明の一実施例を示し、図
中、第４図、第５図におけると同一符号は同一または相
当する部分を示している。図において、弾性支持部材
（5a），（5b）と円筒状の永久磁石（22）の保持を兼ね
た段差のある位置決め部（40）を有する外ヨーク（21）
により、永久磁石（22）は位置決めされて外ヨーク（2
1）に接合されている。永久磁石（22）はラジアル方向
に着磁されて、円筒状のトラツク制御用コイル（３）を
囲んでいる。

以上の構成により、可動部である支持プレート（２）
に固定された磁気ヘツドチツプ（１）は先と同様の原理
で図中矢印（Ａ）方向に駆動され、トラツク制御を行
う。

また、永久磁石（22）の体積が、第４図の永久磁石
（6a），（6b）の和体積と同一とした場合、ギヤツプに
おける磁束密度は従来装置に比べて大となる。

なお、上記実施例では永久磁石としてラジアル方向に
着磁された一体物（22）を使用したが、第３図に示すよ
うに数個の欠円筒状の磁石片（30a）〜（30d）を貼合わ
せて円筒状の永久磁石（30）としても同様の効果を奏す
る。この場合、貼合わせる欠円筒状の磁石片数を増すこ
とにより、必ずしもラジアル方向の着磁でなくてもそれ
ほど効果は変わらず厚さ方向の着磁でもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、磁気ヘッドチップ
を保持する支持プレートと、ほぼ円筒状に巻回されたト
ラック制御用コイルと、該トラック制御用コイルを保持
するコイルホルダと、該コイルホルダの少なくとも一端
を支持する弾性支持部材と、ほぼ中空の円筒状で前記磁
気ヘッドを駆動する方向とほぼ直交する方向に着磁され
た永久磁石と、前記トラック制御用コイルを間に挟んで
前記永久磁石と対向するように設けた磁性材からなる内
ヨークと、前記弾性支持部材を保持し、前記内ヨーク、
前記永久磁石、前記トラック制御用コイルを取り囲むよ
うに配置され、前記永久磁石の位置決め部を設けた外ヨ
ークを備え、前記磁気ヘッドは前記外ヨークの外側に位
置しているので、永久磁石が１個ですみ、また円筒状の
外ヨークに設けた位置決め部により永久磁石の位置決め
が可能になり、部品点数が削減されると共に組立性が著
しく改善される。また、磁気回路の効率が改善され、ギ
ャップ磁束密度を大きくすることができ、これにより装
置の小形化およびコストダウンを達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の縦断面図、第２図は第１
図のものの分解斜視図、第３図は他の実施例の一部斜視
図、第４図は従来の磁気ヘツド駆動装置の縦断面図、第
５図は第４図のものの分解斜視図である。 （１）……磁気ヘツドチツプ、（２）……支持プレー
ト、（３）……トラツク制御用コイル、（４）……コイ
ルホルダ、（5a），（5b）……弾性支持部材、（7a），
（7b），（８），（21）……ヨーク、（22），（30）…
…永久磁石。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−96720（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−25821（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−246911（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−56810（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−98130（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−94218（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−99750（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−77421（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドチップが回転するドラムに巻き
   付けられた磁気テープ上にデータを記録再生する磁気記
   録再生装置において、磁気ヘッドチップを保持する支持
   プレートと、ほぼ円筒状に巻回されたトラック制御用コ
   イルと、該トラック制御用コイルを保持するコイルホル
   ダと、該コイルホルダの少なくとも一端を支持する弾性
   支持部材と、ほぼ中空の円筒状で前記磁気ヘッドを駆動
   する方向とほぼ直交する方向に着磁された永久磁石と、
   前記トラック制御用コイルを間に挟んで前記永久磁石と
   対向するように設けた磁性材からなる内ヨークと、前記
   弾性支持部材を保持し、前記内ヨーク、前記永久磁石、
   前記トラック制御用コイルを取り囲むように配置され、
   前記永久磁石の位置決め部を設けた外ヨークを備え、前
   記磁気ヘッドは前記外ヨークの外側に位置していること
   を特徴とする磁気ヘッド駆動装置。
2. 【請求項２】永久磁石は複数個の磁石片を貼り合わせた
   ことを特徴とする請求項１記載の磁気ヘッド駆動装置。