JPS5912419B2 - テ−ブル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、テーブル装置、特に試料又は工作物の精密
な位置決めの可能なテーブル装置に関する。

テーブル装置は、試料又は工作物の載置されたＸＹ−テ
ーブルを蛇行や送りむらなく所定の位置に精密に位置決
めすることが必要とされる。

一般に、テーブル装置において、ＸＹ−テーブル装置は
、Ｙ−テーブルと、このＹ−テーブル上を往復動するＸ
−テーブルとから構成されている。

モータのような駆動源によって与えられた駆動軸の回転
運動は、変換手段を介して最終的に往復運動に変換され
る。

そして、このような往復運動によってＸＹ−テーブル装
置はＸ軸方向又はＹ軸方向に移動されている。

しかしながら公知のテーブル装置において、Ｘ−テーブ
ル用のモータは、Ｙ−テーブル上に取付けられているた
めモータの振動が、ＸＹ−テーブル装置に伝達されて、
その精密な位置決めを妨げている。

また一般的に、公知のテーブル装置はころ軸受のような
ジャーナル軸受を使用して構成されている。

そのため軸受とジャーナル部分との間の摩擦力によって
スティックスリップが生じたり、軸受の熱変形が生じて
いる。

このようなスティックスリップや熱変形は、ＸＹ−テー
ブル装置に蛇行や送りむらを生じさせてその精密な位置
決めを困難としている。

そこで、モータの振動による影響を除去するため、ＸＹ
−テーブル装置をただ１つのテーブルより構成したテー
ブル装置が考案されている。

この公知のテーブル装置は、それぞれのモータによって
、Ｘ方向案内体又はＹ方向案内体を往復動させ、それぞ
れの案内体の往復運動は、各案内棒を介してＸＹ−テー
ブル装置に伝達されている。

このテーブル装置では、モータの振動による影響を除去
することにより位置決め精度を向上させている。

しかしながら、ジャーナル軸受を使用しているため案内
棒の軸受の変形は案内棒に拡大されて影響するため、Ｘ
Ｙ−テーブル装置の充分精密な位置決めがやはり困難だ
った。

この発明は、スティックスリップや軸受の変形の発生を
防止するとともに、駆動源の振動の影響を除去して、精
密な位置決めの可能なテーブル装置の提供を目的として
いる。

以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳述する。

第１図に示すように、この実施例のテーブル装置１０は
、台状の本体１２と、駆動源によって生じた回転運動を
微小往復運動に変換する第１の精密送り手段１４と、Ｘ
−チーデル１５およびこのＸ−テーブル１５が載設され
たＹ−テーブル１６からなるＸＹ−テーブル部１８とか
ら構成されている。

Ｙ−テーブル１６は、第１の精密送り機構１４によって
往復動され、Ｘ−テーブル１５は、第２の精密送り機構
２０によってＹ−テーブル１６の移動方向つまりＹ軸と
直角な方向つまりＸ軸に沿って往復動されている。

ここで、第１の精密送り機構１４で生じた往復運動は、
Ｙ−テーブル１６に直接伝達されず、第１精密送り機構
１４の振動、ねじりモーメント、曲げモーメントなどの
諸要因による影響を除去するようにカップリング機構２
２を介して、Ｙ−テーブル１５に間接的に伝達されてい
る。

第１図かられかるように、第１の精密送り機構１４は、
ゴムのような緩衝材を介在して本体１２に固定されたサ
ーボモータのような駆動源２４と、同様に本体１２に固
定されたＵ字状台枠２６とを有している。

そして、Ｕ字状台枠２６の対向する一対の直立壁２８．
２９間には、一対の水平な摺動軸３０，３１が固定的に
架設されている。

これらの摺動軸３０，３１は、はぼ十字形の押出具３２
を摺動巨在に支持している。

また、押出具３２の中央部を介して駆動源２４の駆動軸
３４が延出し、その延出端は、直立壁２９に回転自在に
保持されている。

駆動軸３４は、ボールねじであることが好ましく、ボー
ル収納体３６を介して押出具３２を回転自在に支持して
いる。

そして、ボール収納体３６の上下に一対の水平な連接棒
３８゜３９の一端が取付けられ、その他端は直立壁２９
を介してカップリング機構２２の連結板４０（第４図参
照）に連結されている。

Ｕ字状台枠２６に取付けられた摺動軸３０，３１はその
周面が十分高精度に仕上げられている。

そして、第２図及び第３図かられかるように、摺動軸３
０，３１は、加圧流体、たとえば加圧空気を利用した流
体軸受４２．４３によって押出具３２を浮遊的に支持し
ている。

ここで、加圧流体は、加圧流体源４４から分配パイプ４
６を経てオリフィス４８から流体軸受４２，４３と摺動
軸３０，３１との間隙内に噴出されて、間隙内に静圧空
気膜を形成している。

したがって、流体軸受４２，４３は摺動軸３０゜３１を
非接触的に支持できる。

上記のように、駆動軸３４は、ボールねじの形態をとっ
ているため、押出具３２に精密な往復運動を与えること
ができる。

また、押出具３２＆気流体軸受４２，４３を介して、摺
動軸３０．３１によって非接触的に支持されているため
、摩擦力によるスティックスリップの発生が防止され、
また、熱変形による影響を受けない。

さらに、押出具３２ば、わずかながら回転し、しかもそ
れが一様でなく振動するので、Ｙ−テーブル１６移動方
向に送りむらが生じやすい。

しかし、一対の流体軸受４２，４３が、駆動軸３４に対
して対称に配設されて、駆動軸３４のふれに抵抗する大
きな剛性が得られるため、このような欠点は完全に除去
できる。

したがって、押出具３２は、微小かつ精密に位置決めさ
れうる。

ここで流体軸受４２゜４３０オリフイス４８・・・・・
・の噴出開口は、加圧空気の噴出押力を緩衝するように
テーパ状に形成されている。

さらに、第４図に示すように、カップリング機構２２の
連結板４０には、連結棒５２の一端が固定されている。

そして、連結棒５２は、両側面および周面が精密仕上げ
されたフランジ５４をその他端に備えている。

フランジ５４は、内部ハウジング５６内に配設された流
体軸受５８によって支持され、内部ハウジング５６は、
外部ハウジング６０内に可動的に収納されている。

流体軸受５８は、フランジ５４の側面に対向する一対の
スラスト軸受６２．６３と、フランジ５４０周面を囲む
１個のラジアル軸受６４とを持っている。

また、内部ハウジング５６は封止的に相互連結された２
個のハウジング構成体６５，６６から構成され、一方の
ハウジング構成体６５には、出力軸６８がボルト止めさ
れている。

また外部ハウジング６０は、封止的に相互連結されて本
体１２上に固定された２個のハウジング構成体７０，７
１から構成され、内部ハウジング５６の側面又は周面に
対向したスラスト軸受７２，７３および１個のラジアル
軸受７４がその内部に配設されている。

軸受７２．７３，７４は内部ハウジング５６を非接触的
に支持する流体軸受７６を形成している。

流体軸受５８を形成する軸受６２，６３，６４には多数
のオリフィス７８・・・・・・が対向的にそれぞれ配設
され、同様に流体軸受７６の軸受７２ 、７３ 。

７４にも、多数のオリフィス７９−・・・・・が対向的
にそれぞれ配設されている。

オリフィス７８・・・・・・、７９・・・・・・には加
圧流体源４４から分配パイプ（図示せず）を介して加圧
空気が供給されている。

オリフィス７８．７９から噴出された加圧空気はフラン
ジ５４、内部ハウジング５６を非接触的つまり浮遊的に
支持する静圧空気膜を形成している。

さらに、連結棒５２および出力軸６８０周面とハウジン
グ５６，６０との間隙を介して大気中に流出する加圧空
気は、連結棒５２および出力軸６８を非接触的に直接支
持する補足的な静圧空気膜をも形成している。

図示しないが、多数のＯ−リングが加圧空気の漏れを防
止するように、ハウジング５６，６０内に配設されてい
る。

上記のように、連結棒５２は、流体軸受５８によって非
接触的に支持される。

流体軸受５８の収納された内部ハウジング５６は外部ハ
ウジング６０内に、軸方向可動に収納されるとともに、
流体軸受７６によって非接触的に支持され、衝撃を与え
ることがない。

この内部ハウジング５６には、出力軸６８が固定されて
いる。

したがって、連結棒５２の精密な往復運動は、フランジ
５４の側面に形成された静圧空気膜を介して内部ハウジ
ング５６つまり出力軸６８に円滑かつ正確に伝達される
。

また連結棒５２にふれ、ねじりモーメント、曲げモーメ
ントが生じたとしても、このように流体軸受５８．７６
を利用した二重の非接触軸受システムのカップリング機
構２２を介して連結棒５２に出力軸６８が間接的に連結
されているため、それらのふれやモーメントは流体軸受
に吸収され出力軸６８には全く伝達されない。

ここでオリフィス７８・・・・・・、７９・・・・・・
の噴出開口は加圧空気の噴出押力を緩衝させるようにテ
ーパ状に形成されている。

一方、第１図かられかるように、ＸＹ−テーブル部１８
のＹ−テーブル１６は、本体１２上に配設された一対の
対向する支持具８０，８１間に固定的に架設された一対
の案内軸８２，８３に摺動可能に支持されている。

案内軸８２，８３によるＹ−テーブル１６の支持機構は
、同一形状をしているため、以下案内軸８３についての
み説明する。

第５図から一層よくわかるように、Ｙ−テーブル１６に
は環形の通路８４が形成され、この通路８４から半径方
向内方に多数のオリフィス８６・・・−・・が延びてい
る。

これらのオリフィス８６・−・・・はＹ−テーブル１６
が案内軸８３に対して完全に平行に支持されるようにそ
れぞれ対向して配置されている。

そして、通路８４内に加圧空気を供給するための２本の
供給ホース８８，８８が、Ｙ−テーブル１６に接続され
ている。

従って加圧流体源４４から供給ホース８Ｂ、８Ｂを介し
て通路８４に加圧空気を供給すればオリフィス８６から
案内軸８３に加圧空気が噴出されて、案内軸８３とＹ−
テーブル１６との間に静圧空気膜が形成される。

このような流体軸受によってＹ−テーブル１６は非接触
的に支持される。

また空気膜の厚さは半径方向においては非均−であると
はいえ、案内軸８３の軸線方向においては均一であるた
め、その軸線に対して傾斜することなく支持される。

さらに、Ｙ−テーブル１５には試料又は加工物が保持さ
れたが積載されているため、Ｙ−テーブル１６に曲げモ
ーメントが作用しやすい。

たとえば、第５図において、図示の方向に曲げモーメン
トＭが作用すれば、Ｙ−テーブル１６の右端側は下方に
、左端側は上方に移動する傾向がある。

このようなＹ−テーブル１６の傾斜を防止するため、Ｙ
−テーブル１６の両端部にアダプター９０．９１が、第
５図に示すように、それぞれ取付けられている。

アダプター９０，９１は、左右対称の同一形態をしてい
るためアダプター９０についてのみ説明する。

第６図からよくわかるように、アダプター９０は、オリ
フィス９２が最下方に形成され、上方が欠けた部分円盤
形をしている。

しかし、アダプター９０はオリフィス９２から噴出され
た加圧空気が案内軸８３を上方に押圧するような力を生
じる構成をしていれば足り、オリフィスの位置、数、ア
ダプター自体の形状は図示の構成に限定されない。

加圧流体源４４から供給パイプ９４を経て供給された加
圧空気は噴出ノズル９２から案内軸８３の下方周面に噴
出されて切欠部から上方におよび案内軸８３に沿って側
方に流出する。

ここで、案内軸８３は、支持具８０゜８１に固定されて
いるため、案内軸８３の下方周面に衝突する噴出流によ
って、アダプター９０は、下方に押圧される。

したがって、上記のように曲げモーメントが作用してＹ
−テーブル１６の左端側が上昇する傾向にあっても、左
のアダプター９０を下方に押圧してＹ−テーブル１６の
左端側を下降させる力がアダプター９０に作用する。

そのため、Ｙ−テーブル１６に上記のような方向の曲げ
モーメントが作用してもＹ−テーブル１６は傾斜しない
。

また反対方向の曲げモーメントが作用すれば、アダプタ
ー９１が下方に押圧されてＹ−テーブル１６の傾斜は防
止される。

したがって、ＸＹ−テーブル部１８のＹ−テーブル１６
は、連接棒３８，３９を介して出力軸６８から押出具３
２の精密送りが伝達されるとともに、流体軸受によって
案内軸８２．８３に支持されアダプター９０，９１によ
ってその傾斜が防止されているため、精密な位置決めお
よび直線移動がなされうる。

Ｙ−テーブル１６上に積載されたＸ−テーブル１５は、
第２の精密送り機構２０によって位置決めされている。

第１図かられかるように、第２の精密送り機構２０は、
Ｌ形取付板９８によって本体１２上に取付けられたサー
ボモータのような駆動源１００を有している。

駆動源１００の出力は駆動軸１０２を介してＹ−テーブ
ル１６上の変換機構１０４に伝達されている。

変換機構１０４は微小回転が得られるようにウオームギ
ヤから構成されている。

微小回転運動の与えられる出力軸１０６は、その一端が
Ｘ−テーブル１５に連結され、Ｘ−テーブル１５をＹ−
テーブル１６上で往復動させている。

出力軸１０６は、Ｘ−テーブル１５の精密送りを確保す
るようにボールねじであることが好ましい。

ここで、変換機構１０４はＹ−テーブル１６とともにＹ
軸方向に移動してその位置が変化している。

そこで、変換機構１０４の位置が変化しても変換機構１
０４に回転運動を伝達しうるように、駆動軸１０２は、
ボールスプライン１０８を介して変換機構１０４に連結
されている。

Ｘ−テーブル１５は、第１図および第８図で示すように
、流体軸受によってＹ−テーブル１６上で非接触的に支
持されている。

Ｙ−テーブル１６０両端部には、Ｘ軸方向にのびた長手
溝１１０゜１１０がそれぞれ形成され、これらの溝１１
０゜１１０内に遊嵌される延出部１１２，１１２がＸ−
テーブル１５に形成されている。

Ｘ−テーブル１５には、２対の垂直方向のオリフィス１
１４・・・・・・、が形成され（一対のみが図示されて
いる）、その延出部１１２にはそれらのオリフィス１１
４・・・・・・に対向してオリフーｆス１１６・・・・
・・が形成されている。

これらのオリフィス１１４・・・・・・、１１６・・・
・・・は、それらの噴出開口はテーパ状に形成され、加
圧流体源４４から加圧空気が供給されて、Ｘ−テーブル
１５にＹ−テーブル１６との間に静圧空気膜が形成され
ている。

そして空気膜によってＸ−テーブル１５ｉＹ−テーブル
１６上に非接触的に支持されている。

上記のように、Ｘ−テーブル１５はＹ−テーブル１６上
を流体軸受によって非接触的に支持されているため、蛇
行やスティックスリップを生じることなくＹ−テーブル
１６上を動きうる。

また、ウオームギヤを利用した変換機構１０４によって
精密ねじからなる出力軸１０６に微小回転運動を与えこ
の出力軸１０６の一端にＸ−テーブル１０５が連結され
ているため、Ｘ−テーブル１０５を精密に位置決めする
ことができる。

出力軸１０６の回転によってＸ−テーブル１０５に曲げ
モーメントが作用しても、Ｘ−テーブル１０５は、流体
軸受によってＹ−テーブル１０６上に支持され、Ｙ−テ
ーブル１０６０両端部に上記構成のアダプター９０．９
０が取付けられているため、Ｘ−テープ１ル１０５及び
Ｙ−テーブル１０６は傾斜しない。

以上のように、本発明のテーブル装置は、Ｙ−テーブル
と、このＹ−テーブル上にこのＹテーブルの往復動方向
に直交する方向に往復動自在に載設されたＸ−テーブル
とからなるＸＹ−テーブル部を有していて、Ｘ−テーブ
ル及びＹ−テーブルに送りを与える２個の駆動源は、そ
れぞれ本体上に固定されている。

したがって、ＸＹ−テーブル部は駆動源から分離され、
駆動源の振動がＸＹ−テーブル部に直接伝わらない。

また、Ｙテーブル用の駆動源により往復運動する連結棒
は、Ｙ−テーブルに連結された出力軸に、流体軸受が内
股されたカップリング機構を介して連結されている。

したがって、上記カンプリング機構の流体軸受は、連結
棒を非接触的に支持し、連結棒の振動、曲げモーメント
、ねじりモーメントが出力軸に伝わることがないように
なっている。

さらに、Ｘ−テーブル及びＹ−テーブルは、流体軸受に
より非接触′的に支持されているので、蛇行やスティッ
クスリップを生じることがない。

以上の諸効果が相俟って、本発明のテーブル装置は、μ
ｍ以下のオーダの位置決めを蛇行や送りむらなくすこぶ
る高精度で行うことができる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例のテーブル装置の概略斜視
図、第２図は第１図の■−■線に沿った横断面図、第３
図は第１の精密送り機構の主要部の正面図、第４図はカ
ップリング機構の縦断面図、第５図はＹ−テーブルの一
部破断正面図、第６図は第５図の■−■線に沿った横断
面図、第７図はＸＹ−テーブル部の側面図、第８図は第
７図の■−■線に沿った横断面図である。 １２：本体、１４：第１の精密送り機構、１５：Ｘ−テ
ーブル、１６：Ｙ−テーブル、１８：ＸＹ−テーブル部
、２０：第２の精密送り機構、２２：カップリング機構
、２４：（第１の）駆動源、３４：（第１の）駆動軸、
５２：連結棒、５４：フランジ、５６：内部ハウジング
、５８：（第１の）流体軸受、６０：外部ハウジング、
６８：（第１の）出力軸、７６：（第２の）流体軸受、
８２ 、８３ ：案内軸（支持部材）、１００：（第２
の）駆動源、１０２：（第２の）駆動軸、１０４：変換
機構（第２の変換手段）、１０６：（第２の）出力軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記構成を具備することを特徴とするテーブルくし
   き置。 （イ）台状の本体 （ロ）第１の駆動軸を有し上記本体上に固定された第１
   の駆動源と、上記駆動軸の回転運動を往復運動に変換す
   る第１の変換手段と、フランジが自由端部に取付けられ
   上記第１の変換手段により軸方向に往復する連結棒とか
   らなる第１の精密送り機構 ｅ→ Ｙテーブルと、上記Ｙテーブルを上記連結棒と同
   一方向に往復動自在に支持する支持部材と、上記支持部
   材に対して上記Ｙ−テーブルを非接触的に支持するＹ−
   テーブル用流体軸受と、上記Ｙ−テーブル上に上記Ｙ−
   テーブルの移動方向と直交する方向に往復動自在に載設
   されたＸ−テーブルと、上記Ｙ−テーブルに対して上記
   Ｘ−テーブルを非接触的に支持するＸ−テーブル用流体
   軸受とからなるＸＹテーブル部 （→ 上記フランジを囲繞して上記連結棒を非接触的に
   支持する第１の流体軸受と、この第１の流体軸受が取付
   けられた内部）・ウジングと、上記内部・・ウジングが
   上記連結棒の軸線方向に移動自在に収納された外部・・
   ウジングと、上記外部ハウジングに対して上記内部ハウ
   ジングを非接触的に支持する第２の流体軸受と、上記内
   部ハウジングに一端が連結され他端が上記Ｙ−テーブル
   に連結されて上記第１の精密送り機構の送り運動を上記
   Ｙ−テーブルに伝達する第１の出力軸とからなるカップ
   リング機構 （輿 第２の駆動軸を有し上記本体上に固定された第２
   の駆動源と、上記Ｙ−テーブル上に取付けられ上記第２
   の駆動軸の回転運動を微小な回転運動に変換する第２の
   変換手段と、一端が上記第２の変換手段に連結され他端
   が上記Ｘ−テーブルに係合され上記Ｘ−テーブルを往復
   動させる回転自在な第２の出力軸とからなる第２の精密
   送り機構。