JPS5911894Y2 - 密封容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器本体と一体或形される開閉レバーを具え
た密封容器に関し、特にこの開閉レバーの基端に形戊さ
れたセルフヒンジの早期破損を防止したものである。

非常に簡単な操作で蓋の開閉を行うことが可能な密封容
器として従来から知られているものに、蓋の外周縁と容
器本体の外周縁とをこれらの弾性変形により緊密に嵌合
係止させるようにしたものがある。

しかし、このような構造のものでは大きな密封力がない
ために液体等の流動物では漏出してしまうことが度々あ
り、密封容器としては蓋に係止し得る開閉レバーを容器
本体に取り付けたものや、逆に容器本体に係止し得る開
閉レバーを蓋に取り付けたものよりも信頼性に欠ける欠
点があった。

この開閉レバーを具えた密封容器は、蓋と容器本体との
間に介装されるシール材の弾性変形によって内部を密封
し得るようにしたものであり、大きな密封力を得られる
反面、従来のものでは容器本体或いは蓋と開閉レバーと
が別体のため、製造工程や部品数が多くなってコスト高
となる欠点があった。

近年、合戒樹脂の射出威形技術の進歩に伴って容器本体
或いは蓋に開閉レバーを一体威形することが可能となっ
ており、開閉レバーの開閉操作を助けるために細くくび
れたセルフヒンジの構造がその基端部に採用されている
。

通常、開閉レバーを具えたものでは蓋と容器本体とを引
き寄せるように開閉レバーの先端と蓋或いは容器本体と
が係止するため、密封中にはセルフヒンジに大きな引張
り力が直接負荷し、度重なる開閉操作によってセルフヒ
ンジが破損してしまい、密封容器として使用できなくな
ることが比較的短期間のうちに発生していたのである。

本考案は開閉レバーを一体戒形した従来の密封容器のセ
ルフヒンジに大きな引張り力が直接負荷していた点に着
目し、このような構造を有する密封容器のセルフヒンジ
の早期破損を防止して耐久性に優れた密封容器を提供す
ることを目的とする。

この目的を達戊する本考案の密封容器にかかる構戊は、
容器本体と、この容器本体に対して着脱自在に取り付け
られる蓋と、この蓋の外周縁に沿って当該蓋に嵌め込ま
れ且つ前記容器本体の外周縁に当接してこれら容器本体
と蓋との隙間をシールするシール材とを具えた密封容器
において、前記蓋の外周縁から外側に突出する係合突部
と、細くくびれて回動自在となる基端部が前記容器本体
と一体或形のセルフヒンジを構威し且つ前記係合突部に
係止し得る係止部が先端側に形或された開閉レバーと、
この開閉レバーの前記セルフヒンジと前記係止部との間
に形威されたヒンジ保護部と、前記容器本体の外周縁に
形或され且つこのヒンジ保護部に当接し得る突出部とを
具えたものである。

以下、本考案による密封容器の一実施例についてその外
観を表す第１図ａ及びそのシール部分の断面構造を表す
第１図ｂを参照しながら詳細に説明する。

容器本体１１に被せられる蓋１２の外周縁には枠状をな
す補強部１３が形或され、この補強部１３の内側には容
器本体１１の外周縁に当接して弾性変形し得るシール材
１４が嵌め込まれている。

前記容器本体１１の外周縁にはブラケット部１５が下向
きに形威され、このブラケット部１５には基端が細くく
びれて回動自在となるセルフヒンジ１６を構威した開閉
レバー１７が一体或形されている。

本実施例の開閉レバー１７は中央部が切り欠がれたよう
な形状をなしており、その切り欠き穴１８の先端側に蓋
１２の外周縁から外側に突出する係合突部１９と係止し
得る係止部２０が形戒されている。

又、この開閉レバー１７のセルフヒンジ１６と係止部２
０との間、つまり前記切り欠き穴１８の基端側に容器本
体１１の外周縁に突設されたフランジ状の突出部２１に
嵌合して当接し得るヒンジ保護部２２が形威されている
。

本実施例では開閉レバー１７が容器本体１１の両側に相
対向して二つ設けられているが、密封能力を更に確実に
したい場合には開閉レバー１７の数を増加させることも
当然可能である。

従って、係合突部１９と係止部２０との係止によりシー
ル材１４に発生する圧縮力の反力がこれらの係止部分に
負荷するため、開閉レバー１７には引張り力が作用する
こととなる。

従来のものではセルフヒンジ１６にこの引張り力が直接
負荷していたが、本実施例ではヒンジ保護部２２が突出
部２１に係止してこの係止部分で引張り力を支えている
ため、引張り力はヒンジ保護部２２と係止部２０との間
の開閉レバー１７の部分にしが作用せず、セルフヒンジ
１６には全く引張り力が負荷しない。

このため、セルフヒンジ１６に負荷する応力は開閉レバ
ー１７の開閉操作に伴う曲げ力だけとなり、従来のよう
に短期間のうちにセルフヒンジ１６が破損してしまう虞
がなくなり、耐久性の増加が企図されたことになる。

なお、本実施例では開閉レバー１７の開閉時にセルフヒ
ンジ１６に剪断応力が負荷して破損するのを防止するた
め、開閉レバー１７の左右両側に当接してセルフヒンジ
１６の長手方向に沿った開閉レバー１７の撓み変形を防
止する一対の位置決めピン２３が容器本体１１の外周縁
に突設されている。

本実施例では開閉レバー１７に切り欠き穴１８を設けて
ここに係合突部１９に係止し得る係止部２０を形或した
が、本考案の他の一実施例におけるシール部分の断面構
造を表す第２図に示すように、蓋１２の補強部１３の隅
を係合突部１９とし、この係合突部１９に引掛かる係止
部２０を開閉レバー１７の先端に形或するようにしても
よい。

この実施例ではブラケット部１５を省略してセルフヒン
ジ１６を容器本体１１の突出部２１に直接或形してあり
、又、切り欠き穴１８の代りに突出部２１が係止し得る
ヒンジ保護部２２を有する溝２４を開閉レバー１７に形
或するようにしてもよい。

本実施例においてもヒンジ保護部２２を係止部２０とで
蓋１２を容器本体１１側へ押し付ける力を受けるように
し、セルフヒンジ１６に引張り力が作用しないようにし
てある。

本考案の更に別な他の一実施例の外観の一部を表す第３
図に示すように、係止部２０を溝状に開閉レバー１７に
形或すると共にこの係止部２０と係止し得る係合突部１
９を補強部１３に突設するようにしてもよい。

これら第２図及び第３図において第１図で示した実施例
と同一の機能を具えた部材には、これと同一の符号を記
してあるが、本実施例はこれらの実施例や周知の技術を
適宜組み合わせて更に別な構造の密封容器を得られるも
のである。

このように本考案の密封容器によると、シール材の圧縮
弾性変形に伴って発生する圧力を開閉レバーに作用する
引張り力としてヒンジ保護部と係合部とに接触する蓋の
係合突部と容器本体の突出部とで支持するようにしたの
で、セルフヒンジには開閉レバーの開閉に伴う曲げ応力
しが作用せず、従来のものより著しく耐久性を高めるこ
とが可能となった。

【図面の簡単な説明】 第１図ａは本考案による密封容器の一実施例の外観を表
す斜視図、第１図ｂはそのシール部分の構造を表す断面
図、第２図は他の一実施例におけるシール部分の構造を
表す断面図、第３図は更に別な他の一実施例の外観の一
部を表す斜視図であり、図中の符号で１１は容器本体、
１２は蓋、１４はシール材、１６はセルフヒンジ、１７
は開閉レバー、１９は係合突部、２０は係止部、２１は
突出部、２２はヒンジ保護部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と、この容器本体に対して着脱自在に取り付け
   られる蓋と、この蓋の外周縁に沿って当該蓋に嵌め込ま
   れ且つ前記容器本体の外周縁に当接してこれら容器本体
   と蓋との隙間をシールするシール材とを具えた密封容器
   において、前記蓋の外周縁から外側に突出する係合突部
   と、細くくびれて回動自在となる基端部が前記容器本体
   と一体戊形のセルフヒンジを構威し且つ前記係合突部に
   係止し得る係止部が先端側に形威された開閉レバーと、
   この開閉レバーの前記セルフヒンジと前記係止部との間
   に形威されたヒンジ保護部と、前記容器本体付の外周縁
   に形威され且つこのヒンジ保護部に当接し得る突出部と
   を具えた密封容器。