JPS5911454B2 - トラクタノドウリヨクトリダシソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はトラクタの動力取出し装置に係り、より具体
的には後部ＰＴＯ軸とは別に、ベベルピニオン軸から動
力を取出すようにした所謂ミツドＰＴＯ装置に関する。

例えば、後輪駆動トラクタを全輪駆動トラクタにする場
合には、ベベルピニオン軸から中間ギヤ等を介してミッ
ションケース下腹部に動力を取出し、そのＰＴＯ軸と前
輪デフ装置のベベルピニオン軸とを推進軸にて連結せし
めている。

ところで、従前例によると、後輪デフ装置のベベルピニ
オン軸と、アイドルギヤ軸およびミツドＰＴＯ軸の３軸
をベアリング等で固定して軸間距離が一定不動の関係で
あるため、ギヤ枚数の変更が不可能で、多元設計ができ
ない欠点があった。

この発明は上記のような実状に鑑みて案出されたもので
あって、トラクタに後部ＰＴＯ軸が備えられ、後輪デフ
機構の駆動軸に連動される腹部動力取出し機構がトラク
タ車体に取付けられたものにおいて、トラクタ車体に形
成された開口部を塞いで該車体に着設される動力取出し
ケースが前記開口部よシ車体内に延設される挿入部を備
え、該挿入部に前後方向の貫通孔が形成されたアイドル
軸が取付けられ、該アイドル軸上に前記駆動軸上のギヤ
に連動されるアイドルギヤが取付けられ、更に、該アイ
ドルギヤを介して連動されるミツドＰＴＯ軸がトラクタ
車体の外部で動力取出しケースに支持されており、前記
後部ＰＴＯ軸が前記アイドル軸の貫通孔に遊隙を有して
貫挿されていることを特徴とするトラクタの動力取出し
装置を提供するのである。

以下、本発明の具体例を前輪駆動のための動力取出し装
置として図面に従って説明するが、勿論、この発明は他
の作業機にも転用できる。

第１図において、１はトラクタ機体、２は前輪、３は後
輪である。

４はエンジンでトラクタ機体１の前部寄りに搭載されて
いる。

５はミッションケースであり、エンジン動力をその中に
内有したミッションを介して伝達可能である。

第２図をも参照すると、６は副変速軸、７はＰＴＯ軸で
、この後部ＰＴＯ軸Ｉはその末端スプライン部がミッシ
ョンケース５の後壁より露呈状に突出されている。

８は副変速軸６と後部ＰＴＯ軸７との間に支架されたベ
ベルピニオン軸で、そのビニオン９は後輪デフ装置１０
のベベルギヤに噛合している。

即ち、ベベルピニオン軸８は後輪デフ装置１０の駆動軸
とされている。

１１および１２は副変速軸６に固設した大・小のギヤ、
１３゜１４は副変速ギヤであって、ベベルピニオン軸８
に空転自在であって上記の犬・小ギヤ１１ 、１２とそ
れぞれ常時噛合している。

副変速ギヤ１３゜１４はその内周面に周方向等間隔の例
えば６個のような係合溝１５が形成され、変速ロッド１
６の摺動によシその突起１７でボール１８を介して結合
子１９をバネに抗して押圧することにより、結合子１９
が係合溝１５に係合し、ここに、副変速ができるように
されているが、勿論、その副変速手段は公知の選択噛合
い方式でもよい。

２０はベベルピニオン軸８に軸支せしめたギヤであって
、このギヤ２０にアイドルギヤ２１を常時噛合せしめ、
しかも、アイドルギヤ２１とシフトギヤ２２とを適宜噛
合することによシ、ＰＴＯ軸２３に動力が伝達可能であ
る。

アイドルギヤ２１は筒状のアイドル軸−２４に転勤自在
であって、アイドル軸２４はトラクタ車体に形成されて
いる開口部を塞いで着設されている動力取出ケース２５
に取付けられている。

即ち、動力取出ケース２５は開口部より車体内部に上部
が挿入され、該挿入部に前後方向の貫通孔を有するアイ
ドル軸２４が取付けられているのである。

ＰＴＯ軸２３は動力取出しケース２５に回転自在に支架
され、同ＰＴＯ軸２３にシフトギヤ２２が備えられ、こ
れらはカセット式として組立てられている。

そして、この動力取出しケース２５をミッションケース
５の下腹部に着設せしめて、アイドルギヤ２１をベベル
ピニオン軸８のギヤ２０と噛合せしめ、後部ＰＴＯ軸７
はこれの外径よシも大きな内径を有する筒状のアイドル
軸２４の貫通孔に遊隙を有して貫挿されているのであり
、ＰＴＯ軸２３にはカップリング２６を介して推進軸２
７が接続され、その推進軸２７の前端は前輪デフ装置の
ベベルピニオン軸にカップリングにて接続され、かつ、
カバー２８にて覆被されている。

上記のように構成された本発明によると、副変速機構を
介してベベルピニオン軸８に動力が伝達されている時、
シフトギヤ２２を摺動せしめてアイドルギヤ２１と噛合
させると、ＰＴＯ軸２３に動力が伝達され、図例では推
進軸２７を介して前輪が後輪と共に転動される。

而して、本発明においては、動力取出しケース２５に、
アイドルギヤ２１、ＰＴＯ軸２３等をカセット式に組立
てているために、その組立ておよび保守・点検作業が極
めて容易にできる。

また、アイドル軸２４は後部ＰＴＯ軸７の外径よりも大
きな内径とされた貫通孔を有し、この貫通孔に後部ＰＴ
Ｏ軸７が遊隙を有して貫挿されているため、アイドル軸
２４と後部ＰＴＯ軸７が図例でも明らかなように偏心状
態下にできて、これはアイドルギヤ２１の歯数を変更さ
せても、ＰＴＯ軸２３の位置を変更することない。

従って、前輪デフ装置とＰＴＯ軸２３との位置関係を何
等変更することなく、ギヤ２０からアイドルギヤ２１、
シフトギヤ２２を通じて歯車伝動が自由自在にでき、従
って、設計の自由性は増大でき、ＰＴＯ軸２３の地上高
を低くするようなおそれもない。

さらにまた、筒状のアイドル軸２４と後部ＰＴＯ軸７と
が偏心状態下にできることに基づいて、両軸２４，７が
干渉しないのを限度としてＰＴＯ軸２３ｔ−ベベルピニ
オン軸８の廻シにおいて左右に振ることを許容できるの
で、ＰＴＯ軸２３の地上高を高くすることもできる等々
の利点がある。

この発明は以上の通シであって、ギヤ枚数の変更は自由
自在であるし、組立て、保守点検が容易であるから、ト
ラクタのミツドＰＴＯ装置としてその実益性は著大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を利用したトラクタの外観側面図、第２
図は本発明の一例を示す要部の拡大側断面図である。 ５・・・・・・ミッションケース、１・・・・・・後部
ＰＴＯ軸、８・・・・・・ベベルピニオン軸、２０・・
・・・・８のギヤ、２１・・・・・・アイドルギヤ、２
２・・・・・・シフトギヤ、２３・・・・・・ＰＴＯ軸
、２４・・・・・・アイドル軸、２５・・・・・・動力
取出ケース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トラクタに後部ＰＴＯ軸が備えられ、後輪デフ機構
   の駆動軸に連動される腹部動力取出し機構がトラクタ車
   体に取付けられたものにおいて、トラクタ車体に形成さ
   れた開口部を塞いで該車体に着設される動力取出しケー
   スが前記開口部より車体内に延設される挿入部を備え、
   該挿入部に前後方向の貫通孔が形成されたアイドル軸が
   取付けられ、該アイドル軸上に前記駆動軸上のギヤに連
   動されるアイドルギヤが取付けられ、更に、該アイドル
   ギヤを介して連動されるミツドＰＴＯ軸がトラクタ車体
   の外部で動力取出しケースに支持されており、前記後部
   ＰＴＯ軸が前記アイドル軸の貫通孔に遊隙を有して貫挿
   されていることを特徴とするトラクタの動力取出し装置
   。