JPS5911447Y2 - 高電圧貫通形コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波高圧装置、たとえば電子レンジのマグネ
トロン管等のノイズフィルタとして使用される高電圧貫
通形コンデンサに関する。

最近、放送機器等の産業用機器のみならず、電子レンジ
等の良生機器にもＵＨＦ，ＶＨＦ帯の大電力の電磁波が
利用されるようになり、その利用度が高まるにつれて、
これら機器から漏洩する電磁波による雑音公害が大きな
社会問題としてクローズアップされるようになってきた
。

このような雑音公害を防止するため、従来より各種のノ
イズフィルタが提供されている。

第１図はこの種のノイズフィルタとしての高電圧貫通形
コンデンサの従来例を示し、軸方向の両端面に電極２，
３を形戊した円筒状の誘電体磁器１を、接地金具４の浮
上部５上に、電極３が対接するようにして固着すると共
に、電極金具６、タブ端子７、絶縁チューブ１０等を備
えた貫通端子８を、誘電体磁器１、接地金具４の浮上部
５ａに設けた貫通孔ｌａ，５ａ内を貫通させたうえで、
電極金具６を誘電体磁器１の電極２上に半田付けなどの
手段によって固着し、更に誘電体磁器１、電極金具６お
よび貫通端子８の貫通部分等のまわりを合戊樹脂９で被
覆し、該合或樹脂９の外周を外装ケース１１で覆ってあ
る。

前記合戊樹脂９は、コンデンサを構或する誘電体磁器１
の絶縁性，防湿性を確保するために設けられたもので、
外装ケース１１の内部にエポキシ樹脂などの絶縁樹脂を
注入して形威される。

また外装ケース１１は絶縁樹脂９たるエポキシ樹脂等と
の馳みが良く、強い接着力が得られる合或樹脂、たとえ
ばＡＢＳ，ナイロン，ポリエチレン樹脂等によって構或
してあった。

しかし上述のような構造であると、絶縁樹脂９の硬化収
縮時に、各部の線膨張係数の差異等に基づいて発生する
残留応力または接着力が原因となって、エポキシ樹脂９
と外装ケース１１，誘電体磁器１等との間に、剥離によ
る隙間や亀裂が発生し、これらの隙間や亀裂に高電界力
線か゛集中して沿面放電破壊等を招き易く、信頼性に欠
ける面があった。

特にヒートサイクル試、験においては、誘電体磁器１と
絶縁樹脂９の接触面に沿面破壊を生じることもあり、耐
温度特性が劣るという欠点があった。

上述の欠点を除去するため、従来は外装ケース１１を、
エポキシ樹脂に対して非接着性となる合威樹脂、たとえ
ばポリプロピレン樹脂で構或し、該外装ケース１１を利
用して絶縁樹脂９を注型した後、第２図に示すように、
外装ケース１１を取り外していた。

このように注型後に外装ケース１１を取り外すこととし
たのは、ポリプロピレン樹脂は燃焼性があり、そのまま
外装ケースとして使用するには危険過ぎるからである。

しかし、注型後に外装ケースを取り外す作業は作業性が
悪く、量産化の障害となり、コスト高となる欠点がある
。

本考案は上述する諸問題を解決し、絶縁樹脂の注型後そ
のまま装着しても、信頼性や特性の劣化を招くことがな
く、シかも難燃性に優れた外装ケースを備えた安価な高
電圧貫通形コンテ゛ンサを提供することを目的とする。

上記目的を達戒するため、本考案に係る高電圧貫通形コ
ンデンサは、貫通コンデンサのまわりを被覆する絶縁樹
脂を、外側が難燃性を有し前記絶縁樹脂と接触する面が
該絶縁樹脂に対して非接着性を示す絶縁性外装ケースで
覆ったことを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第３図は本考案に係る高電圧貫通形コンテ゛ンサの断面
図で、第１図，第２図と同一の参照符号は同一の構或部
分を示している。

この実施例では、外装ケース１１を、外筒１１ ａ内に
、内筒１１ ｂを嵌合した２層構造とし、内筒１１ｂの
開口部を接地金具４の浮上部５の外周に嵌合させ、この
状態で内筒１ｌ ｂ内に絶縁樹脂９を注型してある。

前記外筒１１ ａは難燃性に優れ、しかも機械的強度の
大きい合戒樹脂、たとえば前記のＡＢＳ ，ナイロン，
ポリエチレン樹脂等によって作威してある。

このように外筒１１ ａを難燃性の合戊樹脂で作戒すれ
ば、外装ケースの燃焼事故は、完全に防止することがで
きる。

また前記内筒１ｌ ｂは絶縁樹脂９に対して非接着性を
示す合戒樹脂、例えばテフロン，シリコン樹脂によって
構威してある。

したがって外装ケース１２と絶縁樹脂９との間が、内筒
１１ ｂによって非接着状態に保たれるから、注型後の
硬化収縮に基づく残留応力、接着力等による隙間，亀裂
などの発生が防止され、信頼性，特性が著るしく向上す
る。

しかも、外装ケース１２の取外し作業が不要となるので
、量産性が向上し、コストダウンが達威される。

なお、前記内筒１ｌ ｂの代りに、外筒１１ ａの内周
面にテフロンまたはシリコン等をコーティングする構造
であっても同様の効果を得ることができる。

以上述べたように、本考案に係る高電圧貫通形コンテ゛
ンサは、貫通コンテ゛ンサのまわりを被覆する絶縁樹脂
を、外側が難燃性を有し、かつ前記絶縁樹脂と接触する
面が該絶縁樹脂に対して非接着性を示す絶縁性外装ケー
スで覆ったことを特徴とするから、絶縁樹脂の注型後そ
のまま装着しても信頼性，特性の劣化を招くことがなく
、シかも難燃性に優れた外装ケースを備え、量産性に優
れた安価な高電圧貫通形コンデンサを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧貫通形コンデンサの断面図、第２
図は同じく別の例における製造方法を説明する図、第３
図は本考案に係る高電圧貫通形コンデンサの断面図であ
る。 １・・・・・・誘電体磁器、２，３・・・・・・電極、
４・・・・・・接地金具、６・・・・・・電極金具、８
・・・・・・貫通端子、９・・・・・・絶縁樹脂、１１
・・・・・・外装ケース、１１ａ・・・・・・外筒、１
１ ｂ・・・・・・内筒。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）貫通コンデンサのまわりを被覆する絶縁樹脂を、
   外側が難燃性を有し、かつ前記絶縁樹脂と接触する内面
   が該絶縁樹脂に対して非接着性を示す外装ケースによっ
   て覆ったことを特徴とする高電圧貫通形コンデンサ。
2. （２）前記外装ケースは、難燃性合戒樹脂により戊る外
   筒内に、前記絶縁樹脂に対して非接着性の性質を示す合
   戊樹脂より戊る内筒を嵌装して構或されることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の高電圧貫通
   形コンデンサ。
3. （３）前記外装ケースは、難燃性合戊樹脂より構或され
   、その内面に前記絶縁樹脂に対して非接着性の性質を示
   す合戊樹脂をコーティングして構或されることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の高電圧貫通
   形コンテ゛ンサ。