JPS59102404A - 複合親水性膜 - Google Patents

複合親水性膜

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Publication number
JPS59102404A
JPS59102404A JP21280982A JP21280982A JPS59102404A JP S59102404 A JPS59102404 A JP S59102404A JP 21280982 A JP21280982 A JP 21280982A JP 21280982 A JP21280982 A JP 21280982A JP S59102404 A JPS59102404 A JP S59102404A
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JP
Japan
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membrane
hydrophilic
composite
water
group
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Pending
Application number
JP21280982A
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English (en)
Inventor
Hideaki Imai
秀秋 今井
Tadashi Inoue
正 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Asahi Kasei Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd, Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な複合親水性膜に関し、詳しくはヒドロ
キシル基及び/又はカルボキシル基を有する親水性樹脂
層と、陽イオン交換樹脂層とを、各々少なくとも1層有
し2、各種の選択透過性に秀れ、特に分離膜としても秀
れた分離性能を有する複合親水性膜に関するものである
従来、有機混合物を分離膜を用いて分離する試みは古く
からなされているが、工業化された例はほとんどない。
膜分離法が本来持っているプロセス上の優位性が認めら
れているにもかかわらず実用化されていないのは、有機
混合物等の分離に対応した膜の開発が遅れていることが
主たる理由である。
従来、有機混合物等の分離に最も一般的に採用されてい
る方法は蒸留法であり、この方法は技術的にもほぼ確立
されたものである。しかしながら、この方法では、?J
lj点差の接近した物質の分離、共沸混合組成物の分離
、および熱履歴に対して不安定な物質の分離等に採用さ
れがたいという欠点がある。また、昨今の石油価格の高
騰により、省エネルギー的分離方法の開発が急がれ、そ
のひとつとして膜分離法が期待されている。
さらに一方では、石油枯渇時代に向けて、石油代替エネ
ルギーの開発は急務である。中でも、バイオマスは太陽
エネルギーを利用しているため、再生可能であること、
自然環境系に与える影響が少ないという特徴を有するた
め、その実用化への期待は大きいものがある。
しかしながら、バイオマス資源な発酵して得られるエタ
ノールは、10%前後の濃度の水溶液であり、石油代替
エネルギーとして使用するためには、イ51らかの方法
によってエタノール濃度を上げる必要がある。しかし、
従来性なわれて来た蒸留法を用いて、無水エタノールを
得ようとすると、バイオマスから最終的に得られるエネ
ルギーに転換するまでに多大のエネルギーを消費するこ
とになり、結局石油代替エネルギーとしての価値を失う
ことになりかねない。バイオマス開発技術の中で、蒸留
法に代わる濃縮技術の開発は最も重要視されているひと
つである。
従来、水−有機化合物、特に水−エタノール混合物より
選択的に水を透過させてエタノール水を濃縮する方法と
しては、例えば、米国特許第2953502号におし・
て、アセチルセルロース膜を用いて、水−エタノール共
沸混合組成物より、浸透気化法によりエタノールを濃縮
し、分離係数85を得ている。但し、この膜では、分離
係数が低く、また耐熱性・化学安定性において実用的に
は問題がある。
また、Journal of Membrane 5c
ience ] (1976)271〜287において
は、ポリテトラフルオロエチレンにポリ(N−ビニルピ
ロリドン)をグラフトした膜を用いて、水−エタノール
共沸混合組成物の濃縮を行っている。この場合の分離係
数は29と上記の分離方法よりもさらに低し・ものであ
って、」二記の膜と同様分離性能の劣るものである。
更に、特公昭54−10548号や54−10549号
においても、水−有機混合物の分離方法が提案されてい
るが、透過速度等において、実用」二の問題がある。
本発明者らは、上記の観点より検討な゛行った結果、特
願昭56−+53157号において、特にエチレン系共
重合体にスルホン基を導入して得られる親水性膜から、
特に水−有機混合物の分離にお(・て、著しく高い分離
係数で水と有機化合物を分離可能な分離膜を提案した。
また、特願昭56−96500号および特願昭57−1
1.1477号において、超薄肉の特定のエチレン系共
重合体のスルボン化膜と微多孔膜を一体化1−だ複合親
水性膜から、特に水−有機混合物の分離において、著し
く高い分離係数、および透過速度で水と有機化合物を分
離することのできる分離膜を提案した。
従来、イオン交換樹脂膜は、」二記の分離膜用途以外に
各種の用途、例えば、電気透析、電極反応や拡散透析等
の隔膜の他に、電池用隔膜、燃料電池用隔膜、および電
気浸透用隔膜等に実用化、あるいは有効であることが提
案されている。そして、そのほとんどの用途において、
イオン交換樹脂膜の分子および/またはイオンに対する
選択透過性機能が利用されており、イオン交換樹脂膜の
開発研究が、上記の選択透過性機能の改善を目的として
いるものである。
本発明者らは、イオン交換樹脂膜の各種の選択透過性機
能の改善と、先記したイオン交換樹脂膜を分離膜として
実用化するために必要な分離性能の改善を目的として鋭
意検討した結果、本発明に到達した。
次に、本発明について説明すると、本発明は、スルホン
基を少なくとも0.1ミリ当量/グラムを含有する陽イ
オン交換樹脂層と、−0J(基、あるいは−000M基
(M=H、アルカリ、金属、あるいはその他のカルボン
酸基と塩を形成し得るイオン類)より選ばれた少なくと
も1種類の親水性基を少なくとも015ミリ当量/グラ
ムを有する親水性樹脂層を少なくとも各々1層ずつ積層
し、かつ硫酸中の電隼抵抗が01〜25Ω・cm2であ
ることを特徴とする複合親水性膜である。
さらに、本発明の複合親水性膜は、強親水性基であるス
ルホン基を含有する陽イオン交換樹脂層とスルホン基よ
りは弱(・親水性を有する一OH基および/または一0
00M基を含有する親水性樹脂層を密着一体化すること
により水−有機化合物混合溶液の分離性能のみならず、
各種の選択透過性能を向」ニさせることができたことに
特徴がある。
また、従来極めて困難であった異種の陽イオン交換樹脂
膜や交換容置の異なる陽イオン交換樹脂な該親水性樹脂
層を介して積層することかり能となり、各種電極との一
体化により性能や生産性等が向上することを可能にした
T業的にも有用な複合親水性膜である。
本発明について、さらに詳細に説明すると、本発明にお
ける親水性樹脂層とは、−OH基、あるいは−〇 00
M基(M=H,アルカリ金属、あるいはその他のカルボ
ン酸基と塩を形成し得るイオン類)より選ばれた少なく
とも1種類の親水性基を少なくとも015ミリ当量/グ
ラム含有するものである。当該親水性基の含有量は、少
なくとも015ミリ当量/グラムが必要で、この含有量
以下では、分離膜として用いた場合に透過速度が著しく
低く、また硫酸中の電気抵抗も大きくなり、実用的な膜
とはなり得ない。
本発明にお℃・て使用することのできる親水性樹脂とし
ては、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル
酸Km脂、オレフィン−アクリル酸共重合体系樹脂、オ
レフィン−ヌククリル酸共重合体系樹脂、ポリビニルア
ルコールやオレフィン−ビニルアルコール共重合体樹脂
等をそのまま用いて本発明の複合親水性膜を得ることが
できるし、ポリアクリル酸エステル系樹脂、オレフィン
−アクリル酸エステル系共重合体系樹脂、ポリメタクリ
ル酸エステル系樹脂やオレフィン−メタクリル酸エステ
ル系共重合体系樹脂の薄層を陽イオン交換樹脂層面に形
成させた後に、ケン化処理することにより一〇〇〇M基
を導入することができる。
さらに、−〇11基と一〇〇〇M基の両者を含有する親
水性樹脂としては、例えば酢酸ビニルとクロトン酸、ア
クリル酸、無水マレイン酸、メタクリル酸やイタコン酸
との共重合体を常法でケン化することによって得られる
ものがあり、ケン化反応は、陽イオン交換樹脂面に塗布
する前にあらかじめ行っていくか、あるいは陽イオン交
換樹脂面に塗布して造膜後に行うことができるのは言う
までもない。
また、本発明における親水性樹脂としては、−〇11基
および/または一〇 00M基を含有していることが必
須条件であり、他の官能基、例えば・・ロゲン原子、カ
ルボニル基、アルデヒド基、アシル基、アミド基、シア
ノ基、アミノ基、リン酸基、ニトロ基、メルカプト基や
エステル基等を含有しているものを使用することもでき
る。
また、親水性基の含有量の多い樹脂の場合では通常、架
橋構造を形成させることにより水−有機化合物混合液中
での膨潤性を抑制させて使用することが好まし℃・。架
橋方法としては、一般的に行われている方法、例えば、
電離性放射線の照射による架橋、金属イオンによる架橋
や化学反応を利用する方法により、目的とする架橋を行
うことができる。そして、ヒドロキシル基の架橋方法と
しては、例えば、酸触媒存在下でグリオキザールやグル
タルアルデヒドのような低分子ジアルデヒド類と反応さ
せたり、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン
やN−メチロールエチレン尿素と反応させたり、酸触媒
存在下でジカルボン酸、ジカルボン酸クロライド、酸無
水物やジエステル類と加熱し反応させたり、ポリアクリ
ル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体やイ
ンブチレン−無水マレイン酸共重合体と加熱反応する方
法やホウ素、チタン、スズ、銅、クロム、ジルコニウム
やバナジウムの化合物と錯fヒ合物を形成させる方法等
がある。カルボキシル基の架橋方法としては、酸化亜鉛
や酸化マグネシウム等の金属酸化物を用いることにより
塩を形成させる方法や、エチレングリコールやグリセリ
ン等の多価アルコールと反応させる等の方法がある。
本発明で℃・う陽イオン交換樹脂層とは、イオン交換基
としてスルホン基を少なくとも01ミリ当量/グラムを
含有する陽イオン交換樹脂層であって特に限定するもの
ではないが、例えば、スチレン−ジビニルベンゼンX 
樹脂、スチレン−フタジエン系共重合体樹脂、フッ素系
樹脂、ポリエチレン系共重合体樹脂やポリ塩化ビニル系
樹脂等にスルホン基が少なくともQ、 1ミリ当量、/
グラムが結合した水不溶性の陽イオン交換樹脂層である
。スルホン基の含有量が0. I ミIJ当量/グラム
以下では、陽イオン交換樹脂層としての動きが発揮でき
ず、各種の゛選択性能、特に水−有機化合物混合溶液の
分離能力は低くなり、目的とする実用的な嘆となり難く
、陽イオン交換樹脂層中のスルホン基の含有量が、上記
した少なくとも01ミリ当世/グラム、好ましくは05
ミリ当量/グラム以」二が適当なものとなる。また、本
発明における陽−1オン交換樹脂層は、スルホン基以外
の交換基、例えば、カルボン酸基、リン酸基、亜リン酸
基、フェノール性水酸基、スルホン酸アミド基ヤパーフ
ルオロ第3級アルコール等の陽イオン交換基を含有して
(・ても良く、用途に応じて適宜交換基の種類を選定す
ることができる。
そして、本発明において用いられる陽イオン交換樹脂層
としては、−〇H基と−C!OOM基(但し、M−H、
アルカリ金属、ある℃・はその他のカルボン酸基と塩を
形成し得るイオン類)より選ばれた少なくとも1種類の
親水性基を少なくとも02ミリ当量/グラムと、かつス
ルホン基を少なくとも01ミリ当量/グラムを含有する
エチレン系共重合体あるいは該エチレン系共重合体を含
有する樹脂組成物から成る場合において、特に好適とな
る。
本発明における陽イオン交換樹脂層中に一〇H基および
/または一〇〇〇Mのような親水性基の含有量が0.2
 ミ’IJ当量/グラム以上の場合には、この親水性基
とスルホン基との相乗作用による分離性能の向上が発現
され、また、膜の製造においても、スルホン基の含有量
の多い陽イオン交換基脂を容易に得ることができる。
また、本発明における前記のその他のカルボキシル基と
塩を形成し得るイオン類とは、例えばMg” +  C
a” r  Zn” 、 Ea2+等の2価の金属イオ
ン、A13+等の3価の金属イオンの他にNH4+等の
−COO−基と塩を形成し得るカチオンを意味するもの
である。また、本発明のスルホン基もカルボキシル基同
様−H以外にアルカリ金属あるいはその他のカチオンと
塩を形成した状態で使用できることは明らかである。こ
こで、その他のカチオンとは、例えば、Mg” + O
a” + Zn2+、Ba2−’等の2価の金属イオン
、A13+等の3価の金属イオン、Nf(4”等のスル
ホ/基と塩を形成し得るカチオンを意味するものである
そして、本発明の複合親水性膜は、かがる陽イオン交換
樹脂層と前記の一〇H基および/または−COOM基の
親水性基を含有する親水性樹脂層が、各々少プよくとも
1層液着したものであり、がっ、硫酸中の電気抵抗が0
.1〜25Ω・0m2であることが必要となる。硫酸中
の電気抵抗がo1Ω・cm2未満の複合親水性膜では、
上記の親水性樹脂層がほとんど存在しないものであって
、該親水性樹脂層の性能がほとんど発揮されず、特に各
種の選択透過性能を向とさせることができない。また、
硫酸中の電気抵抗が25Ω・0m2を超えると、分離膜
として必要な透過速度が著しく小さく、目的とず′る実
用的な膜となりがたく、上記した01〜25Ω・0m2
、好ましくはQ、 2〜15Ω・0m2の複合親水性膜
が適当となる。
従って、本発明で使用される陽イオン交換樹脂、および
親水性樹脂の種類、層の数、および各層の厚みは、上記
の硫酸中の電気抵抗の範囲内で適宜選択することが必要
である。
そして、本発明の複合親水性膜の層構成としては、例え
ば、分離用膜としては、親水性樹脂層(I)/陽イオン
交換樹脂層(■)、微多孔膜/(1,)/(Ll)/微
多孔膜や(I) / (II) /(ti多孔膜層等が
好適となり、特にこの用途では、透過速度を大きくする
ために(1)および(II)の層は極力薄くすることが
好ましく、親水性樹脂層の厚みは°娠<ても2011、
好ましくは005〜5μであり、陽イオン交換樹脂層の
厚みは多くても100μ(補強材含有のものは補強材部
分の厚みを除り)、好ましくはO,]〜10/lとなる
。また、各種の隔膜用の膜としては、(I)/(H) 
、微多孔膜/(I)/(II)、4多孔膜や(1)、/
(II)/微多孔膜の他に、(1)/(II)/(I)
、(II)/(1)/(II)、(D/(lr)/(1
−)/微多孔膜、微多孔膜/(1)/(II)/(I)
/微多孔膜や、C1,) /(U) /(1)/微多孔
膜以外の膜あるいは電極他等々の層構成でrl広く利用
することができ、これらの用途では、特に陽イオン交換
樹脂層の厚みは限定されるものではない。
次に、本発明の複合親水性膜を分離膜として応用するの
に好適な陽イオン交換樹脂層につ(・て詳細に説明する
。特に好ましいものとして、本発明者らが特願昭57−
111477号ですでに提案したエチレン系共重合体を
含有する樹脂組成物よりなるフィルムとポリエチレン系
微多孔膜とを密着0体化した複合フィルムとスルホン化
剤とを反応させて得られる一〇H基と一〇〇〇R基(但
し、R=H。
01〜C5の炭化水素基、アルカリ金属あるいはその他
のカルボキシル基と塩を形成し得るイオン類)よりなる
群より選ばれた少なくとも1種の親水性基と少なくとも
02ミリ当量/グラムのスルホン基を有する極薄陽イオ
ン交換樹脂膜とスルホン基を含有するポリエチレン系微
多孔膜が各々少なくとも1層融着した複合膜よりなる補
強系の陽イオン交換樹脂層である。
かかる複合膜は、陽イオン交換樹脂膜の厚みが極薄′C
1親水性の著るしく高いスルホン基を有し、しかも補強
材としてポリエチレン系微多孔膜を有し、かつ、ポリエ
チレン系微多孔膜がスルホン基を有するために、%に水
−有機化合物混合物の分離において分離係数が大きく、
しかも水の透過速度に優れ、さらに耐熱性、耐溶剤性、
機械強度に優れ、かつ複合膜全体が親水性に富んだ極め
て分離膜として好適な膜となり、特にOH基あるいはカ
ルボン酸あるいはカルボン酸塩よりなる親水性基を含有
する半透性の極薄フィルムを有する極薄陽イオン交換樹
脂膜の複合膜は、高い親水性を有するため好適となる。
J−記の複合膜につし・て、さらに詳細に説明すると、
フィルム単独では′、フィルム強度が弱く、しかも柔欲
すぎるため、連続的にスルホン化剤と反応させるこ上が
困難であったエチレン系共重合体を成分とする極薄フィ
ルムとポリエチレン系微多孔膜あるいはスルホン化前あ
るいはスルホン化中あるいはスルホン化後に微多孔膜と
なり得るポリエチレン系靭脂フィルムとが各々少なくと
も1層強固に接着された複合フィルムがスルホン化、及
び必要に応じて加水分解及び/又は中和等の処理によっ
て得られる。OH基あるいはcoort基より選ばれた
少なくとも1種の官能基好ましくは官能基がカルボン酸
、カルボン酸塩あるいはOH基である親水性基と少なく
とも02ミリ当量/グラム、好ましくは1〜5ミリ当量
/グラムのスルホン基とを含有する半透性の極薄陽イオ
ン交換樹脂膜、好ましくは厚みが10〜005μm、よ
り好ましくば5−0.05 ttm、さらに好ましくは
1−0.05μmである極薄陽イオン交換樹脂膜とスル
ホン化されたポリエチレン系微多孔膜、好ましくは少な
くとも005ミリ当量/グラムのスルホン基を含有する
ポリエチレン系微多孔膜よりなる複合膜であって、エチ
レン系共重合体を含有する極薄フィルムの厚みを極度に
薄くすることにより、スルホン化反応を短かくできるた
めスルホン化以外の望ましくない副反応が少ない特徴と
、分離膜として望ましく・太き(・分離係数と大きい透
過速度を有する理想的な半透性の極薄陽イオン交換樹脂
膜部分と、耐熱性、耐溶剤性、機械強度並びに親水性に
優れた補強利部分よりなる、極めて理想的な分離膜の特
性を有する複合膜である。
そして、上記の複合膜にお(・て、半透性の極薄陽イオ
ン交換樹脂膜は、半透膜としての特性を有し、℃・わゆ
る微多孔を有さない均質膜であって、ガス透過法あるい
は浸透気化法にお(・て、水とアルコールが分離できる
特性を有する膜であって、スルホン基の含有量が少なく
ともO12ミリ当量/グラムにおいて、分離係数、及び
透過速度に特に優れた分離膜として優れた複合膜となる
。またスルホン基の含有量が、極端に大きくなると耐酸
化劣化性が低下するため、好ましくは1〜5ミリ当量/
グラムとなる。
上記の複合親水性膜は、極薄陽イオン交換樹脂膜が微多
孔膜に強固に接着されて一体化されているため、極簿陽
イオン交換樹脂膜の厚みが簿くまた、電解液中での電気
抵抗が低くても、水溶液中で自由に膨潤しがたくなった
ため、使用中に極薄陽イオン交換樹脂膜が酸化されても
比較的初期の膨潤性を保持するため、複合親水性膜の特
性が変化しがたい耐久性に富んだ(耐酸化劣化性)膜と
なる。また、光射した様に、複合フィルムとスルホン化
剤とを反応させて得られるため、ポリエチレン系微多孔
膜の大きな表面積を有する微多孔表面がスルホン化剤と
接触し、結局、微多孔表面が主体的にスルホン化された
微多孔膜を有する複合膜とすることができる。
そしてポリエチレン系微多孔膜の主として微多孔表面が
スルホン基を有するため、fl)表面張力の大きい液体
例えば、水に対して親和性が大きく、濡れ性及び保液性
に富んだ複合膜となる、(2)熱的に溶融しにくいため
、耐熱性の優れた複合膜となる、(3)有機溶剤に対す
る親和性が著るしく少ないため耐溶剤性が優れた複合膜
となる、(4)微多孔表面以外の大部分のポリエチレン
、t[f脂がスルホン基を持たなし・ため補強材として
のポリエチレン系樹脂の強度及び耐酸化性を保持させる
ことができる等の特性を有する複合膜となる。
その結果、上記の複合膜は、液状あるいは気体状混合物
より高選択的に有価成分を分離あるいは濃縮する分離膜
として好適となり中でも特に水−有機混合物より、高選
択的に水を透過させる分離膜として好適となる。
また、上記の複合膜は、その微多孔表面が水のように表
面張力の大きい液体に対する濡れ性に富んでいるので、
二次電池用の隔膜に使用した場合に、電池中の液量が変
化して膜が部分的に乾燥状態になったときに、電池に液
をたした場合にすぐに濡れ、低い抵抗値になって使用可
能な状態となる。更に、拡散透析膜に使用する場合にあ
っては、一度使用して、分離に供される含水液がなくな
り、膜が一旦乾燥状態になった場合に、アルコールやグ
リコール等で表面を濡らす等の前処理をしないでも、含
水液をはじくことなく濡れ、透析膜としての性能はすぐ
に回復する。
また、」二記の複合膜はその微多孔表面が保液性、保水
性に富んでいるので、例えば、燃料溶解型燃料電池用隔
膜として使用するときに、電極との接触面での接触抵抗
が低いという大きな利点がある。
そしてここで言うエチレン系共重合体とは、スルホン化
反応前、中あるいは後に一〇Hと一〇〇OR基よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の親水性基を有し、かつ
、スルホン化反応により極薄フィルムの断面方、向にほ
ぼ均一に少なくとも0.2 meq/gのスルホン基を
有する極簿陽イオン交換樹脂膜となり得るエチレン系共
重合体であって、例えば次の一般式(1) 、  (I
I) :ベーCH,−CiH,、+(I ) 〔式中、几、=Hあるいは−(:!H,、R2=−OC
OR8゜−COORaまたは−OH(但し、R,= C
,〜05の炭化水素基、Ra = H、C!I〜C5の
炭化水素基、アルカリ金属またはその他のカルボキシル
基と塩を形成し得るイオン類)〕 で示されるユニットを主構成成分とするエチレン系共重
合体が好適に用(・られる。この場合式(II)で示さ
れるユニットを1〜18モル%含有するものが好ましい
。このような構造のエチレン系共重合体は、エチレンと
、弐1で示すユニットになり得るコモノマーより選ばれ
た1種又は2種以上のコモノマーとを共重合するか、あ
るいは共重合の後必要に応じてケ/化や中和の処理を行
うことにより得ることができる。そして、上記エチレン
と式(II)で示されるユニットになり得るコモノマー
以外に目的を逸脱しな(・範囲でその他の単量体を共重
合させたものも本発明におけるエチレン系共重合体に含
め得る。
また本発明におけるエチレン系共重合体を含有する樹脂
組成物としては、少なくとも15重量%の上記エチレン
系共重合体と、多くとも85重量%のその他の熱可塑性
樹脂を含有する樹脂組成物よりなるものが好適に用いら
れる。
そして上記の複合膜においては、エチレン系共重合体よ
りなるフィルムが極薄のため、従来公知のエチレン系共
重合体フィルムにスルホン基を導入して得られる陽イオ
ン交換樹脂膜に比して、コモノマー成分が少なくても、
目的とする陽イオン交換樹脂膜が得られる特徴があり、
また逆にコモノマー成分の割合が多いものでも、その他
の熱可塑性樹脂を添加する方法、あるいは、極薄フィル
ム/微多孔膜の層構成とすることにより、スルホン化前
のフィルムのブロッキング性によるトラブルを解消でき
るため、目的を逸脱しない範囲でコモノマー成分を適宜
選択できる特徴があるがスル1モル%未満では、スルホ
ン化反応時間が長くなり、スルホン化以外の副反応が1
廃生しやすいため極薄陽イオン交換樹脂膜が脆くなり取
り扱し・に注意を要し、また、−OH,−Coo几基よ
り選ばれる親水性基の量が少ないため、分離性能が低く
なるため用途的に制限を有する。
逆に18モル%を越えると極薄フィルムのブロッキング
を防ぐため多量のその他の熱可塑性樹脂を添加すること
が実用的な膜を得るために必要となり、結局得られる複
合膜の水の透過速度が低下するかあるいは製法上におい
て制限を有することになり、上記した1〜18モルが好
適となる。
そして、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−メタクリル
酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸共重合体金属塩、エチレン−メ
タクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体金属塩、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体金属塩より
なる群から選ばれた少なくとも1種のエチレン系共重合
体が、成形性、スルホン化剤“゛との反応性及びスルホ
ン化された膜の耐水性から好ましい。
また、本発明において、その他の熱可塑性樹脂とは、上
記エチレン系共重合体に比較的均一にブレンドすること
ができ、かつスルホン化剤に比較的不活性な熱可塑性樹
脂であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
1.2−ポリブタジェン、ポリブテン−1よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂であり、
該熱可塑性樹脂を含有する極薄フィルムより得られる陽
イオン交換樹脂膜は耐酸化劣化性に富んだ複合膜となる
そして、その他の熱可塑性樹脂の添加量は、多くとも8
5重量%であって、この値を越えると、スルホン化剤と
の反応時間が長くまた分離膜としての水の透過速度が小
さくなり、目的とする複合親水性膜が得かた(・。
次に、上記の複合膜の製造方法について説明すると1本
発明の製造方法のひとつは、コモノマーOHa 、  
R2= 0COJ 、 C!0OR4またば−0H(た
だし、R8=C,=C5の炭化水素基、R4=H,C,
=C5の炭化水素基、アルカリ金属あるいはその他のカ
ルボキシル基と塩を形成し得るイオン類)〕の構造を有
する単量体とエチレンとのエチレン系共重合体を含有す
る水性分散体をポリエチレン系微多孔膜、あるいは、ス
ルホン化前及び/又はスルホン化中にポリエチレン系微
多孔膜となり得るポリエチレン系樹脂フィルムに塗布し
、該エチレン系共重合体塗膜を該微多孔膜あるいは該樹
脂フィルムに強固に接着して複合フィルムとし、スルホ
ン化前及び/又はスルホン化中に該樹脂フィルムを微多
孔膜とし、かつ該複合フィルムを次(・でスルホン化剤
と反応させることよりなる複合膜の製造方法である。
この方法にお(・て、該水性分散体を該微多孔膜あるい
は該樹脂フィルムに塗布する方法は、例えはコーチイン
ブロンドやエヤーナイフ等の道具を用いてコーティング
する方法が特に厚みの均一な塗膜を形成できるため特に
有効であるが、エヤーガンで水性分散体を吹きつげる方
法やあるいは水性分散体中に該微多孔膜あるいは該樹脂
フィルムを浸漬する方法も採用される。また、水性分散
体から塗膜(極薄フィルム)を形成し、微多孔膜あるい
は該複合フィルムに強固に接着する方法は、通常の方法
例えば水分を室温あるし・は熱間で蒸発し熱処理あるい
は熱プレスし、複合フィルムを得ることができる。
また水性分散体を微多孔膜あるいは該樹脂フィルムに塗
布する前に水性分散体及び/又は微多孔膜あるいは該樹
脂フィルムにエタノール、プロピルアルコール、エチレ
ンクリコール、クリセリンあるいはその他の濡れ性を改
良する化合物を添加あるいは塗布することは、厚みの均
一化、耐ピンホール性、接着強度の面から好適となる。
また、特に極薄の陽イオン交換樹脂膜を得るために、水
性分散体を、水等で希釈して低濃度で塗布する方法及び
/又は、スルホン化前に少なくとも1軸に延伸すること
が特に有効で、この方法において半透性の極薄陽イオン
交換樹脂膜の厚みが005μm程度の複合膜を製造する
ことができる。
特に、極薄親水性膜の厚みが薄いもの例えば1μm以下
のものでは、前記した水性分散体を水等で希釈する方法
のみで得た膜と、延伸して得た膜を同一厚みの膜で比較
すると、後者の膜が分離性能に優れた膜となり、先記し
た延伸方法は、極薄陽イオン交換樹脂膜を有する複合膜
を製造するために特に有効となる。
また、延伸した複合フィルムでは、ポリエチレン+R多
孔膜の空孔度及び平均孔径が、未延伸のものに比して増
大するため、スルホン化剤との反応性が増加し、極めて
短時間でスルホン化される特徴と、水の透過速度の増大
及び電解液中の電気抵抗が低下する特徴がある。
そして、該微多孔膜あるいは該樹脂フィルムを適宜選択
することにより、通常50〜130°Cの温度範囲で面
積延伸倍率が、好ましくは2倍以上、より好ましくは4
倍以上延伸して、スルホン化あるいは必要に応じて該樹
脂フィルムを微多孔膜にしてから、スルホン化すること
により、目的とする複合膜を得ることができる。
そして、極薄陽イオン交換樹脂膜の厚みが、極端に薄い
ものでも、微多孔膜による補強効果により、機械強度、
耐酸化劣化性に優れた実用的な膜となる。
そして、この製造方法においてエチレン系共重合体の水
性分散体とは、先記のエチレン系共重合体を、単独ある
いは界面活性剤を含有した状態で水に分散したものであ
って、特に制限するものではないが、分散粒子の平均粒
径がQ、O1〜05μm程度のものから目的とする複合
膜を得ることができる。
また、この方法でいう、エチレン系共重合体ととの共重
合体の中から、水性分散体を形成するものが好適で、好
ましくはエチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体金属塩、エチレン−メタクリル酸メチル−メ
タクリル酸共重合体金属塩、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体金属塩よりなる群から選ばれた少
なくとも1種のエチレン系共重合体である。
従来公知の方法で、高度に延伸配向させたエチレン系共
重合体フィルムとスルホン化剤を反応させると、スルホ
ン化中に収縮してしまう問題があったが、本発明によれ
ば、スルホン化時、に収縮力に抵抗する微多孔膜あるい
は該樹脂フィルムよりなる補強材がバッキングされてい
るために、スルホン化しても補強材に固定支持され、延
伸した場合、フィルムでもほとんど収縮したすせずにス
ルホン化することができるものである。
そして、上記の複合膜を得るために実施されるスルホン
化剤との反応について詳細に説明すると、例えば、発煙
硫酸単独又は、三酸化イオウ、クロルスルホン酸などを
必要に応じて溶剤で希釈したもの、又は、三酸化イオウ
を錯化合物としたもの等のスルホン化剤と反応させれば
良く、特に5〜30重量%の三酸化イオウを含有する発
煙硫酸と反応させることが好適である。そして、スルホ
ン化反応の温度及び時間は、特に限定するものではない
が、60°C以下の温度条件で、時間は長くとも2時間
以内、好ましくは、1時間以内が、スルホン化以外の副
反応が少な(・ため好適であり、この条件内で、適宜選
択することにより、目的とする複合膜を安定して得るこ
とができる。そして、スルホン化剤と反応後、膜に付着
している反応液を希釈した後、充分水洗し、炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ性試薬にて中和し、充
分水洗して乾燥させて、取り扱うことが、実用的に便利
である。また、必要に応じて酸あるし・はアルカリでエ
ステルを加水分解することも、目的とする複合性膜を得
るために有効である。また、上記の複合膜を製造する方
法においても、特願昭56−15798号にて提案した
様な、スルホン化剤と反応後、適当な漂白剤や酸化剤で
短時間処理することにより、目的とする電解液中の電気
抵抗を有する複合膜とする方法が、適用できることは、
言うまでもない。
そして、これら、」二記の方法により特に複合膜を効率
良く安定して製造することができる。
そして、この複合膜の製造方法は、前記した様なエチレ
ン系共重合体のスルホン化膜特有の性質を維持し、該極
薄陽イオン交換樹脂膜の厚みを著るしく薄くできること
及びポリエチレン系微多孔膜が適度にスルホン化される
ため、耐熱性、耐溶剤性及び親水性に優れる分離膜とし
て特に好適な膜となる。
そして、特に中空糸状の形で製造された複合親水性膜は
、単位容積あたりの膜表面積が大きいため好適である。
中空糸状の複合膜の製造方法につ(・て説明すると、中
空糸状のエチレン系微多孔膜あるいは微多孔膜となり得
るポリエチレン系樹脂フィルムの内側及び/又は外側に
前記のエチレン系共重合体の水性分散体を塗布し、該エ
チレン系共重合体塗膜と該中空糸状微多孔膜あるいは該
樹脂フィルムな接着後、スルホン化剤と反応させる方法
により得ることができる。
エチレン系共重合体の水性分散体を塗布する方法として
、例えば、中空糸状の微多孔膜あるいは該樹脂フィルム
を該水性分散体中に浸漬するか中空糸の内側に水性分散
体を流入する方法が、生産性及び均一塗布性から特に有
効となる。
その際、水性分散体を水等で希釈して、くり返えし塗布
する方法が温度の高い水性分散体を1回塗布する方法よ
りも、厚みの均一性、及びピンホールのない塗膜を得る
ために有効である。
上記方法によって製造した複合フィルムをそのままある
いは延伸して、常法に従ってスルホン化することにより
、目的とする中空糸状の複合膜を得ることができる。
次に、該複合膜を製造する別の方法について説明すると
、 式中几+ =H、Cha 、RQ ” 0CORa 、
−COOR4(ただし、Ra=C+〜C6の炭化水素基
、 R,=11.0゜〜C1の炭化水素基、アルカリ金
属あるいはその他のカルボキシル基と塩を形成し得るイ
オン類)〕の構造を有する単量体とエチレンとのエチレ
ン系共重合体あるいは、該エチレン系共重合体のケン化
物より選ばれた少なくとも1種類のエチレン系共重合体
あるいは少なくとも15重量%の該エチレン系共重合体
と多くとも85重量%のその他の熱可塑性樹脂を含有す
る樹脂組成物よりなる極薄フィルムとポリエチレン系微
多孔膜あるいは、スルホン化前及び/又はスルホン化中
及び/又はスルホン化後にポリエチレン系微多孔膜とな
り得るポリエチレン系樹脂フィルムを各々少なくとも1
層、熱間でラミネートして複合フィルムとし、延伸前及
び又は延伸後及び/又はスルホン化中及び/又はスルホ
ン化後に該樹脂フィルムを微多孔膜とし、かつ、該複合
フィルムをスルホン化剤と反応させることにより製造で
きる。
そして、この方法において、該エチレン系共重合体を含
有するフィルムと該微多孔膜あるいは該樹脂フイルノ、
との接着方法は少なくとも、スルホン化前及び/又はス
ルホン化後該フィルムあるいは該陽イオン交換樹脂膜が
微多孔膜とハク離しないことが必須であり、通常70〜
130°C程度の温度条件で、わずかに圧力をかけて接
着させる熱間ラミネート方式が接着強度が強く、複合膜
が得やず(・ため、特に有効である。
そして、ポリエチレン系微多孔膜を有する該複合フィル
ムを前記の方法と同様に微多孔膜の微多孔部分が熱的に
融着しないて延伸できる温度範囲例えば、50〜130
°Cの温度範囲で、面積延伸倍率が好ましくは2倍以上
より好ましくは、4倍以上延伸し、スルホン化剤と反応
させることにより、目的とする半透性の極薄陽イオン交
換樹脂膜を有する複合親水性膜を得ることができる。
また、前記ポリエチレン系樹脂フィルムを含有する複合
フィルムでは、該ポリエチレン系フィルムを延伸前及び
/又は延伸後及び/又はスルホン化中に微多孔膜とし、
スルホン化剤と反応させることにより、目的とする複合
膜を得ることができる。
この製造方法ではエチレン系共重合体を含有するフィル
ムがスルホン化剤に比較的不活性な各種の熱可塑性樹脂
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、1,2−ポリ
ブタジェン、ポリブテン−1よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有させることにより、
特に耐酸化劣化性に富んだ複合膜を得ることができる特
徴がある。ここで該熱可塑性樹脂の配合量は多くとも8
5重量%であって、この値を越えるとスルホン化時間が
長くなり、同時に水の透過速度の大きい複合膜か得がた
く、上記した85重量%以下が適当となる。
この方法においては、複合フィルムの延伸は極薄陽イオ
ン交換樹脂膜を得るために必要であるが、前記方法と同
様の方法で延伸することにより、極薄陽イオン交換樹脂
膜を得ることができると同時に、特にポリエチレン、ポ
リプロピレン、1.2−ポリブタジェン、ポリブテン−
1のような、スルホン化剤に比較的不活性な熱可塑性樹
脂をブレンドしたタイプのエチレン系共重合体を含む組
成物を陽イオン交換樹脂膜として用いた場合は、延伸が
非常に効果的に作用して、スルポン基を導入した後も膜
が薄し・のに耐酸化性を保持する。このような効果が得
られるのは上記ブレンド組成物中のスルホン化剤に比較
的不活性な熱可塑性樹脂が延伸によって繊維状に配列し
、補強効果が太き(なるためと推測される。また従来公
知の方法では、スルホン化膜として実施しがたかったエ
チレン系共重合体例えば、前記のコモノマー成分比が小
さいもの、例えば、3モル%未満、1モル%以上の領域
のエチレン系共重合体においても、前記の方法同様製造
方法においては、コモノマー成分比の小さい領域では、
該エチレン系共重合体を含有する樹脂組成物よりなるフ
ィルムを薄くすることにより、実施可能とし、実質的に
前記のコモノマーのエチレン系共重合体より目的とする
複合膜を得ることができる。また、特にコモノマー成分
比が著るしく大きい領域のエチレン系共重合体を含有す
る樹脂組成物よりなるフィルムでは、スルホン化剤に対
して、比較的不活性なポリマー、例えばポリエチレン等
のポリオレフィン樹脂を大量に混合する方法及び/又は
、電子線照射等の方法で、架橋することが、特にスルホ
ン化剤への耐溶解性及び耐酸化劣化性を改善するために
、好適となる。
さらに他の製造方法について説明すると、フィルム状に
成形後微多孔膜となり得るポリエチレン基= R4”J
i、 C,〜C6の炭化水素基、アルカリ金属あるいは
その他のカルボキシル基と塩を形成し得るイオン類)〕
の構造を有する単量体とエチレンとのエチレン系共重合
体あるいは、該エチレン系共重合体のケン化物より選ば
れた少なくとも1種類のエチレン系共重合体あるいは、
少なくとも15重量%の該エチレン系共重合体と多くと
も85重量%のその他の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組
成物(Ii)より層構成が(1,)/(Il、)である
複合フィルムを成形後及び/又はスルホン化中及び/又
はスルホン化後に微多孔膜とし、スルホン化させること
により製造できる。
この方法により(I)と(II)よりなる複合フィルム
を例えば通常の押出成形により、1段で製造できるため
、生産性に優れる特徴がある。
そして、本発明で言う、フィルム状に成形中及び/又は
成形後微多孔膜となり得るポリエチレン系樹脂組成物(
■)とは、前記の製造方法で記載した微多孔膜となり得
るポリエチレン系樹脂を意味し、スルホン化前あるいは
スルホン化中に抽出可能な物質を含有しフィルム成形後
、微多孔膜を形成する樹脂組成物は前記の特開昭51−
74057号に記載のポリエチレンを含有する樹脂組成
物や、ある(・は、その他の抽出可能な無機物あるいは
有機物を含有し、かつ該無機物あるいは有機物を抽出後
、微多孔膜を形成し得るポリエチレン系樹脂組成物、あ
るいはその他の方法、例えば、延伸により相分離して、
微多孔膜を形成するポリエチレンあるいはポリエチレン
とエチレン系共重合体を含有する樹脂組成物である。そ
して、本発明において、微多孔膜の形成は、該樹脂組成
物(I)の性質に応じて、適宜実施されるものである。
また、この方法においても前記の方法同様該多層フィル
ムの延伸が有効であることはいうまでもない。
また、この方法におけるエチレン系共重合体の種類及び
スルホン化の方法は、前記の方法と同様である。
なお、上記水分散体の塗布による方法、熱間ラミネート
法、共押出法等のいずれの方法で製造するにしても、該
微多孔膜に、無機のフィラー、例えば酸化チタン、酸化
アルミニウム等を添加して、膜強度等その他の特性を改
善することも有効である。
次に、本発明において、該親水性樹脂層と陽イオン交換
樹脂層を積層する方法としては、該親水性樹脂の水性分
散体、あるいは可溶性の溶剤に溶解させた溶液内に、陽
イオン交換樹脂膜を浸漬するか、あるいは該水性分散体
や該溶液を陽イオン交換樹脂膜上に塗布し、所定の温度
、時間条件で乾燥造膜を行う方法や、あらかじめ該親水
性樹脂の薄膜を製作しておき、陽イオ°4′°咬換樹脂
膜と所定の温度、圧力条件下で密着一体化する方法等が
ある。また、該親水性樹脂を架橋する必要がある場合は
、電離性放射線の照射による場合は積層した後に行うこ
とができるし、金属イオンによる架橋や化学反応を利用
する場合は、塗布する水性分散体、あるいは該溶液内に
必要な試薬を前もって混合しておき、陽イオン交換樹脂
膜上に塗布後に、造膜と同時に、あるいは造膜後に所定
の反応集注にすることにより架橋を行うことが可能であ
る。
親水性樹脂層(I)と陽イオン交換樹脂層を積層する方
法を具体的な層構成を挙げて例示すると、まず、(I)
の層を塗布により設ける方法の場合、例えば、(1)/
(n) 、  (1)/(n)/(I)の層構成のもの
は、(11)の層の片面あるいは両面に該親水性樹脂層
(I)を形成し得る水性分散体あるいは溶液を塗布する
方法により容易に得ることができ、(I)/(II)/
i多孔膜の層構成のものは、前記のようにして(■)]
多孔膜の層構成のものを製造したのち、(11)の面に
(1)の層を形成し得る水性分散液あるいは溶液を塗布
する方法により、協・易に製造することができる。
また、微多孔膜/(I)/(II)、4多孔膜の層構成
の場合には、(II)、/”a多孔膜の層構成のものを
製造しておき、この(II)の面に(1)の層を塗布に
より形成し、次いで、この(I)層の面に微多孔膜を積
層し、加熱加圧により密着一体化して貼り合わせばよい
。これは(1)層を接着剤層として用いる方法であり、
(n)/(1)/(II)、  (1)/(IJ)/(
I)/微多孔膜。
微多孔膜/(I )/(II)/(1)/i多孔膜等の
層構成のものは、この層構成における(1)層を接着剤
として利用するこの方法によって容易に得ることができ
る。
(1)層を架橋あるいは化学反応せしめる場合には、こ
の架橋や化学反応は積層、密着一体化後に行なえばよい
該親水性樹脂の薄膜をあらかじめ製造しておきこれを用
いて積層、密着一体化する方法によれば、上記例示のい
ずれの層構成でも得られるが、この方法は、CI)層や
(II)層の厚みが極端に薄い場合には適していない。
そして、本発明において、前記した様な方法で、上記の
複合膜の陽イオン交換樹脂膜の表面に該親水性樹脂の薄
膜を形成させることによって、目的とする特に水−有機
化合物混合溶液に対する分離性能に秀れた分離膜用腹合
親水性膜とすることができる。上記の複合親水性膜は、
該親水性樹脂層の働きにより、先記の複合膜に比して著
しく分離性能が改良され、90 Vat%のエタノール
水を浸透気化法で分離する場合の分離係数は、良好なも
ので5倍以上、より好ましいものでは10倍以上に改良
され、分離係数が1<)0以上、より好ましいものでは
1000以上の膜となる。さらに、本発明における複合
親水性膜では、10 Vo1%の低濃度のエタノール水
から99 Vat%の高濃度のエタノール水の非常に広
範囲で著しく高い分離性能を有している点に特徴がある
本発明の複合親水性膜を浸透気化法並びにガス分離法で
分離膜として使用する例について以下に説明する。
浸透気化法及びガス分離法に本発明の複合親水性膜な使
う方法とは、本発明の複合親水性膜を介し、供給側を液
状あるいは気体状混合物と接触させ、透過側を、キャリ
ヤーガスと接触させるかあるいは真空下に保って、混合
物成分の膜透過性の差を利用する分離及び/又は濃縮方
法である。この方法において、特に有効な混合物として
、水と有機物との混合物があり、液状あるいは、気体状
の℃゛ずれの混合物においても高選択的に水を透過させ
ることができる。
そして、ここで言うキャリヤーガスとは特に限定するも
のではなく、混合液が、水−有機混合物では、例えば空
気等が供給側と透過側の濃度差を大きくとれること、透
過成分と空気との分離が容易なこと(但し、透過成分に
有機物がほとんど含まれず、特に水を必要としない場合
は、そのまま大気中に逃がすことも可能)及び価格が安
い等の理由により有効となる。
ここで言う水−有機混合物とは、少なくとも1種類の有
機物と水との混合物より得られる液状あるいは気体状の
混合物である。そして、混合物を液状で分離膜と接触さ
せる方法を浸透気化法(パーベーパレーション法)、気
体状で分離膜と接触させる方法をガス透過法と呼ぶ。
上記のパーベーパレーション法およびガス分離法を使っ
て、特に水−有機混合物より選択的に水を透過させる膜
分離技術において、先記の様に本発明の複合親水性膜は
、好適で、特に親水性基としてカルボン酸、あるいはカ
ルボン酸塩あるいはOR基より選ばれた少なくとも1種
の親水性基を有する極薄陽イオン交換樹脂膜を有する腹
合膜から得られる複合親水性が好適で、さらに、極薄陽
イオン交換膜のスルホン基の含有量が大きい程分離係数
及び水の透過速度が良好で、水−有機混合物より高選択
的にかつ大きい透過速度で水を透過し、水と有機物を分
離する。
そして、上記の浸透気化法により、例えば4゜°Cの温
度条件で90 vo1%エタノール水から分離係数α、
/B (A=水、B=エタノール)が5以上、好ましく
は20以上、より好ましくは100以上、さらに好まし
くば1000以上でがっ水の透過速度が20 g/hr
−m2以上、好ましくは409/br−m2以上で、特
に極薄親水性膜部分の厚みが1μm以下において、容易
にI 009/hr−m2以上で、水とエタノールを分
離できる分離膜となる。また、高温条件でも、本発明の
複合親水性膜は耐熱性に優れるため、温度を上げること
によりさらに大きい透過速度が達成される。
そして、上記方法により、従来通常の蒸留法では分離で
きなかった各種の水−有機化合物の共沸混合物例えば、
水−エタノール混合溶液の他に、水−プロパノール、水
−イングロパノール、水−8eC−ブタノール、水−t
ert−ブタノール、水−ジアセトンアルコール、水−
テトラヒドロフラン、水−ジオキサン、水〜ピリジン、
水−ペキンルアミノ等の共沸混合組成物からも、容易に
高純度の有機成分を得ることができる。
また、前記したガス透過法による分離方法では、透過側
を絶乾状態に保つことにより、有機成分は、はとんど膜
を透過させず、高選択的に水を透過させる特徴がある。
この分離方法で6$’;2−ベーパレ−ジョン法に比べ
てさらに高い分離係数を有する特徴がある反面、水の透
過速度がやや小さい欠点があるため例えば共沸混合物か
ら水を分離する用途、保香製品から、香りを失なわずに
、水を分離する用途、悪臭を放つ製品から悪臭を外部に
出さずに水を分離する用途等の水の透過量が比較的小さ
くても目的を達成できる用途、あるいは極めて高い分離
係数が要求される用途に特に最適となる。
そして、本発明の複合親水性膜に適用できる水−有機化
合物の混合物は、少なくとも1種類の有機物と水との混
合物より得られる液状あるいは、気体状の混合物であっ
て、特に制限されるも′のではない。このような有機物
としては、例えばメタノーノペエタノール、プロパツー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタ
ツール、シクロヘキサノールに代表される1価アルコー
ル類、エチレングリコールに代表される2価アルコール
類、グリセリンに代表される3価アルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンに代表され
るケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブに代表されるエーテル類、ギ酸、酢酸、
プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸
、マレイン酸、マレイン酸半エステル、!水マレイン酸
ニ代表される有機酸類、メチルアミン、エチルアミン、
エチレンジアミンに代表されるアミン類、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸ジエ
ステルに代表されるエステル類、ブタン、ぺブタン、ヘ
キサン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベン
ゼンに代表される炭化水素類、アセトアミド、N−メチ
ルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ニト
ロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ニトロエタンに代
表される窒素含有溶剤類、ジメチルスルホキシド、二硫
化炭素に代表される硫黄含有溶剤類、クロロホルム、四
塩化炭素、モノクロルベンゼン、モノクロル酢酸、1.
1.1− ) !7クロロエタンに代表される・・ロダ
ン含有溶剤類の他に常温で気体、液体あるいは固体のそ
の他の有機物があげられる。
そして、上記水−有機化合物の混合物において、常温で
均一系の混合溶液を形成する混合物では、ガス透過法、
パーベーパレーション法のし・ずれの方法でも、容易に
適応できる。また、常温で不均一な水−有機化合物の混
合物系では、膜分離法は、実用的にさほど有効ではな(
・が、コーヒーや果実ジュースの濃縮の様に保香を目的
とする用途あるいは悪臭成分あるいは毒物を外部に出さ
ずに分離することを目的とする用途等の特殊な用途にお
いて、前記の方法により、水を分離する方法が適応でき
る。
そして、本発明の複合親水性膜が耐溶剤性に優れるため
1重量%以下の微量水分を含有する、各種の水−有機化
合物の混合物からも耐久性よく効率的に水を分離できる
ことは言うまでもなく、特に、安定剤やその他の添加剤
を含有した有機溶剤から、安定剤やその他の添加剤を失
うことなく、微量水分を除去するのに特に好適である。
また、本発明の複合親水性膜を使用して、浸透気化法あ
るいはガス分離法で水を高選択的に透過させるためには
、本発明の複合親水性膜の水の透過速度が太き(・ため
に、透過側の水蒸気濃度を低く保つべく、キャリヤーガ
スの流量を多くすることあるいは真空度を十分に低くす
ることと、供給側の濃度分極を低く保つために、混合物
の攪拌を十分に実施することが望ましい。
透過側の水蒸気濃度が、水の蒸気圧に近づくと、分離係
数及び水の透過速度とも低下するため、特に、水−有機
混合物の含水割合が大きい混合物では、上記の注意が必
要となる。
また、本発明の接合親水性膜のカルボキシル基及び/ま
たはスルホン基の対イオンの種類により、水あるいは有
機物の親和性及び水溶液中での解離性が異なるため当然
その分離性能が変化するが、分離方法、混合物の種類及
び目的により対イオンの種類を適宜選択することが望ま
しく、例えば、バイオマスを発酵して得られる低濃度の
エタノ−ル水を浸透気化法で濃縮するためには、Ba2
+イオンのように比較的解離度の小さい対イオンを選択
することにより、高い分離係数を保持させ、逆にエタノ
ール水の共佛混合組成のように、水の透過速度が低下す
る領域では、K+やNa+イオンのように、配位水の多
(・対イオンを選択することにより、水の透過速度を大
ぎく保つことが望ましい。
そして、本発明の複合親水性膜を使用して、前記したバ
イオマスを発酵して得られる低濃度のエタノールから、
大気中の熱、温排水の熱、あるいは発酵の際にでる反応
熱等の従来比較的価値の低かった排熱等を利用して極め
て低エネルギーで高濃度のエタノールを製造することが
可能となった。
さらに、本発明め複合親水性膜の用途例について説明す
ると、混合物が、He−空気ある(・はHe−CH2等
の無機の気体成分を含有する混合物の分離にも適用でき
る特徴がある。
また、本発明の複合親水性膜は、用途に応じて、平膜状
、袋状、円筒状、あるいは中空糸状の形状で使用される
ことが好ましいことは言うまでもない。
本発明における極薄陽イオン交換樹脂層及び微多孔膜の
スルホン基の含有量は、カリウム塩状態での乾燥膜重量
を基準とする。
また、本発明における、スルホン基の含有量、カチオン
輸率、分離係数、水の透過速度、微多孔膜の空孔度、微
多孔膜の平均孔径、希硫酸中の電気抵抗は以下の方法に
より測定したものである。
スルホン基の含有量(ミリ当量/グラム)スルホン酸(
−5onH)型の膜を一定量の塩化カルシウム(IN)
水溶液中に入れて平衡とし、その溶液中に生じた塩化水
素を0.INのカセイソーダ水溶液(力価−f)で、指
示薬としてフェノールフタレインを用いて滴定し、その
値X (CC) ヲ、カリウム塩状態での乾燥時重量W
(9)で割った値電解質として塩化カリウムを使用し、
試料の両側の濃度を0.2 Mlo、 I M、液温度
を23℃に保つた条件で、當法に従って膜電位を測定し
、ネルンストの式より算出した。
硫酸中の電気抵抗(Ω・cm2) 比重が1.2(at23°C)の希硫酸を満たした測定
装置(JIS C2313に準拠)に試料をセットし、
電極間に、25 mA/cm2の直流定電流を通電した
ときの試料による電圧降下を測定し、下記の式より算出
した値を硫酸中の電気抵抗とする。(測定前に試料を比
重が1.2(at23°C)の希硫酸に24時間以上浸
漬) R2−試料の硫酸中の電気抵抗(Ω・cm2)■8−試
料をセットしないときの電圧降下(1va−試料をセッ
トしたときの電圧降下(V)分離係数 図1の装置に試料をセットし、浸透気化法*1(パーベ
ーパレーション法)により、供給液側に水−有機混合物
を仕込み、透過液側を減圧にして水の分離を行ない、下
記の式より算出した値てあα水−有機物− 上記の方法で、水の分離を行い、水の透過量(り)を単
位時間(hr ) 、単位膜面積(m2)あたりに換算
した値。
この値が大きい膜程、分離速度に優れ、膜分離による生
産性の高い分離膜である。
*1化学増刊、69(’76)P、109で゛算出した
もの。
微多孔膜の平均孔径(μm) 微多孔膜表面の走査型電子顕微鏡写真で観察される開孔
部200個の長径と短径の平均を加算平均して算出した
もの。
ジオクチルフタレート、微粉状の無水ケイ酸(比表面積
200 m2.Q、平均粒子径16mμ)と粉末高密度
ポリエチレン(密度” 0.95097cm” 。
MI = 1 )より得られた樹脂組成物より従来公知
の方法で無水微粉ケイ酸を含有(50重量%)する14
0μm厚みのポリエチレン系微多孔膜(空孔度−55%
、平均孔径−0,02μm)を成形し、該微多孔膜上に
、93,5モル%のエチレンと6.5モル%のメタクリ
ル酸メチル共重合体をケン化(ケン化度−95モル%)
及び中和(中和度−35モル%)して得られる一000
CB8.−cOOIJ、及び−COONa基を有するエ
チレン系共重合体の水性分散体(固形分=40重量%、
平均粒径−02μm)をコーチインブロンドを使用して
塗布した。
次いで、110°Cで15分間加熱して、エチレン系共
重合体塗膜を形成しエチレン系共重合体/微多孔膜の層
構成を有する複合フィルムを得た。
次いで上記の複合フィルムを遊離の三酸化イオウを10
重量%含む発煙硫酸中35°Cの条件で10分間反応さ
せ、濃硫酸、希硫酸、水、水酸化カリウム水溶液、及び
水の順に洗浄、加水分解、中和等の処理を行ない、極薄
陽イオン交換樹脂膜が強固に接着した複合親水性膜を得
た。
尚、上記の複合膜の微多孔膜は、水酸化カリウム水溶液
中での処理により、大部分の無水微粉ケイ酸が抽出され
、また、極薄陽イオン交換樹脂膜中の一000CI(3
は加水分解され、その他のカルボキシル基もほとんどす
べてカルボン酸カリウム塩として極薄陽イオン交換樹脂
膜中に残存していた。
次いで、親水性樹脂として92モル%のエチレンと8モ
ル%のアクリル酸共重合体を中和して得られた一〇〇〇
、Na基を有するエチレン系共重合体の10 Vo1%
の2−グロバノールを含有する水性分散体(固形分−1
2重量%)を、上記複合膜の陽イオン交換樹脂層面に、
コーチインブロンドを使用して塗布した後、110°C
で20分間加熱して造膜を行い、複合親水性膜を得た。
結果は表1に示すように極薄陽イオン交換樹脂部分が半
透性のカチオン交換膜としての特性を有していることが
わかる。また、この複合親水性膜の水中での引張強度は
すべて5009 / cm巾以上であり、乾燥状態にお
いても何らの支障もなく取扱うことができるものである
表  1 実施例6〜7 エチレン系共重合体/微多孔膜の層構成を有する複合フ
ィルムを、遊離の三酸化イオウな10重量%含む発煙硫
酸中、35°Cの条件下で、それぞれ5分、および7分
間反応させた以外は、実施例1と同様の方法で複合親水
性交換膜を作成した。
上記の複合親水性膜は、表2に示すとおり、陽イオン交
換膜としての性質を示し、水中での引張強度も500り
/ Cm巾以上を有するものであり、かつ空気中での安
定性も良好である。
表  2 図1の浸透気化分離装置を用いて、実施例1゜6および
7の複合親水性膜を、陽イオン交換樹脂層を透過側にし
た状態にセットし、透過側の圧力が3 m+1111g
で温度40°Cの条件下で90 Vat%のエタノール
水の分離性能を測定したところ非常に秀れた分離性能を
有するものであった。
実施例11 実施例1で得た複合親水性膜の親水性樹脂層側に、実施
例1の方法により得られるポリエチレン系微多孔膜を1
10°Cの温度条件で加圧接着し、微多孔膜/親水性樹
脂層/陽イオン交換樹脂層/徽多孔膜の層構成を有する
複合親水性膜を得た。
この複合親水性膜は、硫酸中の電気抵抗1.58Ω・c
m2で、輸率が0.96であり、実施例1の複合親水性
膜と同様陽イオン交換膜として秀れた性質を示す。また
、水中での引張強度も800グラム/ cm巾以上と太
き(、機械的強度も秀れた実用的な膜である。
実施例12〜15 実施例8と同様にして、浸透気化分離装置を用いて、実
施例11の複合親水性膜を、陽イオン交換樹脂層を透過
側にした状態にセットし、透過側の圧力を3 mmHg
で温度が40’Cの条件下で各種濃度のアルコール水に
おける分離性能を測定した。
結果は表4に示すように、低濃度から高濃度のエタノー
ル水にわたって極めて秀れた分離性能を有することがわ
かった。
表  4 実施例16 実施例J1の複合親水性膜を実施例8と同様にして浸透
気化分離装置にセットし、40°Cで透過側の圧力がJ
ail(gの条件下で、エタノール、1−グロパノール
、2−プロパツール、アセトン、ジオキサン、およびテ
トラヒドロフランの共沸混合物組成の水溶液の分離を行
ったところ、いずれも分離係数が50以上であり、共沸
混合物から選択的に水を分離することができた。
実施例I7 実施例1で得られる複合膜の陽イオン交換樹脂層の表面
に10重量部のポリアクリル酸(重合度=1,000)
と10重量部のジエチレングリコールを含む10 Va
t%の2−プロパツール水溶液を、コーチインブロンド
を使用して2μmの厚さに塗布した後、110℃で2時
間加熱処理して、造膜と同時に架橋反応を行わせしめる
ことにより、複合親水性膜を得た。
上記の膜を、浸透気化装置にセットして、透過側を3 
mmHg、温度を40°Cの条件下で、9ovO1%の
エタノール水の分離性能を測定したが、分離係数(水−
エタノール)は180、水の透過速度は100 !7/
hr−m2であり、秀れた分離性能を有する分離膜であ
ることがわかる。
実施例18 実施例1で得られる複合膜の陽イオン交換樹脂層の表面
に5重量部のポリビニルアルコール(重合度−1750
、ケン化度−88モル%)、2重量部のグルタルアルデ
ヒド、および触媒として微量の塩化水素を含んだl O
Vo1%の2−プロパツール水溶液をコーチインブロン
ドを使用して2μmの厚みて塗布した後、110°Cで
1時間加熱処理して、造膜と同時に架橋反応を行わしめ
、複合親水膜を得た。
上記の膜を、浸透気化装置にセットして、透過側を3朋
1(g1温度が40°Cの条件下で、90Vo1%のエ
タノール水の分離性能を測定したが、分離係数(α水−
エ1/−/、)は190、水の透過速度は80 g−/
hr−m2であり、秀れた分離性能を有する分離膜であ
ることがわかる。
実施例19 942モル%のエチレンと58モル%のメタクリル酸メ
チルの共重合体を、ケン化(ケン化度=60モル%)及
び中和(中和度=30モル%)して得た一000CI]
、、−C!0OJ(、及び−00ONa基を有するエチ
レン系共重合体(MI=1.0)75iti%に対し、
25重量%の低密度ポリエチレン(密度−092、MI
=2.0)を、ニーダ−にて、190°Cで45分間混
練し、次いで、上記樹脂組成物100重量部に対し40
重量部のジオクチルフタレートを添加し、180℃で3
0分間さらに混練を行った。次いで、上記混合物を、1
80″Cの温度で、押出様とサーキュラ−ダイスを用(
・て押出して、周囲より、20°Cの水で急冷する方法
で40μ厚みのフィルムを得た。
そして、上記フィルムを1.1.1−トリクロロエタン
に常温で約10分間浸漬し、ジオクチルフタレートを抽
出して(添加量の95%抽出)、次いで実施例1と同様
の方法で、40℃、20分間のスルホン化処理を行い、
親水性膜を得た。
次いで、該親水性膜の片面上に、実施例1の親水性樹脂
をコーチインブロンドを使用して5μの厚みに塗布した
後、110°Cで20分間加熱して造膜を行い、複合親
水性膜を得た。
比較例1 実施例1で得た陽イオン交換樹脂膜/微多孔膜の構造の
複合膜を、浸透気化分離装置にセットし、透過側の圧力
を37RMHg、温度が40°Cの条件下で、90 V
o1%のエタノール水の分離性能を測定した。
比較例2 実施例]で成形して得たポリエチレン系微多孔膜の片面
に実施例1で用いた親水性樹脂の水性分散体を、コーチ
インブロンドを用いて2μmの厚みに塗布した後、11
0°Cで20分間加熱して造膜を行(・、親水性樹脂層
/微多孔膜の構成の複合膜を得た。
上記の膜を、浸透気化分離装置にセットして、透過側を
3+IIIIIHg、温度が40°Cの条件下で、90
Vat%エタノール水の分離性能を測定したが、結果は
表3に示すように、分離性能ば低いものであ
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施する場合の装置の例を示す。 1・・・真空ポンプ   2− トラップ3・・・恒温
槽     4・・・スターラー5・・・供給室   
  6・・・透過室7・・膜       8・・多孔
板 9・・・供給液(水−有機化合物混合液)出願人  旭
化成工業株式会社 代理人  豊  1) 善  雄 第1図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)  スルホン基を少なくとも01ミリ当量/グラ
    ムを含有する陽イオン交換樹脂層と、−OH基、あるい
    は−〇〇〇M基CM=H、アルカリ金属、あるいはその
    他のカルボン酸基と塩を形成し得るイオン類)より選ば
    れた少なくとも1種類の親水性基を少なくとも015ミ
    リ当量/グラムを有ジる親水性樹脂層を少なくとも各々
    1層ずつ積層し、かつ硫酸中の電気抵抗がO,1〜25
    Ω・cm2 であることを特徴とする複合親水性膜。
  2. (2)陽イオン交換樹脂層が、エチレン系共重合体、あ
    るいはエチレン系共重合体を含有する樹脂組成物から成
    り、−OR基と一〇〇〇M基(但し、M−I−■、アル
    カリ金属、あるいはその他のカルボン酸基と塩を形成し
    得るイオン類)より選ばれた少なくとも1種類の親水性
    基を少なくとも0.2ミリ当量/グラムと、スルホン基
    を少なくともO】ミリ当量/グラムとを有する層である
    特許請求の範囲第1項記載の複合親水性膜。
  3. (3)微多孔膜、織布、不織布、及び/又は編物よりな
    る補強材を少なくとも1層有する特許請求の範囲第1項
    あるいは第2項記載の複合親水性膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62210005A (ja) * 1986-03-12 1987-09-16 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規複合機能膜
KR20030061637A (ko) * 2002-01-15 2003-07-22 임지원 양이온교환막
JP2018511463A (ja) * 2015-03-10 2018-04-26 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 多層支持基材を有するイオン交換膜
US11135551B2 (en) 2017-03-20 2021-10-05 Bl Technologies, Inc. Ion-exchange membrane having an imprinted non-woven substrate

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