JPS5910202B2 - 靴の製造方法およびその方法に使用される芯底付靴下 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は靴、主として長靴の射出成形による製進方法お
よびその方法に直接使用される芯底付靴下に関するもの
である。

従来長靴等の靴の射出成形による製造方法では、第８、
９図に示すようにメリヤス等の伸縮性を有する靴下０１
に、芯底Ｏ２をゴム糊あるいはラテックスによりその全
面に亘つて接着し、然る後その芯底Ｏ２付靴下０１を靴
型に吊込み、これを射出成形型に装着して射出成形靴を
製造するようにしているが、かゝる従来の方法では靴下
０１の、芯底Ｏ２の接着部分は既に伸縮性を失つており
、これを靴型に吊込む際に、靴下０１の芯底Ｏ２接着部
分の伸縮性がないため、靴下０１を靴型の輪郭に適合す
るように伸長するのに、作業者は必要以上の力を要し、
また靴型への適合性も悪く、特に踵部のように凹凸のあ
る湾曲部分では靴下０１の靴型への十分な密着性が得ら
れず、射出成形の際に、靴下０１が成形材料の表面には
み出したり、成形材料の流れを阻害したりして不良品発
生の原因となる欠点があつた。

本発明は上記にかんがみ前記従来の靴の製造方法の欠点
を解消することを主な目的とするものである。

以下第１〜５図により本発明の第１実施例について説明
すると、１はメリヤス等の伸縮性を有する布地により形
成される靴下、２はビニールレザー等よりなる芯底で、
前記靴下１の底面すなわら前記芯底２の被接着面４およ
び芯底２の表面すなわら靴下への接着面５の何れか一方
もしくはそれらの両方には感熱性合成樹脂を主成分とす
る感熱性接着剤６を塗布する（第１〜５図には靴下１と
芯底２の両方に感熱性接着剤６を塗布した場合を示して
ある）。

面してこの感熱性接着剤６の原料としてポリウレタン、
ポリエステル、ＥＶＡ）ナイロン、ポリエチレン、ポリ
アクリル等が使用される。次に第２図に示すように靴下
１の被接着面４と、芯底２の接着面５の爪先部同志およ
び踵部同志を熱圧着等の接着手段により部分的に２点接
着Ｔ，８して残余の部分は未接着のまゝとする。次にこ
の芯底２付靴下１を第４図に示すように靴型３に吊込む
。この場合靴下１と芯底２は未だ未接着部分が大部分で
あるので、靴下１は芯底２によつてその伸縮性が妨げら
れるようなことは殆んどなく靴下１の靴型３への吊込み
がし易くなり、この靴下１の靴型３への密着性を良好に
することができる。次に芯底２付靴下１を吊込んだ靴型
３を常用の手段により射出成形型９内に装着し、その成
形型９と靴型３間の空洞内に、注人口１０より熱可塑性
合成樹脂材１１を射出注人して射出成形を行えば、その
合成樹脂材１１の熱と射出圧力とによつて、靴下１の前
記被接着面４および芯底２の接着面５の何れか一方、も
しくはそれらの両方に塗布されている感熱性接着剤６を
溶融し、この接着剤６によつて靴下１の被接着面４と芯
底２の接着面５とをそれらの全面に亘つて接着すること
ができ、結局射出成形による靴本体の成形と同時に靴下
１と芯底２とを一体に強固に接着することができる。面
して前記製造工程において靴本体に使用する射出成形用
の熱可塑性合成樹脂材１１としてポリ塩化ビニールを使
用する場合は、可塑材が含まれているので芯底２や靴下
１に塗布される感熱性接着剤６は可塑剤の移行しないも
のが好ましい。

たとえばポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、エチ
レン等の感熱性接着剤が好ましく、可塑剤の移行により
生じる軟化、べたつき発生、接着強度の低下等の物性変
化がなく、良好な靴底が得られる。また芯底２の両面に
感熱性接着剤６を塗布するようにすれば、芯底２には射
出成形型９内に射出される合成樹脂材１１をも接着され
、芯底２は、靴下１と靴本体の両者（こ強固に固着され
る。第６，Ｔ図には、゜靴下１と芯底２とを、それらの
爪先部、不踏部および踵部の３点において予め接着Ｔ’
，８’，１２した第２実施例が示されているが、この場
合も他の製造工程は前記第１実施例と全く同じである。
また予め芯底２に靴下１を部分的に接着させる場合に、
それらの接着位置、接着部の形状および接着面積は特に
限定されるものではなく芯底２を靴型３に吊込む際に芯
底２の位置がずれたり、脱落したりしなければよい。

尚、靴下１の伸縮性をできるだけ損わないようにするに
は接着面積は小さい方がよく、接着個所も少ない方がよ
い。以上のように本発明によれば、伸縮性を有する靴下
の芯底が接着される被接着面、および芯底の、靴下に接
着される接着面の何れか一方、もしくはそれらの両方に
感熱性接着剤を塗布し、それら両面の一部分のみを予め
接着させた後、芯底付靴下を靴型に吊込み、射出成形時
に射出される合成樹脂材の熱と射出圧力とにより靴下の
被接着面と芯底の接着面とを全面に亘つて一体に接着す
るようにしたので、前記芯底付靴下を靴型に吊込む際、
靴下は、芯底が接着されているにも拘らず、その芯底に
よつてその伸縮性が妨げられることは殆んどなく、靴下
を容易に伸長させて靴型に適合させることができ、従来
のこの種の製造手段のように成形樹脂の射出後の、靴下
のはみ出しやその注入不良に依る不良品の発生を未然に
防止することができ、品質の優れた射出成形靴を製造す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は本発明の第１実施例を示し、第１図は靴下
と、芯底の接着前の側面図、第２図は靴下と芯底の接着
後の側面図、第３図はその平面図、第４図は芯底付靴下
を靴型に吊込んだ状態の側面図、第５図は射出成形時の
状態を示す射出成形型および靴型の縦断側面図、第６，
７図は本発明の第２実施例を示し、第６図は靴下と芯底
の接着後の側面図、第Ｔ図はその平面図、第８，９図は
従来の靴の製造方法を示し、第８図は靴下と芯底の接着
後の側面図、第９図はその平面図である。 １ ・・・・・・靴下、２・・・・・・芯底、３・・・
・・・靴型、４・・・・・・被接着面、５・・・・・・
接着面、６・・・・・・感熱性接着剤、９・・・・・・
射出成形型。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 伸縮性を有する靴下に芯底を予め接着して構成した
   芯底付靴下を靴型に吊込み、これを射出成形型に装着し
   、靴型と射出成形型間の空洞部に熱可塑性合成樹脂材を
   射出して射出成形靴を製造するようにした靴の製造方法
   において、前記靴下の、芯底が接着される被接着面、お
   よび芯底の、靴下に接着される接着面の何れか一方、も
   しくはそれらの両方に感熱性接着剤を塗布し、それら両
   面の一部分のみを熱圧着等の接着手段により予め接着さ
   せた後、芯底付靴下を靴型に吊込み、射出成形時に射出
   される合成樹脂材の熱と射出圧力とにより前記靴下の被
   接着面と芯底の接着面とを全面に亘つて一体に接着させ
   ることを特徴とする靴の製造方法。 ２ 伸縮性靴下の、芯底が接着される被接着面および芯
   底の、靴下に接着される接着面の何れか一方もしくは両
   方に感熱性接着剤を塗布し、それら両面の一部分のみを
   、該靴下を靴型に吊込む前に予め接着してなる芯底付靴
   下。