JPH0638761B2 - ヒールを有する射出成形靴およびその製造方法 - Google Patents

ヒールを有する射出成形靴およびその製造方法

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JPH0638761B2 JP2073999A JP7399990A JPH0638761B2 JP H0638761 B2 JPH0638761 B2 JP H0638761B2 JP 2073999 A JP2073999 A JP 2073999A JP 7399990 A JP7399990 A JP 7399990A JP H0638761 B2 JPH0638761 B2 JP H0638761B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主に婦人、紳士向けの比較的高いヒールを有
する靴およびその製法に関する。
より詳しくは、本発明は、ヒールを有する靴を射出成形
法により製造する全く新規かつ画期的な技術に関する。
(従来の技術) 従来、ハイヒール靴などの、ヒールを有する靴は、伝統
的に、例えば「良い靴の基礎知識」(日本靴総合研究会
編)第19頁ないし第22頁に参照されるように、本底
裁断、漉き、バフかけ、接着剤による中底貼り合せ(ま
たはネイリング)、シャンク取付け、さらにヒール取付
け(昨今ではヒールアタッチングマシンを用いる。)等
の諸工程を含む主に手作業により製造されてきた。従っ
て、この種の靴の製造作業者は、職人的な高い技能が必
要とされた。
(発明が解決しようとする課題) ところで、近年、産業構造の変化に伴い、職人的手作業
労働への若年就業者の数がますます低下する傾向にあ
る。靴製造業においては、この問題に対処するため、た
とえ未熟練の労働者にあっても、外観、品質、生産性お
よび価格等に関して満足する靴を製造することができる
技術の開発が必要とされ、この点から、より有利と考え
られる射出成形法を従来用いられていない分野や範囲に
も適用することが求められてきた。
しかし、ヒールを有する靴を射出成形法により製造した
例は未だ無かった。
一方、かかる靴の従来製法は、の作業工程数が多く、
製造コストが高くなること、熟練労働者を必要とする
こと、作業者の技能によるため靴品質のばらつきが生
じやすいこと、接着剤の多用により職場環境がいたっ
て悪いこと等の欠点を有する。
そこで、本発明者は、ヒールを有する靴の射出成形法に
よる製造方法の開発に取り組むこととした。その開発プ
ロセスにおいて、以下の諸点を考慮する必要があった。
(1)靴特にヒールの強度について 適当な型面のモールドを準備し、靴底、ヒール等を含め
靴の下部全体を従来一般の射出成形法に従って成形し、
ヒールを有する靴外観のものを作ることは技術的に可能
である。
しかし、ヒールを有する靴においては、人体の荷重が直
接ヒールに加わる場合があるので、ヒールは大変強度の
高いものである必要がある。通常用いられる靴屈曲性の
良い射出樹脂例えばポリ塩化ビニル配合物で、靴の下部
全体を成形すると、該樹脂材料は、柔軟であるため、人
体の荷重に充分耐えられるような強度のヒールは得られ
ない。一方、ABS樹脂のような硬質樹脂ならば、人体の
荷重に耐えうるが、柔軟性に欠け、射出成形法の適用が
技術的に困難である。
(2)靴の軽量化について また、靴下部全体を従来慣用の射出樹脂で成形すると、
靴の全重量がいたって重くなる。靴底等の一部に空洞を
設けることにより、軽量化を図りうるが、反面、強度の
低下が著しくなり、ますます人体の荷重に耐えらない強
度のものとなる。
(3)成形時の変形について 靴底とヒールを同時に一体射出成形する方法を採用した
場合、両者の冷却時間の相違から、大きな収縮歪が生じ
て、そり、変形等が起き易い。
(4)シャンクの配置について ヒールを有する靴の場合、一般に、ヒール部から踏付部
までの強度を補いかつ歩行時における靴の反りを改良す
るために、シャンクを中底の下側に装入する必要があ
る。
従って、射出成形の過程にて、シャンクが、射出圧力に
より位置ずれすることなく、常に適正な位置に保持され
るようなシャンクの固定を考慮する必要がある。また、
シャンクの存在によって射出樹脂の流れが著しく制限さ
れることがないようなシャンクの配置を考慮する必要も
ある。
(5)各部品の一体化について 射出成形により、靴底を形成するだけでなく、該靴底が
中底、ヒールおよびシャンク等と一体になる構造である
ことが求められる。
本発明は、上述の事情を考慮してなされたもので、その
一つの目的は、靴底が射出樹脂で形成されかつ該靴底、
中底、ヒールおよびシャンク等が一体化された新規な靴
で、人体の荷重に耐えられる充分な強度、優れた靴屈曲
性および良好な外観を有し、またシャンクの機能を充分
発揮でき、さらに軽量化を容易に図ることができるヒー
ルを有する射出成形靴を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上述のように優れたヒール
を有する靴を、射出成形法により、成形後の変形や外観
不良等の不具合を引き起こすことなく、確実に製造する
ことができるヒールを有する射出成形靴の製造方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、まず第一に、 胛皮と一体になった中底と、 ヒール下部よりヒール上面に通じる射出樹脂通路と、該
通路の出口より踵側のヒール上面に形成したシャンク差
し込み穴と、前記通路の出口より爪先側のヒール上面に
設けたシャンク保持凸部を有してなるヒールと、 踵側に垂下片部を有するシャンクで、該垂下片部を前記
差し込み穴に差し入れ、前記中底とヒールの間に保持し
たシャンクと、 射出樹脂を前記ヒールの通路より射出注入して成形し、
前記中底、ヒールおよびシャンクを一体にしてなる靴底
と、 さらに前記ヒールの下部に前記通路を閉塞するように付
設したトップリフトを 備えてなるヒールを有する射出成形靴に関する。
また本発明は、上記の靴を製造する方法において、 上面にヒール定置凹部を設けたボトムモールドの該凹部
に、前記ヒールを定置し、 続いて前記シャンクの垂下片部を前記ヒールのシャンク
差し込み穴に差し入れ、 一方前記中底および胛皮の一体物をラストモールドに吊
り込み、 そして前記ボトムモールドと該ラストモールドにより靴
底成形空隙を形成し、 次いで射出樹脂を前記ヒール定置凹部に臨む射出口より
前記ヒールの通路を介して前記靴底成形空隙に射出注入
して靴底を成形し、 最後に前記トップリフトを前記ヒールに付設してなる、 ヒールを有する射出成形靴の製造方法に関する。
(発明の概要) 本発明のヒールを有する靴は、胛皮、中底、靴底、ヒー
ルおよびトップリフトより構成され、デザイン上の要請
から、飾り部品、補強胛皮などをさらに備えてもよい。
中底および胛皮は天然皮革や合成皮革等の従来からの材
料を利用でき、また両者の一体化は接着剤による貼り合
せやネイリング等の従来からの慣用技術を適用してよ
い。
靴底は、射出成形により作られ、その射出樹脂には、従
来の射出成形靴において使用された樹脂材料、例えばポ
リ塩化ビニル配合物や熱可塑性ゴムなどを利用してよ
い。
ヒールは、例えばABS樹脂のような、人体荷重に耐えら
れる強度の硬質材により別工程で製作されたものを用い
る。
ヒールは、前記靴底の成形のための射出樹脂の通路を、
ヒール下部(普通下面)よりヒール上面に通じるよう
に、好ましくは真直に、形成してなる。通路の径は、下
記に述べるヒール定置凹部内の突出部の径に相当するの
が好ましい。
またヒールは、シャンク差し込み穴を該通路の出口より
踵側のヒール上面に形成するとともに、シャンク保持凸
部を前記通路の出口より爪先側のヒール上面に設けてな
る。差し込み穴はシャンクの垂下片部を差し入れること
ができる穴構造であればよく、また保持凸部は差し込ま
れたシャンクを中底寄りの位置に保持しうるような凸部
であればよい。しかも該凸部は、射出樹脂の流れをあま
り制限しないような小突起であるのが好ましい。
シャンクは、踵側に垂下片部を有する形状のものであれ
ばよく、例えば片端を90℃ぐらいに屈曲させた断面L字
形のシャンクが使用できる。シャンクは、強度の向上、
接着面積の増大そして流動性の改良等の面から、中央突
条を下側(靴底側)に長手方向に形成するのが好まし
い。
シャンクは、垂下片部(L字形シャンクの短辺部)をヒ
ールの差し込み穴に差し入れかつ残りの部分を前記凸部
の上方に位置させた状態で、中底とヒールの間に保持さ
れる。
最後に、トップリフトは、ヒールの下部に前記通路を閉
塞するように付設される。
本発明の方法による靴の製造は、特殊形状のボトムモー
ルド、ラストモールド等を使用し、ヒールの定置、シャ
ンクの配置、トップリフトの付設等を除いて、射出成形
靴の一般的製造手順に従って行なわれる。
本発明方法に用いるボトムモールドは、ヒールが納まる
ところのヒール定置凹部をモールド上面に設け、かつ該
凹部に、射出成形機に通じる射出口を臨ませてなる。射
出樹脂通路の大きさに相当する突出部を前記凹部の底面
に設け、そして射出口を該突出部の上面に形成するのが
好ましい。
従って、本発明の方法に従い、 まずヒールをボトムモールドの上面の凹部に定置し、所
望により接着剤をヒール上面に塗布し、 続いてシャンクの垂下片部をヒールのシャンク差し込み
穴に差し入れるとともに残りの部分を保持凸部より上方
に位置させ、 一方中底および胛皮をラストモールドに吊り込み、ホッ
トメルト接着剤等で一体にし、必要により表面バフかけ
や処理液塗布等を行ない、 そしてボトムモールドとラストモールドを圧接して、所
定の靴底成形空隙を形成し、 次いで射出樹脂をヒールの定置された凹部の射出口より
ヒールの樹脂通路を介して靴底成形空隙に射出注入して
靴底を成形し、 最後にトップリフトをヒールの下部に付設することによ
り、ヒールを有する射出成形靴を製造することができ
る。
(作用) 本発明では、ヒールを靴底と別個に製作された部品を使
用するので、ヒール材料の選択は任意であり、何等制限
されない。従って、該材料の適宜選択により、たとえハ
イヒール靴であっても、人体の荷重に充分耐えうる強度
をもつヒールにすることができる。
本発明では、靴底のみを射出成形し、同時に靴底とヒー
ル等を一体化するので、冷却時間がほぼ均一化され、成
形後において不均一な収縮変形が生じない。
本発明では、ヒール自体を靴底用の射出樹脂より比重の
小さい材料で構成することにより、必要によりさらにヒ
ールの内部の適所を空洞にすることにより、靴全体の軽
量化を図ることができる。
本発明は、ヒール別体化による上記作用等に加えて、よ
り重要な以下の作用等を有する。
本発明では、樹脂の射出注入により、靴底の成形と同時
に、靴底と中底、シャンクおよびヒール等を樹脂の接着
性により一体にするので、これら部材間の接着強度は高
い。
とりわけ、シャンクの垂下片部がヒール上面の通路出口
より踵側のシャンク差し込み穴に差し入れられた状態で
射出成形されるので、ヒール上面より射出された射出樹
脂の一部は、シャンク差し込み穴に入り、そこを充満さ
せそして硬化する。従って、シャンクとヒールは大変強
固に結合される。
さらに、本発明では、シャンクがヒール上面の通路出口
より爪先側の凸部によりそれより上方に位置するように
保持された状態で射出成形されるので、成形時シャンク
の踵側部分が射出樹脂の圧力により中底寄りに押し上げ
られても、それに伴いシャンクの爪先側部分が下がって
靴底表面に露出することはなく、シャンクは常に中底寄
りの位置に保持されたまま靴底樹脂と一体化される。
付け加えるに、本発明では、射出樹脂の通路がトップリ
フトにより閉塞されるので、ヒールより樹脂を射出注入
した靴であるとは外見上認められず、大変良好な外観を
有する靴が得られる。
(実施例) 以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する
が、下記の実施例は本発明を何等制限するものではな
い。
実施例の靴は、第1図に示すように、高さ約4〜7cmの
ヒールを有する婦人向けの靴である。1は、ポリ塩化ビ
ニル配合物または熱可塑性ゴム等よりなる靴底を示し、
2は、ABS樹脂等からなりデザインの要請から皮革を被
覆してなるヒールを示す。また、3は中底、4は皮革の
胛皮、そして5はシャンク、さらに6はトップリフトを
示す。
靴底1は、ヒール2の射出樹脂通路7より射出注入され
た樹脂20により成形され、ヒール2、中底3およびシ
ャンク5等を一体化せしめてなる。
ヒール2は、第2図に示すように、ヒール下面よりヒー
ル上面11に貫通する上記の樹脂通路7を形成し、そし
て該通路7の出口より踵側のヒール上面にシャンク差し
込み穴8を形成し、さらに前記通路7の出口より爪先側
のヒール上面11にシャンク保持凸部9を設けてなる。
樹脂通路7は、射出樹脂20の注入路となるもので、下
記のボトムモールド15の突出部18を嵌挿しうる寸法
を有する。13は、突出部上方に臨む射出口を示す。ま
た樹脂通路7は、トップリフト6の基部を挿入しうるも
のでもある。16は挿入状態におけるトップリフト6の
基部先端を示し、上記射出口13よりやや下方に位置す
る。
シャンク差し込み穴8は、シャンク5の垂下片部10
(第1図)を差し入れることができる凹部である。
シャンク保持凸部9は、シャンク5を下方より支持する
もので、射出樹脂20の流れに対する制限、拘束を必要
最低限とするべく、第3図に示すように、靴底幅全体で
なく、一部のみに設けてなる。
またシャンク5は、第4図に示すように、一端側がほぼ
90°に屈曲されたL字形のもので、下側(靴底側)に中
央突条12を長手方向に設けてなる。突条12は、強度
の向上、樹脂の流れ性の改良、接着性の改善などに役立
つ。そして10は、シャンク短辺部の垂下片部を示し、
上記シャンク差し込み穴8に差し込まれる。
また、中底3と胛皮4は、接着剤等により一体化されて
いる。さらにトップリフト6は、断面T字形の部品で、
ヒール2に比して耐摩耗性を有したり弾力性に優れた各
種材料よりなる。
なお、21は、靴底表面の飾り部品を示す。部品21
は、第8図に示すように、下記ボトムモールド15の上
面に設けた環状突起23の中に装入した状態で、射出成
形される。飾り部品は、第9図に示すような部品22で
もよく、この場合には、ボトムモールド15上面に設け
た窪み24の中に装入した状態で射出成形される。飾り
部品の形状、模様等は、デザイン上の見地より適宜変更
され、それに応じたモールドが用いられる。
かかる飾り部品は、シャンク5の下側の踏付部に設ける
と、射出成形の際シャンク5がボトムモールド15の上
面に接触するのを防止でき、シャンク5が靴製品の靴底
表面に露出するのを完全に回避できるので、より有利で
ある。
次に、実施例の靴の製造プロセスを述べる。
まず、第5図に示すようなボトムモールド15を準備す
る。モールド15は、上面にヒール2の形状に対応する
形状のヒール定置凹部25を形成してなる。そして、該
凹部25は、第7図により明確に示すように、底面にヒ
ール2の通路7に嵌る大きさの突出部18を設けてな
る。突出部18は、その中に射出成形機と連絡する射出
ランナー19を形成し、そして上端にランナー出口たる
射出口13を臨ませてなる。
しかして、第5図に示すように、ヒール2をボトムモー
ルド15の凹部25の中に定置し、樹脂通路7を突出部
18に嵌挿する。次いでシャンク5の垂下片部10をヒ
ール2の差し込み穴8に指し入れるとともに、シャンク
5の残りの部分(L字形の長辺部)を凸部9の上に置
く。この際シャンク5は第6図に示すようになるべく中
底寄りに位置するように保持するとよい。さらに、飾り
部品21等も第8図に示したように配置する。
一方、中底3、胛皮4をラストモールド14に吊り込
み、ホットメルト接着剤で両者を接着し、続いて爪先部
のイセ込みヒダをベルトサンダーで平滑にするととも
に、接着力の確保のため、中底3の下面および胛皮4の
靴底1との結合面について表面バフかけまたは処理液塗
布等を行なう。
次いで、ラストモールド14をボトムモールド15に圧
接して、靴底成形空隙17を形成し、続いて射出樹脂2
0を射出ランナー19の射出口13より通路7を通して
該空隙17に射出注入して、充満させ、靴底1を成形
し、同時に該靴底1とヒール2、中底3およびシャンク
5等を一体化する。この際、樹脂20が差し込み穴8の
中に入り、硬化するので、シャンク5とヒール2が特に
強固に結合される。また、凸部9の存在により、シャン
ク5が常に中底寄りの位置に保持され、靴底表面に露出
することはなかった。
最後に、トップリフト6をヒール2の下部に通路7が閉
塞されるように付設することにより、ヒールを有する靴
製品に仕上げた。
得られた実施例の靴は、たとえハイヒール靴であって
も、人体の荷重に耐えられる充分な強度を有する一方、
優れた靴屈曲性を有するものであった。また、成形後に
おいて不均一な収縮変形が生じず、良好な外観を有し、
さらにシャンクの機能を充分発揮できるものであった。
しかも、靴全体が軽量なものであった。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明により、靴底が射出樹脂で
形成されかつ該靴底、中底、ヒールおよびシャンク等が
一体化されたヒールを有する新規な射出成形靴が提供さ
れる。
本発明の射出成形靴は、たとえハイヒール靴であって
も、人体の荷重に耐えられる充分な強度を有するととも
に、射出樹脂の採用により優れた靴屈曲性を有し、さら
に成形後において不均一な収縮変形が生じず、良好な外
観を有する。
また本発明の靴は、シャンクが所定位置に保持されてな
るので、シャンクとしての機能を充分発揮できる。
さらに本発明の靴は、ヒール材料の選択、ヒール内部の
空洞化等により靴全体の軽量化を容易に図ることができ
る。
そしてさらに本発明の靴は、トップリフトの付設等によ
り、大変良好な外観が得られる。
また、靴の製造方法についての本発明により、上述のよ
うに優れたヒールを有する靴を、射出成形法により、成
形後の変形や外観不良等の不具合を引き起こすことな
く、確実に製造することができるという効果が得られ
る。
特に本発明の方法によれば、靴底、中底、ヒールおよび
シャンク等の相互間の接着強度が高く、とりわけシャン
ク差し込み穴への射出樹脂の流入充満により、シャンク
とヒールが大変強固に結合されるという効果が得られ
る。
さらに、本発明の方法によれば、シャンクは靴底表面に
露出することはなく、常に中底寄りに保持されたまま靴
底樹脂と一体化されるので、よってシャンクの機能を充
分に発揮できかつ外観上問題とならない靴を安定的に提
供できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のヒールを有する靴を示す断面
図、 第2図は第1図の靴に用いたヒールを示す断面図、 第3図は第2図のIII−III線における断面図、 第4図は第1図の靴に用いたシャンクを示す断面図、 第5図は第1図の靴の製造における靴底成形工程を示す
断面図、 第6図は第5図のIV−IV線における断面図、 第7図は第5図においてボトムモールドに定置されたさ
れたヒールの下部付近を示す断面図、 第8図は第5図においてボトムモールド上に置かれた飾
り部品を示す断面図、 第9図は飾り部品の別の配置例を示す断面図である。 図中、 1……靴底 2……ヒール 3……中底 4……胛皮 5……シャンク 6……トップリフト 7……射出樹脂通路 8……シャンク差し込み穴 9……シャンク保持凸部 10……垂下片部 11……ヒール上面 13……射出口 14……ラストモールド 15……ボトムモールド 16……トップリフト上端 17……靴底成形空隙 18……突出部 19……射出ゲート 20……射出樹脂 25……ヒール定置凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:50 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】胛皮と一体になった中底と、 ヒール下部よりヒール上面に通じる射出樹脂通路と、該
    通路の出口より踵側のヒール上面に形成したシャンク差
    し込み穴と、前記通路の出口より爪先側のヒール上面に
    設けたシャンク保持凸部を有してなるヒールと、 踵側に垂下片部を有するシャンクで、該垂下片部を前記
    差し込み穴に差し入れ、前記中底とヒールの間に保持し
    たシャンクと、 射出樹脂を前記ヒールの通路より射出注入して成形し、
    前記中底、ヒールおよびシャンクを一体にしてなる靴底
    と、 さらに前記ヒールの下部に前記通路を閉塞するように付
    設したトップリフト を備えてなるヒールを有する射出成形靴。
  2. 【請求項2】胛皮と一体になった中底と、 ヒール下部よりヒール上面に通じる射出樹脂通路と、該
    通路の出口より踵側のヒール上面に形成したシャンク差
    し込み穴と、前記通路の出口より爪先側のヒール上面に
    設けたシャンク保持凸部を有してなるヒールと、 踵側に垂下片部を有するシャンクで、該垂下片部を前記
    差し込み穴に差し入れ、前記中底とヒールの間に保持し
    たシャンクと、 射出樹脂を前記ヒールの通路より射出注入して成形し、
    前記中底、ヒールおよびシャンクを一体にしてなる靴底
    と、 さらに前記ヒールの下部に前記通路を閉塞するように付
    設したトップリフト を備えてなる靴を製造する方法において、 上面にヒール定置凹部を設けたボトムモールドの該凹部
    に、前記ヒールを定置し、 続いて前記シャンクの垂下片部を前記ヒールのシャンク
    差し込み穴に差し入れ、 一方前記中底および胛皮の一体物をラストモールドに吊
    り込み、 そして前記ボトムモールドと該ラストモールドにより靴
    底成形空隙を形成し、 次いで射出樹脂を前記ヒール定置凹部に臨む射出口より
    前記ヒールの樹脂通路を介して前記靴底成形空隙に射出
    注入して靴底を成形し、 最後に前記トップリフトを前記ヒールに付設してなる、 ヒールを有する射出成形靴の製造方法。
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