JPH0730702U - 射出成形ブーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 面積の大きいブーツ胴部外面に、通気性を備
える靴下素材を内面に展張したブーツ窓を設けることに
より大幅に重量を軽減する一方、内部に発生した湿気を
靴下素材を通して外部へ放出させ足蒸れを防止する。 【構成】 作成位置、個数、形状、大きさなどを任意に
選定し、ブーツ胴部６０の厚さｔとほぼ同一寸法の高さ
ｈにサイドモールド１０，２０それぞれの内面に突き出
して設けられた突出部１１，２１により射出成形時に形
成される、靴下素材５０を内面に展張したブーツ窓５
１，５２を備えた射出成形ブーツである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ブーツ胴部の外面に内部の靴下素材の一部が内面に展張されて現れ るブーツ窓を設けた射出成形ブーツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、射出成形ブーツは、一般的に重く、足蒸れするということが弱点となっ て使用者に不満を与えている。そこで、重いという点に対しては、靴底内面部材 を盗み構造として軽量化を図っており、一方足蒸れ対策としては、吸汗性を有す るインソールや靴下素材を使用する場合が多くなる傾向にある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の軽量化手段においては、盗み構造の容積は極めて小 さく、十分な重量軽減が得られず、一方足蒸れ対策もブーツ内部に生じた湿気が 外部へ放出されないため内部で飽和状態となり足蒸れを発生させている。

【０００４】 本考案は、このような従来の技術的課題を背景にしてなされたもので、面積の 大きいブーツ胴部に着眼し、通気性の靴下素材を内面に展張したブーツ窓をブー ツ胴部外面に設けることにより大量の重量軽減を図るとともに、そのブーツ窓か ら靴下素材を通過して内部の湿気を放散することにより足蒸れが生ぜず軽量化さ れた射出成形ブーツを得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、内部全面に通気性の靴下素材を貼付した射出成形ブーツにおいて、 ブーツ胴部の外面所望個所に、前記靴下素材を内面に展張したブーツ窓を設けた ことを特徴とする射出成形ブーツを提供するものである。

【０００６】

【作用】 本考案の射出成形ブーツは、射出成形ブーツ用金型のサイドモールド内面に、 作成されるブーツ胴部とほぼ同じ厚さで所望の形状をした突出部を突設すること によりブーツの射出成形に際し、極めて容易に靴下素材を内面に展張した排湿兼 軽量化用のブーツ窓を形成することができる。なお、そのブーツ窓の作成位置、 個数、形状、大きさなどは任意に選定することが可能である。このブーツ窓を設 けることにより、ブーツの重量は大幅に減少でき、歩行が極めて楽となり疲労も 軽減するばかりか、内部に発生した湿気も滞留することなく靴下素材を通過して 外部へ放出されるので、履き心地が著しく向上する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る実施例の射出成形ブーツＢを図面に基づいて詳細に説明す る。 まず、本実施例の排湿兼軽量化用のブーツ窓の製造方法について述べるが、上 記ブーツ窓はブーツ胴部の両側面に設けたものを例にとる。 使用される射出成形用金型Ａは、図１〜図２に示すように、主にサイドモール ド１０と２０、ボトムモールド３０、本体ラスト（ラストモールド）４０を備え ている。

【０００８】 靴下素材５０を穿かせた本体ラスト４０に、ボトムモールド３０とサイドモー ルド１０，２０とを嵌合することにより形成される金型Ａのブーツ成形用空隙４ １に、踵部３１に穿設された注入口３２からブーツ成形材料Ｚを注入して、ブー ツ胴部６０を含むブーツ本体７０および靴底部８０を一体に形成し、射出成形ブ ーツＢを完成する。

【０００９】 なお、この金型Ａでは、図２に示すように、サイドモールド１０，２０のブー ツ胴部６０を形成する部分の内面に、それぞれ所望の平面形状、大きさで靴下素 材５０の表面に当接する高さｈの突出部１１，２１を突設させているので、この 部分にはブーツ成形材料Ｚが入らぬため、靴下素材５０の表面が露出したブーツ 窓５１，５２が形成される。すなわち、ブーツ成形用空隙４１は、靴下素材５０ の厚さとブーツ胴部６０の厚さｔとを加えた厚さとなるように形成してあるが、 ブーツ窓５１，５２を形成するための突出部１１，２１はブーツ胴部５０の厚さ ｔとほぼ同じ寸法の高さｈに設定してある。

【００１０】 また、靴下素材５０の材質は、ビニルレザー、乾式ポリウレタン合成皮革、湿 式ポリウレタン合成皮革をはじめとして、種々の人工皮革、およびナイロン、ポ リエステル、ポリウレタン、レーヨン、アクリル繊維などの編布、織布、不織布 の単独使用や、あるいはれらとポリウレタンフォーム、ポリオレフィン系フォー ム、ＥＶＡフォームなどのフォーム類の片面または両面にラミネートした積層体 としてもよい。 さらに、射出成形材料の材質は、ポリ塩化ビニル系樹脂、軟質ポリウレタン、 あるいは熱可塑性ゴムなどが挙げられる。

【００１１】 この実施例の射出成形ブーツＢは、射出成形に際し、靴下素材５０を展張した 排湿兼軽量化用のブーツ窓５１，５２を、設置位置、個数、大きさ、形状など所 望に応じて選定し極めて容易に形成できるため、ブーツＢの重量を大幅に軽減す るばかりか、内部に発生する湿気を遅滞なく外へ排出する。 なお、ブーツ窓５１，５２に現れた靴下素材５０の表面に撥水剤を塗布すれば 、水しぶきなどの内部への浸入を阻止することができ好都合である。

【００１２】 以上で本考案の実施例の射出成形ブーツを説明したが、本考案はこの実施例に 限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲での構成および作用の変更があ っても本考案に含まれる。

【００１３】 例えば、この実施例では、ブーツ窓を舌形としてブーツ胴部の両側面に２個配 置したが、これに限らずブーツ胴部の前面あるいは後面に、花形、だるま形など 任意の形で幾つもの個数を設けても差し支えない。 また、最初に靴底を射出成形し、その上にブーツ本体を射出成形する２段射出 成形や、中間靴底を介在させた三段射出成形のブーツなどに対しても本考案が適 用できることはいうまでもない。

【００１４】

【考案の効果】

上記のように、本考案は、金型のサイドモールドに突出部を設けてブーツの射 出成形時に靴下素材を展張したブーツ窓をブーツ胴部に形成することとしたため 、極めて容易に所望の設置位置、個数、大きさ、形状などを選定することができ る。また、設置位置をブーツ胴部にしたので、大幅の重量軽減が可能となり、使 用者は歩行が楽で疲労も減少する。さらに、使用に伴い発生する内部湿気も、滞 留することなくブーツ窓に展張された靴下素材を通って外へ排出されるので履き 心地も著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る実施例の射出成形ブーツの側面図
である。

【図２】図１のII−II線断面拡大図である。

【符号の説明】

Ｂ；射出成形ブーツ ５０；靴下素材 ５１；ブーツ窓 ５２；ブーツ窓 ６０；ブーツ胴部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部全面に通気性の靴下素材を貼付した
   射出成形ブーツにおいて、ブーツ胴部の外面所望個所
   に、前記靴下素材を内面に展張したブーツ窓を設けたこ
   とを特徴とする射出成形ブーツ。