JPS589264Y2 - 静電式表示装置の可変電極装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、彎曲表面をもつ固定電極に弾力性を有する可
変電極が静電力により吸引されて密着することにより可
変電極が復帰状態にあるときと外観が明瞭に変化する静
電的表示装置に関する。

このような静電的表示装置は、特願昭５０９５３１０号
として既に出願されているが、その原理を簡単に説明す
ると、第１図に示すように、基台１上に彎曲表面を有す
る固定電極３と、上記固定電極３に隣接し、かつ、その
平面が上記固定電極３の彎曲表面の中心軸と平行になる
ように固定端４が基台１に取付けられた弾力性を有する
可変電極５、例えばポリエステル等の弾力性を有する重
合体の薄膜から成るコアの両面にアルミニウム等の金属
が蒸着されてなるものを有し、上記固定電極３と上記可
変電極５の相対向する面のいずれか片方又は双方には絶
縁材料の薄膜２が設けられ、両電極間には電源８及びリ
ード線９，９により直流電圧が印加できるようになって
いる。

今、電圧が印加されていないときは、可変電極５が図示
のように復帰状態になっていてその自由端６は表示方向
Ｖと少なくとも平行になるはで開いているが、電圧が印
加されると、両電極間に作用する静電力により可変電極
５は接点Ａから順次固定電極３の彎曲表面に吸引され瞬
時にして、二点鎖線で示したように、自由端６に色るま
で固定電極表面に密着する。

従って、固定電極表面２と可変電極の外側表面の外観、
例えば光反射率、色彩、文字図形模様等が相違するとき
この二状態を切換えて所望の表示を行わせることができ
る。

この基本発明は、動作電力が非常に小さいこと、記憶能
力を有すること、文字図形模様等の複雑な内容を表示す
ることができること、・構成が簡単で機械的要素を全く
含んでいないことなどの利点があり、広い応用が期待で
きる発明である。

このような静電式表示装置における可変電極は、例えば
アルミを蒸着した厚さ８ミクロン前後の高分子材料から
作られる。

実験によれば、加工に際し可変電極に皺や折れ曲がりが
生じて少しでも平面性が損われると円滑な開閉動作が阻
害される。

例えば、厚さ８ミクロンの可変電極を平板上に導電性接
着剤を用いて接着するだけでも接着部分に皺を生じ、ま
た、温度上昇により材料が溶解するのでいかなる半田付
けも不可能であり、さらにまた、固着用の穿孔加工を行
うだけでも平面性が損われる。

そこで本考案は、可変電極としての開閉機能を低下させ
ることなく、構造簡単で組立作業が容易な可変電極の取
付構造を提供するものである。

第２図は本考案の一実施例の要部を示す側面図である。

固定電極１１の彎曲表面に沿って開閉動作を行う可変電
極１２の固定端部は二枚の挾持部材１３゜１４により挾
持され、そこから伸びた可変電極１２が復帰状態におい
ては固定電極１１の表面に点Ａで接触したのち直線状に
伸びて先端Ｂに及んでいる。

この挾持部材１３，１４の形状は固定電極１１の彎曲表
面の中心線０（図において紙面に垂直）と平行な線状突
起１５，１６を有し、一方の挟持部材１３上に設けられ
た線状突起１５と、他方の挾持部材１３上に設けられた
線状突起１６は互にその位置をずらせて、即ち、一方の
挟持部材１３の突起間に他方の挾持部材１４の突起が装
置するように設けられる。

可変電極１２を両挟持部材のいずれか又は双方に取付け
る手段は、導電性接着剤による接着、両挟持部材を貫通
するビス、リベットなどによる固着、両挟持部材の押圧
による接着など、種々な手段を採ることができ、挟持部
材を介してリード線が接続される。

本考案によるときは、可変電極１２の固定端部の挾持部
材１３，１４に取付けられている部分が、たとえ接着加
工などにより皺を生じていても、線状突起による複数回
の屈折により歪が解消され、完全な平面性を回復して固
定電極１１に接触するに至る。

また本考案によれば、挾持部材の長手方向が当該表示装
置の表示方向とほぼ一致しており、表示装置の奥行寸法
を増大させるだけで取付面積は伺ら増大しないので、表
示装置の単位ユニットを平面上に配設する場合にも隣接
ユニットとの間隙が最小に抑えられる効果がある。

本考案の挟持部材は種々な態様で実施することができる
。

第３図は、平板３１上に円形断面の線材３２を固着した
例を示す。

第４図は、波板４１を用いた例を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る静電式表示装置の原理説明図であ
る。 第２図は本考案実施例を示す側面図である。 第３図及び第４図は本考案の他の実施例を示す側面図で
ある。 第２図において、１１は固定電極、１２は可変電極、１
３．１４は挟持部材、１５．１６は線状突起である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 彎曲表面を有する固定電極と、上記固定電極に隣接し、
   かつ、その平面が上記固定電極の彎曲表面の中心線と平
   行になるように取付けられた弾力性を有する可変電極と
   、上記固定電極の上記可変電極側表面又は上記可変電極
   の上記固定電極側表面のいずれか一方又は双方に設けら
   れた絶縁材料の薄膜と、上記固定電極と上記可変電極の
   間に電圧を印加する手段とを有し、上記電圧の印加によ
   って上記可変電極が上記固定電極の彎曲表面に静電的に
   吸引されて密着しそれによってこの装置の外観が明瞭に
   変化するように構成された静電式表示装置において、上
   記中心線とほぼ平行な線状突起が一本乃至複数本形成さ
   れた第１および第２の挟持体を対向する線状突起の位置
   を互にずらせて保持するとともに、上記第１および第２
   の挟持体の間に上記可変電極の固定端部を挾持し、上記
   可変電極が上記線状突起に二個所以上接触したのちに上
   記固定電極表面に接触するよう構成されていることを特
   徴とする静電式表示装置の可変電極装置。