JPS587409Y2 - 静電式表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、彎曲表面をもつ固定電極に弾力性を有する可
変電極が静電力により吸引されて密着することにより可
変電極が復帰状態にあるときと外観が明瞭に変化する静
電的表示装置に関する。

このような静電的表示装置は、特願昭５０−９５３１０
号として既に出願されているが、その原理を簡単に説明
すると、第１図に示すように、基台１上に彎曲表面を有
する固定電極３と、上記固定電極３に隣接し、かつ、そ
の平面が上記固定電極３の彎曲表面の中心軸と平行にな
るように固定端４が基台１に取付けられた弾力性を有す
る可変電極５、例えばポリエステル等の弾力性を有する
重合体の薄膜から成るコアの両面にアルミニウム等の金
属が蒸着されてなるものを有し、上記固定電極３と上記
可変電極５の相対向する面のいずれか片方又は双方には
絶縁材料の薄膜２が設けられ、両電極間には電源８及び
リード線９，９により直流電圧が印加できるようになっ
ている。

今、電圧が印加されていないときは、可変電極５が図示
のように復帰状態になっていてその自由端６は表示方向
Ｖと少なくとも平行になるまで開いているが、電圧が印
加されると、両電極間に作用する静電力により可変電極
５は接点Ａから順次固定電極３の彎曲表面に吸引され瞬
時にして、二点鎖線で示したように、自由端６に至るま
で固定電極表面に密着する。

従って、固定電極表面２と可変電極の外側表面の外観、
例えば光反射率、色彩、文字図形模様等が相違するとき
この二状態を切換えて所望の表示を行わせることができ
る。

この基本発明は、動作電力が非常に小さいこと、記憶能
力を有すること、文字図形模様等の複雑な内容を表示す
ることができること、構成が簡単で機械的要素を全く含
んでいないことなどの利点があり、広い応用が期待でき
る発明である。

特願昭５０−９５３１０号明細書によれば、可変電極は
例えばアルミを蒸着した厚さ８ミクロン前後の高分子材
料から作られる。

実験によれば、加工に際し可変電極に皺や折れ曲がりが
生じて少しでも平面性が損われると円滑な開閉動作が阻
害される。

例えば、可変電極の固定端を導電性接着剤を用いて接着
するだけでも接着部分に皺を生じて好ましい結果が得ら
れない。

さらに、半田付げによりリード線を接続しようとすると
、温度上昇により材料が変質することは勿論のこと、薄
膜のため材料が溶解して半田付は加工そのものが不可能
になるなど、可変電極リード線の導出手段に種種な問題
点があった。

本考案者は上述の問題点を解消すべく、上記可変電極を
二枚の重り合った挟持部材で挾持するとともにシールド
板等の外囲部材の凸部により可変電極をある曲率をもっ
て丸く前方に曲るように保持するとともに上記挟持部材
を通して電極に電圧印加するよう構成し、さらに挟持部
材の前方に円筒形固定電極を配設して、前方へ曲げられ
た可変電極が固定電極表面に隣接してなることを特徴と
する静電的表示装置の可変電極装置を既に提案している
。

この提案によって、電極に皺、折れ曲がり等を生じさせ
ず、従って可変電極を彎曲させるに要する吸引力が小さ
くてすみ、極小の電圧で安定に動作させることが可能と
なり、更に、組立作業が非常に簡単化され均一な品質、
特性のものを量産することが可能となった。

本考案の目的は、上述の提案を更に改良して、１個の長
大な共通固定部材に対して複数ユニットの可変電極を配
設することにより、各可変電極と共通固定電極間の印加
電圧を制御することで、本考案品１個で以て種々な表示
態様を演出させることができる静電式表示装置を提供す
ることにある。

次に本考案の実施例を説明する。

第２図は本考案の好ましい実施例を示す斜視図であり、
第３図はその横断面図である。

外囲部材１１は、アルミニウム板等の導電材料より成り
、図のように、底面部１２から表示方向、即ち前方へ折
れ曲って左右両側部１３．１４が形成された全体として
溝形をしており、さらに詳述すると、左右両側部間の距
離は底面部から前方へ伸びるにつれて次第に挾くなるが
Ｂ、Ｂ’点で折曲して今度は次第に拡がり、Ｃ５σ点で
さらに逆向きに折曲して以後はほぼ平行のまま最前線Ｄ
、 Ｄ’に及ぶ。

この溝形外囲部材１１の底部内には、下側挾持部材１５
、上側挾持部材１６の間に厚さ８ミクロン程度の可変電
極１７の中央部が挾持され、可変電極の左右両翼部１８
．１９は円弧状に彎曲して前方へ伸びている。

この可変電極１７の形状について詳述すると、水平方向
に固定された挟持部分から、ある曲率をもって丸く曲げ
られて外囲部材１１の極小点Ｂ又はＢ′に接触し、さら
に前方へ伸びて固定電極２０の表面と点Ｅ又はビで接触
し、それから先は直線的に伸びて自由端に及ぶ。

このような可変電極ユニット２１の複数個が、絶縁基板
２２上に各ユニット２１の中心線を一直線上に揃え僅か
な間隙を設けて直列に配設されており、各可変電極ごと
にリード線２３が導出されている。

このように配設された複数個のユニットに対して共通な
一個の固定電極２０が各挟持部材の上に接着されている
。

固定電極２０はアルミニウム等より成る円筒形で、その
表面に、赤、緑、黄など所望の色素を含む塗料が塗装さ
れて絶縁材料の薄膜を形成しており、円筒中空部には、
リン青銅等のバネ材料より成るヘヤピン型導電片２５が
挿入されて円筒内壁面に接触し、この導電片からリード
線２４が導出されている。

両電極間に電圧印加されていない復帰状態のときは、図
示のように、可変電極の両翼１８．１９が開いていて固
定電極２０の前面が現れている。

両電極間に電圧印加されると、可変電極１８゜１９は固
定電極２０に吸引されてその表面を完全に被う。

本考案品は単体又は複数個を一直線上に配設して、例え
ば点滅表示、一方向への誘導表示、アナログ量の表示、
マトリックス表示に用いることができ、平面上に所望の
位置関係に配設し、或いはある平面区画全面を被うよう
に配設して所望の図形、文字等を表示することができる
。

本考案によれば、１個の共通固定部材に対して複数ユニ
ットの可変電極を配設し、その複数ユニットの可変電極
に対応して１個の共通固定電極を固着して構成されてい
るので、各可変電極と共通電極間の印加電圧を制御する
ことにより各可変電極を選択的に開閉制御することがで
き、従って、例えば一方向への誘導表示等を行う場合に
は、従来のように複数個を直列的に所定の盤上に配列し
なくとも、１個を簡易に取り付けるだけでその目的を達
成することができる。

更に、本考案によれば、全体として正面から見て直方形
の溝形外囲部材の内部に固定電極、可変電極をともに格
納した構造であるため、平面上に密に配設しても機械的
ならびに静電気的干渉を生じることがなく安定に動作す
る。

また、可変電極を二枚の挟持部材で挾持しているだけで
あって、半田付け、接着、ビス止め等の手段を用いてい
ないので可変電極に皺、折れ曲り等が起らず、従って、
可変電極を彎曲させるに要する静電力が少さくてすみ、
しかも、組立作業が非常に簡単化されて均一な品質、特
性のものの量産化が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る静電式表示装置の原理説明図であ
る。 第２図は本考案実施例の斜視図である。 第３図は第２図に示した実施例の横断面図である。 第２図、第３図に卦いて、１１は外囲部材、１５及び１
６は二個の挾持部材、１７は可変電極、１８．１９は可
変電極の両翼部分、２０は固定電極、２２は絶縁基板で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 彎曲表面を有する固定電極と、上記固定電極に隣接し、
   かつ、その平面が上記固定電極の彎曲表面の中心線と平
   行になるように取付けられた弾力性を有する可変電極と
   、上記固定電極の上記可変電極側表面又は上記可変電極
   の上記固定電極側表面のいずれか一方又は双方に設けら
   れた絶縁材料の薄膜と、上記固定電極と上記可変電極の
   間に電圧を印加する手段とを有し、上記電圧の印加によ
   って上記可変電極が上記固定電極の彎曲表面に静電的に
   吸引されて密着しそれによってこの装置の外観が明瞭に
   変化するように構成された静電式表示装置において、一
   本の共通な円筒形固定電極に対し左右一対をなす可変電
   極ユニットを複数個配設し、各可変電極の先端が前方へ
   伸びるよう各可変電極の支持部をそれぞれ略溝形横断面
   をなす外囲部材の中に設けられた２個の導電性挾持部材
   で挾持して、その挟持部材からそれぞれリード線を導出
   し、上記複数個の可変電極を選択的に開閉制御しうるよ
   う構成された静電式表示装置。