JPS586883Y2 - ゴム支承の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミ橋梁、高架などに用いられるゴム支承、とく
に橋桁の温度変化などによる伸縮および橋桁の接合部に
おける幅員方向の相対移動を逃がすことのできるゴム支
承の改良に係わるものである。

従来、ゴム支承の構造としては第１図に示すように、橋
梁などの構造物の一方、たとえば橋桁などの上部構造Ｇ
に固定された摺動板１と該構造物の他方、たとえば橋脚
などの下部構造Ｂに固定されたゴム弾性体２とすべり板
３と補強板４とからなるゴム支承片５とで形成され、該
ゴム支承片５のすべり板３が該上部構造Ｇに固定された
摺動板１と摺接する構成がとられている。

しかしながら、上記構成からなるゴム支承片５は上部構
造Ｇの自重および車輛などの通行によって鉛直方向に圧
縮力が作用すると、該ゴム支承片５のゴム弾性体２はそ
の変形量（沈下量）分だけ補強板４０周縁部より膨出す
る。

このような現象が繰り返し生じると、該ゴム弾性体２の
補強板４との接合面周縁部には該補強板４のエツジ効果
により応力集中を生じ、該ゴム弾性体２が応力集中を受
けた個所から破壊するという問題を含んでいる。

加えて、ゴム支承片５のすべり板３と上部構造Ｇに固定
された摺動板１との摺接面が外気に暴露されているため
、塵埃などの異物によるすべり板３および摺動板１の損
傷、あるいは摺動板１の発錆などゴム支承の耐久性なら
びに性能の低下をきたすとともに損傷が甚しい場合には
煩雑な作業を行なってゴム支承を交換しなければならな
いという問題も含んでいる。

本考案はこれらの問題を解決するべくなされたものであ
る。

すなわち、ゴム弾性体の一方の面には直接もしくは補強
板を介してすべり板が一体に接合され、他方の面には該
ゴム弾性体よりも大きく、かつ該ゴム弾性体の周縁部よ
りそれぞれ外方に張出部をもって補強板が一体に接合さ
れて該ゴム弾性体の補強板との接合面周縁部に該補強板
のエツジ効果により生じる応力集中を防止したゴム支承
片が構成されており、該ゴム支承片のすべり板は橋梁な
どの構造物の上下部構造もしくは接合部を有する上部構
造の一方に固定された摺動板と摺接し、該補強板は該構
造物の他方に直接もしくはベースプレートを介して固定
されており、該摺動板と補強板もしくはベースプレート
との間には柔軟性に富むシール材が該ゴム支承片のゴム
弾性体およびすべり板を囲繞してその端面を該摺動板と
補強板もしくはベースプレートにそれぞれ固定して配さ
れていることを特徴とするゴム支承の構造を提供するも
のである。

以下、本考案の実施例を図面において詳細に説明する。

１０は橋梁などの構造物の一方を構成する橋桁などの上
部構造Ｇに固定された摺動板、１１．１１は該摺動板１
０を固定するためのアンカーボルトである。

１２はゴム支承片であり、該ゴム支承片１２はゴム弾性
体１３と該ゴム弾性体１３の一方の面に一体に接合され
たフッ素樹脂などからなるすべり板１４と該ゴム弾性体
１３の他方の面に一体に接合された補強板１５とから構
成されている。

そして、該ゴム支承片１２のすべり板１４は前記上部構
造Ｇに固定された摺動板と摺接し、該補強板１５は橋梁
などの構造物の他方を構成する橋脚などの下部構造Ｂに
載置固定される。

ここで、ゴム弾性体１３に一体に接合された補強板１５
は該ゴム弾性体１３よりも大きく、かつ該ゴム弾性体１
３の周縁部よりそれぞれ外方に延びる張出部１６を備え
ている。

このように補強板１５をゴム弾性体１３よりも大きい張
出部１６をもって形成せしめることにより、ゴム支承に
上部構造Ｇの自重および車輛などの通行によって鉛直方
向に圧縮力が作用した場合、該ゴム弾性体１３はその変
形量（沈下量）分だけ圧縮されて膨出するが、該ゴム弾
性体１３の補強板１５との接合面周縁部は補強板１５の
エツジ効果が避けられるため、当該部位の応力集中は起
らず、該ゴム弾性体１３の破壊は防止される。

１７は該補強板１５の張出部１６に位置せしめられ、ゴ
ム支承片１２のゴム弾性体１３およびすべり板１４を囲
繞して配されたシール材である。

該シール材１７はその端面を前記摺動板１０と補強板１
５の張出部１６に接着などにより固定せしめられている
。

これにより該ゴム支承部片１２のゴム弾性体１３および
すべり板１４はシール材１７内に完全に密封され、外部
からの異物などの侵入は全く防止される。

そして、該シール材１７は上部構造Ｇの伸縮時には該上
部構造Ｇの動きに追従変形して許容するもので、その材
質としては復元力が大なるものが望ましく、たとえばク
ロロプレン系の多孔質材は好適な材料である。

第３図はゴム支承部片１２の下部構造Ｂへの固定態様を
示す他の実施例である。

この実施例は第２図に示したゴム支承部片１２を下部構
造Ｂへより強固に固定するものである。

すなわち、下部構造Ｂに固定されたアンカーポル） １
８．１８を有するベースプレートに該ゴム支承部片１２
の補強板１５をボルトあるいはリベットなどの固定片２
０により一体に固定し、シール材１７をゴム支承部片１
２を囲繞して上部構造Ｇに固定された摺動板１０とベー
スプレート１９間に固定したものである。

以上述べた実施例においては、ゴム支承片１２のすべり
板１４はゴム弾性体１３の一方の面に直接一体に接合さ
れる態様について述べたが、すべり板１４をゴム弾性体
１３の一方の面に該ゴム弾性体１３と同一寸法を有する
補強板を介して一体に接合する態様も採ることができる
。

また、ゴム支承の配置において、実施例では橋梁などの
構造物の上部構造Ｇに摺動板１０を固定し、下部構造Ｂ
にゴム支承片１２を固定する態様について述べたが、そ
の他層動板１０を下部構造Ｂに固定し、ゴム支承片１２
を上部構造Ｇに固定する態様、短スパンの橋梁において
は上部構造同士の接合部、すなわち相対向する上部構造
Ｇの一方に摺動板１０を固定し、他方にゴム支承片１２
を固定する態様も採ることができる。

以上述べたように、本考案は上述した構成からなり、ゴ
ム支承片のゴム弾性体を補強する補強板を該ゴム弾性体
よりも大きく、かつ該ゴム弾性体の周縁部よりそれぞれ
外方に張出部をもって形成することにより、従来のゴム
支承におけるゴム弾性体の補強板との接合面周縁部に補
強板のエツジ効果による応力集中を防止することができ
、当該部位の破壊を防止することができる。

そして、ゴム支承片のゴム弾性体およびすべり板は構造
物の一方に固定された摺動材と該構造物の他方に固定さ
れた該ゴム支承片の補強板あるいは該補強板を固定した
ベースプレートにその端面がそれぞれ固定されたシール
材によって囲繞されているため、外部からの異物等の侵
入を完全に防止することができ、ゴム支承の耐久性を向
上させるとともに性能の低下を防止でき、保守管理が簡
易となるなど実用上多大な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のゴム支承の構造を示す一部縦断面図、第
２図は本考案のゴム支承の構造を示す一部縦断面図、第
３図は他の実施例を示す一部縦断面図である。 １０：摺動板、１２：ゴム支承片、１３：ゴム弾性体、
１６：張出部、１７：シール材、１９：ベースプレート
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴム弾性体１３の一方の面には直接もしくは補強板を介
   してすべり板１４が一体に接合され、他方の面には該ゴ
   ム弾性体１３よりも大きく、かつ該ゴム弾性体１３の周
   縁部よりそれぞれ外方に張出部１６をもって補強板１５
   が一体に接合されて該ゴム弾性体１３の補強板１５との
   接合面周縁部に該補強板１５のエツジ効果により生じる
   応力集中を防止したゴム支承片１２が構成されており、
   該ゴム支承片１２のすべり板１４ば橋梁などの構造物の
   上下部構造もしくは接合部を有す゛る上部構造の一方に
   固定された摺動板１０と摺接し、該補強板１５は該構造
   物の他方に直接もしくはベースプレート１９を介して固
   定されており、該摺動板１０と補強板１５もしくはベー
   スプレート１９との間には柔軟性に富むシール材１７が
   該ゴム支承片１２のゴム弾性体１３およびすべり板１４
   を囲繞してその端面を該摺動板１０と補強板１５もしく
   はベースプレート１９にそれぞれ固定して配されている
   ことを特徴とするゴム支承の構造。