JPS5861744A - 生体修復用埋入材 - Google Patents

生体修復用埋入材

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JPS5861744A
JPS5861744A JP56159506A JP15950681A JPS5861744A JP S5861744 A JPS5861744 A JP S5861744A JP 56159506 A JP56159506 A JP 56159506A JP 15950681 A JP15950681 A JP 15950681A JP S5861744 A JPS5861744 A JP S5861744A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、合成系ヒドロゲルからなる生体修復用埋入材
に係り、特に、従来の天然系または合成系のヒドロゲル
には見られない優れた緒特性を有するヒドロゲルからな
る生体修復用埋入材に関する。
生体組織の大部分には多量の水分が包埋されており、こ
の生体水分が生体の生命活動上きわめて重大な意義を有
することは、既にしばしば指摘されているとお9である
(山口辰良、′応用微生物研究セミナー1″、P55(
1979)技報堂、上平恒、表面、■、297(197
5)、WDroat−Hanaen、Federati
on Proc、、  30. 1539(1971)
、J−D、Andrade etal、 Trans、
Am。
Soc、Art、Int、Organs、19.1(1
973))。したがって、形成外科および整形外相等の
分野における生体修復用埋入材の選定にあfcネ、生体
組織の高含水性に着目し、含水高分子物質(ヒドロゲル
)が生体親和性(適合性)に優れると期待されている(
田辺達三他、“人口血管”p−56(1977)南江堂
、S、D、Bruck、 J、旧omedMater−
Res、、2,387(1973))。 しかし、従来
のヒドロゲルは、たしかに、生体組織への損傷は少ない
ものの、機械的強度に劣る重大な欠点を有するため、用
途はきわめて制限されている(丹沢宏、外科診療、2 
[1(1)1(197B)、妹尾学編、医用高分子、p
、8D1978)共立出版、H,Singh et a
l、、 J、 Sci、 and Ind、 Rea、
59、 March、  162(1980) )。機
械的強度の劣るヒドロゲル(またはゲル素材)を、ホル
ムアルデヒド、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデ
ヒド、ヘキサメチレンジアミン等により処理する硬化手
段(強度向上策)が多数提案されてきたが、これらの化
学処理は、生体への有害試薬を使用するため、これらを
医用材料に用いた場合、種々の障害をきたすことが周知
で、例えばポリビニルアルコールのホルマリン架橋生成
物(Ivalon)製人工血管が生体内で破断された他
、隆房形成材としてポリビニルアルコール収縮すること
などが指摘され、現在では、これらは使用に耐えないと
されている(田辺達三他、“人工臓器資料集成゛p−3
30,p、88(1976)ライフサイエンスセンター
、J。
R,Lewis、Plastic  & Recons
tructive Surger)x至、51 (19
65)、武藤端雄、日本臨床外科誌、■、25(196
5))。また、これらの化学処理により、ヒドロゲルの
優れた%徴(高含水性)が大幅に減退するのが通例で、
この化学処理に多くを期待し難い。化学処理を行うこと
なく、軟弱なヒドロゲルを硬化させる碓−の手法として
、放射線照射法が期待されている( N−A= Pep
pcLs etal、。
J、Biomed、Mater、Res、、4.423
(1977) 。
H,Singh et al、、 J−Set、 Tn
d、 Re++、、 59 。
(March)、162(198o))。しかし、これ
には、特殊な設備を要するうえ、その効果の著しくない
ことから、一般に、実用困難で、また放射線照射により
、ヒドロゲル本来の優れた特徴の消失(または減退)す
る例も多い。
本発明は、上述の化学処理または放射線照射のいずれを
も回避して製造した機械的強度の優れたヒドロゲルから
なる生体適合性に優れた生体修復用埋入材を初めて提供
するものである。
本発明は、生体修復用埋入材としてのヒドロゲルの合成
原料にポリビニルアルコールを用いる。もつとも、ポリ
ビニルアルコールのゲル化法(ヒドロゲル合成法)につ
いては、既に多くの処決が提案されている。しかし、下
記に要約するとおり、いずれにも、操作上または生成物
の性状に難がある。
(1)ポリビニルアルコール水溶液を風乾することによ
り、湿潤皮膜または乾燥皮膜が得られるが、これらは耐
水性に劣り、水中における剛直性を全く有しない軟弱な
フィルム=5− にすぎず(%公昭4O−9523)、医用材料としての
利用価値に乏しい。
(2)ポリビニルアルコールとテトラエチルシリケート
を含む懸濁水溶液に酸を加え、風乾する方法によっても
、やはり、上記(1)と同様の皮膜が得られるにすぎな
い。この場合、懸濁水溶液に酸を力11え、凍結・乾燥
する提案もあるが、生成する皮膜の強度はかえって低下
し、はとんど成型不能である(特公昭55−30358
、特公昭55−11311)。
(3)  ポリビニルアルコール水溶液へ、コバル)6
0(γ線)を照射するゲル化法が周知である。しかしこ
の場合、特殊な施設(放射線照射施設)を不可欠とする
うえ、照射鮭費もかさみ、しかも得られるゲルが軟弱で
、しばしば他の硬化手段(2次的硬化処理)を要する。
したがって、この方法で得られるゲルは、人工硝子体(
眼球内光てん液)などの、高粘性液(または軟質ゲル)
が望まれる特殊用途以外6− には利用し難い(J、Material  Sci、、
 1974 。
1815.1特開昭5O−55647)。
(4)ポリビニルアルコール水溶液へホウ酸(またはホ
ウ酸水溶液)あるいはホウ砂(またはホウ砂水溶液)(
注ニホウ砂=四ホウ酸ナトリウム士水和物)を加えると
、即座にゲル化することも古くから著名である。しかし
、得られるゲルは、軟弱で、流動性を有し、しかも単に
指先でつまむことにより直ちに千切れるため、成型後の
形態は保持され難い(J、Am、Chem、Sci、、
An、1045(1938)、フランス特許74394
2(1933))。また、このホウ砂ゲルはアルカリ性
雰囲気下では存在しうるが、pH8以下では容易に崩壊
する。したがって特殊用途以外には利用し難く、バイオ
・メディカルポリマーとしての価値に乏しい。
(5)  フェノール、ナフトール、コンゴ−・レット
等のフェノール類またはアミン化合物、あるいはチタニ
ウム、クロム、ジルコニウム等の金属化合物によるポリ
ビニルアルコールのゲル化法も多数提案されているが、
いずれも上記(4)と同様の難点がある(日本化学雑誌
、72.1058(1951)、l特公昭40−952
3.特公昭4O−23204)。
(6)アルデヒド、ジアルデヒド、不飽和ニトリル、ジ
イソシアナート、トリメチロールメラミン、エビクロロ
ヒドリン、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホン、
ポリアクリル酸、ジメチロール尿素、無水マレイン酸等
の架楡剤または共重合成分によるポリビニルアルコ−h
(Dゲル化モ笥知であるが、いずれも化学試薬を用い不
操作を殻するほか、高含水性の強固なゲルは得難い(T
exti le Rea、 J、、(3)。
189(1962)、英国特許742,900(195
8))。
(7)ポリビニルアルコール水溶液を40℃以下、特に
5〜18℃以下の低温に放置することによりゲル化させ
る手法も古くから著名である(小南他、高分子化学、1
2 、218(1955)、前出他、高分子化学、Lと
、 193(1956)。
■化、Σ又、809(1956))。しかし、室温付近
において生成するゲルは寒天、カラゲナンのようにもろ
く、しかも、これは単に激しくかきまぜるか、水を加え
てかきまぜるか、あるいは若干温めることにより溶解す
る(小南他、高分子化学、エム、218(1955)、
高橋、接円、高分子化学、13,502(1956))
。この、ポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルを得る
のに、低温が好ましいことも周知で、例えば18℃、更
には0℃あるいは0℃以下の低温で実施する例も知られ
ている(前田他、高分子化学、13,193(1956
)、特公昭47−12854゜高槁他、Polymer
 J、、6,103(1974))。しかし、いずれに
しても、得られるゲルは、寒天、カラゲナン、9− ゼリ一様の軟弱品(または粘液)であり、激しいベトッ
キ(粘着性)を示すうえ、耐水性に乏しく、水中では著
しく膨潤し、更に軟化すると共に、一部は水中に溶出し
、残部は糊状と化す。また水中あるいは40〜50℃の
温水中では、更に迅速に形くずれし、水中に分散・溶解
するなどの難点を有し、工業用、医用材料としての用途
はきわめて制約されざるを得ない。
(8)ポリビニルアルコールをホルマール化して?lれ
るスポンジ状生成物も古くから著名であるが、必ずしも
安定ではなく、分解、変質に伴い、有害作用を周囲に及
ばずため、近年その用途はきわめて限定されるに到って
いる(田辺達三他、′人工臓器資料集成1.330(1
976)ライフサイエンスセンター、同88(1976
)、J、 R,Lewi a。
Plaatic 4 Reconstructiye 
Surgery、 451(1965))。
10− (9)ゲル化能を有する水溶性高分子、例えばアガロー
ス(agarose)、寒天(agar)、アルブミン
(albumin)、アルギン酸塩、カードラン(ca
rdlan)、カラゲナン(carrageenan)
、カゼイン(cagein)、CMC(Sodicem
 carboxymethyl  cellulose
)、ファーセレラン(furcellaran)、ゼラ
チン(gelatin)、メチルセルロース(meth
yl  cellulose)、ペクチン(pecti
n)、殿粉(starch)、タマリンドガム(tam
arind gu+n)、ザンタンガム(xantha
n gum)、トラガントガム(tragacanth
 gum)、グアーガム(guar gum)等の水溶
液へ少量のポリビニルアルコールを添7JI]ffl、
これを放冷するか、ゲル化剤含有浴(凝固浴)へ浸漬す
るか、あるいはこれを凍結・乾燥する手法も知られてい
るが(フレグランスジャーナル、2.(7)68(19
74)、特公昭56−25210.25211)このよ
うな手法によっても、やはり軟弱で耐水性の乏しい粘液
または非流動性ゲル、あるいはパサパサした水溶性の乾
燥粉末(凍結・乾燥粉)が得られるにすぎない。
本発明は、合成高分子中特に生体への損傷が少ないとさ
れているポリビニルアルコールを原料とし、これに有害
物(化学試薬)を加えることなく機械的緒特性に優れた
水不溶性の、生体適合性の良好な高含水性ゲルを、安価
且つ安定に製造する方法を開発すべく検討[7た結果、
特定性状のポリビニルアルコールを6wt%以上含有す
る水溶液を、予め凍結・成型後、これに、部分的真空脱
水を施すことにより、弾性に富み、機械的強度と生体適
合性に優れた水不溶性の高含水ゲルが得られるという知
見を得、ここに効果の顕著な本発明を完成した。
即ち本発明は、けん化度が97モルチ以上、粘度平均重
合度が1,800以上のポリビニルアルコールを6wt
%以上含有する水溶液を任意形状の容器または成型用鋳
型へ注入後、これを−15℃より低い温度で凍結・成型
し、しかる後、この成型体を融解させることなく、脱水
率(凍結体の重量減少率)5wt%以上に到達するまで
、部分的に脱水し、必要に応じ水中に浸漬することによ
り、含水率20〜92wt% (湿潤体基準)に到達さ
せ′G舟たヒドロゲルからなる生体適合性のすぐれた生
体修復用埋入材を提供するものである。
本発明によれば、ポリビニルアルコール水溶液を凍結・
成型し、これを部分的に真空脱水することにより、機械
的強度の優れた所望の形状の高官水性ゲルが得られる。
本発明はゲル化の過程ならびにその前処理工程において
、従来合成高分子のゲル化に常用されている酸、アルカ
リ、ラジカル源、放射線、有機溶媒、反応試薬および水
以外の無機溶媒などを全く用いず、更に、2次的硬化処
理(後処理)13− も要しない。しかも本発明で得られるゲルは、含水率が
高く、ゴム状の弾性と、すぐれた機械的強度を本兼備し
ている。また、本発明のゲルは、水または温水に不溶で
、粘着性を示さず、この点においても、前記のポリビニ
ルアルコール水溶液の放冷ゲルとは全く異なる。すなわ
ち、本発明は、従来のポリビニルアルコール水溶液の放
冷ゲル化、あるいは従来知られたポリビニルアルコール
水溶液の化学的処理によるゲル化などに関する知見とは
全く異なる新規ゲルを提供するものであることを意味す
る。
本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化度は、9
7モルチ以上、好ましくは98モルチ以上を要する。け
ん化度80〜88モルチ、特に85モルチ以下のポリビ
ニルアルコールを用いて屯、軟弱なゲルが得られるにす
ぎず、本発明の目的は達成されない。
本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度は、14
− 1、800以上を要する。重合度300〜1.500未
満、特に1.400以下では粘稠液または軟弱ゲルが生
成するにすぎない。本発明においては、例えば重合度1
.800〜3、300程度のポリビニルアルコールが使
用できるが、通常市販されている高重合度品(重合度j
、 800〜2,60(Jンをそのまま用いるのが良い
本発明では、まずポリビニルアルコールの濃116wt
%以上の水溶液を調合する。したがって、ポリビニルア
ルコールの濃度としては、例えば6〜25wt% とす
ることができる。この#度を更にたとえば90%程度ま
で高めることもできるが、常温における水溶液の粘度が
10,000cP以上にも達し、また貯蔵中に粘咽上昇
あるいはゲル化をきたすこともあり、若干、取扱い難い
。この濃度を例えば5wt%より低くすることもできる
が、後述の脱水所要時間が長びき、経費(脱水動力費)
がかさむ。
任意形状の容器′または所望の成型用鋳型へ注入し、凍
結・成型する。この場合、冷却剤としては例えば、食塩
−氷(23ニア7)(−21℃)、塩化カルシウム−氷
(50ニア0 )(−ssc)などの4剤、あるいは、
ドライアイス−メチルアルコール(−72℃)、液体窒
素(−196℃)などを用い、−15℃より低い温度に
冷却し、凍結させる。冷却が不十分であると、後述する
乾燥工程を経て得られるゲルの形状が、轟初子期した形
態、すなわち、ポリビニルアルコール水溶液注入容器ま
たは成型用鋳型の形状と合致し雛いほか、ゲルの機械的
強度に劣るため、本発明に好ましくない。また、液体ヘ
リウムを用いれば一269℃まで冷却できるが、不経済
であるうえ、ゲルの品位に利点はなく、実用上は、フレ
オン冷凍機を用い、例えば−20〜−80℃に冷却する
のが良い。この冷却温度は、後述の乾燥工程を経て得ら
れるゲルの強度に影響する。特に堅いゴム弾性のゲルを
望む場合は、−20℃以下、例えば−20〜−55℃が
好ましく、−6〜−20℃では、ゲルの強度が若干低下
する。凍結・成型を省略するときは、水中において剛直
性を全く欠く、単なるポリビニルアルコールフィルム・
ゲルが生成するにすぎず、本発明の弾性に富む高含水性
の、耐水性ゴム状ヒドロゲルは得られない。
本発明における凍結・成型時の冷却速度としては、0.
1〜b の急速冷却のいずれでも差支えない。
本発明によ乙凍結・成型においては、ポリビニルアルコ
ール水溶液は任意の形状の鋳型内で同化(氷結)・成型
される。この容器または鋳型へ注入されたポリビニルア
ルコール水溶液が凍結されたことを確認後、これを融解
させることなく、必要に応じ、鋳型の上面カバーまたは
下面カバ17− −(あるいはその双方)を取りはずし、成型体の形状を
保ちに吸引・脱水するならば、水分の1余去(昇華)に
伴ない試料が冷却されるので、特に外部冷却を施さなく
とも、凍結・成型体が融解することはない。また、凍結
・成型体が融解しない程度に加熱することは差支えなく
、これにより脱水を促進することができる。つまり脱水
工程の温度としては、凍結・成型体を融解させないかぎ
り、特に制限はなく、これがゲルの品位に特に影響する
ことはない。ここで言う真空脱水は減圧で脱水すること
で、減圧の度合は特に限定されないが、たとえば10w
Hg以下、好ましくは1txxHg以下さらKは0.1
 wHg以下で行なうととができる。
この脱水工程においては、脱水率を5wtチ以上とする
すなわち、本発明においては、ポリビニルアルコール水
溶18− 液の濃度のいかんにかかわらず、凍結・成型体に脱水処
理を施す。脱水率としては、5wt%以上、更には10
wt%以上が採用される。脱水が進行するとともに、ゲ
ル強度が著しく高まり、しかも非粘着性、耐水性などの
諸性状が著しく改善されることから、この部分脱水処理
は本発明にと9不可欠である。もつとも、本発明におい
ては、注射薬液の凍結乾燥あるいはコーヒー、ミルク、
果汁、めん類等の含水食品の凍結乾燥に見られる十分な
る脱水(乾燥)処理を行う必要はなく、上述のとおりの
部分脱水処理により、十分本発明の目的が達成されるが
、上記のとおり、脱水が進行するに伴いゲル強度が著し
く高まることから、所望のゲル強度に応じ、脱水量を選
定することができる。
いずれにしても、この凍結・部分的脱水処理は本発明に
不可欠で、きわめて重大な意義を有するため、これを省
略するとき、本発明に述べる非流動性、非粘着性、かつ
高含ルは決して得られない。
本発明においては、次に、凍結・成型・部分脱水体を、
例えば常温放置し、融解(解凍)させることにより、弾
性に富むゲルが得られる。融解速度としては1〜bの緩
慢融解、または6〜1.000℃/minの急速融解の
いずれによることも差支えない。ポリビニルアルコール
水溶液を、0〜30℃程度で放置(貯蔵)する場合に得
られるゲルの融点が15〜29℃前後でおるのに反し、
本発明のゲルの融点は100℃以上に及ぶため、温水ま
たは流風による急速融解も差支えないが、本発明のゲル
も#I揚湯中は溶解すること、60℃以上では表面に硬
質皮膜が急速に発生することなどから、高温融解は避け
なければならず、40〜50℃以下で融″Sさせるのが
望ましい。
この融解操作後、容器または鋳型の支持部から、ゲルを
容易に取りはずすことができる。これは水中において吸
水し、含水率50〜95wt%(湿潤体基準)に達する
が、なお強固な弾性体である。このゲルの含水率は、例
えば、こんにゃく(含水率約97wt%、多糖類湿潤ゲ
ル)には及ばないが、互層、ゼリー、生体細胞、人間・
動物等の生体組織などの含水率(70〜90wt%)に
類似し、しかも、強度と弾性の点で、こんにゃく、寒天
、アルギン酸、カラダナン、グアール・ゴム、ローカス
トビーン・ガム、アガロース等の多糖類のゲル、豆腐、
ゼリー等の蛋白質ゲルを、はるかにしのぎ、むしろ人間
、動物等の筋肉質に類似する。本発明のゲルはこのよう
に多量の水分を含むにかかわらず、強固な弾性を示し、
堅く握りしめても、一時的に変形するが、直ちに元の形
状に復し、形くずれしない。
また、本発明の、含水率88%の板状ゲル上へ成人が片
足または両足により直立しても、やはり一時的変形をき
たす21− ものの、直ちに元の形状に復し、形くずれしない。
高含水性と機械的強度とは、従来から医用高分子を開発
するうえで、両立し難い1s題とされているが、本発明
のゲルは、−上述の高含水性と強度とを有し、従来のポ
リビニルアルコール水溶液を風乾して得られる皮膜わる
いは前述の、ポリビニルアルコール水溶液を単に0〜3
0℃に貯蔵する場合に生成する水溶性ゲルとは全く異な
る新規ゲルである。
本発明のゲルに圧力を加えても、含有水分の浸出はほと
んど見られず、例えば、含水率9Qwt%のゲルに4に
9/−の圧縮応力を課して本浸出(流出)水量は、含有
水の1〜2%にすぎない。このように、多量の水分を強
固に保持することからも明らかなとおり、このゲルの見
かけ比重は、はぼ水と同程度であり、水中で辛うじて沈
降するにすぎないO 本発明のゲルには、粘着性がない。板状(8gX 8 
gX22− 2+ys)、円筒状(内径6龍、外径6關、長さ6鰭)
、球状(直径4闘)等に成型したゲル約102を、50
m1の水中で40日間かきまぜても、相互付着、形くず
れ等の現象は全く認められない。なお、生理食塩水中に
1年間浸漬したが、溶解せず、弾性およびgi度も変ら
ない(これは、例えばこんにゃくを数日間水道水に浸漬
した場合、檄しい形くずれが起るのと、きわめて対照的
である。また、ポリビニルアルコール水溶液の単なる放
冷ゲル(凍結ゲル)が著しい粘着性を示し、しばしば流
動性粘液状あるいは、たかだかゼリー、プリン、寒天状
で、しかも耐水性に乏しく、水中で分散・溶解しやすい
のときわめて対照的である。
本発明においては、ポリビニルアルコール単一成分がゲ
ル素材(ゲル化成分)として用いられる。しかし、ポリ
ビニルアルコールのゲル化と優れた生体適合性を阻害し
ない無機物または有機物が共存することは、本発明に差
支えなく、その共存量としては、例えばポリビニルアル
コールノH4t以下とすることができる。これに反し、
ポリビニルアルコール(または変1牛ポリビニルアルコ
ールとしてのポリビニルアセタール、ポリビニルブチラ
ール等)に作用して複合ゲルを生成する物質ならびにポ
リビニルアルコールと反応してこれを変性させる物質は
、たとえ少量共存することによっても、しばしば、本発
明のゲル形成(ポリビニルアルコール単一成分ゲルの形
成)に好ましくない影響を及ぼし、機械的強度の優れた
高含水性ゲルの生成を困難とする。このような物質とし
ては、既に、ポリビニルアルコール類との相互作用が知
られているコロイド状アルカリ・シリケート(米国特許
2,855,661(1958))、コロイド状シリカ
(米国特許2,833,661(1958))、アルカ
リ性コロイド状シリカ(特開昭54−155779)、
有機ケイ素化合物(酢酸ビニル樹脂、p、93、日刊工
業新聞社(1962))、テトラアルキルシリケート(
特公昭55−30358、特公昭55−11311)、
ホウ酸、ホウ砂(フランス特許743942(1953
))、フェノール、ナフトール、メタ・クレゾール、ピ
ロカロール、サリチルアニリド、ジサリチルベンジジド
、レゾルシノール、ポリアミン類(高分子化学、11.
(105)23(1954))、カオリン(kaoli
n)(Nature、 170 。
4S1 (1955))などが挙げられる。これらは、
いずれもその共存量に対応してポリビニルアルコールと
の複合ゲルを形成して不都合な軟弱ゲルを生ずるので回
避される。
m述の、ポリビニルアルコールのゲル化を阻害しない無
機物または有機物としては、例えば活性炭、ゼオライト
、血液凝固阻止剤(heparin (ナトリウム塩ま
たはカルシウム塩))、グロピレングリコール、グリセ
リン、酵素などが挙げられる。これらを併用する場合は
、ポリビニルア25− ルコール水溶液中のポリビニルアルコール濃度を6wt
%未満に減少させることもでき、例えば4〜6wt%と
することができる。この場合、これらは、本発明のヒド
ロゲル中に全量が包埋され、例えば活性炭は、そのまま
ヒドロゲル中に保持され、尿酸、クレアチニン等に対す
る吸着能を発揮し、また、ヘパリンは、長期にわたね徐
々にゲル外へ放出され、ゲル表面における血栓形成を阻
止する。
本発明のゲルの外見(色相)は、イカの刺身、餅、うい
ろ(白色)、かまぼこ、鮮魚(白身)に近い。
本発明のゲルの感触としては、人間、動物等の肉、イカ
の刺身、魚肉、餅(もち)、ちくわ、はんぺん、シュウ
−マイ、ソーセージに類似する。本発明においては、ポ
リビニルアルコール水溶液の注入容器または鋳型の形状
を任意に選定し、所望の形状(粒状、膜状、塊状、板状
、円筒状その他任意形状)の湿潤ゲルとすることができ
る。最終目的26− 物の形状に合わせて成型してもよいし、一旦得た成型体
を切削等により別の形に成型してもよい。
本発明のゲルは、強く圧縮されても、含有水分をほとん
ど浸出しないにもかかわらず、風乾処理により、徐々に
水分を失い、収縮するとともに、著しく硬直する。しか
も、その後、再び冷水に浸しても若干の吸水、湿潤が認
められるものの、元の高含水状態には決して復しない(
これらの現象は、やはり動物の筋肉、魚肉、イカ、柿の
実等の場合に類似する)。しかし、水中または生理食塩
水中においては、当初のみずみずしい外見と感触が維持
され、生体内においては、もちろん、風乾、脱水、収縮
、硬直等をきたさない。
本発明のヒドロゲルは、多量の水を包埋し、水または生
理食塩水に1〜6h浸漬することにより、含水率50〜
92wt%に捷で容易に到達する。特に、本発明におけ
る原料水溶液のポリビニルアルコール濃度を6〜20w
t%に選定して凍結・成型・部分脱水を施し、更に水ま
たは生理食塩水に浸漬して得られるヒドロゲルの含水率
は70〜92wt%にも及ぶ。したがって、本発明の鍋
含水ゲルは、前述の優れた機械的強度を有するゴム状弾
性体であるにもかかわらず、生体組織に対しては単なる
水(あるいは生理食塩水)同然の挙動を示し、生体への
損傷はきわめて軽微である。従来、親水性(または含水
性)医用材料として最も注目されているヒドロゲル、す
なわち、ポリ(α−ヒトpキシエチルメタクリレート)
の含水率は通常38〜40wt%であり、しかも機械的
強度に劣る(田辺達三、6人工血管”9.56(197
7)南江堂、田辺達三、人工臓器、互、245(197
6)、丹沢宏、工業材料、1Σ、70(1977)、丹
沢宏、外科診療、20.(1)3(1978)、S、 
D、 Bruch、 J、 Bio、med、Mate
r Res、、 7 、′589(1973)、丹沢宏
、化学工業、1258(1974))。
その含水率を60wt%まで高めることも提案されたが
、含水率を腐めるとともに機械的強度は更に低下する難
点がある(J、 D、 Andrade(ed、)、 
”Hydrogels forMedical  an
d Re1ated Applications’p、
 23(1976) AC8Symp Ser、互1.
森有−11人工臓器資料集成、])、116(1976
)ライフサイエンスセンター、丹沢宏、外科診療、20
 、(1)1 (1978) )。これに反し、本発明
においては、含水率70〜92wt%、更には80〜9
2wt%の高含水ゲルが容易に得られ、しかもその機械
的強度も優れることから、従来公知の非親水性、親水性
および含水性の医用材料のいずれにも勝る生体適合性材
料としての価値を有する。
本発明のヒドロゲルは水、アンモニア、食塩、尿酸、尿
素、クレアチニン、グルコース、乳酸、抗生物質等の水
溶29− 性低分子化合物を透過させるが、HIM、酵母、かびの
侵入を阻止する。したがって、本発明のヒドロゲルを無
函的に合成した後、万一非無菌的取扱いを受けることが
あっても、汚染は単にヒドロゲルの表面にかぎられ、こ
れを医用材料として使用するに先立ち、単にヒドロゲル
の表面を紫外線照射するか、あるいはプロピレンオキシ
ド、エチレンオキシド、オゾン、塩累、次亜塩素酸塩、
過酸化水素、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、
エチルアルコール(70〜90チ)、イソプロピルアル
コール(30〜50%)、クロールへキシジン、ペンザ
ルコニウムクロリトナどのいずれかにより表面を滅歯後
、清浄な水または生理食塩水によね洗浄することにより
、再び無菌のヒドロゲルを得ることができる。
本発明のヒドロゲルは、そのま捷、あるいは必要に応じ
ヘパリン等の医薬あるいは活性炭などを包埋させて、そ
の30− まま、あるいはテフロン、ポリエステル、ポリエチレン
、ポリウレタン、シリコーン、ポリウレタン、ンメチル
ボリシロキサン等の従来の医用材料の表面を被覆し、生
体修復用埋入材たとえば、眼瞼丹毒、蓄膿症、骨髄炎、
眼球炎等の手術または火傷、外傷等に起因する眼窩およ
び眼瞼部の陥没の修復、小児麻痺、癩、外傷等に因る胸
郭陥没、四肢萎縮等の修復、先天性または乳癌手術に因
る乳房欠損、倭小乳房の治療、隆房、豊頬を目的とする
美容形成、さらには先天性単元欠損、腹部停留単元、副
華丸結核、単元腫瘍、前立腺癌、外傷などに因る単元欠
損の修復材または胆道、尿道、肛門、食道、鍵、卵管等
の修復材等に供することがテキる。従来、ポリビニルア
ルコールのホルマリン架橋生成物が、これらの用途に用
いられたが、生体内で変質し易く、現在では実用に耐え
ないとされている(田辺達三他、“人工臓器質料集成1
、p、”r50 、 p、88(1976)ライフサン
エンスセンター、J、R,Lewis、Plastic
 &Reconatructive Surgery、
 35 、51 (1965)、武藤端雄、日本臨床外
科誌、色ゑ、25(1965)、増原英−他、MOL、
50(1979))。これに反し、本発明のゲルは、ホ
ルマリン等の有害物を用いることなく合成されるため、
生体への障害がほとんど認められず、上記いずれの用途
に本好適である。
本発明のゲルには、可塑剤または安定剤を添加する必要
がない。従来の医用材料の多くが生体組織を損傷する原
因の代表例として、医用材料中の可塑剤と安定剤がしば
しば挙げられていること(小島幸−他、高分子論文集、
34゜267.270(1977)、増原英−他、MO
L 、 51(1979))からも、これらを全く必要
としない本発明のヒドロゲルは、医用材料として優れて
いる。
本発明において、ポリビニルアルコールの水溶液を凍結
・成型・乾燥することにより、従来公知のポリビニルア
ルコール系ゲルとは全く異なるゲルの得られる理由は明
らかでないが、凍結・成型ならびに、これに続く部分的
脱水処理時に、ポリビニルアルコールの分子内および分
子間にきわめて多数の水素結合が形成され、特に、部分
脱水時に、ゲル組織の結晶化度が高まり、機械的強度と
弾性の向上をきたすことに因ると推察される。
いずれにしても、この種の凍結・乾燥ゲルおよびその製
法は本発明者が初めて見いだしたものである。
実施例1 市販ポリビニルアルコール(けん化度99.4モルチ、
粘度平均重合度2,600.4チ水溶液の粘度(20℃
)66cP)の粉末65f(含水率8wt%)を、水9
35vに溶解し、6wt%とじた。この水溶液1701
をポリエチレン製ビーカー(底面直径8 tm )に注
ぎ、これに高圧水蒸気滅53− 画処理(120℃X30m1n)を施し、次に一り0℃
×α7hの冷却(凍結・成型)を施した。しかる後、凍
結・成型体を融解させることなく、6hの真空脱水を施
した後、無菌フィルターを通過させた清浄な空気を用い
て真空を破り、成型体(円板)を取出し、無菌室に放置
・融解して971(含水率89 w t%、脱水率43
wt%)の白色不透明な弾性に富むゲルを得た。このゲ
ル(厚さ約20)を人工体液(pH8、食塩0.7 w
 t%、塩化カリウム0.2wt%、炭酸水素ナトリウ
ム2.4wt%、リン酸二水素ナトリウム0.35wt
%、120℃X 30 min滅菌)100−に6h浸
漬することにより、このゲルは吸水して14sy(含水
率95vrt%)に達した。これK 4 Kg/lW)
荷重を課したが、水分浸出量は31Rt(流失損失2チ
)にすぎなかった。また、この荷重を除くことにより、
この弾性体の形状は直ちに元に復し、さらに、このヒド
ロゲルの引張り強度は10Kg/34− 暦に及ぶことを知った。
このヒドロゲル円板から、20mzX 1311JX 
511Jの断片を切取り、生体内埋入試験試料とする。
家兎(体重2. s Kq )の背部皮膚を刺毛し、ク
ロロヘキシジンの05係エチルアルコール溶液を塗布し
、さらに70チエチルアルコールを用いて消毒後、皮I
鑓を約1.5m切開し、−F記試験試料を属人後、皮膚
を縫合した。この場合、皮膚切開線が埋入試料上に位置
しないよう留意した。24h(iの所見としては、皮膚
発赤とわずかな腫脹を認め、埋入試料を皮膚面上から指
触すると、試料は、皮下組織の剥離部分を移動する。4
日後、腫脹と発赤は消失し、6日後抜糸した。9日後、
−試料は既に固定され、指触しても移動しない。その後
1カ月間、埋入局所に変化なく、全身にわの たりなんν篇屈も無い。35日後、皮下組織をも含めて
、試料を摘出したが、試料は被包組織に包まれており、
相互間のgkNは認められないが、密着状態を呈してい
た。この被包組織を10チホルマリン処理(固定)後、
ツエロイジンに包埋し、ヘマトキシリン、エオシン重染
色とワンギーソン氏染色を実施して観察したところ、偽
好酸球と円形化組織球が少数認められるものの、細胞浸
潤はきわめて軽度で、炎1住反/心はほとんど欠如して
いる。
一方、縫合糸として用いたCatgutの周囲には、抜
糸後も強度の異物性組織反応が認められた。また、比較
のため前記と同様の2011X13mX5mmの海綿を
、同様に家兎背11i皮下に埋入した場合、発赤と腫脹
の消失に14日を要し、1力月後の摘出所見によれば、
海綿の寸法が10係程度減少しており、海綿周辺部に強
度の細胞浸潤と多数の異物性上細胞を認め、膿瘍化して
いる。メチルメタクリレート樹脂についても、同様に比
較試験したが、発赤と腫脹の消失に1週間を要し、偽好
酸球の浸潤も著しい。すなわち、本発明のヒドロゲルの
ほうが生体適合性の点において、はるかに優れることを
知った。
実施例2 市販ポリビニルアルコール(けん化度97モルチ、粘度
平均重合度1.800.4%水溶液の粘度(20℃)2
8cP)の粉末862(含水率7wt%)を、水914
2に溶解し、8,0wt% とじた。
この水溶液41Fを、実施例1に準じ滅菌し、凍結・成
型後、10hの真空脱水を施した。
解凍後8′IC含水率58wt%、脱水率=80wt%
)の白色不透明ゲルを得た。これを滅菌済み生理食塩水
10m1に6h浸漬することにより、このゲルは吸水し
て、14f(含水率76wt%)に達した。このゲル(
厚さ0.5 cm )に4Kg7−の荷重を課したが、
水分の浸出はほとんど見られなかった(保水率99%)
37− この円板状ヒドロゲルから、直径13N1厚さ1.5u
の小円板状埋人試験試刺を作成する。家兎(体重2.5
 Kg )の膝関節内側を縦方向に5cm+71開し、
四頭股筋の内側を縦切して膝蓋骨を外側へ脱臼させ、膝
関節を屈曲させて関節前部の脂肪組織を切除し、交叉靭
帯を切断後、仮関節嚢以外の関節嚢および半月板を切除
する。次に、大腿骨関節軟骨を削除し、この軟骨に代え
て、上記試料を大腿骨関節面に挿入・固定後、膝関節1
50度屈曲位において、大腿上部から足部までギプス包
帯を施し、6週後にこれを除いた。
この時点において、関節には軽度の腫脹を認めるが発赤
局所熱感は無く、−次性癒合も良好で、分泌液は見られ
ず、膝関節は約120度屈曲位をとり、保護破竹を示す
。他動的可動範囲は150〜90°であった。組織標本
につき、ホルマリン固定パラフィン包埋、ヘマトキシリ
ン、エオシン染色、マロリー染色を施し鏡検の結果、大
腿骨造形関節面38− は結合組織により被覆されており、挿入試料による反応
性骨質増殖と骨髄腔内炎症性反応はいずれも認められな
い。
一方、同じく1.5朋のr4みのメチルメタクリレート
樹脂につき、同様の比較試験を実施したところ、6週後
の所見として、関節にII!!!眼のほか、局所熱感を
認め、膝蓋上部に波動を触知した。ギプス包帯除去後の
膝関節には、他動的にわずかの可動性を認めるが、自動
的にはほとんど関節運動が認められない。また、大腿骨
関節面には、炎症性細胞浸潤と線維性槍痕組織とが認め
られた。すなわち、これらの所見から、本発明ヒドロゲ
ルの生体適合性の良いことが判明した。
実施例6 実施例2のポリビニルアルコール粉末132(含水率B
wtチ)を水892に溶解して得た11.6wt%水溶
液902を、1 crnX 1 mX 5 cmの板状
体(18枚分)成型用鋳型へ注入し、−53℃X1hの
冷却(凍結・成型)を施した後、鋳型を解体し、成型体
を取りはずすとともに、直ちに6hの真空脱水を施した
結果、48?(含水率713wtチ、脱水率47wt%
)のゲルを得た。このゲルの引張り試験において、6に
4/i皆の応力−まで切断しなかった。このゲルを実施
例2と同様に生体内に埋入して試験した結果、生体適合
性が良いことが判明した。
実施例4 実施例5のポリビニルアルコール粉末から調製したgw
tチ水溶液170yを5等分し、それぞれをポリエチレ
ン製ビーカー(50mlV)に注ぎ、−50℃X1hの
冷却(凍結・成型)を施し、続いて、それぞれに1〜1
4hの真空脱水を施しだ。また脱水ゲルを水中に6h浸
漬後の重量を求めた。
乾燥時間   脱水ゲル        浸漬ゲル1 
   27    92    21   29   
952    26    92    24   2
9   954    19    89    44
   23   918  5  62  85 11
 8214     2.5   20    93 
   jO80また、浸漬後のゲルにつき、引張り強度
を測定した。
1 2 3 5 14                6なお、当該ゲ
ルはいずれも水道水に浸漬し常温で90日41− 間取上放置しても、相互付着、形くずれはおこらず、強
度変化もほとんど起こらなかった。これらのゲルを実施
例2と同様に生体内に埋入して試験した結果、生体適合
性が良いことが判明した。
比較例1 実施例2のポリビニルアルコール水溶液411を、8c
rn×81Mの底面の角形容器へ注ぎ、常温で2日間放
置した結果、無色透明の軟弱な湿潤膜を得た。この膜を
水道水に6h浸漬したが、水中に一部溶解するうえ、膜
自体粘着性を示す。実施例2の場合のようなゴム状ゲル
は全く生成しない。すなわち、ポリビニルアルコール水
溶液を単に乾燥させても、本発明のゴム状高含水性ゲル
は得られない。
比較例2 実施例2のポリビニルアルコールのかわりに、けん化度
、  7a5モルチ、粘度平均重合度1.800.4%
水溶液の粘42− 度(20℃)56CPの市販ポリビニルアルコールを用
い、同様に操作した。凍結・成型・脱水体7.4 t 
(含水率55wt%)が得られたが、解凍後は5℃にお
いても軟弱化し、少量のゲル層のほかに、多量のポリビ
ニルアルコール濃厚水溶液が層分離するのを認めた。す
なわち、けん化度の低いポリビニルアルコールを用いて
軟木発明の耐水性ゲルは得られない。
比較例3 実施例1のポリビニルアルコールのかわりに、けん化度
992モルチ、粘度平均重合度500.4%水溶液の粘
度(20℃)56cPの市販ポリビニルアルコールを用
い、その18wtチ水溶液202を、同様に凍結・成型
・脱水したが、寒天に似たもろいゲル152(含水率7
2wt%)が得られたにすぎず、はとんど弾性は認めら
れないことを知った。すなわち、重合度の低いポリビニ
ルアルコールをは得られない。
比較例4 比較例6と同じ重合度500のポリビニルアルコール水
溶液の濃度を30wt%まで高め、その水溶液120v
に一73CXihの凍結・成型を施した後、6hの真空
脱水を施した。凍結・成型・脱水体1a6y(含水率6
6wt%)を解凍後、水中に8h浸漬した結果、120
t(含水率7owt%)にまで吸水するとともに著しく
軟化し、その一部は形くずれ(水中への溶解)を起こし
た。
比較例5 実施例5において、ポリビニルアルコール(けん化度9
94モル係、粘度平均重合i2,5oO)の6wtチ水
溶液541を冷却(凍結・成型)後、常温で1h放置し
た。粘着性の軟質ゲル(34)、脱水率0%、含水率9
4 w t%)を得たが、弾性を示さず、引張り強度と
してはわずか100 f/1yti’で既に破断された
。また、前記ゲル10りを水50−に浸漬したところ、
約20時間で形がくずれ出し水層は濁り、しかも大部分
粘着性の水に変った。
このように、たとえポリビニルアルコール水溶液に凍結
・成型を施し融解させても、強度が低く、耐水性の乏し
い粘着性のゲルが得られるにすぎず、凍結・成形後融解
をさせずに、脱水を施さないかぎり本発明で言う強度の
強い耐水性のあるゲルは生成しない。
比較例6 実施例1のポリビニルアルコール粉末(含水率8wt%
)とカルボキシメチルセルロースのそれぞれの0.52
ずつを水90fに加え、15m1n煮沸して溶解させて
後、室温まで放冷して激しくかきまぜ、しかる後、これ
を−50℃で10h放冷(凍結)し、直ちに真空乾燥す
ることにより、45− 乾燥体12を得た。これは、発泡スチロール状の、しか
もこれより更にもろい白色スポンジであり、水中で容易
に粘着液と化した。
すなわち、ポリビニルアルコール0,5%程度の水溶液
につき本発明に準する操作を実施しても、単なる水溶性
の凍結乾燥体が得られるにすぎない。
実施例5 実施例1のポリビニルアルコール粉末(含水率8wt%
)259を水1401ntK溶解して、13wt% 水
溶液とし、これに、高圧水蒸気滅菌処理(120℃X2
0m1n)を施す。
内径511m、外径10u1長さ20副のパイプ成型用
鋳型を高圧水蒸気滅菌後、ここへ前記滅菌漬水浴液12
−を流し込み、−50℃で1h放冷(凍結)させる。し
かる後、鋳型の上面カバーを取りはずし、凍結成型体を
融解させる46一 ことなく、6h真空脱水を施す。次に、無菌フィルター
を通過させた清浄な空気を用いて真空を破り、成型体(
)くイブ)を取り出し、無菌室に放置して融解させたと
ころ、重量7ノ(脱水率40チ、含水率78wt%)、
内径5u、外径8關のパイプを得た。このパイプを、滅
菌済の0.9 w t%食塩水に5hIIi?漬したと
ころ、10t(含水率84wt%)、内径5間、外径9
闘のヒドロゲル・パイプが得られた。このパイプを4m
ごとに切断し、それらにつき、セリシン(serici
n)M出処理済みの編み絹糸(JIS ml、直径0.
1ij、120℃X 30 min滅菌済)、カットゲ
ート(Catgut、腸線、直径0618關、エチレン
オキシド滅菌済)、デキソン糸(ポリグリコール酸系、
直径0.18WuM、120℃X 50 min滅菌済
)ならびにtJper Cut針を使用して、たがいに
吻合し、2点支持法により糸間隔1.5〜として縫合す
る(準拠:田辺達三他、6人工血管” (1977)p
、56,84.南江堂、田辺達三、“縫合材料と縫合、
吻合”(1979)p、16,61,91.金属出版)
。いずれの種類の縫合糸の場合にも、本発明のヒドロゲ
ルパイプは容易に縫合され、この操作に十分耐えること
ができた。なお、このゲルを灰施例2と同様に生体内に
埋入して試験した結果、生体適合性が良いことが判明し
た。
手続補正誉 昭和56年11月17日 特許庁長官 島 1)春 樹 殿 1、@件の表示 昭和56年特許願第159506号 2発明の名称 生体イじ復用埋人材 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 名称 (444)  日本石油株式会社チサンマンショ
ン新帛平台(i[話476−2571 )/゛ 氏名 弁理士 (6323)  用瀬良治に“  、)
5、補正の対象   明細誉の発明の詳細な説明の欄1
− 6、補正の内容 明細曹のT1の箇Pjrを補正する。
2−

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. けん化度97モルチ以上、粘度平均重合度1.800以
    上のポリビニルアルコールを6wt%以上溶解した水溶
    液を、任意形状の容器または成型用鋳型へ注入後、これ
    を−15℃より低い温度で凍結・成型し、しかる後、こ
    の成型体を融解させることなく、脱水率5 wt%以上
    に到達するまで部分的に脱水し、必要に応じ水中に浸漬
    することにより含水率20〜92wt%に到達させて得
    たヒドロゲルからなる生体修復用埋入材。
JP56159506A 1981-09-25 1981-10-08 生体修復用埋入材 Granted JPS5861744A (ja)

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