JPH031022B2 - - Google Patents

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JPH031022B2
JPH031022B2 JP59054330A JP5433084A JPH031022B2 JP H031022 B2 JPH031022 B2 JP H031022B2 JP 59054330 A JP59054330 A JP 59054330A JP 5433084 A JP5433084 A JP 5433084A JP H031022 B2 JPH031022 B2 JP H031022B2
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gel
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリビニルアルコール水溶液を凍結
後、解凍して得られるヒドロ(含水)ゲルからな
る、生体組織修復用材に係り、特に、従来のポリ
ビニルアルコール・ゲルの過度の柔軟性と水中膨
潤性とを低下させた改質ヒドロゲルからなる生体
組織修復用材に関する。 生体組織修復用材として、既に各種の高分子材
料が提案されているが、多くの研究・努力にもか
かわらず、それらの利用範囲は、未だに著しく限
定されている。例えば、降房形成を意図して、乳
線(glandula mammaria)の下、大胸筋
(musclus pectoralis)の上へ、注射器によりシ
リコーン・ゲルを注入する方式は、シリコーン・
ゲルの生体への有害性が広く認識された現存にお
いては、むしろ実施してはならない手術として挙
げられている(武藤靖雄、手術、28、613
(1974))。 また、食道、気管(気道)、尿管などの修復に
テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリ
コーン、コラーゲン、ポリエステル、タンタル製
ガーゼ(金網)などを用いる努力も重ねられてき
たが、動物実験においては、ほぼ例外なく吻合部
狭窄、肉芽増生、滑脱、感染、潰瘍、壊死、出
血、吻合不全などのいずれかを来たすため、成功
を期し難く、これらの既知素材に依存するかぎ
り、上記各種生体組織修復術研究の現状は非観視
されている(山本光伸“人工臓器の基礎と臨床”
p.272(1980)秀潤社)。 本発明者は、生体組織の修復に適する高分子材
料を探索した結果、ポリビニルアルコールの改質
ゲルが、この目的に有用であることを見い出し、
本発明を完成した。本発明によれば、旧来のポリ
ビニルアルコール・ゲルの過度の柔軟性(機械的
強度不足)を免れ、しかも、生体組織による拒絶
反応、異物反応、細胞浸潤、感染、吻合部狭窄、
肉芽増生、滑脱、潰瘍、壊死、出血、吻合不全を
回避し、更に、形状保持性、伸縮性、可撓性、変
形追随性のいずれをも確保しうる医用材料が提供
される。 本発明においては、生体組織修復用材として、
ポリビニルアルコールの改質ゲルを用いる。もつ
とも、既に各種のポリビニルアルコール・ゲルが
周知であるが、これらは、下記に例示するとお
り、生体適合性または機械的強度のいずれかに重
大な難点があつた。 (1) ポリビニルアルコール水溶液にホルマリンを
作用させて得られるスポンジを、血管または降
房形成材として用いる場合、材料の生体内劣化
が著しく、しかも生体組織に激しい損傷を与え
る(田辺達三他、“人工臓器資料集成”、p.330
(1976)ライフサイエンスセンター、同、p.88
(1976)、J.R.Lewis,Plast.&Reconstr.Surg.,
35、51(1965)、J.B.Blumberg et al.,Ann.
Surg.,151、409(1960)、J.H.Harrison,Surg.
Gynecol.Obstet.,584(1957)、D.L.Mac
Kenzie et al.,Arch.Surg.,77、965(1958)、
L.Brown et al.,Arch.Surg.,79(1959))。 (2) ポリビニルアルコールの強アルカリ性水溶液
ヘホウ砂(四ホウ酸ナトリウム+水和物)を作
用させることにより、含水率90〜98wt%の高
含水ゲルがえられるが、このゲルは室温流動性
を示すうえ、離漿も激しく、また耐水性を有し
ない。 (3) ポリビニルアルコール水溶液へコバルト60を
照斜して得られる高含水ゲルも著名であるが、
やはり室温流動性を示す軟弱ゲルにすぎず、特
殊用途以外には用いられない。 (4) ポリビニルアルコール水溶液を凍結後、解凍
して得られる粘着性高含水ゲルも周知である
(US3875302(1975)、特公昭49−42479、特公昭
48−30462、特公昭47−12854)。 しかし、このゲルは、柔軟性が余りにも高
く、ベトツキが激しいうえ、機械的強度に劣
り、手術用縫合糸による縫合が困難であり、ま
た、耐水性に劣ることから、生体修復用材とし
て利用できない。 (5) ポリビニルアルコールとテトラエチルシリケ
ートを含む懸濁水溶液に酸を加え、風乾するこ
とによつても、高含水ゲルが得られるが、これ
は水中における形状保持性を全く有しない非耐
水性の軟弱なフイルムにすぎない。この場合、
懸濁水溶液に酸を加え、凍結・乾燥する提案も
あるが、生成する皮膜の強度はかえつて低下
し、ほとんど成型不能である。 本発明者は、ポリビニルアルコールを利用し
て、機械的諸特性にすぐれた水不溶性の生体組織
修復用材を開発すべく検討した結果、特定性状の
ポリビニルアルコールを6wt%以上含有する水溶
液を、予め凍結(硬直)させ、次にこれを解凍さ
せ、これに再び上記の凍結処理を加える一連の操
作を反復実施して、凍結累積回数を2以上に到達
させることにより、旧来のポリビニルアルコール
凍結ゲルに比し、著しく柔軟性が低下し、しかも
水中膨潤性の乏しい含水ゲルが得られるという知
見を得、ここに効果の顕著な本発明を完成した。 即ち、本発明は、けん化度98モル%以上、平均
重合度700以上のポリビニルアルコールを6wt%
以上溶解した水溶液を、成型用鋳型へ注入し、こ
れを−10℃以下の温度において凍結させ、次に、
これを解凍し、これに再び上記の凍結処理を加え
る一連の操作を反復実施し、凍結累積回数を2以
上に到達させた後、解凍して得られるヒドロゲル
からなる生体組織修復用材を提供する。 本発明によれば、ポリビニルアルコール水溶液
を凍結・成型し、これに解凍・再凍結処理を反復
実施することにより、柔軟性を低下させた所望形
状の、機械的強度の優れた非膨潤性高含水ゲルが
得られる。本発明で得られるゲルは、ゴム状の弾
性と、すぐれた機械的強度をも兼備している。ま
た、本発明のゲルは、水または温水に不溶で、粘
着性を示さず、この点においても、前記のポリビ
ニルアルコール水溶液の凍結ゲルとは全くことな
る。すなわち、本発明は、従来のポリビニルアル
コール水溶液の放冷ゲル化、あるいは従来知られ
たポリビニルアルコール水溶液の化学的処理によ
るゲル化などに関する知見とは全く異なる生体組
織修復用材としての高含水ゲルを提供するもので
あることを意味する。 本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化
度は、98モル%以上、好ましくは98.5モル%以上
を要する。 本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度
は、700以上を要する。 本発明では、まずポリビニルアルコールの濃度
6wt%以上の水溶液を調合する。したがつて、ポ
リビニルアルコールの濃度としては、例えば6〜
25wt%とすることができる。 本発明においては、上記ポリビニルアルコール
水溶液を、任意形状の容器または所望の成型用鋳
型へ注入し、凍結・成型する。この容器または鋳
型へ注入されたポリビニルアルコール水溶液が凍
結されたことを確認後、55℃以下の温度に放置す
ることにより解凍させることができる。本発明に
おいては、これに再び凍結・解凍の一連の操作を
施し、累積凍結回数を2以上とすることにより、
このゲルの柔軟性を低下させることを特徴とす
る。この一連の操作による柔軟性低下(硬化)効
果は、本発明者が初めて見い出した現象である。 本発明においては、この累積凍結回数を高める
とともに、ゲルの柔軟性もまた低下することか
ら、所望のゲル強度に応じ、累積凍結回数を2以
上において任意に選定できる。本発明の効果が著
しく現れるのは、累積凍結回数2〜9であり、特
に最初の2〜4回において、その効果が特に顕著
である。したがつて、目的とする生体組織修復部
位に要求される硬度、弾性率、伸縮性、変形自在
性、形状保持能に応じ、累積凍結回数を選定する
のが良い。 本発明においては、当初のポリビニルアルコー
ル水溶液全体が固化して、含水ゲルを生成する。
このように、本発明のゲルには多量の水分が含ま
れるにかかわらず、強固な弾性を示し、堅く握り
しめても、一時的に変形するが、直ちに元の形状
に復し、形くずれしない。また、本発明の、含水
率88%の板状ゲル上へ成人が片足または両足によ
り直立しても、やはり一時的変形をきたすもの
の、直ちに元の形状に復し、形くずれしない。 高含水性と機械的強度とは、従来から医用高分
子および選択的透過膜等を開発するうえで、両立
し難い難題とされているが、本発明のゲルは、上
述の高含水性と強度とを有し、従来のポリビニル
アルコール水溶液を風乾して得られる皮膜あるい
は前述の、ポリビニルアルコール水溶液を単に0
〜30℃に貯蔵する場合に生成する水溶液ゲル、あ
るいは単なる凍結ゲルとは全く異なる。 本発明のゲルに圧力を加えても、含有水分の浸
出はほとんど見られず、例えば、含水率90wt%
のゲルに400Kg/cm2の圧縮応力を課しても浸出
(流出)水量は、含有水の1〜2%にすぎない。 本発明のゲルには、粘着性がない。 なお、水道水中に1年間浸漬したが、溶解せ
ず、弾性及び強度も変らない。 ポリビニルアルコール水溶液の単なる放冷ゲル
(凍結ゲル)が著しい粘着性を示し、しばしば流
動性粘液状あるいは、たかだかゼリー、プリン、
寒天状で、しかも耐水性に乏しく、水中で著しく
膨潤するのときわめて対照的である。 本発明においては、ポリビニルアルコール単一
成分がゲル素材(ゲル化成分)として用いられ
る。しかし、ポリビニルアルコールのゲル化を阻
害しない無機物または有機物が共存することは、
本発明に差支えなく、修復部位の治癒促進確保の
観点から、必要に応じ、酵素、医薬、ゼラチン、
コラーゲンなどをゲル合成に先立ち、ポリビニル
アルコール水溶液へ、あらかじめ添加することが
できる。このばあに、これらは、本発明のヒドロ
ゲル中に包埋され、酵素、コラーゲンなどの高分
子物質はそのままヒドロゲル中に保持され、一
方、分子量3〜6万以下の比較的低分子量の物質
としてのヘパリン(医薬)、抗生物質などは、長
期にわたり徐々にゲル外へ放出される。 本発明においては、ポリビニルアルコール水溶
液の注入容器または鋳型の形状を任意に選定し、
所望の形状(粒状、膜状、塊状、板状、円筒状そ
の他任意の形状)の生体修復用材とすることがで
きる。 本発明においては、含水率70〜94wt%のヒド
ロゲルが容易に得られる。このゲルは、機械的強
度に優れるゴム状弾性体であるにもかかわらず、
その高含水性のゆえに、生体組織に対しては単な
る水同然の挙動を示し、生体組織への損傷はほと
んど見られない。本発明においては、ポリビニル
アルコール水溶液をゲル化させる過程で、酸、ア
ルカリ、過酸化物、硫黄化合物、窒素化合物など
の化学試薬および有機溶媒などを全く用いないう
え、可塑剤または安定剤を全く必要としない。従
来の医用材料の多くが生体組織を損傷する主たる
原因として、材料中に残存する化学試薬、有機溶
媒あるいは材料に添加された可塑剤、安定剤が、
しばしば挙げられるが、これらを全く必要としな
い本発明のヒドロゲルは、医用材料としてきわめ
て優れている。 本発明のヒドロゲルは、交通事故、外傷、先天
性奇形等による脳硬膜、横隔膜、腹膜、心膜、関
節嚢、縦隔、胸膜、胸壁、結腸間膜などの代替ま
たは修復、及び術部の癒着防止に有用であるほ
か、パイプ状に成型して、人工食道、人工気管、
胆道、尿管、卵管、腱等の修復に供しうる。ま
た、眼瞼、丹毒、蓄膿症、骨髄炎、眼球炎等の手
術または火傷、外傷等に因る眼窩および眼瞼部の
陥没の修復、小児麻痺、外傷等による胸部陥没、
四肢萎縮等の修復、先天性または乳癌手術による
乳房欠損、矮小乳房の治療、降房、豊頬を目的と
する美容成形、さらには先天性睾丸欠損、腹部停
留睾丸、副睾丸結核、睾丸腫瘍、前立腺癌、外傷
などによる睾丸欠損の修復等に供することもでき
る。あるいはまた、本発明のポリビニルアルコー
ル水溶液を、シリコーン製チユーブ、ポリエステ
ル製チユーブ、タンタル製ガーゼ、ステンレス製
金網などに塗布後、本発明に従い、これに凍結・
解凍を反復してゲル化させることにより、これら
の生体組織反応を著しく軽減させた状態におい
て、生体組織の修復に供することもできる。 実験例 1 市販ポリビニルアルコール(けん化度99.4モル
%、平均重合度2600、4%水溶液の粘度(20℃)
66cP)の粉末141g(含水率8wt%)を水725gに
溶解し、15wt%とした。その50gを、直径24mm
の試験管に注ぎ、−15℃×7hの冷却(凍結成型)
を施した後、室温に4h放置することにより解凍
させた(試料1A)。これにより、白色不透明な軟
弱ゲル(50g)を得たが、これをポリエチレン製
袋に収めて密封後、これに再び同様の凍結と解凍
を施し(試料1B)、これに更に再び同様の凍結操
作を施した後、室温において解凍させた(試料
1C)。この試料を濾紙(東洋濾紙5A、直径18.5
cm)に包んだところ、紙面への付着・粘着は認め
られなかつた。その10.0gを水中に浸漬したとこ
ろ、その重量変化と膨潤状況は次のとおりであつ
た。 【表】 また、別途、その動的粘弾性(dynamic
viscoselasticity)を測定した結果は、次のとお
りであつた。 【表】 比較実験 1 実験例1の操作を同様に反復して試料1Aを得、
これにつき、上述の濾紙付着試験を試みたとこ
ろ、明らかに紙面への粘着傾向が見られた。ま
た、水中浸漬結果は次のとおりである。 【表】 複素弾性率測定結果は次のとおりであつた。 【表】 即ち、本発明による累積凍結回数3の試料(実
験例1試料1C)が濾紙に粘着せず、水中膨潤傾
向をしめさず、105程度のE′(N/m2)(15〜55℃)
を示すのに反し、本発明によらない通常の凍結ゲ
ルでは、濾紙への粘着が認められ、水中浸漬(7
日)により、1.3倍にも膨潤・軟化し、また104
程度のE′を示すにすぎない。即ち、試料1C(E′≒
105)は、試料1A(E′≒104)に比し、柔軟性が著
しく低下している。 実験例 2 市販ポリビニルアルコール(けん化度98モル
%、平均重合度1700、4%水溶液の粘度(20℃)
28cP)の粉末86g(含水率7wt%)を、水914g
に溶解し、8.0wt%とした。 この水溶液51gに、実験例1に準じ、−40℃×
12hの冷却を施した後、解凍させた(試料2A)。
これに再び同様の凍結と解凍を施し(試料2B)、
これに再び同様の操作を反復して得た試料(試料
2C)に、更に、同じ操作を施し、室温において
融解させた(試料2D)。この試料の濾紙への付着
粘度は認められず、水中浸漬結果は次のとおりで
ある。 【表】 複素弾性率の測定結果は、E′につき次のとおり
である。 【表】 比較実験 2 実験例2の操作を同様に反復して試料2Aを得、
これにつき、濾紙付着試験を試みたところ、明ら
かに紙面への粘着が見られた。水中浸漬結果は次
のとおりである。 【表】 複素弾性率E′項の測定結果は、次のとおりであ
る。 【表】 即ち、本発明による累積凍結回数4の試料(実
験例2試料2D)が濾紙に粘着せず、水中膨潤度
も低く、また、104程度のE′(N/m2)(15〜65℃)
を示すのに反し、本発明によらない凍結ゲルで
は、濾紙に付着し、水中浸漬(7日)により、
1.5倍にも膨潤(軟化)し、また103程度の
E′(N/m2)を示すにすぎない。指圧結果におい
ても、試料2Dは、試料2Aに比し、柔軟性のはる
かに低いことが触知された。 実験例 3 平均重合度2400、けん化度99.6モル%のポリビ
ニルアルコールの15wt%水溶液60gに、実施例
1に準じ、−5℃×24hの冷却(凍結)を施した
後、融解させた(試料3A)。これに同様の凍結と
融解を施し(試料3B)、これに再び同様の操作を
反復し、試料3Cを得た。このゲルの濾紙への付
着は認められず、水中浸漬結果は次のとおりであ
つた。 【表】 複素弾性率E′項の測定結果は次のとおりであ
る。 【表】 比較実験 3 実験例3の操作を同様に反復して試料3Aを得、
これにつき、濾紙付着性を検討したところ、明ら
かに紙面への粘着が見られた。水中浸漬結果は次
のとおりである。 【表】 複素弾性率E′項の測定結果は次のとおりであ
る。 【表】 即ち、本発明による累積凍結回数3の試料(実
験例3試料3C)が濾紙に付着せず、水中膨潤性
も低く、また105程度のE′(N/m2)を示すのに反
し、本発明によらない凍結ゲルは、濾紙に付着
し、水中浸漬により1.5倍にも膨潤し、また104
度のE′(N/m2)を示すにすぎない。指圧結果に
おいても、試料3Cは試料3Aに比し、明らかに柔
軟性の低いことが触知された。 実施例 1 実験例1のポリビニルアルコール粉末(含水率
8wt%)23gを水140mlに溶解して、13wt%水溶
液とし、これに、高圧水蒸気滅菌処理(120℃×
20min)を施した。 内径5mm、外径10mm、長さ20cmのパイプ成型用
鋳型を高圧水蒸気滅菌後、ここへ前記滅菌済水溶
液12mlを流し込み−50℃で1h冷却(凍結)させ
た。しかる後、これを室温に3h放置することに
より解凍した。この凍結・解凍操作を反復して、
累積凍結回数を8とした後、解凍し、重量11.7g
(E′=2.3×105Nm-2(25℃))、内径5mm、外径10
mmのパイプを得た。これを4cmごとに切断し、そ
れらにつき、セリシン(Sericin)溶出処理済み
の編み絹糸(JISNo.1、直径0.1mm、120℃×
30min滅菌済)、カツトグート(catgut、直径0.18
mm、エチレンオキシド滅菌済)、デキソン糸(ポ
リグリコール酸糸、直径0.18mm、120℃×30min
滅菌済)ならびにtaper cut針を用いて、たがい
に吻合し、2点支持法により、糸間隔1.5mmとし
て縫合したが、いずれの縫合糸の場合にも、本発
明のヒドロゲル・パイプは、容易に縫合され、こ
の操作に十分耐えることができた。なお、このヒ
ドロゲル・パイプ1本(4cm)を、ヒビテン液に
浸漬後、滅菌済み生理食塩水を用いて洗浄し、こ
れをイヌの腹部大動脈に、端々吻合法により移植
した結果、生体適合性の良いことが判明した。 実施例 2 実施例1に準じて作成した内径3mm、外径3.5
mmのヒドロゲル・パイプを、ヒビテン液に浸漬
後、滅菌済生理食塩水を用いて洗浄し、これをイ
ヌ(体重10Kg)の頚静脈へ挿入した。即ちラボナ
ール全身麻酔と挿管調節呼吸のもとに、無菌的に
頚静脈を露出させて外膜を剥離し、1%キシロカ
インを滴下後、血管縦軸方向に5mm切開するとと
もに、切開部の中枢側と末梢側にそれぞれ、一時
的に糸をかけ、血流を遮断した。次に、静脈内腔
を滅菌済生理食塩水を用いて洗浄し、血管内膜を
傷つけないよう留意しつつ、上記のヒドロゲル・
パイプ裁断片(長さ9mm)を末梢側に挿入し、次
いで、これを中枢側に寄せ、切開線と挿入物中央
部の位置とが合致するよう調整後、プロピレンオ
キシドによる滅菌を施したカツトグート(直径
0.18mm)を用いて切開線を縫合し、血流を再開す
るとともに、挿入物中央部において結紮した。 8週後、上記部分を再び切開した結果、挿入物
の汚染、閉塞は全く見られなかつた。 シリコーンゴム製ラシヒリングとテフロン製ラ
シヒリングについても同様に、体重10〜15Kgのイ
ヌを用い比較検討したが、2週間後には既に、い
ずれも著しい血栓を生じ、血管はほとんど閉塞状
態に達することから、本発明のヒドロゲルの生体
組織適合性の良いことを知つた。 実施例 3 実験例3に準じて得られるポリビニルアルコー
ル水溶液を、予め滅菌したガラス板に塗布し、ア
プリケーターを用いて0.3mmの厚さとし、これに
本発明の凍結・解凍を4回反復して得られるヒド
ロゲル膜(2×2.3cm×0.3mm)を試験試料とし
た。ラボナールの静注による全身麻酔を施した体
重17Kgの雑種成犬の頭皮を脱毛後、右頭頂部に7
cmの縦皮膚切開を加えて側頭筋を剥離し、次に、
ドリルを用いて頭頂骨に穿孔し、骨鉗子を用いて
鶏卵大の骨欠損を設け、1.5×2cmの硬膜切除を
加え、この部分へ前記ヒドロゲル膜を当て、四隅
を縫合後、筋縫合と頭皮縫合を施した。 6カ月後の犠牲死体から、ヒドロゲル膜及びそ
の周囲硬膜と脳実質を剔出し、肉眼観察及びヘマ
トキシリン・エオシン染色による光学顕微鏡観察
を実施したが、ヒドロゲル膜と脳表面との癒着は
認められなかつた。また、ヒドロゲル表面は被覆
様組織により包囲されていたが、軟膜への癒着は
ほとんど認められず、細胞浸潤及びグリア細胞の
増殖なども見られなかつた。 実施例 4 実施例3に準じて得たヒドロゲル膜(20×17cm
×0.3mm)の引張り強度は30Kgcm-2であつた。こ
の膜から5×5cm×0.3mmの裁断片を得て、ヒビ
テン液に浸漬後、滅菌済生理食塩水により洗浄
し、予めエチレンオキシドガスを用いて滅菌した
ポリプロピレン製の袋に収め、ヒートシール法に
より密封した。 ペントバルビタールの静脈麻酔を施した体重13
Kgの雑種成犬を開胸し、左室側心膜に縫い代を残
す程度に及ぶ広範囲の切除を加え、ここに、上記
ヒドロゲル膜(5cm×5cm×0.3mm)による組織
欠損部補填を施した。 6カ月後の犠牲死体から得られる上記補填部の
切除標本につき、肉眼、光学顕微鏡及び走査型電
子顕微鏡により観察した結果、心臓側における補
填部との癒着は全く認められず、ヒドロゲル膜表
面は、内皮様組織により被覆され、平滑であつ
た。病理組織学的にも細胞反応は無く、心臓側に
薄い内皮様組織が見られた。 実施例 5 体重15Kgの雑種成犬につき、実施例4に準じて
開胸後、横隔膜筋性部に欠損を作製し、実施例4
のヒドロゲル膜(4cm×6cm×0.3mm)により補
填した。6カ月後の犠牲死体から得た補填部切除
標本を観察した結果、補填部と肺との癒着は見ら
れなかつた。また、実施例4の場合と同様、薄い
腺維組織に包被されており、組織反応は見られな
かつた。 実施例 6 実施例1のポリビニルアルコールの15wt%水
溶液を、パイプ成型用鋳型へ注入後、本発明に従
い、これに5回の凍結・解凍を施し、内径13mm、
外径17mmのパイプを得た。これを長さ7cmに裁断
してヒビテン液へ浸漬後、滅菌済生理食塩水を用
いて洗浄したうえ、予めプロピレンオキシドによ
り滅菌したポリプロピレン製袋に収め、ヒートシ
ール法により密封した。 体重15Kgの雑種成犬をチオペンタールナトリウ
ム(25〜30mgKg-1)により静脈麻酔後、調節呼吸
のために気管内挿管してHarverd人工呼吸器に接
続した。両肩胛骨間に枕を当て、背臥位において
頚部を伸展固定し、正中切開方式により、頚部気
管を露出させた。 次に甲状軟骨から4軟骨輪下の位置を起点とし
て7軟骨輪長に及ぶ頚部気管を切除し、この欠損
部へ、上記の本発明のヒドロゲルパルプを挿入し
た。この場合、旧来のガラス、金属、ポリエチレ
ン、テフロン、シリコーンなどのパイプを用いる
予備的研究(森明弘、日本胸部外科会誌、29、74
(1981)、R.A.Daniel,Br.J.Dis.Chest,17,426
(1950)、寺松孝ら、日本胸部外科会誌、24,394
(1976)、山本光伸、臨床生理、,504(1976)、
安倍隆二ら、人工臓器、,330(1973)、阿保七
三郎、日本外科会誌、1,98(1960)、佐藤陸平
ら、胸部外科、,401(1956)、C.G.Robら、
Brit.J.Surg.,37,202(1949))に準じ、人工気管
の両端を宿主気管内腔(内側)へ挿入した。この
移植片を、Tevdek糸(3−0号)により、結節
縫合方式を採り端々吻合した。この場合、常法
(森明弘、日本胸部外科会誌、29,74(1981)、広
田雅昭他、日本胸部外科会誌、16,457(1968)、
山本光伸、日本胸部外科会誌、22,1082(1974)、
臨床生理、,504(1976)、“人工臓器の基礎と臨
床”p.272(1980)秀潤社)に準じ、結紮糸を気管
内腔へ露出させないよう配慮した。次に、吻合部
を気管固有鞘により被覆し、頚部筋群を各々縫合
し、術野全面にペニシリン20万単位、ストレプト
マイシン1g散布後、創を縫合閉鎖し、更に皮膚
に、ノベツクタンを噴霧した。術後、
Sulbenicillin50mgKg-1d-1を7日間継続筋注し、
また、Cefalexin25mgKg-1d-1を10日間経口投与し
た。その後、1年にわたり、気管フアイバー・ス
コープによる吻合部及び移植気管の観察、食道造
影による食道、喉頭の観察を続けた。また、ラボ
ナール静注麻酔下に気管内チユーブを挿入し、X
線透視下に、このチユーブ腔内にネラトンカテー
テル7〜8号を挿入後、ウロコリンを注入して気
管造影を実施した。 これらの結果から、食道と喉頭になんら異常は
見られず、気管においても、狭窄、感染、縫合不
全、肉芽増生、潰瘍、壊死、変形、滑脱、出血な
どの異常も全く認められなかつた。さらに、気管
支鏡のもとに、宿主気管を刺激すると、喉喇とと
もに、喀痰が喀出されるのが確められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 けん化度98モル%以上、平均重合度700以上
    のポリビニルアルコールを6wt%以上溶解した水
    溶液を、成型用鋳型へ注入し、これを−10℃以下
    の温度において凍結させ、次に、これを解凍し、
    これに再び上記の凍結処理を加える一連の操作を
    反復実施し、凍結累積回数を2以上に到達させた
    後、解凍して得られるヒドロゲルからなる生体組
    織修復用材。
JP59054330A 1984-03-23 1984-03-23 生体組織修復用材 Granted JPS60199453A (ja)

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