JPS60199453A - 生体組織修復用材 - Google Patents

生体組織修復用材

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JPS60199453A
JPS60199453A JP59054330A JP5433084A JPS60199453A JP S60199453 A JPS60199453 A JP S60199453A JP 59054330 A JP59054330 A JP 59054330A JP 5433084 A JP5433084 A JP 5433084A JP S60199453 A JPS60199453 A JP S60199453A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリビニルアルコール水溶液を凍結後、解凍
して得られるヒドロ(含水)ゲルからなる、生体組織修
復用材に係り、特に、従来のポリビニルアルコール・ゲ
ルの過度の柔軟性と水中膨潤性とを低下させた改質ヒド
ロゲルからなる生体組織修復用材に関する。
生体組織修復用材として、既に各種の高分子材料が提案
されているが、多くの研究・努力にもか1− かわらず、それらの利用範囲は、未だに著しく限定され
ている。例えば、隆房形成を意図して、乳腺(glan
dula mammaria)の下、大胸筋(musc
luspectoralis)の上へ、注射器によりシ
リコーンやゲルを注入する方式は、シリコーン・ゲルの
生体への有害性が広く認識された現在においては、むし
ろ実施してはならない手術として挙げられている(武藤
端雄、手術、並、613(1974))。
また、食道、気管(気道)、尿管などの修復にテフロン
、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、コラー
ゲン、ポリエステル、タンタル製ガーゼ(金網)などを
用いる努力も重ねられてきたが、動物実験においては、
はぼ例外なく吻合部狭窄、肉芽増生、滑脱、感染、潰瘍
、壊死、出血、吻合不全などのいずれかを来たすため、
成功を期し難く、これらの既知素材に依存するかぎり、
上記各種生体組織修復用材究の現状は悲観視されている
(山本光伸″人工臓器の基礎と臨床”p、272(19
80)秀潤社)。
本発明者は、生体組織の修復に適する高分子材料を探索
した結果、ポリビニルアルコールの改質ゲルが、この目
的に有用であることを見い出し。
本発明を完成した。本発明によれば、旧来のポリビニル
アルコール・ゲルの過度の柔軟性(機械的強度不足)を
免れ、しかも、生体組織による拒絶反応、異物反応、細
胞浸潤、感染、吻合部狭窄、肉芽増生、滑脱、潰瘍、壊
死、出血、吻合不全を回避し、更に、形状保持性、伸縮
性、可撓性、変形追随性のいずれをも確保しうる医用材
料が提供される。
本発明においては、生体組織修復用材として、ポリビニ
ルアルコールの改質ゲルを用いる。もつとも、既に各種
のポリビニルアルコール・ゲルが周知であるが、これら
は、下記に例示するとおり、生体適合性または機械的強
度のいずれかに重大な難点があった。
(1)ポリビニルアルコール水溶液にホルマリンを作用
させて得られるスポンジを、血管または隆房形成材とし
て用いる場合、材料の生体内劣化が著しく、しかも生体
組織に激しい損傷を与え3− る(田辺達三他、″人工臓器資料集成’、p’ 、33
0(1976)ライフサイエンスセンター、同、p、8
8(1976)、J、R,Lewjs、P]ast、&
 Reconstr、Surg、 。
川、51(1965)、J、B、Blumberg e
t al、、Ann、Surg。
、月■、409(1960)、J、11.IIarrj
son、Surg、Gynecol。
0bstet、 、584(1957)、D、l4.M
ac Kenzjc et al、。
Arch、Surg、、77.965(1,958)、
L、Brown et al、。
Arch、Surg、、79.72(1959))。
(2)ポリビニルアルコールの強アルカリ性水溶液ヘホ
ウ砂四ホウ酸ナトリウム士水和物)を作用させることに
より、含水率90〜98!t%の高含水ゲルがえられる
が、このゲルは室温流動性を示すうえ、離漿も激しく、
また耐水性を有しない。
(3)ポリビニルアルコール水溶液ヘコバル1へ60を
照射して得られる高含水ゲルも著名であるが、やはり室
温流動性を示す軟弱ゲルにすぎず、特殊用途以外には用
いられない。
(4)ポリビニルアルコール水溶液を凍結後、解凍して
得られる粘着性高含水ゲルも周知である一4= (US 3875302(1975)、特公昭49−4
2479.特公昭48−30462.特公昭47−12
854)。
しかし、このゲルは、柔軟性が余りにも高く、ベトッキ
が激しいうえ、機械的強度に劣り、手術用縫合糸による
縫合が困難であり、また、耐水性に劣ることから、生体
修復用材として利用できない。
(5) ポリビニルアルコールとテトラエチルシリケー
トを含む懸濁水溶液に酸を加え、風乾することによって
も、高含水ゲルが得られるが、これは水中における形状
保持性を全く有しない非耐水性の軟弱なフィルムにすぎ
ない。この場合、懸濁水溶液に酸を加え、凍結・乾燥す
る提案もあるが、生成する皮膜の強度はかえって低下し
、はとんど成型不能である。
本発明者は、ポリビニルアルコールを利用して、機械的
緒特性にすぐれた水不溶性の生体組織修復用材を開発す
べく検討した結果、特定性状のポリビニルアルコールを
6wt%以上含有する水溶液を、予め凍結(硬直)させ
、次にこれを解凍させ、これに再び上記の凍結処理を加
える一連の操作を反復実施して、凍結累積回数を2以」
二に到達させることにより、旧来のポリビニルアルコー
ル凍結ゲルに比し、著しく柔軟性が低下し、しかも水中
膨潤性の乏しい含水ゲルが得られるという知見を得、こ
こに効果の顕著な本発明を完成した。
即ち、本発明は、けん化度が98モル%以E、平均重合
度700以上のポリビニルアルコールを6シt%以上溶
解した水溶液を、成型用鋳型へ注入し、これを−10℃
以下の温度において凍結させ、次に、これを解凍し、こ
れに再び」二記の凍結処理を加える一連の操作を反復実
施し、凍結累積回数を2以上に到達させた後、解凍して
得られるヒドロゲルからなる生体組織修復用材を提供す
る。
本発明によれば、ポリビニルアルコール水溶液を凍結・
成型し、これに解凍・再凍結処理を反復実施することに
より、柔軟性を低下させた所望形状の1機械的強度の優
れた非膨潤性高含水ゲルが得られる。本発明で得られる
ゲルは、ゴム状の弾性と、すぐれた機械的強度をも兼備
している。ま6− た、本発明のゲルは、水または温水に不溶で、粘着性を
示さず、この点においても、前記のポリビニルアルコー
ル水溶液の凍結ゲルとは全くことなる。すなわち、本発
明は、従来のポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲル化
、あるいは従来知られたポリビニルアルコール水溶液の
化学的処理によるゲル化などに関する知見とは全く異な
る生体組織修復用材としての高含水ゲルを提供するもの
であることを意味する。
本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化度は、9
8モル%以上、好ましくは98.5モル%以−ヒを要す
る。
本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度は、70
0以上を要する。
本発明では、まずポリビニルアルコールの濃度6wt%
以上の水溶液を調合する。したがって、ポリビニルアル
コールの濃度としては、例えば6〜25wt%とするこ
とができる。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール水溶液を
、任意形状の容器または所望の成型用鋳7− 型へ注入し、凍結・成型する。この容器または鋳型へ注
入されたポリビニルアルコール水溶液が凍結されたこと
を確認後、55℃以下の温度に放置することにより解凍
させることができる。本発明においては、これに再び凍
結・解凍の一連の操作を施し、累積凍結回数を2以」;
とすることにより、このゲルの柔軟性を低下させること
を特徴とする。
この一連の操作による柔軟性低下(硬化)効果は、本発
明者が初めて見い出した現象である。
本発明においては、この累積凍結回数を高めるとともに
、ゲルの柔軟性もまた低下することから、所望のゲル強
度に応じ、累積凍結回数を2以−1−において任意に選
定できる。本発明の効果が著しく現れるのは、累積凍結
回数2〜9であり、特に最初の2〜4回において、その
効果が特に顕著である。したがって、目的とする生体組
織修復部位に要求される硬度、弾性率、伸縮性、変形自
在性、形状保持能に応じ、累積凍結回数を選定するのが
良い。
本発明においては、当初のポリビニルアルコ−8− ル水溶液全体が固化して、含水ゲルを生成する。
このように、本発明のゲルには多量の水分が含まれるに
かかわらず、強固な弾性を示し、堅く握りしめても、一
時的に変形するが、直ちに元の形状に復し、形くずれし
ない。また、本発明の、含水率88%の板状ゲル−ヒヘ
成人が片足または両足により直立しても、やはり一時的
変形をきたすものの、直ちに元の形状に復し、形くずれ
しない。
高含水性と機械的強度とは、従来から医用高分子および
選択的透過膜等を開発するうえで、両立し難いm題とさ
れているが、本発明のゲルは、上述の高含水性と強度と
を有し、従来のポリビニルアルコール水溶液を風乾して
得られる皮膜あるいは前述の、ポリビニルアルコール水
溶液を単にO〜3.0℃に胛蔵する場合に生成する水溶
性ゲル、あるいは単なる凍結ゲルとは全く異なる。
本発明のゲルに圧力を加えても、含有水分の浸出はほと
んど見られず、例えば、含水率90νt%のゲルに/I
 OOkg / fflの圧縮応力を課しても浸出(流
出)水量は、含有水の1〜2%にすぎない。
−9= 本発明のゲルには、粘着性がない。
なお、水道水中に1年間浸漬したが、溶解せず、弾性及
び強度も変らない。
ポリビニルアルコール水溶液の単なる放冷ゲル(凍結ゲ
ル)が著しい粘着性を示し、しばしば流動性粘液状ある
いは、たかだかゼリー、プリン、寒天状で、しかも耐水
性に乏しく、水中で著しく膨潤するのときわめて対照的
である。
本発明においては、ポリビニルアルコール単一成分がゲ
ル素材(ゲル化成分)として用いられる。
しかし、ポリビニルアルコールのゲル化を阻害しない無
機物または有機物が共存することは、本発明に差支えな
く、修復部位の治癒促進確保の観点から、必要に応じ、
酵素、医薬、ゼラチン、コラーゲンなどをゲル合成に先
立ち、ポリビニルアルコール水溶液へ、あらかじめ添加
することができる。このばあい、これらは本発明のヒド
ロゲル中に包埋され、酵素、コラーゲンなどの高分子物
質はそのままヒドロゲル中に保持され、一方、分子量3
〜6万以下の比較的低分子量の物質としてのヘパリン(
医薬)、抗生物質などは、長期にわたり徐々にゲル外へ
放出される。
本発明においては、ポリビニルアルコール水溶液の注入
容器または鋳型の形状を任意に選定し、所望の形状(粒
状、膜状、塊状、板状、円筒状その他任意の形状)の生
体修復用材とすることができる。
本発明においては、含水率70〜94wt%のヒドロゲ
ルが容易に得られる。このゲルは、機械的強度に優れる
ゴム状弾性体であるにもかかわらず、その高含水性のゆ
えに、生体組織に対しては単なる水同然の挙動を示し、
生体組織への損傷はほとんど見られない。本発明におい
ては、ポリビニルアルコール水溶液をゲル化させる過程
で、酸、アルカリ、過酸化物、硫黄化合物、窒素化合物
などの化学試薬および有機溶媒などを全く用いないうえ
、可塑剤または安定剤を全く必要としない。従来の医用
材料の多くが生体組織を損傷する主たる原因として、材
料中に残存する化学試薬、有機溶媒あるいは材料に添加
された可塑剤、安定剤が、しばしば挙げられるが、これ
らを全く必要としない本発明のヒドロゲルは、医用材料
としてきわめて優れている。
本発明のヒドロゲルは、交通事故、外傷、先天性奇形等
による脳硬膜、横隔膜、腹膜、心膜、関節嚢、縦隔、胸
膜、胸壁、結腸間膜などの代替または修復、及び術部の
癒着防止に有用であるほか、パイプ状に成型して、人工
食道、人工気管、胆道、尿管、卵管、鍵等の修復に供し
つる。また、眼瞼丹毒、蓄膿症、骨髄炎、眼球炎等の手
術または火傷、外傷等に因る眼窩および眼瞼部の陥没の
修復、小児麻痺、外傷等による胸部陥没、四肢萎縮等の
修復、先天性または乳癌手術による乳房欠損、矯小乳房
の治療、隆房、豊頬を目的とする美容成形、さらには先
天性重大欠損、腹部停留重大、副來丸結核、車丸腫瘍、
前立腺癌、外傷などによる車丸欠損の修復等に供するこ
ともできる。あるいはまた、本発明のポリビニルアルコ
ール水溶液を、シリコーン製チューブ、ポリエステル製
チューブ、タンタル製ガーゼ、ステンレス製金網などに
塗布後、本発明に従い、これに凍結・解凍を反復してゲ
ル化させることにより、これらの生体内組織反応を著し
く軽減させた状態において、生体組織の修復に供するこ
ともできる。
実験例] 市販ポリビニルアルコール(けん化度99.4モル%、
平均重合度2,600.4%水溶液の粘度(20”C)
66cP)の粉末141g (含水率81i1T%)を
水725gに溶解し、15wt%とした。その50gを
、直径24+nmの試験管に注ぎ、−15℃X7hの冷
却(凍結成型)を施した後、室温に4h放置することに
より解凍させた(試料IA)。これにより、白色不透明
な軟弱ゲル(50g)を得たが、これをポリエチレン製
袋に収めて密封後、これに再び同様の凍結と解凍を施し
く試料IB)、これに更に再び同様の凍結操作を施した
後、室温において解凍させた(試料IC)。この試料を
濾紙(東洋濾紙5A、直径18.5an )に包んだと
ころ、紙面への付着・粘着は認められなかった。その]
0.Ogを水中に浸漬したところ、その重量変化と 1
3− 膨潤状況は次のとおりであった。
表1 経過日数(日)01234567 重量(g) 10111111.11.1.1.13.
11膨潤比1.01.11.11.1 +、11.11
,11.1また、別途、その動的粘弾性(dynamj
c viscoe−1asticity) tt測測定
た結果は、次のとおりであった。
表2 醒(’C) 15 25 35 45 55 75複素
弾性率 lXl0’ 1.lX10’ 1.2X]Os
1.lX10s0.9X]056X]O’E′項(N/
イ) 比較実験1 実験例1の操作を同様に反復して試料1Aを得、これに
つき、上述の濾紙付着試験を試みたところ、明らかに紙
面への粘着傾向が見られた。また、水中浸漬結果は次の
とおりである。
表3 経過日数(日)01234567 重量(g) 10 11 12 12 12 12 1
2 13膨潤比1.01.11.21.21.21.2
1.21.314− 複素弾性率測定結果は次のとおりであった。
表4 affi(’C) 15 25 35 45 55 6
5E′(N/ryr) 1.IX]o41.2X10’
 1.3X1041.2X1041XIO40,7XI
O’即ち、本発明による累積凍結回数3の試料(実験例
1試料IC)が濾紙に粘着せず、水中膨潤傾向をしめさ
す、10’程度のE ’ (N/rJ)(15〜55℃
)を示すのに反し、本発明によらない通常の凍結ゲルで
は、濾紙への粘着が認められ、水中浸漬(7日)により
、1.3倍にも膨潤軟化し、また10’程度のE′を示
すにすぎない。即ち、試料IC(E’!=;10’)は
試料I A (E ’ L;10’)に比し、柔軟性が
著しく低下している。
実験例2 市販ポリビニルアルコール(けん化度98モル%、平均
重合度1 、700.4%水溶液の粘度(20℃)28
cP)の粉末86g(含水率711T%)を、水914
gに溶解し、8.0警t%とした。
この水溶液51gに、実験例1に準じ、−40℃x12
hの冷却を施した後、解凍させた(試料2A)。これに
再び同様の凍結と解凍を施しく試料2B)、これに再び
同様の操作を反復して得た試料(試料2C)に、更に、
同じ操作を施し、室温において融解させた(試料2D)
。この試料の濾紙への付着粘着は認められず、水中浸漬
結果は次のとおりである。
表5 経過日数(日) 0 1. 2 3 4 5 6 7重
量(g) 1011111111 II II II膨
潤比1.01.11.11.11.11.11.11.
1複素弾性率の測定結果は、E′につき次のとおりであ
る。
表6 温度(℃) 15 25 35 55 65 75E 
’ (N/イ) 6X10’ 7X]0’ 8X10’
 5X]O’ lXl0’ 3X]0”比較実験2 実験例2の操作を同様に反復して試料2Aを得、これに
つき、濾紙付着試験を試みたところ、明らかに紙面への
粘着が見られた。水中浸漬結果は次のとおりである。
表7 経過日数(日)01234567 重量(g) +01213141.4151515膨潤
比1.01.21.31.41.41.51.51.5
複素弾性率E′項の測定結果は、次のとおりである。
表8 温度(℃) 15 25 35 45 55 65E’
(N/rrl’) 5Xlo36X]036X1036
xlO34X1031.lX1o3即ち、本発明による
累積凍結回数4の試料(実験例2試料2D)が濾紙に粘
着せず、水中膨潤度も低く、また、104程度のE ’
 (N/m)(15−65℃)を示すのに反し、本発明
によらない凍結ゲルでは、濾紙に付着し、水中浸漬(7
日)により、1.5倍にも膨潤(軟化)し、また103
程度のE’(N/m)を示すにすぎない。指圧結果にお
いても、試料2Dは、試料2Aに比し、柔軟性のはるか
に低いことが触知された。
実験例3 平均重合度2,400、けん化度99.6モル%のポリ
 17− ビニルアルコールの15wt%水溶液60gに、実施例
1に準じ、−5℃×24hの冷却(凍結)を施した後、
融解させた(試料3A)。これに同様の凍結と融解を施
しく試料3B)、これに再び同様の操作を反復し、試料
3Cを得た。このゲルの濾紙への付着は認められず、水
中浸漬結果は次のとおりであった。
表9 経過日数(日) O]、 2 3 4 5 6 7重量
(g) 20212121212] 2121膨潤比1
.01.11.11.11.11.1 +、11.1複
素弾性率E′項の測定結果は次のとおりである。
表10 !(”C) 15 25 35 45 55 65E 
’ (N/イ) 0.8X]O’ lXl0’ 1.l
X10’ lXl0’ 0.7X]0’ 0,5XIO
’比較実験3 実験例3の操作を同様に反復して試料3Aを得、これに
つき、濾紙付着性を検討したところ、明らかに紙面への
粘着が見られた。水中浸漬結果は次 1Q − のとおりである。
表11 経過11数(日) 0 1 2 3 4 5 6 7重
量(g) 2025272829303030.5膨潤
比1.01.31.31.41.51.51.51.5
複素弾性率E′項の測定結果は次のとおりである。
表12 温度(℃) 15 25 35 45 55 65IE
 ’ (N/イ) 0.8XIO’ lXl041.l
X]O’ 1.lXl0’ 0.8X]0’ 0.6X
IO’即ち、本発明による累積凍結回数3の試料(実験
例3試料3C)が濾紙に付着せず、水中膨潤性も低く、
また105程度のE ’ (N/rrF)を示すのに反
し、本発明によらない凍結ゲルは、濾紙に付着し、水中
浸漬により1.5倍にも膨潤し、また104程度のE 
’ (N/%)を示すにすぎない。指圧結果においても
、試料3Cは試料3Aに比し、明らかに柔軟性の低いこ
とが触知された。
実施例1 実験例1のポリビニルアルコール粉末(含水率8WT%
)23gを水140II112に溶解して、13wt%
水溶液とし、これに、高圧水蒸気滅菌処理(120℃X
 20!l1in)を施した。
内径5m、外径10mn、長さ20anのパイプ成型用
鋳型を高圧水蒸気滅菌後、ここへ前記滅菌清水溶液12
mlを流し込み一50℃で1h冷却(凍結)させた。し
かる後、これを室温に3h放置することにより解凍した
。この凍結・解凍操作を反復して、累積凍結回数を8と
した後、解凍し、重量11.7g(E ′=2.3X1
0’N+s−”(25℃))、内径5III11、外径
1OIIInのパイプを得た。これを41ごとに切断し
、それらにつき、セリシン(Setjcjn)溶出処理
済みの編み絹糸(JIS Nnl、直径0.1mn、1
20℃×30w1n滅菌済)、カットゲート(catg
ut、直径0.1anwn、エチレンオキシド滅菌済)
、デキソン糸(ポリグリコール酸系、直径0.18na
+、120℃X 30m1n滅菌済)ならびにtape
r cut針を用いて5たがいに吻合し、2点支持法に
より、糸間隔165■として縫合したが、いずれの縫合
糸の場合にも、本発明のヒドロゲル・パイプは、容易に
縫合され、この操作に十分耐えることができた。なお、
このヒドロゲル・パイプ1本(4an)を、ヒビテン液
に浸漬後、滅菌済み生理食塩水を用いて洗浄し、これを
イヌの腹部大動脈に、端々吻合法により移植した結果、
生体適合性の良いことが判明した。
実施例2 実施例1に準して作成した内径3m、外径3.5mのヒ
ドロゲル・パイプを、ヒビテン液に浸漬後、滅菌済生理
食塩水を用いて洗浄し、これをイヌ(体重]、Okg)
の頚静脈へ挿入した。即ちラボナール全身麻酔と挿管調
節呼吸のもとに、無菌的に頚静脈を露出させて外膜を剥
離し、1%キシロカインを滴下後、血管縦軸方向に51
1I11切開するとともに、切開部の中枢側と末梢側に
それぞれ、一時的に糸をかけ、血流を遮断した。次に、
静脈内腔を滅菌済生理食塩水を用いて洗浄し、血管内膜
を傷つけないよう留意しつつ、上記のヒドロゲル・パイ
プ裁断片(長さ9mm)を末梢側に挿入し、次いで、こ
れを中枢側に寄せ、切開線と挿入物中央部の位置とが合
致するよう調整後、プロピレンオキシドによる滅菌を施
したカットゲート(直径O0]8Mn)を用いて切開線
を縫合し、血流を再開するとともに、挿入物中央部にお
いて結紮した。
8週後、上記部分を再び切開した結果、挿入物の汚染、
閉塞は全く見られなかった。
シリコーンゴム製ラシヒリングとテフロン製ラシヒリン
グについても同様に、体重10〜15に、。
のイヌを用い比較検討したが、2週間後には既に、いず
れも著しい血栓後生じ、血管はほとんど閉塞状態に達す
ることから5本発明のヒドロゲルの生体組織適合性の良
いことを知った。
実施例3 実験例3に準じて得られるポリビニルアルコール水溶液
を、予め滅菌したガラス板に塗布し、アプリケーターを
用いて0.3mmの厚さとし、これに本発明の凍結・解
凍を4回反復して得られるヒドロゲル膜(2X 2.3
an X O03ma)を試験試料とした。
ラボナールの静注による全身麻酔を施した体重17kg
の雑種成犬の頭皮を脱毛後、右頭頂部に7■の縦皮膚切
開を加えて側頭筋を剥離し、次に、22− ]くリルを用いて頭頂骨に穿孔し、骨部子を用いて鶏卵
大の骨欠損を設け、l、5X2cmの硬膜切除を加え、
この部分へ前記ヒドロゲル膜を当て、四隅を縫合後、筋
縫合と頭皮縫合を施した。
6力月後の犠牲死体から、ヒドロゲル膜及びその周囲硬
膜と脳実質を副出し、肉眼観察及びヘマトキシリン・エ
オシン染色による光学顕微鏡観察を実施したが、ヒドロ
ゲル膜と脳表面との癒着は認められなかった。また、ヒ
ドロゲル表面は被覆様組織により包囲されていたが、軟
膜への癒着はほとんど認められず、細胞浸潤及びダリア
細胞の増殖なども見られなかった。
実施例4 実施例3に準じて得たヒドロゲル膜(20X 17an
X0.3+nm)の引張り強度は30kgcm−”であ
った。この膜から5 X 5 an Xo、3mmの裁
断片を得て、ヒビテン液に浸漬後、滅菌済生理食塩水に
より洗浄し、予めエチレンオキシドガスを用いて滅菌し
たポリプロピレン製の袋に収め、ヒートシール法により
密封した。
ベンドパルビクールの静脈麻酔を施した体重13kgの
雑種成犬を開胸し、左室偏心膜に縫い代を残す程度に及
ぶ広範囲の切除を加え、ここに、」―記ヒドロゲル膜(
5an X 5 an X 0.3+nm)による組織
欠損部補填を施した。
6力月後の犠牲死体から得られる上記補填部の切除標本
につき、肉眼、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡により
観察した結果、心臓側における補填部との癒着は全く認
められず、ヒドロゲル膜表面は、内皮様組織により被覆
され、平滑であった。
病理組織学的にも細胞反応は無く、心臓側に薄い内皮様
組織が見られた。
実施例5 体重15kgの雑種成犬につき、実施例4に準じて開胸
後、横隔膜筋性部に欠損を作製し、実施例4のヒドロゲ
ル膜(4am X 6 csa X 0.3mm)によ
り補填した。6力月後の犠牲死体から得た補填部切除標
本を観察した結果、補填部と肺との癒着は見られなかっ
た。また、実施例4の場合と同様、薄い線維組織に包被
されており、組織反応は見られなかった。
実施例6 実施例1のポリビニルアルコールの15wt%水溶液を
、パイプ成型用鋳型へ注入後、本発明に従い、これに5
回の凍結・解凍を施し、内径13閣、外径17mn+の
パイプを得た。これを長さ7anに裁断してヒビテン液
へ浸漬後、滅菌済生理食塩水を用いて洗浄したうえ、予
めプロピレンオキシドにより滅菌したポリプロピレン製
袋に収め、ヒートシール法により密封した。
体重15kgの雑種成犬をチオベンタールナトリウム(
25〜30■kg−”)により静脈麻酔後、調節呼吸の
ために気管内挿管してHarシerd人工呼吸器に接続
した。両肩脛骨間に枕を当て、背臥位において頚部を伸
展固定し、正中切開方式により、頚部気管を露出させた
次に甲状軟骨から4軟骨軸下の位置を起点として7軟骨
軸長に及ぶ頚部気管を切除し、この欠損部へ、上記の本
発明のヒドロゲルパルプを挿入した。この場合、旧来の
ガラス、金属、ポリエチレ25− ン、テフロン、シリコーンなどのパイプを用いる予備的
研究(森明弘、日本胸部外科会誌、飢、74(1981
)、R,A、Daniel、Br、J、Dis、Cha
st、 17,426(1950)、寺松孝ら1日本胸
部外科会誌、74,394(1976)、山本光伸、臨
床生理、旦、 504(1976)、安倍隆二ら、人工
臓器、ス、 330(1973)、阿保七二部1日本外
科会誌、61.98(1960)、佐藤陸平ら、胸部外
科、9 、401(1956)、C,G、Robら、B
r1t、J。
Surg、、37.202(1949))に準じ1人工
気管の両端を宿主気管内腔(内側)へ挿入した。この移
植片を、Tevdak糸(3−0号)により、結節縫合
方式を採り端々吻合した。この場合、常法(森明弘、日
本胸部外科会誌、29.74(198])、広田雅昭他
、日本胸部外科会誌、16,457(1968)、山本
光伸、日本胸部外科会誌、22.1082(1974)
、臨床生理、旦、504(1976)、″人工臓器の基
礎と臨床”p、272(1980)秀潤社)に準じ、結
紮糸を気管内腔へ露出させないよう配慮した。次に吻合
部を気管固有績により被覆し、頚部筋群を各々縫合し、
術野全面にペニシリン20万単位、ストレプトマイシン
1g散布後、 26 − 創を縫合閉鎖し、更に皮膚に、ノベツクタンを噴霧した
。術後、5ulbenicjllin 50mgkg−
’d−”を7日間継続筋注し、また、Cefalexi
n 25■kg−’d−”を10日間経口投与した。そ
の後、1年にわたり、気管ファイバー・スコープによる
吻合部及び移植気管の観察、食道造影による食道喉頭の
観察を続けた。また、ラボナール静注麻酔下に気管内チ
ューブを挿入し、X線透視下に、このチューブ腔内にネ
ラトンカテーテル7〜8号を挿入後、ウロコリンを注入
して気管造影を実施した。
これらの結果から、食道と喉頭になんら異常は見られず
、気管においても、狭窄、感染、縫合不全、肉芽増生、
潰瘍、壊死、変形、滑脱、出血などの異常も全く認めら
れなかった。さらに、気管、支鏡のもとに、宿主気管を
刺激すると、喉漱とともに、喀洟が喀出されるのが確か
められた。
特許庁長官 志 賀 学 殿 1、事件の表示 昭和59年特許願第54330号 2、発明の名称 生体組織修復用材 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 (444)日本石?由株式会ネに 4、代 理 人 〒105 東京都港区虎ノ門1丁目1番20号5、補正
の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の項 6、補正の内容 別紙の通り \−−/ 明細書の「発明の詳細な説明」の項を下記のように補正
します。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. けん化度98モル%以上、平均重合度700以」二のポ
    リビニルアルコールを6wt%以上溶解した水溶液を、
    成型用鋳型へ注入し、これを−]0℃以下の温度におい
    て凍結させ1次に、これを解凍し、これに再び上記の凍
    結処理を加える一連の操作を反復実施し、凍結累積回数
    を2以上に到達させた後、解凍して得られるヒドロゲル
    からなる生体組織修復用材。
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