JPS585700Y2 - 騒音防止ゲ−ト

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【考案の詳細な説明】本考案は騒音防止ゲートに関するものである。

例えば越流ゲートとしては、第１図に示されるような１
つのゲート本体１を有する形式、第２図に示されるよう
な上段ゲート２と下段ゲート３との組合せからなる形式
などがある。

このような越流ゲートは、水門からの放流水を正確に把
握するのに最も適しており、河口堰の調節水門として広
く使用されている。

ところで河口堰のように河川下流でかつ堰下流に充分な
深さの背水がある場合は越流氷落下による騒音はあまり
問題にならない。

しかし、河川中流部に設置される堰いわゆる中流層では
背水が浅いか殆んどない場合が多く、この様な状態で越
流した場合、越流水４が河床コンクリート５に落下衝突
する際、水のエネルギが音に変り、非常に大きな騒音を
発生することになる。

河川開発が進み人家近くでこの様な堰を建設せざるを得
なくなっているが、上記の騒音が公害の原因となる。

本考案は上記の問題点を解決し得る騒音防止ゲートを提
案するもので以下その一実施例を第３図、第４図に基づ
いて説明する。

１１は昇降可能な鋼製のゲート本体で、このゲーート本
体１１の背面１１ａに接当する格納姿勢と、ゲート背面
１１ａの上部から下流下方に亘って位置する作用姿勢と
に可動可能な整流板１２が設げられている。

すなわち整流板１２はその上端が、ゲート背面１１ａの
上端に軸１３を介して揺動可能に取付けられている。

そして整流板１２とゲート本体１１との間には、該整流
板１２を可動させるための駆動装置であるシリンダ装置
１４が設げられている。

越流時には第３図に示されるように、シリンダ装置１４
の伸展により整流板１２を、その下端がゲート背面１１
ａから下流下方に位置するように軸１３０周りに揺動さ
せる。

これにより整流板１２はゲート背面上部から下流下方に
亘って位置する作用姿勢となる。

したがって越流水１５は整流板１２０表面に沿って流れ
ることになり、越流水１５の落下による騒音エネルギは
小さくなり騒音の発生は低減されることになる。

この越流時において整流板１２は、越流水脈に合せて可
動される。

洪水時など、ゲート本体１１を完全開放させる場合は、
第４図に示されるように、シリンダ装置１４の収縮によ
り整流板１２を、軸１３の周りに揺動させてゲート背面
１１ａに接当させる。

上記実施例では駆動装置としてシリンダ装置１４を示し
たが、これはウィンチ装置など別の機構も採用すること
ができる。

また上記実施例では、ゲート本体１１が昇降する前第１
図に相当する形式について述べたが、これは第２図に示
す多段形式など各種の越流ゲートに適用できるものであ
る。

以上述べたように本考案によると、越流水を整流板の表
面に沿って滑らかに落下させることができて騒音の発生
を防止することができる。

また整流板はゲート背面側に取付けるので他の設備を不
要にでき、さらにゲート背面に接当させて格納できるの
で特に非使用時において外観を良くできる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は夫々従来の越流ゲートを示す側面図、
第３図、第４図は本考案の一実施例を示す縦断側面図で
ある。１１・・・ゲート本体、１１ａ・・・ゲート背面、１２
・・・整流板、１３・・・軸、１４・・・シリンダ装置
（駆動装置）、１５・・・越流水。

【実用新案登録請求の範囲】

ゲート背面上端に軸を介して整流板を取付け、この整流
板を、ゲート背面に接当させる格納姿勢と、ゲート背面
上部から下流下方に亘って位置させる作用姿勢とに可動
させる駆動装置を設けたことを特徴とする騒音防止ゲー
ト。