JPS5856330Y2 - 内燃機関の吸気慣管装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関の吸気慣性効果を増大せしめる吸気
慣性管装置に関する。

従来、内燃機関において、シリンダヘッドに設けられた
吸気ポートに連通され吸気を導入せしめる吸気慣性管は
、例えば多気筒機関においては、各気筒毎に独立した吸
気管とし、各吸気管の長さを等しく、かつ、その設定位
置の制約の範囲内で最も適した長さに設定することによ
って、吸気慣性効果を向上させ、体積効率を高める上に
効果的であることが知られている。

しかしながら、最も効果的な吸気慣性効果を得るための
吸気慣性管長さは、その機関の運転時において常に一定
ではなく、回転数毎に異なるものである。

そこで、本考案においては、吸気慣性管の入口側に長短
２方向の吸入通路を分枝し、機関回転数に対応して吸気
管長さを長短両様に変更できるようにして、高・低両機
関回転数に応じた最も効果的な吸気慣性効果が得られる
ようにしたもので、併せて、本考案は、このように分枝
された吸気慣性管の吸入部を、シリンダヘッド上部のボ
ンネットと一体に形成した吸気膨張室内に設けて機関全
高を低くシ、かつ、騒音及びコストの低減を図ることを
目的としている。

以下、本考案の構成を一実施例を示す図面に基づいて説
明すると、第１図において、１はシリンダブロック、２
はシリンダライナー、３は、該シリンダブロック１上面
に載置して取付けられるシリンダヘッド、４は、該シリ
ンダヘッド３に設けた吸気ポート、５は吸気弁、６は、
軸７を介して弁腕台８に支持された弁腕である。

しかして、９は上記のシリンダヘッド３上の弁腕６部を
覆うボンネットであり、このボンネット９はボトル１０
によって該シリンダブロック１上に取付けられるととも
に、該ボンネット９の上部には、該ボンネット９と一体
に形成された消音箱１１が設けられて吸気膨張室１２が
形成されている。

１３は、その入口端を上記膨張室１２の出口１２ ａに
連結し、出口端を、シリンダヘッド３の側面に開口した
吸気ポート４に連結された吸気慣性管本体であって、こ
れにより膨張室１２内の吸気が吸気ポート４に導入され
る。

この実施例は、３気筒機関の場合を示しておす、シたが
って、吸気慣性管本体１３は各気筒に応じて３個設けら
れている。

次に、１４は、膨張室１２内において、該膨張室１２内
の吸気を、該膨張室出口１２ａ即ち吸気慣性管本体１３
人口部へ導く吸気通路であり、これは、前記膨張室１２
天井壁より一体に連設した隔壁１５により天井壁に沿っ
て隔成されるが、その途中で２方向に分枝され、夫々異
なる吸気導入口を有する長短２方向の吸気通路１４ａ、
１４ｂを形成している。

すなわち、吸気慣性効果を持たせるための吸気慣性管長
さの全長は、これらの前記吸気慣性管本体１３と上記膨
張室１２内の通路１４ ａ 、１４ ｂとを合せた長さ
であるが、この分枝通路によって長短２方向の吸気慣性
通路を形成するもので、これらの吸気慣性通路長さは、
その長い方１４ ａを、最も多用される低速回転Ｎ１に
おいて吸気慣性効果が最大となるような最適長さに、短
い方１４ｂを、最も多用される高速回転Ｎ１において吸
気慣性効果が最大となるような最適長さに設定される。

また、消音箱１１の一端に形成された膨張室１２の入口
側には吸入量制御弁２０及び消音兼用空気フィルタ２１
等が連結され、これらにより新気が導入される。

１６は、上記の分枝部において、回転自在な切換軸１７
に固定された切換シャッタであり、該切換軸１７を回動
させることによってこの切換シャッタ１６が上記両通路
１４ ａ 、１４ ｂの一方を選択的に開くものである
。

また、切換軸１７は、膨張室１２を横断して消音箱１１
外方へ突出し、その外端には切換レバー１８が設けられ
ており、この切換レバー１８を電磁弁１９等に連動すべ
く連結し、該電磁弁１９等を機関回転数に応じて作動さ
せることにより自動切換えを行なうことができる。

本考案は上記の構成であり、このように本考案において
は、吸気消音箱内において、切り換えシャッタの開閉に
よって、選択的に開閉される少なくとも長短２種類の吸
気通路を形成しているから、前記切り換えシャッタの開
閉操作を機関の回転数に応じて切り換えることによって
、各回転数に応じた最良の吸気慣性効果が得られ、機関
の高出力、高トルク化を図れるものである。

また、従来、このように吸気慣性管を取付けると、気柱
振動が増大して騒音が大きくなり、そのため、この吸気
慣性管入口部に消音用の膨張室を設ける必要があり、従
来よりこれらは機関のシリンダヘッド上方の弁腕用ボン
ネットに載置して設けられていたため全高が延長される
欠点があったのであるが、本考案においては、これを弁
腕部を覆うボンネットと一体化しているため、前記膨張
室を有する消音箱用の据付座が不要となり、かつ底壁部
を前記ボンネットと共有できることから全高の延長化が
極力減少され、更に、このような一体化によって剛性が
増大し騒音が減少すると同時に、取付の容易化、積重ね
誤差の解消及び軽量化が図れ、コストが低減される等の
効果が得られる。

なお、本実施例の如く、分枝された吸気慣性管の入口側
通路を、吸気消音箱内に、該吸気消音箱と一体形成する
ことにより、剛性が更に増大し、かつ、振動騒音が減少
される利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す内燃機関の要部縦断面図、
第２図は同じく要部の正面図、第３図は第１図のＡ−Ａ
線断面図、第４図は切換シャッタ取付部の横断面図であ
る。 ３・・・・・・シリンダヘッド、４・・・・・・吸気ポ
ート、６・・・・・・弁腕、９・・・・・・ボンネット
、１１・・・・・・吸気消音箱、１３・・・・・・吸気
慣性管本体、１４ ａ 、１４ ｂ・・・・・・吸気通
路、１５・・・・・・隔室、１５・・・・・・切換シャ
ッタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. その一端を機関の吸気ポートに連通した内燃機関の吸気
   慣性管において、シリンダヘッド上部の弁腕部を覆うボ
   ンネット上部に該ボンネットと一体に吸気消音箱を形成
   し、前記吸気慣性管の他端をこの吸気消音箱の出口部に
   連通連結するとともに、同じく吸気消音箱内には、前記
   出口部に連続し、かつ、通路長さの異なる複数の吸気通
   路を隔壁によって隔或し、更に、この吸気通路部には、
   各通路を選択的に開閉可能とした切り換えシャッタを装
   着してなる内燃機関の吸気慣性管装置。