JP2500856B2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

多気筒エンジンの吸気装置

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JP2500856B2
JP2500856B2 JP18695495A JP18695495A JP2500856B2 JP 2500856 B2 JP2500856 B2 JP 2500856B2 JP 18695495 A JP18695495 A JP 18695495A JP 18695495 A JP18695495 A JP 18695495A JP 2500856 B2 JP2500856 B2 JP 2500856B2
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intake
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volume chamber
passages
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宏行 花房
収一 中谷
英夫 中山
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気の動的効果を
利用して出力の向上を図るようにした多気筒エンジンの
吸気装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンの吸気装置におい
て、吸気開始に伴って生じる負圧波(負圧の圧力波)が
吸気通路上流側の大気または吸気拡大室への開口端で反
射反転して正圧波(正圧の圧力波)となって吸気ポート
方向に戻されることを利用し、上記正圧波が吸気弁の閉
弁寸前に吸気ポートに達して吸気を燃焼室に押し込むよ
うにする,いわゆる吸気の慣性効果によって吸気の充填
効率を高めるようにすることは知られている。このよう
な技術を用いようとする場合に、吸気通路の形状が一定
であると、吸気通路に生じる圧力波の振動周期と吸気弁
の開閉周期とがマッチングして吸気慣性効果が高められ
るのは特定回転域に限られる。
【0003】このため、従来、特開昭56−11581
9号公報にみられるように、エンジンの回転数に応じて
吸気通路の長さ等を変えるようにし、例えば、各気筒別
の吸気通路を上流部で2叉に分岐させて長い通路と短い
通路とを形成し、これらの通路の上流端を吸気拡大室等
に開口させるとともに、短い通路に制御弁を設けて、高
回転域でこの制御弁を開くことにより吸気通路の有効長
を短縮するようにしたもの(上記公報の第6図参照)が
提案されており、該エンジンの吸気装置によると、低回
転域と高回転域とでそれぞれ吸気の慣性効果を高めるこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造では、吸気系が大型のものとなると共に、同一
の容積室に長・短の通路を連通しているため、容積室の
容量によっては高回転時の振動周波数とマッチングせず
にトルクが低下する可能性があることから、設計自由度
が低いという問題がある。
【0005】そこで、上記容積室として、低速用の容積
室と高速用の容積室とを別途に設けて、各容積室をそれ
ぞれの領域で出力が最も得られる容積に設定するととも
に、この吸気系を可及的にコンパクトにすることが考え
られる。しかし、この場合、制御弁の開弁時に使用され
る上記高速用容積室の設定次第、例えばコンパクトに設
定しすぎると、幅広い運転域において吸気動的効果によ
る出力向上を確保することができないことがある。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、上記高速用容積室の断面積を適切に設定するだけ
で、幅広い運転域での吸気動的効果による出力向上を確
保することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明の手段は、第1容積室の下流に各気
筒に対応して設けられた独立吸気通路を接続した多気筒
エンジンの吸気装置において、上記各独立吸気通路の途
中から分岐して設けられた分岐路と、該各分岐路の他端
に接続され、上記各独立吸気通路間を各分岐路を介して
連通する第2容積室と、上記各分岐路に設けられ、エン
ジンの運転状態に応じて分岐路を開閉するよう開閉作動
する制御弁とを備え、上記第2容積室の断面積を上記各
独立吸気通路の断面積よりも大きく設定したものとす
る。
【0008】これにより、請求項1では、エンジンの運
転状態に応じて制御弁が開閉状態となる。そして、制御
弁の閉弁時には、各気筒は各々対応する独立吸気通路を
介して第1容積室に連通する一方、制御弁の開弁時に
は、各気筒は各々対応する独立吸気通路及びその途中か
ら分岐した分岐路を介して第2容積室にも連通するの
で、広い運転域に亘って吸気の動的効果が発揮され、出
力の向上が図られる。
【0009】その場合、上記第2容積室の断面積を上記
各独立吸気通路の断面積よりも大きく設定するだけの簡
単な変更で、高回転時の吸気系の固有振動数が変更し
て、高回転時、より高回転側で吸気の動的効果が得られ
る。
【0010】そして、請求項2の発明では、上記制御弁
を、エンジン運転状態としてエンジン回転数に応じて開
閉作動させ、エンジンの低回転域では分岐路を閉じ、高
回転域では分岐路を開くようにしている。これにより、
低回転域と高回転域とで吸気動的効果による出力の向上
を得ながら、上記請求項1と同様に幅広い運転域での出
力向上の確保を図ることができる。
【0011】さらに、請求項3の発明では、上記請求項
2における制御弁を、エンジン負荷が所定負荷以上の領
域でのみ開閉作動させるものとする。これにより、上記
制御弁の開閉が所定負荷以上の高負荷領域のみで行われ
るので、制御弁の開閉頻度をできるだけ少なくでき、制
御弁の信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1〜図4は本発明を4気筒4サイクルエ
ンジンに適用した場合の実施形態を示す。同図におい
て、1はシリンダブロック2およびシリンタヘッド3等
からなるエンジン本体であって、該エンジン本体1には
その長手方向に第1〜第4の4つの気筒4,4,…が直
列状に形成されている。この各気筒4にはそれぞれ燃焼
室5が形成されている。
【0014】6は気筒毎に互いに独立して設けられた独
立吸気通路であって、該各独立吸気通路6は、シリンダ
ヘッド3内に形成され独立吸気通路6の下流端部を構成
する吸気ポート7を介して各気筒4の燃焼室5に開口し
ている。また、8はエンジン長手方向に平行に延びる略
角筒形状のタンクよりなる吸気拡大室であって、該吸気
拡大室8は仕切板9によって上下に仕切られて上側に比
較的大きな容積の第1容積室8a と下側に比較的小さな
容積の第2容積室8b とに区画されている。そして、上
記各独立吸気通路6,6…の上流端はそれぞれほぼ同一
通路長でもって上記吸気拡大室8の第1容積室8a に連
通接続されている。該第1容積室8a の一端面には外気
を導入する吸気導入管10が接続されていて、該吸気導
入管10内には吸入空気量を制御するスロットル弁11
が配設されており、上記吸気導入管10により第1容積
室8a に導入された吸気を各独立吸気通路6を介して各
気筒4の燃焼室5に供給するようになされている。ま
た、上記吸気ポート7には吸気弁12が設けられてい
る。
【0015】さらに、上記各独立吸気通路6の途中箇所
から分岐路としての第2通路13が分岐していて、該各
第2通路13,13…の他端はそれぞれほぼ同一通路長
でもって上記吸気拡大室8の第2容積室8b に連通接続
されており、これにより第2容積室8b 及び各第2通路
13によって各独立吸気通路6,6…同士は相互に連通
しており、第2容積室8b及び第2通路13によって連
通路が構成されている。この場合、図1に示すように、
第2通路13は独立吸気通路6に対して鋭角の交差角で
合流している。
【0016】また、上記各第2通路13における開口部
近傍にはそれぞれ第2通路13を開閉する制御弁として
のバタフライ式のシャッター弁14が設けられており、
この各シャッター弁14は、吸気拡大室8長手方向と平
行に延びるバルブシャフト15に回動可能に支持されて
いる。この場合、シャッター弁14は、図1の一点鎖線
で示すように、開弁時に一端部が独立吸気通路6内に進
出する一方、他端部が第2通路13内に退避し、且つ一
端部がシャッター弁14の回動軸よりも吸気の流入方向
の下流側に位置するように設けられている。このように
シャッター弁14を設けたため、独立吸気通路6を流通
する吸気はバタフライ式シャッター弁14の独立吸気通
路側の面に沿って下流側に流れるので、開弁時にシャッ
ター弁14の一端部が独立吸気通路6内に進出するにも
拘らず、吸気抵抗の増大を極力抑制することができる。
【0017】そして、各シャッター弁14は、図示して
いないが、エンジン回転数検出手段等の出力を受ける制
御回路によりアクチュエータを介して開閉制御され、上
記第2容積室8b による各独立吸気通路6,6…相互間
の連通をエンジン運転状態に応じて制御し、エンジン回
転数が設定値未満の低回転域では閉じられ、エンジン回
転数が設定値以上の高回転域では開かれるように制御さ
れる。なお、このようなエンジン回転数に応じたシャッ
ター弁14の開閉作動は、少なくとも出力が要求される
高負荷時において行われるようにすればよく、低負荷時
にはシャッター弁14が開状態または閉状態に保たれる
ようにしてもよい。
【0018】そして、このような吸気系システムにおい
て、16は、上記吸気拡大室8、各独立吸気通路6,6
…および各第2通路13,13…を形成するための吸気
系構造体であって、該構造体16は、吸気拡大室8(第
1容積室8a および第2容積室8b )を構成するタンク
部17と、該タンク部17のエンジン側とは反対側の側
辺上部から側辺および下辺にかけてタンク部17の周囲
を迂回して延び、かつその構成壁の一部つまり側壁およ
び下壁を利用して各独立吸気通路6,6…の上流側部分
6a ,6a …をその各上流端がタンク部17(第1容積
室8a )側辺上部に開口するように一体的に形成する一
体吸気管部18,18…と、該各一体吸気管部18,1
8…の下辺部からエンジン側へ向かって各気筒別に分岐
して延び、各独立吸気通路6,6…の下流側部分6b ,
6b …を形成する分岐吸気管部19,19…と、上記各
一体吸気管部18の分岐吸気管部19近傍においてタン
ク部17(第2容積室8b )の構成壁のうちの下壁を利
用して各独立吸気通路6の途中を第2容積室8b に連通
する第2通路13を一体的に形成する連通管部20,2
0…と、上記各分岐吸気管部19,19…の先端部を互
いに連結するフランジ部21とからなり、該フランジ部
21にてエンジン本体1に対し各分岐吸気管部19の独
立吸気通路下流側部分6b を各気筒4の吸気ポート7に
合致せしめた状態でボルト22,22…を側方から挿入
して締付けることによりエンジン本体1に固定される。
また、上記タンク部17のエンジン側の側辺上部はエン
ジン側に膨出するように形成されており、第1容積室8
a の容積を十分に確保するようにしている。
【0019】また、上記各分岐吸気管部19の独立吸気
通路下流側部分6b および各吸気ポート7は、斜め上方
から燃焼室5に向ってほぼ直線状に延びて燃焼室5に開
口するように形成されている。そして、該各分岐吸気管
部19の独立吸気通路下流側部分6b の下流端近傍上部
には噴射弁装着孔23が形成されており、燃料噴射弁2
4はその先端噴射口部がシールリング23a を介して装
着孔23に挿入されて固定されている。この装着孔23
及び燃料噴射弁24の取付方向は該噴射弁24からの燃
料が燃焼室5の吸気弁12に向って噴射されるように装
着されていて、各燃料噴射弁24,24…はエンジン長
手方向に平行に配設された燃料供給管25に連通接続さ
れている。このことにより、燃料噴射弁24は分岐吸気
管部19にほぼ沿って寝た状態で取付けられることとな
り、該燃料噴射弁24の中心線の延長線l上に上記吸気
拡大室8(タンク部17)が燃料噴射弁24および燃料
供給管25に近接して位置することになる。
【0020】また、上記各連通管部20の第2通路13
にシャッター弁14が配設されること、および吸気拡大
室8(タンク部17)が燃料噴射弁24の中心延長線l
上に位置することから、上記吸気系構造体16は、その
タンク部17において、上記中心延長線lよりも下側の
位置でかつ各第2通路13,13…を含む吸気拡大室8
の第2容積室8b の部分と吸気拡大室8の第1容積室8
a との間としての上記仕切板9の位置で吸気拡大室8の
長手方向に沿った分割面によって上下に分割されて形成
されていて、タンク部17の上半部および各一体吸気管
部18,18…の上半部が一体成形された上側分割体1
6a と、タンク部17の下半部,一体吸気管部18,1
8…の下半部、各分岐吸気管部19,19…、各連通管
部20,20…およびフランジ部21が一体成形された
下側分割体16b とからなり、両分割体16a ,16b
が上記仕切板9を介して接合され、ボルト26,26…
を下方から挿入して締付けることにより気密的に結合さ
れてなる。
【0021】また、図4に詳示するように、上記タンク
部17(第2容積室8b )の下壁には、各第2通路13
の第2容積室8b への開口部間および両端部にシャッタ
ー弁14のバルブシャフト15を回転自在に支承するボ
ス部27,27…が一体に形成されているとともに、上
記各開口部周囲つまりシャッター弁14の弁体14aが
着座する弁座部分には上記各ボス部27,27を一連に
連続させるように環状に隆起するリブ部28,28…が
一体に形成されており、このリブ部28,28…を介し
て一連に連なるボス部27,27…によって吸気拡大室
8(タンク部17)のエンジン長手方向の剛性を増大さ
せるようにしている。また、29はボス部27に沿って
形成され、第2通路13開口部周りの環状リブ部28,
28同士を連結するリブ部である。
【0022】また、図4に示す如く上記第2通路13は
第2容積室8b 側からドリルで穴明け加工されるが、こ
の第2通路13の独立吸気通路6との接続部を滑らかな
R部に形成して、第2通路13の通路断面積の変化を小
さくかつ緩かなものに抑え、第2容積室8b から第2通
路13を介しての独立吸気通路6への流通抵抗およびそ
の変化を小さく抑えるようにしている。
【0023】そして、本発明の所要の作用を有効に発揮
させる上での適当な第1および第2容積室8a ,8b の
大きさとしては、第1容積室8a は排気量の0.5倍以
上の容量とし、第2容積室8b は排気量の1.5倍以下
の容量としておくことが望ましい。さらに、上記第2容
積室8b は第1容積室8a よりも容量を小さくし、かつ
第2容積室8b の断面積は各独立吸気通路6の断面積よ
りも大きく設定されている。
【0024】次に、上記実施形態の作用について述べる
に、各シャッター弁14が閉じて第2通路13の閉塞に
よって第2容積室8b による各独立吸気通路6,6…相
互間の連通が遮断されている状態では、各気筒4の吸気
行程で生じる負圧波が第1容積室8a まで伝播されてこ
こで反射され、つまり比較的長い通路を通して上記負圧
波およびその反射波が伝播することにより、低回転域に
おいてこのような圧力波の振動周期が吸気弁開閉周期に
マッチングすることになり、低回転域での吸気の慣性効
果が高められて、吸気充填効率が高められる。
【0025】一方、上記各シャッター弁14が開かれ第
2通路13が開放されて、第2容積室8b により各独立
吸気通路6,6…相互間が連通している状態では、各気
筒4の吸気行程で生じる負圧波が上記第2通路13を介
して第2容積室8b で反射されてこの負圧波および反射
波の伝播に供される通路長さが短くなることにより、高
回転域で吸気慣性効果が高められるとともに、この運転
域では他の気筒から伝播される圧力波も第2容積室8b
を介して有効に作用することになり、高回転域での充填
効率が大幅に高められる。従って、少なくとも高負荷時
に、上記低回転域と高回転域との吸気慣性効果が得られ
る各回転数の中間回転数に相当する所定回転数を境に、
これより低回転側でシャッター弁14を閉じ、これより
高回転側でシャッター弁14を開くようにしておくこと
により、全回転域で吸気充填効率が高められて出力を向
上させることができる。特に、高回転域での吸気充填効
率は、従来のように単に吸気通路を短縮させて慣性効果
を高めるようにした場合と比べても、気筒間の圧力伝播
作用でより一層高められることとなる。
【0026】さらに、吸気行程が終わり吸気弁12が燃
焼室5の吸気口を閉塞したときには、上記反射波の伝播
により独立吸気通路6の吸気ポート7に圧力波が伝わる
が、該圧力波は吸気弁12で反射された後、第2通路1
3及び第2容積室8b を通って吸気行程の独立吸気通路
6に伝播、導入される。この場合、第2通路13は独立
吸気通路6に対して鋭角の交差角を有して合流している
ため、圧力波は、吸気行程が終了した独立吸気通路6か
ら該独立吸気通路6の途中部で開口する第2通路13に
スムーズに導入された後、第2容積室8b 及び吸気行程
の独立吸気通路6の途中部で開口する第2通路13から
吸気行程の独立吸気通路6にスムーズに導入される。こ
のため、当該独立吸気通路6の吸気ポート7に圧力波が
効率良く伝達されるので、吸気の充填効率が向上する。
【0027】その場合、上記第2容積室8b の断面積を
上記各独立吸気通路6の断面積よりも大きく設定するだ
けの簡単な変更で、高回転時の吸気系の固有振動数が変
更して、高回転時、より高回転側で上記の如き吸気の動
的効果が得られる。
【0028】そして、この場合、吸気系構造体16にお
ける吸気拡大室8(第1容積室8aおよび第2容積室8b
)を構成するタンク部17と各独立吸気通路6の上流
側部分6a を構成する一体吸気管部18と各独立吸気通
路6の下流側部分6b を構成する分岐吸気管部19と各
第2通路13を構成する連通管部20とによって、各独
立吸気通路6が吸気拡大室8の周囲に迂回しながらかつ
吸気拡大室8(タンク部17)の構成壁の一部を利用し
て一体的に形成されているとともに、各第2通路13が
吸気拡大室8(第2容積室8b )の構成壁の一部と一体
的に形成されているので、上記独立吸気通路6の所要長
さおよび吸気拡大室8の第1および第2容積室8a ,8
b の各所要容積を得るに当って、これら吸気系をコンパ
クトに小型のものに形成することができ、よって限られ
たスペース(エンジンルーム)内で上記所要長さおよび
所要容積を十分に確保することができ、車載性の向上を
図ることができる。
【0029】また、この場合、燃料噴射弁24が上記分
岐吸気管部19の下流端近傍つまり独立吸気通路6の下
流側においてその噴射燃料をその霧化を良好にしながら
燃焼室5に応答性良く供給すべく燃焼室5に向けて装着
されている関係上、該燃料噴射弁24の中心延長線l上
に近接して吸気系構造体16のタンク部17(吸気拡大
室8)が位置すること、および上記各第2通路13にシ
ャッター弁14を配設することが必要である。このた
め、上記吸気系構造体16はそのタンク部17において
上記中心延長線lよりも下側即ち分岐吸気管部19側の
位置でかつ仕切板9の位置で吸気拡大室8の長手方向に
沿った分割面で上下に上側分割体16a と下側分割体1
6b とに分割され両分割体16a ,16b が仕切板9を
介して結合されてなるので、下側分割体16b をそのフ
ランジ部21にてエンジン本体1に側方からのボルト2
2による締付けにより取付けたのち、該下側分割体16
b の各分岐吸気管部19の噴射弁装着孔23に燃料噴射
弁24を中心延長線l方向から挿入し燃料供給管25を
下側分割体16b に固定することによって各燃料噴射弁
24を取付けるとともに、下側分割体16b の各連通管
部20の第2通路13にその上方からシャッター弁14
を挿入してバルブシャフト15に固定し、しかる後上記
下側分割体16b に対して仕切板9を介在させて上側分
割体16a を接合して下方からのボルト26の締付けに
より両者16a ,16b を一体に結合することによっ
て、良好な成形性を確保し、かつ上側および下側分割体
16a ,16b の組付けを容易に行い得るのは勿論のこ
と、シャッター弁14および燃料噴射弁24の組付けを
容易に行うことができ、良好な組付け性を確保すること
ができる。
【0030】しかも、上記上側分割体16a と下側分割
体16b との結合は、下方からのボルト26の締付けに
よって行われるので、その良好な組付け性を確保しなが
ら、上述の如くタンク部17(吸気拡大室8)における
エンジン側の側辺上部の膨出形成が可能となって、吸気
拡大室8の特に第1容積室8a の容積を十分に確保でき
る利点もある。また、上記第2容積室8b は吸気系構造
体16のタンク部17を仕切板9で上下に分割すること
によって第1容積室8a に並設され、第1容積室8a の
構成壁の一部(仕切板9)を共用して形成されているの
で、上記吸気系のコンパクト化を一層図ることができ
る。
【0031】さらに、上記タンク部17(第2容積室8
b )の下壁には、各シャッター弁14の弁体14a が固
定されエンジン長手方向に平行に延びるバルブシャフト
15を回転自在に支承するボス部27,27…が一体に
形成され、かつ該各ボス部27,27…は各第2通路1
3の開口部周囲に一体に形成された環状のリブ部28,
28…によって一連に連なっているとともに、該環状リ
ブ部28,28間はエンジン長手方向(第2容積室8b
の長手方向)に延びるリブ部29によって連結されてい
るので、吸気拡大室8(タンク部17)のエンジン長手
方向の剛性強度が増強されることになる。そのため、エ
ンジン振動に伴うタンク部17の振動変形が可及的に抑
制されて、従来の如くシャッター弁14の開閉に支障を
与えることがなく、そのスムーズな開閉動作が安定して
確保されることになり、上記の吸気慣性効果の発揮を確
実なものとすることができる。また、上記タンク部17
の構成壁への上記ボス部27およびリブ部28,29の
一体形成により、著しい重量増加を招くことなく構造の
コンパクト化および簡素化を図ることもできる。
【0032】尚、本発明は以上の実施形態の如く4気筒
エンジンに限らず、他の多気筒エンジン、例えば5気筒
エンジンや6気筒エンジンにも適用することができるの
は勿論である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3の発
明によれば、吸気系を大幅に変更することなく、幅広い
運転域における吸気の動的効果による出力向上を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多気筒エンジンの吸
気装置を示し、図3のI−I線における縦断側面図であ
る。
【図2】上記多気筒エンジンの吸気装置を示し、図3の
II−II線における縦断側面図である。
【図3】上記多気筒エンジンの吸気装置の一部を破断し
た平面図である。
【図4】上記多気筒エンジンの吸気装置を示し、図1の
IV−IV線における拡大断面図である。
【符号の説明】
1…エンジン本体 4…気筒 6…独立吸気通路 8…吸気拡大室 8a …第1容積室 8b …第2容積室 13…第2通路 14…シャッター弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 英夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−175822(JP,U) 実開 昭53−4007(JP,U) 実開 昭61−69431(JP,U) 特公 平2−59290(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1容積室の下流に各気筒に対応して設
    けられた独立吸気通路を接続した多気筒エンジンの吸気
    装置において、 上記各独立吸気通路の途中から分岐して設けられた分岐
    路と、 該各分岐路の他端に接続され、上記各独立吸気通路間を
    各分岐路を介して連通する第2容積室と、 上記各分岐路に設けられ、エンジンの運転状態に応じて
    分岐路を開閉するよう開閉作動する制御弁とを備え、 上記第2容積室の断面積を上記各独立吸気通路の断面積
    よりも大きく設定したことを特徴とする多気筒エンジン
    の吸気装置。
  2. 【請求項2】 上記制御弁は、エンジンの運転状態とし
    てエンジン回転数に応じて開閉作動し、エンジンの低回
    転域では分岐路を閉じ、高回転域では分岐路を開くよう
    開閉作動するものであることを特徴とする請求項1記載
    の多気筒エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 上記制御弁は、エンジン負荷が所定負荷
    以上の領域でのみ開閉作動するものであることを特徴と
    する請求項2記載の多気筒エンジンの吸気装置。
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