JPS5855038Y2 - 自在平行定規におけるヘツド部の浮上保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自在平行定規におけるヘッド部の浮上保持装置
に関する。

従来、トラックタイプの自在平行定規において、縦レー
ルに沿って移動自在なカーソル板に固定したカーソル側
支持体と、スケール操作ヘッドに固定されるヘッド側支
持体とを、前記面支持体に端部を夫々枢着された少くと
も一個のリンク部材を含む平行運動装置によって連結し
、カーソル側支持体に対してヘッド側支持体をほぼ平行
を維持して浮上させることによって、スケールを図板に
対して平行に持上げることができ、且つ図板から所定高
さにスケールを浮上保持することができると共に、簡単
に図板上にスケールを復帰させることを可能にしたヘッ
ド部の浮上保持装置が知られている。

ところで、この種の従来装置は、例えばヘッド部に浮上
刃を与える板バネと、これに当接する部材との当接位置
を変換する等の手段によって、板バネの浮上刃を実質的
に強化するもので、原理的及び構造的に複雑であった。

そこで本考案は、より簡単な構成で同等の効果が得られ
る自在平行定規におけるヘッド部の浮上保持装置を提供
しようとするものである。

以下図示する実施例により本考案装置を詳細に説明する
と、１はトラックタイプ自在平行定規における縦レール
の下面に沿って走行自在に案内されているカーソル板で
ある。

２は前記カーソル板１上に一体に固定されたカーソル側
支持体である。

３はリンク部材で、その一端部を前記カーソル４Ｆ！支
持体２にピボット軸にまり回動自在に枢着されている。

Ｐｌはその軸心位置を示している。４はスケール操作ヘ
ッドに固定されるヘッド側支持体で、前記カーソル側支
持体２に相対している。

そして、前記リンク部材３の他端部とピボット軸により
回動自在に連結されている。

Ｐ２はその軸心位置を示している。

更にリンク部材３の下方において、カーソル側支持体２
とヘッド側支持体４との間に、前記リンク部材３の軸心
位置Ｐ ｔ 、 Ｐ ２と略平行四辺形をなす軸心位置
Ｐ３． Ｐ４を以って連動関係をなす他のリンク部材５
はカム部材等が設けてあり、図板面付近においてカーソ
ル側支持体２に対してヘッド側支持体４が平行を維持し
て浮上し得るように構威しである。

尚、上記のカーソル側支持体２とヘッド側支持体４との
平行運動装置は従来から周知のものであるから、本考案
において重要な点は、面支持体２，４が少くとも一個の
リンク部材３を含む平行運動装置により連結されている
点にある。

上記の構成において、本考案に係るヘッド部の浮上保持
装置は、図示の実施例の場合、カーソル側支持体２に支
持片６が固設してあり、該支持片６に支軸８を中心に起
立及び避退自在に浮上保持部材９が設けである。

これに相対してリンク部材３には支持片１０によって回
転自在にコロ部材１１が設けてあり、第４図に示す浮上
保持部材９の起立位置において該部材９のストッパー面
９ａがコロ部材１１に当接し、第１図示の如く浮上保持
部材９の避退位置においてストッパー面９ａとコロ部材
１１との当接が外れるように構威しである。

ストッパー面９ａとコロ部材１１との当接関係は、浮上
保持部材９に支軸８を中心として、起立状態において、
避退方向（第４図において時計方向）へ僅がの回転モー
メントが作用するように構成しである。

即ち、この僅かの回転モーメントは、ヘッド側支持体４
に、ヘッド部及びスケールから通常加わる荷重によって
は浮上保持部材９が避退しないように設定してあり、操
作者がヘッド部に押し下げる力を加えることによって初
めて避退するように構威しである。

また、１２は支軸８の周囲において浮上保持部材９に設
けた切欠部で、該切欠部１２内に占位してストッパー１
３が支持片６に設けてあり、浮上保持部材９の起立位置
及び避退位置を規定するように構成しである。

１４は浮上保持部材９を起立位置に維持するバネ部材で
、支軸８の周囲に巻掛けて一端部１４ ａを浮上保持部
材９に係合せしめ、他端部１４ｂを支軸８に回動位置決
め調整自在に設けた調整部材１５に係合せしめ、浮上保
持部材９を起立位置に維持すると共に避退位置から起立
位置に復帰せしめるように設けである。

実施例の場合、調整部材１５は支軸８の端部に回動自在
に嵌合せしめてあり、その回転位置によってバネ部材１
４の強さを自在に調整することができると共に、支軸８
の端面に螺合せしめた固定ネジ１６によってワッシャ１
７を介して支軸８に一体に固定することができるように
構成しである。

尚、調整部材１５は図示の実施例では外周部を六角ナツ
ト状に構威し、スパナなどにまり回動位置調整するよう
にしであるが、調整部材１５にレバー１８又はバンドル
を一体に取付け、該レバー１８又はバンドルを操作する
ことによって位置調整するように構成することができる
ことは勿論である。

また、浮上保持部材９の避退位置においてコロ部材１１
に当接する当接面９ｂは、コロ部材１１に対して浮上刃
を及ぼすことなく、逆にヘッド部及びスケールが図面に
圧接する方向にバネ弾力が作用するように傾斜して構成
しである。

尚、前記レバー１８等により、調整部材１５をバネ弾力
を弱める方向に回動調整していくと、ついには浮上保持
部材９が避退位置に維持されることとなり、コロ部材１
１と当接しなくなるから、本考案装置は浮上保持解除調
整も任意に行うことができる特徴を具備していることと
なる。

上記の構成からなる本考案に係るヘッド部の浮上保持装
置によれば、図中では省略したヘッド部を持ってヘッド
側支持体５を第１図示の状態より上方に持上げると、浮
上保持部材９はバネ部材１４によって第４図示の起立位
置に占位するから、その後、ヘッド側支持体４を降下さ
せると、コロ部材１１がストッパー面９ａに当接して支
持され、ヘッド部から手を離しても浮上保持部材９がス
トッパーとして作用し、ヘッド側支持体４と一体なヘッ
ド部及びスケールは浮上状態に保持されることとなる。

この浮上保持状態において、スケールの移動、図面の交
換、図板の清掃作業を容易に行うことができる。

そして、更にヘッド部を持ってヘッド側支持体４に下降
方向の力を加えると、コロ部材１１を介して浮上保持部
材９に加わる避退方向の回転モーメントが増大して、遂
には浮上保持部材９は支軸８を中心に避退方向に回転し
、第１図示の如く避退し、ヘッド側支持体４は、ヘッド
部及びスケールを図板面に密接せしめることとなる。

上記浮上保持部材９が起立位置から避退位置に移動する
初期状態において、コロ部材１１がストッパー面９ａに
沿って当接面９ｂ方向に相対移動することとなる。

この移動の際に、前記バネ部材１４のバネ弾力が浮上保
持部材９の移動を阻止する方向に強く作用することとな
る。

従って、このバネ弾力の強さを調整することにより浮上
保持部材９の起立維持力を自在に変更することができる
。

尚、実施例とは逆にリンク部材３に浮上保持部材９を起
立及び避退自在に設け、カーソル側支持体２にコロ部材
１１を設けることも同様の原理で可能である。

以上の通り、本考案に係る浮上保持装置によれば、カー
ソル側支持体とヘッド側支持体とをリンク部材を含む平
行運動装置によって連結した自在平行定規において、カ
ーソル側支持体とリンク部材との間に、起立位置におい
てリンク部材を浮上状態に支持する浮上保持部材を避退
可能に設け、且つ該浮上保持部材を起立位置に維持する
バネ部材をバネ弾力の強さ調整自在に設けた構成を有す
るから、従来の板バネによる強力な支持作用を用いるこ
となく、浮上保持部材がその剛性によってヘッド部及び
スケールを浮上状態に支持し、バネ部材のバネ弾力の強
さに従って図板上への復帰を図るという簡単且つ確実な
浮上保持装置を提供することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の要部を示す正面図、第
２図はその要部の一部縦断側面図、第３図はその要部の
一部横断平面図であり、第４図はその要部の浮上状態を
示す概略正面図である。 １：カーソル板、２：カーソル側支持体、３：リンク部
材、４：ヘッド側支持体、９：浮上保持部材、１１：コ
ロ部材、１４：バネ部材、１５：調整部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦レールに沿って移動自在なカーソル板に固定したカー
   ソル側支持体と、スケール操作ヘッドに固定されるヘッ
   ド側支持体とを、前記面支持体に端部を夫々枢着された
   少くとも一個のリンク部材を含む平行運動装置によって
   連結し、カーソル側支持体に対してヘッド側支持体がほ
   ぼ平行を維持して浮上し得るように構威した自在平行定
   規において、カーソル側支持体とリンク部材との間に、
   起立位置においてリンク部材を浮上状態に支持する浮上
   保持部材を避退可能に設け、且つ該浮上保持部材を起立
   位置に維持するバネ部材をバネ弾力の強さ調整自在に設
   けてなる自在平行定規におけるヘッド部の浮上保持装置
   。