JPS5854872B2 - 高耐候性エンボス加工金属板の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐候、耐食の性能を有する保護被膜を被着した
金属板にエンボス加工を施した際に発生する被膜の破壊
を補修すると共に、耐候性をさらに強化した金属板の製
造方法に関する。

例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板の
ような金属板は、そのコイル、またはシートに塗料を１
回塗りするか、もしくは、最初に防蝕性を具えた下塗り
を塗布し、次いで上塗りを施すことにより塗料を２回塗
りし、その後で、これら塗膜を高温度下において短時間
で焼付けした金属板、あるいは、金属素地に金属メッキ
を施し、その上にリン酸塩被膜の化成処理被膜等のＩ層
形成、あるいは金属メッキ層、及び化成処理被膜等の２
層形成、またはその上にプライマー被膜等を施して表面
処理を付加した金属板が建材に多用されている。

そして、現在は、金属板の冷たさ、表面の単純さなどを
改善するために、金属板にエンボス加工によって凹凸模
様を形成することが行われている。

しかしながら、エンボス加工はローラ間の噛み合いによ
る厳しい加工によって凹凸模様が形成されるため、その
保護被膜、所謂塗膜に目視できない亀裂が生ずる欠点が
あった。

従って、エンボス加工した金属板の表節は塗膜に相当数
の亀裂が存在し、この亀裂部分から錆が発生して金属板
の耐候性、耐食性が大きく低下せしめられる一因にもな
っていた。

本発明はエンボス加工によって生じたこのような保護膜
の破壊を補修すると共に、より一層耐候性、耐食性を向
上せしめた高耐候性エンボス加工金属板の製造方法を提
案するものである。

以下に、図画を用いて本発明に係る高耐候性エンボス加
工金属板の製造方法の一実施例を詳細に説明する。

すなわち、第１図は本発明に係る方法によって形成され
た金属板の一部を拡大して示す５縦断面図であり、１は
高耐候性エンボス加工金属板（以下、単にエンボス加工
板という）、２は金属板、３は保護被膜、４は凹凸模様
でエンボス加工により任意模様、例えば第２図に示すよ
うに形威されたものであり、５は塗膜で例えばアルキッ
ド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂等、およびその変性
樹脂群から選ばれた一種の樹脂を主成分とする塗料、あ
るいはこの樹脂液に対し顔料が容積濃度で約１％以下添
加された樹脂を主成分とする塗料からなり、これを凹凸
模様４面に凹凸模様４が埋没しないように形成したもの
である。

また、第３図はもう１つの発明に係る方法によって製造
された高耐候性金属板を示す説明図であり、第１図と異
なるところは、エンボス加工を施した後に金属板を成形
し、その後で塗膜を形成した点だけである。

そこで、本発明に係る製造方法について詳細に説明する
と、まず保護被膜３、例えばドライで２０ミクロンを有
する市販の金属板２に対して外周面に各々、雄、雌型の
凹凸模様を有する上、下ローラ（図示せず）の噛み合い
を介して、深さ０．１〜３ｎ位（実施例としては０．７
ｒｕｍ ）で、例えば第２図に示すようなパターンの
凹凸模様４を形成する。

次に、この凹凸模様４に対し、塗料（ポリエステル樹脂
に顔料を入れたもの）をフロ＊＊−コータ、ロールコー
タ、スプレーガンのいスレかの方法で塗布する。

なお、この時の塗料の塗布量は凹凸模様４を埋没しない
量、例えばドライで１０〜６０ミクロン程度である。

次に、この金属板２は２００〜３００℃の焼付炉（図示
せず）に送給し、塗料を焼付けしてドライで約２０ミク
ロンの塗膜５を形成し、その後でこれを取り出し、冷却
すると第１図に示すような端面の金属板１が完成するも
のである。

また、実施例２としては第３図に示すようなエンボス加
工金属板１を形成するには、平板の金属板２に対してエ
ンボス加工した金属板（図示せず）を成形機（図示せず
）によって図のように成形し、次に上面２ａに対してフ
ローコータ（図示せず）により塗料を塗布し、側面２ｂ
に対してはスプレーガン（図示せず）によって塗料を塗
布し、次にこの塗料を乾燥するために、焼付け、もしく
は自然乾燥して塗膜５を形成したものである。

そこで、耐食性を比較するために、ＪＩＳ−Ｚ−２３７
１に準じて塩水噴霧試験を行った。

その結果を下表に示す。ただし、 ○：は欠点が認められない。

△：は若干の欠点が認められる。

×：は欠点が認められる。

××：は広範囲に欠点が認められる。

（イ）はエンボス加工した直後の金属板で表面はエンボ
ス加工されたままの板と同じ表面になっているが、塗膜
５の形成によって、試験前のような表面となるものであ
る。

なお、テストピースは全て市販のカラー鋼板を金属板と
した。

上述したように本発明に係る高耐候性エンボス加工金属
板の製造方法によれば、金属板の保護膜がエンボス加工
によって破壊されたり、損傷を受けても、塗膜によって
この保護膜面を全面的に被覆するため、エンボス加工金
属板自体の発錆（白錆、赤錆）を阻止できる特徴がある
。

また、エンボス加工金属板の耐候性、耐食性は塗膜で凹
凸模様面を被覆したため、大幅に改善された特徴がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図、および第３図は本発明に係る製造方法によって
製造された高耐候性エンボス加工金属板の一例を示す端
面図、第２図はエンボス加工によって形成される凹凸模
様の一例を示す斜視図である。 １・・・・・・エンボス加工金属板、２・・・・・・金
属板、４・・・・・・凹凸模様、５・・・・・・塗膜。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 保護被膜を有する金属板にエンボス加工を施し、該
   エンボス加工によって形成された凹凸模様の表面に該凹
   凸模様が埋没しないように塗料を塗布して前記保護被膜
   を覆い、次に該塗料を焼付、または自然乾燥したことを
   特徴とする高耐候性エンボス加工金属板の製造方法。 ２ 保護被膜を有する金属板にエンボス加工を施し、次
   に上記金属板を任意形状に成形した後に上記金属板のエ
   ンボス加工によって形成された凹凸模様の表面に該凹凸
   模様が埋没しないように塗料を塗布して前記保護被膜を
   覆い、次に該塗料を焼付、または自然乾燥せしめたこと
   を特徴とする高耐候性エンボス加工金属板の製造方法。