JPS585451B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高速度で回転する磁気記録媒体に一定距離浮上
した状態で使用する、いわゆる浮上型磁気ヘッドにかか
わる。

特に高密度記録の目的で浮上高さの小さい低浮上磁気ヘ
ッドないしは、休止状態で媒体と接触しており、使用開
始とともに所定量浮上する形のいわゆるコンタクト・ス
タート・ストップの動作（以下Ｃ８Ｓ動作と称する）を
する浮上型磁気ヘッドにかかわるものである。

従来上記の浮上型磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対接す
る部分の形状を、媒体が高速回転する際に所定量の浮上
が実現するように、設計し加工した、いわゆるスライダ
一部を構成要素としてもつ。

このスライダーにはフェライトやチタン酸バリウム系の
セラミックスや硝子などが使用されている。

最近記録密度の向上のため、浮上高さは０．５〜０．３
μと低くなり、このため塵埃などとの接触によるスライ
ダーの損傷やＣ８Ｓ動作をする浮上型磁気ヘッドでは使
用時媒体との接触によってスライダ面に擦過傷や欠落部
分が発生し、またセラミックスの粒子の摩耗の差異によ
る凹凸などが発生し、これによって記録媒体上の記録信
号を損うという問題があり、スライダ材料としてかかる
損傷の発生しない材料や長期間の使用において摩耗変形
が少ない材料が要求されている。

本発明はかかる浮上磁気ヘッドのスライダーの問題点を
解決したものであり、使用においてスライダ面の損傷の
ない長寿命のヘッドを提供するものである。

本発明はかかる浮上磁気ヘッドのスライダのドにおいて
、結晶面がほぼ配向した、配向フェライトを用いる事を
特長とするものであり、特に磁気記録媒体と接触するス
ライダーの面、（以下スライダー面と称する）として配
向フェライトの配向面を用いる事を特長とするものであ
る。

本発明にいう配向フェライトとは、例えば「粉体および
粉末冶金」第２５巻第８号、第５９〜６２頁に記載され
ている方法で製造される。

かかる配向フェライトの種類としては、スピネル型フェ
ライトの（１１１）一面が配向したもの、（１１０）一
面が配向したものないしは（１１１）一面と（１１０）
一面が同時に配向したものがあり、また組成としてはＭ
ｎＺｎ、Ｎｉ−Ｚｎ系フェライトなどの材料がある。

スピネル型フェライト以外にもガーネット型や六方晶系
の配向フェライトがある。

浮上型磁気ヘッドのスライダーは磁気ヘッドの磁気回路
の一部を構成する場合には、スライダー材料として最大
磁束密度や透磁率など磁気特性が優れている事が望まし
い。

この場合にはスライダー材料としでは軟磁性フェライト
特にＭｎ−ＺｎフェライトないしはＮｉ−Ｚｎフェライ
トが良い。

従来のセラミック材料に較べて、本発明のように配向フ
ェライトの特に配向面をスライダー面にした磁気ヘッド
では、動作時の媒体との接触などによる損傷が非常に少
なく滑らかなスライダー面が保持される。

特に（１１１）一面の配向フェライトの場合には、従来
の材料によるスライダーに較べて損傷の発生する確率は
１／１０以下となる。

また（１１０）一面の配向フェライトの場合には損傷の
発生が少なくなるとともに摩耗変形がほとんどなく、摩
耗変形量は従来の材料に較べて１／１０以下となる。

本発明によれば特にスライダー面の損傷が少なく、また
ヘッドとしての電磁変換特性の優れたものは（１１１）
一面が配向したＭｎ−Ｚｎフェライトをスライダー面と
した磁気ヘッドであり、また摩耗変形の少ない点で優れ
ているのはＮｉ−Ｚｎ系フェライトの（１１０）−配向
面をスライダー面に用い。

た場合であった。

以下に本発明の限定的でない実施例について説明する。

実施例１ ３２モル％ＭｎＯ，１６モル％ＺｎＯ，５２モル係。

Ｆｅ２Ｏ３の組成をもち（１１１）一面を配向面とする
配向性Ｍｎ−Ｚｎフェライトを通常の方法によって作っ
た。

ただし磁気ヘッドのスライダー材料としでは気孔率のな
い材料が望ましいから、焼結は１３５０℃で３００ｋｇ
／ｃｍ２加圧下で３時間ホットプレス焼結を行ない、気
孔率がほぼ０．１係と緻密な焼結体を作った。

この材料を機械加工して、スライダーを作り、これを用
いていわゆるウィンチェスタ型のモノリシック形浮上磁
気ヘッドを作った。

ここでこの浮上型磁気ヘッドとその動作状態を図面を用
いて説明する。

図は記録媒体に磁気記録をおこなっている状態を示す。

図において１は高速回転している磁気ディスクで、媒体
基盤２上に磁気記録媒体３が積層されてなる。

４は記録媒体３の面に浮上状態で対向している浮上型磁
気ヘッドで記録媒体３側に磁気ギャップ５を形成するよ
うにして互いに接合されたスライダー６とへラドコアー
７を有し、そのコアー７にはコイル８が巻装されている
。

磁気ヘッド４は支持具（図示せず）により支持され、一
定の浮上量ｈ（記録媒体３面から磁気ギャップまでの高
さ）となるように記録媒体３の側に向けて所定の押圧力
Ｐにより押圧されている。

以上のような構成において、磁気ディスク１が回転を休
止している状態では、スライダー６の記録媒体３と対向
する面、すなわちスライダー面１０は記録媒体３と接触
した状態をとる。

このような休止状態から動作状態に入り磁気ディスク１
が回転を始めると、それにともなって発生する空気流（
図中矢印Ａでその方向を示す）の作用による浮上刃によ
りスライダー６が浮上し、前記の押圧力Ｐと平衡状態に
達した後には、図に示すように浮上量りだけ浮上した状
態で磁気ギャップ５が記録媒体３に対向する。

なお、本実施例においては、この浮上高さｈが０．３５
μとなるように設計されている。

以上の如き構造を有する磁気ヘッドについて、１０６回
のＣ３Ｓ−動作テストを行ないスライダ面の損傷を、従
来の材料で同じ条件で作った磁気ヘッドについて同じ試
験を行なった後のスライダ面の損傷と比較すると、損傷
部のスライダー面に対する投影面積で比較して本発明に
よるヘッドはほぼ１／２０と損傷が少なかった。

実施例２ ２０モル％ＮｉＯ，３０モル％ＺｎＯ，５０モル係Ｆｅ
２Ｏ３の組成をもち、（１１０）一面が９０係配向し配
向フェライトを用いて、配向面がスライダー面となる実
施例１と同じモノリシック形浮上ヘッドを作り、媒体上
のシークゾーンに約１０ケ程の０．４〜０．５μの突起
をもつ記録媒体上を移動させるシークテストを行なった
。

１０９回のシークテストを行ないスライダ面の損傷部の
数を数えた結果、参考例として従来の材料で作ったヘッ
ドの場合に較べて１／１０以下の数であった。

以上のように本発明の浮上型磁気ヘッドは使用において
損傷のない極めて信頼性の高いヘッドを提供するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例である磁気ヘッドおよびその動作状
態を示す正面図である。 ４……浮上型磁気ヘツド、６……スライダー、７……ヘ
ツドコア、８……コイル、１０……スライダ一面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スライダーに、結晶面がほぼ配向した配向フェライ
   トを用いた事を特徴とする磁気ヘッド。 ２、特許請求の範囲第１項記載の磁気ヘッドにおいて、
   スライダーの磁気記録媒体と対接する面に、配向フェラ
   イトの配向した面を用いた事を特徴とする磁気ヘッド。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項記載の磁気ヘッド
   において、（１１１）−結晶面がほぼ配向したスピネル
   型フェライトを用いた事を特徴とする磁気ヘッド。 ４ 特許請求の範囲第１項又は第２項記載の磁気ヘッド
   において、（１１０）−結晶面がほぼ配向したスピネル
   型フェライトを用いた事を特徴とする磁気ヘッド。