JP3309040B2 - 非磁性セラミックス及びその製造方法 - Google Patents
非磁性セラミックス及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド用セラ
ミック基板、各種磁気ヘッド用スライダー、磁気ヘッド
のスペーサ、磁気テープガイド、マイクロマシン用部品
等に使用される非磁性セラミックスに関するものであ
り、特にコンピュータ用ハードディスク(コンポジット
タイプ、薄膜タイプ、積層タイプ等)、光磁気ディス
ク、フロッピーディスク、磁気テープ、またはオーディ
オ用レコーダやビデオテープレコーダ等の磁気記録に使
用される磁気ヘッドのスライダー用材料に最適な非磁性
セラミックスに関するものである。
ミック基板、各種磁気ヘッド用スライダー、磁気ヘッド
のスペーサ、磁気テープガイド、マイクロマシン用部品
等に使用される非磁性セラミックスに関するものであ
り、特にコンピュータ用ハードディスク(コンポジット
タイプ、薄膜タイプ、積層タイプ等)、光磁気ディス
ク、フロッピーディスク、磁気テープ、またはオーディ
オ用レコーダやビデオテープレコーダ等の磁気記録に使
用される磁気ヘッドのスライダー用材料に最適な非磁性
セラミックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドを用いた磁気記録装置は、高
記録密度化、高容量化が進みつつあり、それに伴い、磁
気ヘッドに対しても高線密度化、高トラック密度化への
対応が要求されている。
記録密度化、高容量化が進みつつあり、それに伴い、磁
気ヘッドに対しても高線密度化、高トラック密度化への
対応が要求されている。
【0003】このような磁気ヘッドを用いた磁気ディス
クへの記録において、高容量化に対応した高線密度、高
トラック密度を達成する方法の一つとしてコンポジット
スライダーが採用されている。いわゆるコンポジット型
磁気ヘッドは、磁気ヘッドコアをセラミックス製のスラ
イダーに接着している。なお、磁気ヘッドコアとスライ
ダーは、雰囲気を400℃前後の高温として、両者の間
に配置されたガラスを溶融することにより接着されてい
る。
クへの記録において、高容量化に対応した高線密度、高
トラック密度を達成する方法の一つとしてコンポジット
スライダーが採用されている。いわゆるコンポジット型
磁気ヘッドは、磁気ヘッドコアをセラミックス製のスラ
イダーに接着している。なお、磁気ヘッドコアとスライ
ダーは、雰囲気を400℃前後の高温として、両者の間
に配置されたガラスを溶融することにより接着されてい
る。
【0004】このヘッドコアとしては、一般に高い透磁
率を有するMn−Zn系フェライトが使用されており、
これに薄膜を設けたMIG(Metal In Ga
p)タイプが量産されている。
率を有するMn−Zn系フェライトが使用されており、
これに薄膜を設けたMIG(Metal In Ga
p)タイプが量産されている。
【0005】さらに、ヘッドコアの一部を非磁性基板に
置き換え、非磁性基板上に磁性薄膜を成膜した複合コア
も採用されている。この様な複合コアを成す非磁性基板
としては、機械的強度の大きなチタン酸カルシウム(C
aTiO3 )系の材料が用いられている。
置き換え、非磁性基板上に磁性薄膜を成膜した複合コア
も採用されている。この様な複合コアを成す非磁性基板
としては、機械的強度の大きなチタン酸カルシウム(C
aTiO3 )系の材料が用いられている。
【0006】一方、上記ヘッドコアを保持するスライダ
ーの材料としては、例えばチタン酸カルシウム(CaT
iO3 )やチタン酸バリウム(BaTiO3 )が用いら
れている。
ーの材料としては、例えばチタン酸カルシウム(CaT
iO3 )やチタン酸バリウム(BaTiO3 )が用いら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】ここで、スライダー
の熱膨張係数がヘッドコアの熱膨張係数と異なると、ヘ
ッドコアをスライダーに接着する際の熱応力により亀裂
や残留歪みが生じて接着が不十分となり、ヘッドコアが
スライダーから脱落し、磁気ヘッドとして不良となる恐
れがある。このような不良品の発生を確実に防止するた
めには、スライダーの熱膨張係数をヘッドコアの熱膨張
係数に一致させる必要がある。
の熱膨張係数がヘッドコアの熱膨張係数と異なると、ヘ
ッドコアをスライダーに接着する際の熱応力により亀裂
や残留歪みが生じて接着が不十分となり、ヘッドコアが
スライダーから脱落し、磁気ヘッドとして不良となる恐
れがある。このような不良品の発生を確実に防止するた
めには、スライダーの熱膨張係数をヘッドコアの熱膨張
係数に一致させる必要がある。
【0008】しかしながら、ヘッドコアの材料である高
透磁率Mn−Zn系フェライトの熱膨張係数は105〜
130×10-7/℃であり、複合コアの熱膨張係数は1
00〜120×10-7/℃であるのに対し、スライダー
として使用されるチタン酸カルシウム、チタン酸バリウ
ムの熱膨張係数は、それぞれ100〜120×10-7/
℃、80〜100×10-7/℃程度と、ヘッドコアの熱
膨張係数よりも小さく、ヘッドコアの熱膨張係数の範囲
を全てカバーできるスライダー材料はなかった。
透磁率Mn−Zn系フェライトの熱膨張係数は105〜
130×10-7/℃であり、複合コアの熱膨張係数は1
00〜120×10-7/℃であるのに対し、スライダー
として使用されるチタン酸カルシウム、チタン酸バリウ
ムの熱膨張係数は、それぞれ100〜120×10-7/
℃、80〜100×10-7/℃程度と、ヘッドコアの熱
膨張係数よりも小さく、ヘッドコアの熱膨張係数の範囲
を全てカバーできるスライダー材料はなかった。
【0009】また、ハードディスク用磁気ヘッド等にお
いては、ディスクが回転すると共に磁気ヘッドが浮上す
るCSS(Contact start/stop)と
呼ばれる方法が採用されているので、ディスク起動時お
よび停止時にディスクとヘッドが接触する。したがっ
て、スライダー部分にポア(空孔)があると摺動する際
にポア部分に潤滑剤や磁性粉が付着したり、ポア部分よ
り前記付着物が脱落し、これにより、磁気媒体を破壊し
たり、データの破壊や、ヘッドの損傷を生じ、磁気記録
装置の信頼性を著しく低下させるという問題があった。
いては、ディスクが回転すると共に磁気ヘッドが浮上す
るCSS(Contact start/stop)と
呼ばれる方法が採用されているので、ディスク起動時お
よび停止時にディスクとヘッドが接触する。したがっ
て、スライダー部分にポア(空孔)があると摺動する際
にポア部分に潤滑剤や磁性粉が付着したり、ポア部分よ
り前記付着物が脱落し、これにより、磁気媒体を破壊し
たり、データの破壊や、ヘッドの損傷を生じ、磁気記録
装置の信頼性を著しく低下させるという問題があった。
【0010】特に近年においては磁気ディスクの磁性膜
は薄くなり、僅かな摺動性の不調でも信頼性が低下する
ようになっているため、ポアサイズの小さなスライダー
用材料が要求されるようになっている。
は薄くなり、僅かな摺動性の不調でも信頼性が低下する
ようになっているため、ポアサイズの小さなスライダー
用材料が要求されるようになっている。
【0011】また、一部のディスク媒体に対しチタン酸
カルシウム系スライダーは摺動特性が悪いとの問題もあ
った。
カルシウム系スライダーは摺動特性が悪いとの問題もあ
った。
【0012】これに対し、本発明者は、熱膨張係数の大
きいヘッドコアに適用でき、かつ、磁気メディアとの摺
動性に優れた磁気ヘッドスライダー用の非磁性セラミッ
クスを得るべく、種々の検討を重ねた結果、Ca系フェ
ライトにおいてCaOとFe2 O3 のモル比率を所定値
に特定することにより、摺動特性が優れ、熱膨張係数が
大きな優れた特性を有する磁気ヘッドスライダー用の非
磁性セラミックスを得られることを突き止めた(特開平
5−85807号公報参照)。
きいヘッドコアに適用でき、かつ、磁気メディアとの摺
動性に優れた磁気ヘッドスライダー用の非磁性セラミッ
クスを得るべく、種々の検討を重ねた結果、Ca系フェ
ライトにおいてCaOとFe2 O3 のモル比率を所定値
に特定することにより、摺動特性が優れ、熱膨張係数が
大きな優れた特性を有する磁気ヘッドスライダー用の非
磁性セラミックスを得られることを突き止めた(特開平
5−85807号公報参照)。
【0013】しかし、この組成系では、大きな熱膨張係
数を有するMn−Zn系フェライトのヘッドコアには対
応できたが、上記複合コアに対しては熱膨張係数が大き
すぎるという問題があった。
数を有するMn−Zn系フェライトのヘッドコアには対
応できたが、上記複合コアに対しては熱膨張係数が大き
すぎるという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
複合コアにも適用でき、かつ磁気メディアとの摺動性に
優れた磁気ヘッドスライダー用の非磁性セラミックスを
得るべく、種々の検討を重ねた結果、熱膨張係数の大き
なCa系フェライト(CaO・Fe2 O3 又は2CaO
・Fe2 O3 )に熱膨張係数の小さな酸化亜鉛(Zn
O)を加えることで、熱膨張係数を100〜126×1
0-7/℃の広い範囲で自由にコントロールでき、しかも
これらのCa系フェライトと酸化亜鉛(ZnO)はいず
れも摺動性に優れていることから、得られた非磁性セラ
ミックスも優れた摺動特性を有することを見い出した。
複合コアにも適用でき、かつ磁気メディアとの摺動性に
優れた磁気ヘッドスライダー用の非磁性セラミックスを
得るべく、種々の検討を重ねた結果、熱膨張係数の大き
なCa系フェライト(CaO・Fe2 O3 又は2CaO
・Fe2 O3 )に熱膨張係数の小さな酸化亜鉛(Zn
O)を加えることで、熱膨張係数を100〜126×1
0-7/℃の広い範囲で自由にコントロールでき、しかも
これらのCa系フェライトと酸化亜鉛(ZnO)はいず
れも摺動性に優れていることから、得られた非磁性セラ
ミックスも優れた摺動特性を有することを見い出した。
【0015】即ち、本発明の非磁性セラミックスは、組
成が酸化鉄(Fe2 O3 )58〜78重量%、酸化カル
シウム(CaO)9〜41重量%及び酸化亜鉛(Zn
O)を0.3〜21重量%含むことを特徴とするもので
ある。
成が酸化鉄(Fe2 O3 )58〜78重量%、酸化カル
シウム(CaO)9〜41重量%及び酸化亜鉛(Zn
O)を0.3〜21重量%含むことを特徴とするもので
ある。
【0016】また、本発明は、上記主成分100重量部
に対し、MgO、TiO2 、MnO、SiO2 、ZrO
2 、Al2 O3 の少なくとも一種を合計で0.1〜3重
量部含有することを特徴とするものである。
に対し、MgO、TiO2 、MnO、SiO2 、ZrO
2 、Al2 O3 の少なくとも一種を合計で0.1〜3重
量部含有することを特徴とするものである。
【0017】ここでFe2 O3 を58〜78重量%、C
aOを9〜41重量%としたのは、CaOが41重量%
よりも多くなると、セラミックス中に微量のCaO相が
生じ、ポアサイズが大きくなって焼結性が著しく悪くな
るからである。また、Fe2O3 が78重量%よりも多
くなると、磁性フェライト相が発生し非磁性フェライト
として不適切となるからである。
aOを9〜41重量%としたのは、CaOが41重量%
よりも多くなると、セラミックス中に微量のCaO相が
生じ、ポアサイズが大きくなって焼結性が著しく悪くな
るからである。また、Fe2O3 が78重量%よりも多
くなると、磁性フェライト相が発生し非磁性フェライト
として不適切となるからである。
【0018】さらに、ZnOを0.3〜21重量%とし
たのは、0.3重量%未満ではCa系フェライトの熱膨
張係数を小さくする効果が小さく、一方21重量%を越
える場合は熱膨張係数が100×10-7/℃未満と小さ
くなり過ぎて、ガラスボンディング時のクラック発生原
因となり好ましくないためである。
たのは、0.3重量%未満ではCa系フェライトの熱膨
張係数を小さくする効果が小さく、一方21重量%を越
える場合は熱膨張係数が100×10-7/℃未満と小さ
くなり過ぎて、ガラスボンディング時のクラック発生原
因となり好ましくないためである。
【0019】なお、フェライトは結晶構造によって磁気
特性が異なり、Mn−Zn系フェライトやNi−Zn系
フェライト等は結晶が逆スピネル構造となるために強磁
性を示すが、正スピネル構造やコランダム型の結晶構造
を有するフェライトは強磁性を示さず非磁性体となる。
そして、本発明で用いるCa系フェライトは一般に非磁
性体であることから、これを主成分とすることにより、
非磁性のセラミックスとすることができる。
特性が異なり、Mn−Zn系フェライトやNi−Zn系
フェライト等は結晶が逆スピネル構造となるために強磁
性を示すが、正スピネル構造やコランダム型の結晶構造
を有するフェライトは強磁性を示さず非磁性体となる。
そして、本発明で用いるCa系フェライトは一般に非磁
性体であることから、これを主成分とすることにより、
非磁性のセラミックスとすることができる。
【0020】また、上記主成分に対して、MgO、Ti
O2 、MnO、SiO2 、ZrO2、Al2 O3 の少な
くとも一種を合計で0.1〜3重量部含有させたのは、
焼結性を向上させるためである。この合計量を上記範囲
としたのは、MgO、TiO2 、MnO、SiO2 、Z
rO2 、Al2 O3 の少なくとも一種が、合計で3重量
部よりも多く含有されると焼結性が悪くなり、ポアサイ
ズも大きくなるからである。これらの副成分は、焼結助
剤として別途添加する他、CaOやFe2 O3、ZnO
等の原料中に含まれていたり、あるいは粉砕、混合工程
時に粉砕ボールの摩耗により混入する場合もある。
O2 、MnO、SiO2 、ZrO2、Al2 O3 の少な
くとも一種を合計で0.1〜3重量部含有させたのは、
焼結性を向上させるためである。この合計量を上記範囲
としたのは、MgO、TiO2 、MnO、SiO2 、Z
rO2 、Al2 O3 の少なくとも一種が、合計で3重量
部よりも多く含有されると焼結性が悪くなり、ポアサイ
ズも大きくなるからである。これらの副成分は、焼結助
剤として別途添加する他、CaOやFe2 O3、ZnO
等の原料中に含まれていたり、あるいは粉砕、混合工程
時に粉砕ボールの摩耗により混入する場合もある。
【0021】さらに、本発明の非磁性セラミックスの製
造方法は以下の通りである。
造方法は以下の通りである。
【0022】まず、例えば市販されている純度99%以
上のFe2 O3 (不純物としてSi、Al、Mn、C
a、Na、S、Cl、Mg、Cr、P、Na、Nb等を
含む)を使い、CaO源としてCaCl2 、CaC
O3 、CaFe2 O4 、Ca2 Fe2 O5 等を使用し、
これらを所定量秤量し、この後ボールミルを用いて湿式
混合する。これを乾燥し、乾燥後の原料を酸化性雰囲気
において所定温度で所定時間仮焼し、仮焼後の原料にZ
nO源として、ZnO原料を所定量加え、アルミナボー
ルまたはジルコニアボール、メノーボールを用い平均粒
径が2μm以下となるよう微粉砕する。ここで仮焼した
Ca系フェライトに別途用意したZnOを添加するのは
ZnOの添加量により熱膨張係数を調整することが可能
であり、種々の熱膨張係数を有する材料を容易に製造可
能とするからである。
上のFe2 O3 (不純物としてSi、Al、Mn、C
a、Na、S、Cl、Mg、Cr、P、Na、Nb等を
含む)を使い、CaO源としてCaCl2 、CaC
O3 、CaFe2 O4 、Ca2 Fe2 O5 等を使用し、
これらを所定量秤量し、この後ボールミルを用いて湿式
混合する。これを乾燥し、乾燥後の原料を酸化性雰囲気
において所定温度で所定時間仮焼し、仮焼後の原料にZ
nO源として、ZnO原料を所定量加え、アルミナボー
ルまたはジルコニアボール、メノーボールを用い平均粒
径が2μm以下となるよう微粉砕する。ここで仮焼した
Ca系フェライトに別途用意したZnOを添加するのは
ZnOの添加量により熱膨張係数を調整することが可能
であり、種々の熱膨張係数を有する材料を容易に製造可
能とするからである。
【0023】なお、ZnOの添加は仮焼後に限らず、最
初からFe2 O3 、CaO、ZnOを所定量秤量し、混
合・粉砕して原料粉末を得ることもできる。
初からFe2 O3 、CaO、ZnOを所定量秤量し、混
合・粉砕して原料粉末を得ることもできる。
【0024】そして、この原料粉末にバインダーを加え
造粒を行った後、所定圧力でプレス成形し焼成すること
で本発明の非磁性セラミックスを得ることができる。特
に、この焼成時に、酸化雰囲気中において1000〜1
200℃の常圧で焼成して相対密度95%以上の予備焼
結体を得た後、この予備焼結体を不活性ガス雰囲気中で
1000〜1200℃で熱間静水圧加圧(HIP)処理
することが好ましく、このような焼成方法によればポア
サイズが1μm以下の焼結体を得ることができる。
造粒を行った後、所定圧力でプレス成形し焼成すること
で本発明の非磁性セラミックスを得ることができる。特
に、この焼成時に、酸化雰囲気中において1000〜1
200℃の常圧で焼成して相対密度95%以上の予備焼
結体を得た後、この予備焼結体を不活性ガス雰囲気中で
1000〜1200℃で熱間静水圧加圧(HIP)処理
することが好ましく、このような焼成方法によればポア
サイズが1μm以下の焼結体を得ることができる。
【0025】なお、本発明の非磁性セラミックスは、各
種記録再生ヘッド用のスライダーに限らず、磁気ヘッド
のスペーサ、磁気テープガイド、マイクロマシン用部品
等さまざまな分野に使用することができる。
種記録再生ヘッド用のスライダーに限らず、磁気ヘッド
のスペーサ、磁気テープガイド、マイクロマシン用部品
等さまざまな分野に使用することができる。
【0026】
【実施例】実施例1 市販されている純度99%以上のFe2 O3 (不純物と
してSi、Al、Mn、Ca、Na、S、Cl、Mg、
Cr、P、Na、Nb等を含む)を使い、CaO源とし
てCaCl2 、CaCO3 等を使用し、純度99%以上
のZnOとともに、最終組成が表1となるよう所定量秤
量し、この後ボールミルを用いて湿式混合し、これを乾
燥し、乾燥後の原料を酸化性雰囲気において所定温度で
所定時間仮焼した。
してSi、Al、Mn、Ca、Na、S、Cl、Mg、
Cr、P、Na、Nb等を含む)を使い、CaO源とし
てCaCl2 、CaCO3 等を使用し、純度99%以上
のZnOとともに、最終組成が表1となるよう所定量秤
量し、この後ボールミルを用いて湿式混合し、これを乾
燥し、乾燥後の原料を酸化性雰囲気において所定温度で
所定時間仮焼した。
【0027】仮焼後の原料をアルミナボールまたはジル
コニアボール、メノーボールを用い平均粒径が2μm以
下となるよう微粉砕した。なお、この粉砕によりZrO
2 、Al2 O3 、SiO2 等が合計3重量%以下混入す
ることがある。
コニアボール、メノーボールを用い平均粒径が2μm以
下となるよう微粉砕した。なお、この粉砕によりZrO
2 、Al2 O3 、SiO2 等が合計3重量%以下混入す
ることがある。
【0028】得られた原料にバインダーを加えて造粒を
行った後、0.8〜2.0ton/cm2 の圧力でプレ
ス成形した。その後、酸化性雰囲気において常圧下の所
定温度で焼成した。得られた焼結体を1000〜120
0℃でアルゴン雰囲気中2000気圧でHIP処理し
た。得られた試料について嵩比重、熱膨張係数、ポア
率、焼結性について調べた。結果を表1に示す。
行った後、0.8〜2.0ton/cm2 の圧力でプレ
ス成形した。その後、酸化性雰囲気において常圧下の所
定温度で焼成した。得られた焼結体を1000〜120
0℃でアルゴン雰囲気中2000気圧でHIP処理し
た。得られた試料について嵩比重、熱膨張係数、ポア
率、焼結性について調べた。結果を表1に示す。
【0029】ここで、嵩比重は水中におけるアルキメデ
ス法により求め、熱膨張係数は熱膨張係数測定装置によ
り求めた。ポアの発生率は1μmのダイヤモンド砥粒に
よる最終ラップ面に生じるポア径を測定することにより
評価した。
ス法により求め、熱膨張係数は熱膨張係数測定装置によ
り求めた。ポアの発生率は1μmのダイヤモンド砥粒に
よる最終ラップ面に生じるポア径を測定することにより
評価した。
【0030】表1の結果より、No.1と13はCaO
が若干多いことから焼結性が劣っており、またNo.6
と7はFe2 O3 が多く非磁性セラミックスとしては適
切でなかった。
が若干多いことから焼結性が劣っており、またNo.6
と7はFe2 O3 が多く非磁性セラミックスとしては適
切でなかった。
【0031】これらに対し、No.2〜5、8〜12、
15〜18は本発明の範囲内の非磁性セラミックスであ
り、熱膨張係数はそれぞれ128〜100×10-7/℃
の範囲内であり、ポアの発生率および焼結性は良好であ
った。
15〜18は本発明の範囲内の非磁性セラミックスであ
り、熱膨張係数はそれぞれ128〜100×10-7/℃
の範囲内であり、ポアの発生率および焼結性は良好であ
った。
【0032】
【表1】
【0033】次に、表1の各試料について2本のレール
を有するスライダー形状に加工し、取付金具を介してデ
ィスク上にセットした。そして、ディスクの最大回転数
を3600rpmとして回転と停止(CSS)を繰り返
した。このCSS回数の5000回毎にディスクとヘッ
ドの傷の有無を調べた。結果を表2、3に示す。
を有するスライダー形状に加工し、取付金具を介してデ
ィスク上にセットした。そして、ディスクの最大回転数
を3600rpmとして回転と停止(CSS)を繰り返
した。このCSS回数の5000回毎にディスクとヘッ
ドの傷の有無を調べた。結果を表2、3に示す。
【0034】この結果より、No.2〜5、8〜12、
15〜18の本発明実施例については、メディアやスラ
イダーに傷が発生するまでのCSS回数が大きく、優れ
た摺動特性を有することが分かる。
15〜18の本発明実施例については、メディアやスラ
イダーに傷が発生するまでのCSS回数が大きく、優れ
た摺動特性を有することが分かる。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】実施例2 実施例1と同様のFe2 O3 、CaO、ZnOからなる
主成分に対して、MgO、TiO2 、MnO、Si
O2 、ZrO2 、Al2 O3 の少なくとも一種を表4に
示す含有量となるように秤量し、この後ボールミルを用
いて湿式混合した。その他は上記実施例1と同様にして
各試料を得た。得られた試料について実施例1と同様に
嵩比重、熱膨張係数、ポア率、焼結性について調べた。
結果は表5に示す通りである。
主成分に対して、MgO、TiO2 、MnO、Si
O2 、ZrO2 、Al2 O3 の少なくとも一種を表4に
示す含有量となるように秤量し、この後ボールミルを用
いて湿式混合した。その他は上記実施例1と同様にして
各試料を得た。得られた試料について実施例1と同様に
嵩比重、熱膨張係数、ポア率、焼結性について調べた。
結果は表5に示す通りである。
【0038】表5によりMgO、TiO2 、MnO、S
iO2 、ZrO2 、Al2 O3 を0.1〜3重量部含有
することにより焼結性が良くなり、ポアサイズも小さく
なることが判明した。
iO2 、ZrO2 、Al2 O3 を0.1〜3重量部含有
することにより焼結性が良くなり、ポアサイズも小さく
なることが判明した。
【0039】さらに実施例1と同様にしてCSS試験を
行った結果を表6に示すように、摺動特性も良好となる
ことが判った。
行った結果を表6に示すように、摺動特性も良好となる
ことが判った。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の非磁性セラ
ミックスは、9〜41重量%のCaOと、58〜78重
量%のFe2 O3 と、0.3〜21重量%のZnOを含
有することによって、熱膨張係数をヘッドコア用材料の
熱膨張係数に近づけることができるため、磁気ヘッド用
スライダーを構成すれば、ヘッドコアを接着する際に亀
裂や残留歪みを生ぜずに確実に接着することができる。
ミックスは、9〜41重量%のCaOと、58〜78重
量%のFe2 O3 と、0.3〜21重量%のZnOを含
有することによって、熱膨張係数をヘッドコア用材料の
熱膨張係数に近づけることができるため、磁気ヘッド用
スライダーを構成すれば、ヘッドコアを接着する際に亀
裂や残留歪みを生ぜずに確実に接着することができる。
【0044】また、ポアの発生率および焼結性の良好な
非磁性セラミックスを得られるため、磁気ヘッド用スラ
イダーを構成すればCSS時に潤滑剤や磁性粉等が付着
することがなく、記録データの破壊やヘッドの破損を確
実に防止し、磁気記録装置の信頼性を著しく向上するこ
とができる。
非磁性セラミックスを得られるため、磁気ヘッド用スラ
イダーを構成すればCSS時に潤滑剤や磁性粉等が付着
することがなく、記録データの破壊やヘッドの破損を確
実に防止し、磁気記録装置の信頼性を著しく向上するこ
とができる。
【0045】さらに本発明によれば、上記主成分100
重量部に対しMgO、TiO2 、MnO、SiO2 、Z
rO2 、Al2 O3 の少なくとも一種を合計0.1〜3
重量部含むことによって、焼結性が向上し、ポアサイズ
も小さくなり、摺動特性を向上させることができる。
重量部に対しMgO、TiO2 、MnO、SiO2 、Z
rO2 、Al2 O3 の少なくとも一種を合計0.1〜3
重量部含むことによって、焼結性が向上し、ポアサイズ
も小さくなり、摺動特性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/495 C04B 35/26
Claims (3)
- 【請求項1】9〜41重量%のCaOと、58〜78重
量%のFe2 O3 と、0.3〜21重量%のZnOを含
有することを特徴とする非磁性セラミックス。 - 【請求項2】上記主成分100重量部に対しMgO、T
iO2 、MnO、SiO2 、ZrO2 、Al2 O3 の少
なくとも一種を合計0.1〜3重量部含むことを特徴と
する請求項1記載の非磁性セラミックス。 - 【請求項3】9〜41重量%のCaOと、58〜78重
量%のFe2 O3 と、0.3〜21重量%のZnOを含
み、必要に応じてこれら主成分100重量部に対してM
gO、TiO2 、MnO、SiO2 、ZrO2 、Al2
O3 の一種以上を合計0.1〜3重量部含む原料を混合
粉砕し、この混合粉体を所定形状に成形した後、得られ
た成形体を酸化雰囲気で予備焼成し、熱間静水圧加圧処
理を施す工程からなる非磁性セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34230595A JP3309040B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 非磁性セラミックス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34230595A JP3309040B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 非磁性セラミックス及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183655A JPH09183655A (ja) | 1997-07-15 |
JP3309040B2 true JP3309040B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=18352703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34230595A Expired - Fee Related JP3309040B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 非磁性セラミックス及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309040B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP34230595A patent/JP3309040B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09183655A (ja) | 1997-07-15 |
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