JP2948989B2 - 磁気ヘッドのスライダー用材料 - Google Patents

磁気ヘッドのスライダー用材料

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、コンピュータ
用ハードディスク, フロッピィーディスク,磁気テープ,
オーディオ用レコーダやビデオテープレコーダ等の磁
気記録に使用される磁気ヘッドのスライダー用材料に関
わり、詳細には、ヘッドコアを固定するためのスライダ
ー用材料に好適な非磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、磁気ヘッドを用いた磁気記録装置
は、高記録密度化,高容量化が進みつつあり、それに伴
い、磁気ヘッドに対しても高線密度化、高トラック密度
化への対応が要求されている。このような磁気ヘッドを
用いた磁気ディスクへの記録において、高容量化に対応
した高線密度、高トラック密度を達成する方法の一つと
してコンポジットスライダーが採用されている。
【0003】このようなスライダーの材料に要求される
特性として磁気メディアとの摺動特性に優れる必要があ
る。又、高密度記録ヘッドのトラック密度は10μm以
下であり、これに使われるスライダーの材料にはポアが
少ないことが要求される。
【0004】さらに、ハードディスク用磁気ヘッドで
は、ディスクが回転するとともにヘッドが浮上するCS
S(Contact Start/Stop)と呼ばれ
る方法が採用されている。このCSS法では、ディスク
の起動停止時にディスクとヘッドが接触・摺動する。従
って、摺動する際にスライダー部分にポアがあるとポア
部分に潤滑剤や磁性粉等が付着またはポア部分より付着
物が脱落し、これにより、磁気媒体を破壊したり、デー
タの破壊やヘッドの破損を生じ、磁気記録装置の信頼性
を著しく低下させるという問題があった。特に近年、運
転中の磁気ディスクとヘッドの間隔(浮上量)が小さく
なり、更に磁気ディスクの磁性膜が薄くなっており、破
損し易くなっている。この点からもスライダー材料にお
いてはポアサイズの小さな材料が要求されるようになっ
ている。
【0005】ところで、磁気ディスクとヘッドの間隔が
0.15μm以下となると、ディスクの内外周の周速の
違いにより外周部で浮上量が大きく内周部で浮上量が小
さくなり、ディスクの外周部では磁気ヘッドの電磁変換
特性が悪くなる。この対策としてスライダーにスキュウ
角(スライダーレールとディスクの接線方向との角度)
をもたせる方法が多く取られている。しかしこの方法を
採用しても内外周の均一な浮上量は得られ難い。そこで
浮上面に凹部を作製し負圧部を設けて内外周の浮上量を
一定にする方法が開発されている。
【0006】また、現在スライダー材料としては、チタ
ン酸カルシウムやチタン酸バリウム、アルミナー炭化チ
タン材料さらに非磁性亜鉛フェライト等が使われてお
り、これらの熱膨張係数はチタン酸カルシウム系では1
00〜120×10-7/℃、チタン酸バリウムでは80
〜100×10-7/℃、アルミナ−炭化チタンでは75
×10-7/℃、非磁性亜鉛フェライトでは90×10-7
/℃である。一方、ヘッドコアとしては一般に高い透磁
率を有するMn−Znフェライトが使用されているが、
このMn−Znフェライトの熱膨張係数は110×10
-7/℃〜130×10-7/℃と大きく、このフェライト
コアに使用できる非磁性スライダー材料としてチタン酸
カルシウム系スライダー材料が多く採用されている。ま
た薄膜ヘッドではアルミナー炭化チタン材料が採用され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の磁気ヘッドのスライダー用材料を用いた場合、浮上面
に凹部を作製し負圧部を設けて内外周の浮上量を一定に
する方法によれば、このようなスライダーに形成される
凹部は数μmの深さで加工する必要があり、従来の機械
的な研磨研削プロセスではこのような微細加工が困難で
あるという問題があった。加工性が問題となるのは、機
械加工性が優れているとスライダーの量産が容易とな
り、生産性を向上することができるからである。
【0008】また、Mn−Znフェライトコアに使用で
きる非磁性スライダー材料のチタン酸カルシウムや、薄
膜ヘッドに使用されるアルミナー炭化チタンは、多結晶
材料であるがためにスライダーの浮上面の微細加工が困
難であるという問題があった。これは、多結晶体では微
細加工をイオンミリング等で加工する際に加工面に結晶
方位の違いや粒界があるために均一な加工が困難だから
である。しかも、従来の多結晶材料では結晶粒界にポア
等を生じ摺動特性の向上に限界があった。
【0009】一方、磁性材料からなるモノリシックスラ
イダー材料に単結晶を使用したものがある。これはMn
−Znフェライト単結晶を採用したもので、磁性材料で
あり、摺動ノイズの小さな磁気ヘッドを作成することは
困難であった。
【0010】本発明は、各種磁気ヘッドの正圧スライダ
ーはもとより負圧スライダーに適用でき、微細加工が容
易で、しかも磁気メディアとの摩擦係数が小さく摺動特
性の優れた磁気ヘッドのスライダー用材料を提供するこ
とにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記現状
に鑑み研究を重ねた結果、粒界のない結晶方位の揃った
Ca2 Fe2 5 からなる非磁性単結晶をスライダー用
材料とすると、ポアがなく、摺動特性や微細加工が良好
であることを見出し、本発明に到った。
【0012】即ち、本発明は、Ca2 Fe2 5 で表さ
れる非磁性単結晶により磁気ヘッドのスライダーを作成
したことを特徴とする。
【0013】このように、Ca2 Fe2 5 からなる単
結晶を使用することにより、その組成が資源豊富なカル
シウムと鉄の酸化物とすることで高価なMn−Znフェ
ライト等に比べ安価な工業材料を提供できる。
【0014】このようなCa2 Fe2 5 からなる単結
晶は、市販されている純度98%以上の酸化鉄を使い、
酸化カルシウム(CaO)源として塩化カルシウム(C
aCl2 )、炭酸カルシウム(CaCO3 )などを使い
CaOが2モルとFe2 3が1モルの組成比となるよ
うに秤量し、ボールミルを用いて湿式混合する。これを
乾燥させ、乾燥後の原料を800℃〜1200℃で2〜
10時間仮焼を行なう。仮焼後の原料を溶剤を使い粉砕
し平均粒径が3ミクロン程度となるよう粉砕する。これ
にバインダーを加えて造粒を行なった後0.8〜3トン
/cm2 の圧力で成形する。その後1150℃〜135
0℃で焼成し材料棒を得る。
【0015】得られた多結晶材料棒を浮遊帯溶融装置の
材料取り付け治具に取り付け、種結晶を他方の軸に取り
付けそれぞれ逆の回転方向に回転させながら溶融帯を形
成し、1〜10mm/hの速さで溶融帯を移動させ、浮
遊溶融法によりCa2 Fe25 からなる単結晶を得
る。
【0016】この外、この材料を使いCZ法及びブリッ
ジマン法、フラックス法等によってもほぼ同様のCa2
Fe2 5 からなる単結晶が得られる。
【0017】
【作用】本発明の磁気ヘッドのスライダー用材料では、
粒界のない結晶方位の揃ったCa2 Fe2 5 からなる
非磁性単結晶をスライダー用材料としたので、ポアが殆
どなく、微細加工が容易で、しかも磁気メディアとの摩
擦係数が小さく摺動特性の優れた非磁性材料を得ること
ができる。
【0018】
【実施例】市販されている純度99.99%の酸化鉄を
使い、酸化カルシウム(CaO)源として炭酸カルシウ
ム(CaCO3 )を使い、CaO2モルとFe2 3
モルの組成比となるように秤量し、ボールミルを用いて
湿式混合した。これを乾燥させ、乾燥後の原料を800
℃で10時間仮焼を行なった。仮焼後の原料を溶剤を使
い粉砕し平均粒径が3ミクロン程度となるよう微粉砕し
た。これにバインダーを加えて造粒を行なった後2トン
/cm2 の圧力で成形した。その後、1240℃で焼成
し材料棒を得た。
【0019】得られた多結晶材料棒を浮遊帯溶融装置
(FZ法)の材料取り付け治具に取り付け、種結晶を他
方の軸に取り付けそれぞれ逆の方向に回転させながら溶
融帯を形成し、5mm/hの速さで溶融帯を移動させ、
浮遊溶融帯法によりCa2 Fe2 5 からなる単結晶を
得た。
【0020】育成した材料を切断し、機械加工で幅52
5μmのレール2本を有する正圧スライダー形状に加工
し、取付金具を介して1250Oeの磁気ディスク上に
セットした。そして、ディスクの最大回転数を3600
rpmとして回転と停止(CSS)を繰り返した。即
ち、ディスクが最大回転数に達するまでの時間を5秒と
し最大回転数を5秒間保持した。また、停止時間を5秒
間として停止状態から回転し停止するまでの20秒サイ
クルをCSS回数1回とした。表1にCSS回数とCa
2 Fe2 5 ,CaTiO3 の摩擦係数との関係を示
す。
【0021】
【表1】
【0022】この表1より、Ca2 Fe2 5 単結晶材
料は、従来のスライダー材料CaTiO3 多結晶材料に
比べCSS回数の増加による摩擦係数の上昇が小さく、
摺動特性が優れていた。
【0023】また、Ca2 Fe2 5 単結晶材料とCa
TiO3 多結晶材料を用いてCSSを所定回数行った後
に、メディアの傷の有無とスライダーの傷の有無を金属
顕微鏡で観察し、その結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】この表2の結果、Ca2 Fe2 5 単結晶
スライダーを使ってCSSを行なったメディア及びスラ
イダーには(試料No,1)60000回数まで傷が無か
った。これに対して、CaTiO3 多結晶材料を用いて
CSSを行なった場合(試料No,2)には、40000
回数でメディアに傷が生じ、60000回数ではメディ
ア及びスライダーに傷が生じた。
【0026】さらに、Ca2 Fe2 5 単結晶材料を3
×4mmの角棒に加工し#320のダイヤモンド砥石で
荷重210gで切断した。この時切断に要する時間を計
測し、加工特性の目安とした。比較用としてCaTiO
3 系HIP材料とポアの多いCaTiO3 系常圧焼結材
料、BaO−TiO2 系のHIP材料とBaO−TiO
2 系常圧焼結材料を3×4mmの棒状に加工し切断時間
を測定した。その結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】コンポジット材料として多く使われている
CaTiO3 系HIP材料と比べCa2 Fe2 5 単結
晶材料は1/3の切断時間で加工できることが分かる。
従ってCa2 Fe2 5 単結晶材料は加工性が優れた材
料であり生産性の高い工業材料として供給できる。
【0029】尚、スライダーの浮上面における凹部やレ
ールを、単結晶材料の表面を鏡面加工した後、鏡面の一
部をレジスト膜で覆い、25体積%の塩酸を30℃に保
持して一定時間浸漬することにより形成しても良い。そ
して、この加工法では、エッチング面は多結晶材料をエ
ッチングした面と比べ滑らかで凹凸がなく、また、エッ
チング深さは時間と正比例の関係にあり、加工性のコン
トロールが容易であることが判った。エッチング時間と
エッチング深さの関係を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】尚、本発明のCa2 Fe2 5 からなる単
結晶の熱膨張係数は、その単結晶の切り出し方法によ
り、80〜210×10-7/℃の範囲で制御することが
でき、Mn−Znフェライトの熱膨張係数110×10
-7/℃〜130×10-7/℃に容易に対応することがで
きる。
【0032】尚、上記実施例では、FZ法により、Ca
2 Fe2 5 からなる単結晶を作成した例について説明
したが、本発明のCa2 Fe2 5 は、CZ法及びブリ
ッジマン法、フラックス法によってもほぼ同様の単結晶
が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、粒
界のない結晶方位の揃ったCa2 Fe2 5 からなる単
結晶をスライダー用材料としたので、ポアがなく、微細
加工が容易で、しかも磁気メディアとの摩擦係数が小さ
く摺動特性の優れたスライダーを提供することができ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ca2 Fe2 5 で表される非磁性単結晶
    からなる磁気ヘッドのスライダー用材料。
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