JPS5853225Y2 - 自動車のシ−ト構造におけるロツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のシート構造、殊に前後方向に移動可
能なシート構造におけるロック装置に関する。

前後方向に移動可能な自動車のシート構造においては、
シートを少くとも一つの位置でロックするために、ロッ
ク機構が設けられる。

この場合、シートの移動操作は、該ロック機構を外して
、シートを手で移動させることによう行なうのであるが
、従来のロック機構では、操作部材を解除方向に操作し
ながら、同時にシートを手で所要方向に押す必要があり
、操作上不便であった。

本考案は、従来のシートロック構造の上述の不便を解消
し、操作部材を一旦解除方向に操作すると、操作部材を
その後放しても再びロック状態に戻ることはなく、シか
もシートが所定位置に戻されたときには、自動的にロッ
ク状態が得られるような自動車のシート構造におけるロ
ック装置を提供することを目的とする。

すなわち、本考案は、フロアパネルに対し前後方向に移
動可能な部分を有するシート構造に適用されるもので、
シートの可動部分及びフロアパネルの一方に、フック部
材を旋回自在に取付け、他方には該フック部材のフック
部に係合するロックピンを設け、フック部材には該部材
をロックピンとの係合方向に付勢するスプリングを設け
て、フック部材のフック部とロックピンとの係合により
、シートの可動部分をロックするように構成すると共に
、フック部材には、該部材がロックピンとの保合から離
脱する方向に操作されたとき、該シートを所定距離だけ
押出す押出部を設けたことを特徴とする。

本考案のロック装置によれば、フック部材をロック解除
方向に操作したとき、フック部材とロックピンとの間に
所定距離だけ相対移動が生じるので、フック部材に加わ
る操作力を除いても、フック部材とロックピンとの間に
再びロック係合は生じない。

押出部は、ノック部材のフック部の側縁にカム形状を設
けることによう構成することができる。

本考案は、シートの一部たとえばシートボトムを、前方
に移動し、シートバックをシートボトムに並べて置くこ
とにより１シ一ト部の面積を拡張して、シートをベッド
又は荷物置きとして使用できるようにしたシート構造に
適用すると特に効果がある。

以下、本考案の実施例を図について説明する。

第１．２図は、キャブオーバ−型自動車の運転助手席シ
ート構造の一例を示すもので、シート構造は、フロアパ
ネル１上に置かれたシートボトム２と、シートバック３
とからなり、シートボトム２は、図示しない適当なレー
ル構造により前後方向に移動可能に取付けられる。

シートバック３は上下に二分割された構造で、アッパー
シートバック３ａとロワーシートバック３ｂとからなり
１アツパーシートバツク３ａは、ヒンジブラケット４に
下端が枢着されたシートバックフレーム５の上端に固定
されている。

ロワーシートバック３ｂは、適当なロック装置６により
、アッパーシートバック３ａの下方にかいて、シートバ
ックフレーム５に取外し自在に取付けられる。

第２図に示すように、シートボトム２を前方に移動させ
、ロワーシートバック３ｂを、シートボトム２の後方に
、これと並べて配置することによシ、シート部の面積を
拡張して、ベッド又、は荷物置き等多用途に使用できる
ようになる。

第３ 、４ 、５図はシートボトム２のロック機構を示
すもので、このロック機構は、ロックブラケットＴ上に
垂直ピン８によう水平面内に回転可能なように取付けら
れたフック９と、該ブラケットＴ上のガイドピン１０に
、スロット１１を介して係合する操作部材１２とからな
り１この操作部材１２は操作ロッド１３の末端に固定さ
れている。

第３図１ｃ示すように、プラケツ）７に設けた耳部１ａ
とフック９との間にスプリング１４が張設され、該フッ
ク９は、第３図において反時計方向に付勢される。

フック９は、先端にフック溝９ａを有し、このフック溝
９ａがシートボトム２のフレーム１５に植設したピン１
６に係合し、シートボトム２を後退位置にロックする。

操作部材１２は、フック９側に突出する爪部１７を有し
、第３図において左方に引かれたとき、フック９の後端
の直立耳部９ｂに、該爪部１１が係合して、フック９を
スプリング１４の力に抗して時計方向に回動させ、フッ
ク９をピン１６との係合から外す。

操作ロッド１３は、ヒンジブラケット４上に支持され、
スプリング１８により１第３図の右方向に付勢され、常
時は爪部１７はフック９から離れて位置する。

必要とあれば、フック９及びピン１６は、左右に離れて
２個設け、これらのフック９が互に連動するように、ワ
イヤーにより連結してもよい。

第４図に示すように、フック部材９の先端のフック溝９
ａは、その後側の縁に、前方に突出するカム状突起１９
を有する。

このため、操作部材１２によシフツク９が時計方向に回
動させられてフック溝９ａからピン１６が離脱するとき
、ピン１６はカム状突起１９により前方に押される。

したがって、シートボトム２も前方に押し出され、その
状態で操作ロッド１３を放して、フック９がスプリング
１４の作用にようロック位置に戻されても、ピン１６は
フック溝９ａに係合せず、フック溝９ａよシ前方のフッ
ク先端部に当るため、シートボトム２を前方に押して移
動させることが可能になる。

この構造は、操作ロッド１３を引きながら同時にシート
ボトム２を前方に押さねばならないという従来のロック
機構の不便を解消できる利点ヲ持つ。

フック９の先端にはフック溝９ａの側に傾斜縁２０が形
成されており１シートボトム２が後退させられたとき、
ピン１６がこの傾斜縁２０に当って、フック９を時計方
向に回動させる。

したがって、シートボトム１２が後退位置に動かされた
とき、ピン１６は自動的にノック９のフック溝９ａに係
合する。

以上説明したように、本考案にかいては、シート構造の
前後方向可動部のロック装置を構成するフック部材に、
ロック解除方向に動かされたときロックピンを所定距離
だけ押出す押出部を設けたので、操作部材をロック解除
操作後に放しても、再びロック状態に戻ることがなく、
シート移動操作は非常に便利になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のロック装置が適用されるシート構造の
一例を示す斜視図、第２図は第１図のシート構造の移動
位置を示す斜視図、第３図はシートボトムロック機構の
平面図、第４図はフック部材の平面図、第５図はロック
機構の斜視図である。 ２・・・・・・シートボトム、３・・・・・・シートバ
ック、９・・・・・・フック部材、９ａ・・・・・・フ
ック溝、１２・・・・・・操作部材、１６・・・・・・
ロックピン、１９・・・・・・カム状突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアパネルに対し前後方向に移動可能な部分を有する
   シート構造のロック装置において、シートの可動部分及
   びフロアパネルの一方に旋回自在に取付けられたフック
   部材と、シートの可動部及びフロアパネルの他方に設け
   られ前記フック部材のフック部に係合するロックピンと
   、前記フック部材を操作する操作部材と、前記フック部
   材をロックピンとの係合方向に付勢するスプリングとを
   有し、前記フック部材には、前記ロックピンとの保合か
   ら離脱する方向に操作されたとき前記シートを所定距離
   だけ押出す押出部が設けられたことを特徴とする自動車
   のシート構造におけるロック装置。