JPS6224584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用シートのシートバツクに取付
けられるヘツドレストの格納装置に関するもので
ある。

ヘツドレスト付シートバツクをフルリクライニ
ングして、フルフラツトにする場合、該ヘツドレ
ストが後席のシートクツシヨンや、バツクドア等
のシート後部の車体に当接する場合がある。この
ため従来では、第１図に示すようにヘツドレスト
１を抜出してからシートバツク２を全倒してフル
リクライニングするか、あるいはシートの形状に
よつては第２図に示すようにシートバツク２内に
ヘツドレスト１を手で押し下げるようにしている
が、前者においては抜出したヘツドレスト１の置
き場所を確保しなければならず、又、後者におい
ては押し下げたり、引出したりする作業が煩わし
く不便であつた。そのため電動によりヘツドレス
トをシートバツク内に格納するものも考案されて
いるが装置自体高価なものになるという問題があ
る。又、シートバツクを前倒しにして、該シート
バツクの裏面を補助荷台として用いるものにおい
ては、シートバツクを前倒にした時、ヘツドレス
トが前折れ又は第３図に示すようにヘツドレスト
１がシートバツク２内に格納されるものもある
が、これらはシートバツク２を少しでも倒すとヘ
ツドレスト１が動きだすのでリクライニングして
使用するシートには応用することができない。

そこで本考案は上記従来の問題点を解消するた
めになされたものであつて、フルリクライニング
位置の手前まではヘツドレストの動きをロツクし
フルリクライニング位置にくると自動的にヘツド
レストをシートバツクに格納できるようにしたヘ
ツドレストの格納装置を提供することを目的とす
るものである。

このため本考案では、通常の使用状態から略水
平近くまでリクライニング可能なシートバツクが
シートクツシヨンに枢着され、該シートバツクの
上端にヘツドレスト格納用凹部が形成され、該凹
部からシートバツク上端縁方向に突出自在なヘツ
ドレストが設けられ、該ヘツドレストには該ヘツ
ドレストを上記凹部に格納自在にガイドする棒状
のヘツドレストステイの一端が固着された自動車
用ヘツドレストの格納装置において、 上記ヘツドレストステイの近傍にロツクピンが
設けられ、該ヘツドレストステイもしくはロツク
ピンのいずれか一方に係止溝が形成され、他方に
該係止溝と係脱可能になされ、係合時には上記ヘ
ツドレストステイの下方移動を阻止するようにな
された係止爪が形成されていると共に、 上記ロツクピンはロツク解除部材に係合され、
該ロツク解除部材は上記シートバツクを略水平状
態に倒したとき、該ロツクピンと上記ヘツドレス
トステイとの係合を解除するように上記シートク
ツシヨンにリンケージにより遊びを有して連結さ
れ、 さらに、上記ヘツドレストステイの他端側には
該ヘツドレストステイを格納方向に付勢する付勢
部材の一端が取付けられ、該付勢部材の他端は上
記リンケージに連結されている構造とすることに
より所期の目的を達成するようにしたものであ
る。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

１１は自動車用シートのシートバツクであつ
て、該シートバツク１１の下端はシートクツシヨ
ン１３の後端に回動可能に枢着され、該シートク
ツシヨン１３の後部側面に設けられたリクライニ
ングデバイス１４によつて通常の使用状態から略
水平近くまでリクライニング可能になされてい
る。

１５はヘツドレストであつて、該ヘツドレスト
１５には対をなす棒状のヘツドレストステイ１７
の一端が固着され、該ヘツドレストステイ１７は
上記シートバツク１１のシートフレーム１２に固
定されたステイホルダ１６により上下動自在に取
付けられ、上記ヘツドレスト１５の使用時には該
ヘツドレスト１５を上記シートバツク１１の上端
縁より突出させ、不使用時には上記シートバツク
１１の上端に形成されたヘツドレスト格納用凹部
１１ａに格納させるようにガイドするようになさ
れている。

上記対をなすヘツドレストステイ１７のうち、
一方のヘツドレストステイ１７の近傍のシートバ
ツクフレーム１２にはブラケツト２８を介してロ
ツクピン２７が左右方向に摺動自在に取付けられ
ている。該ロツクピン２７の一端には、上記一方
のヘツドレストステイ１７に形成された係止溝１
７ａ，１７ｂに係脱可能になる係止爪２７ａが形
成されている。そして、上記ブラケツト２８内に
介装されたスプリング２９によつて常に係合方向
に付勢され、係合時には上記ヘツドレストステイ
１７の下方移動を阻止するようになされている。

上記シートバツクフレーム１２の上記ロツクピ
ン２７の他端側には該ロツクピン２７の他端が係
合するロツク解除部材となるレリーズロツド２２
がブラケツト２３，２３を介して上下動自在に取
付けられている。該レリーズロツド２２は下方が
略クランク状をなし、その上部垂直部の略中央に
は、上記係止溝１７ａ，１７ｂと係止爪２７ａと
の係合を解除する段部２５が形成され、通常は上
方に介在されたリターンスプリング２４により上
方向に付勢されている。２６はレリーズロツド２
２の上端に取付けられたレリーズノブである。

又、上記一方のヘツドレストステイ１７の他端
側には、該ヘツドレストステイ１７を格納方向に
付勢する付勢部材となるスプリング１９の一端が
取付けられている。該スプリング１９の他端は、
一端がシートバツクフレーム１２に回動自在に枢
着されたリンケージを構成するリンク１８に連結
されている。

上記リンク１８の略中央には係止ピン１８ａが
設けられ、該係止ピン１８ａは一端がシートクツ
シヨンフレーム（図示せず）に固定されたリンケ
ージを構成するワイヤ２０の他端に固設された係
合部２１の長孔２１ａに係合されている。

又、上記リンク１８の下側には上記レリーズロ
ツド２２の下端に形成された折曲部２２ｂが係合
するようになされているが、ヘツドレスト１５の
使用時において、リンク１８とレリーズロツド２
２の折曲部２２ｂとの間には遊び（間隔）を有し
ており、シートバツク１１の傾倒時において上記
ワイヤ２０が引張られてリンク１８が回動して
も、すぐにレリーズロツド２２が動かないように
なされている。

次に上記構成による格納装置の作動状態につい
て説明する。

先ず第４図に示すシートバツク１１を起してい
る状態から該シートバツク１１を倒してゆくと、
一端をシートクツシヨンフレームに固定したワイ
ヤ２０に引張られリンク１８が回動すると共にス
プリング１９を引張るが、ヘツドレストステイ１
７はロツクピン２７が係合されているため動かな
い。したがつて通常のリクライニング時はヘツド
レストは格納されない。（第５図参照） さらに、シートバツク１１を倒してフルリクラ
イニングにすると、ワイヤ２０はさらに引張ら
れ、レリーズロツド２２の下端にリンク１８が係
合し、該レリーズロツド２２を押下げるので、レ
リーズロツド２２に形成した段部２５によりロツ
クピン２７はスプリング２９のばね力に抗して後
退し、ヘツドレストステイ１７のロツクが外れ
る。これによりヘツドレスト１５はスプリング１
９のばね力により瞬時にシートバツク１１内に格
納される。（第６図参照） ヘツドレスト１５を元に戻すにはフルリクライ
ニング位置からシートバツク１１を起し、ヘツド
レスト１５を引き上げるだけでよい。

尚、上記実施例ではワイヤ２０にプツシユプル
ワイヤを用いたが、スプリングを設けて自然に戻
るようにしてもよく、又、該ワイヤ２０に替えて
リンク機構としてもよい。

又、上記実施例では係止爪をロツクピン２７
に、係止溝をヘツドレストステイ１７に形成した
が、これを逆に係止爪をヘツドレストステイ１７
に、係止溝をロツクピン２７に形成してもよい。

上述のようにこの実施例では、一端がシートク
ツシヨンフレームでシートバツクのリクライニン
グ作動中心より前部に固着され、他端がロツク解
除部材に遊びを有して係合可能に連結されている
のでリクライニングするにしたがいワイヤ２０が
引張られ、この移動量でロツクピン２７をロツク
解除方向に作動させるようにすると共に、リンク
１８の一端を付勢部材であるスプリング１９の他
端に連結したので、上記移動量がスプリング１９
の付勢力を高める方向に作用するため、該付勢力
が増大し、ヘツドレスト１５の格納が確実に行な
われる。

第８図は本考案の第２実施例を示すものでレリ
ーズロツド２２の上端をシートバツク１１内に収
納させ、その上端にストツパ２２ａを形成したも
ので、この構造のものは高さ調整を必要としない
ヘツドレストに設けられる。尚、図示ではワイヤ
２０とスプリング１９とを長孔３２ａを有する連
結部材３２で連結し、該長孔３２ａに一端をレリ
ーズロツド２２に固設した係止腕３３の先端を係
止して、レリーズロツド２２を移動させるように
しているが、該部分を第１実施例と同様の機構に
してもよい。

以上述べたように本考案によれば、リクライニ
ングするときのシートの動きを利用してワイヤ等
でフルリクライニング位置の手前までは付勢部材
であるスプリングのみを引張り、フルリクライニ
ングの位置まできたときロツクを外し、上記スプ
リングのばね力によりヘツドレストをシートバツ
ク内に格納するようになしたので、シートをフル
フラツトにしてもヘツドレストが邪魔になること
がないだけではなく、リクライニングするシート
にも用いることができる。

又、本考案によればフルリクライニング位置に
くるとヘツドレストが自動的に格納されるので、
該ヘツドレストを手で引き抜くとか、押下げると
いう煩わしい動作が不用であり、しかも、該ヘツ
ドレストはシートバツクに格納されるのでフルフ
ラツトにしたとき、該ヘツドレストの置き場所に
困ることがない。又、第１実施例によれば一方の
ヘツドレストステイに設けた複数の係合溝とロツ
クピンとの係合をレリーズノブにより選択できる
ので、リクライニングに関係なくヘツドレストの
高さを調整することができる等の効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のリクライニングシート
装置のヘツドレストの取付状態を示す側面図、第
３図は従来のシートバツクの裏面を補助荷台とし
て用いるシート装置のヘツドレストの取付状態を
示す側面図、第４図は本考案によるヘツドレスト
格納装置のシートバツクを起している時の正面
図、第５図は同上の通常のリクライニング時の正
面図、第６図は同上のフルリクライニング時の正
面図、第７図は同上のシートバツクの状態を示す
側面図、第８図は本考案の第２実施例を示す第４
図に相当する正面図である。 １１はシートバツク、１５はヘツドレスト、１
７はヘツドレストステイ、１８はリンク、１９は
スプリング、２０はワイヤ、２２はレリーズロツ
ド、２５は段部、２７はロツクピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 通常の使用状態から略水平近くまでリクライニ
   ング可能なシートバツクがシートクツシヨンに枢
   着され、該シートバツクの上端にヘツドレスト格
   納用凹部が形成され、該凹部からシートバツク上
   端縁方向に突出自在なヘツドレストが設けられ、
   該ヘツドレストには該ヘツドレストを上記凹部に
   格納自在にガイドする棒状のヘツドレストステイ
   の一端が固着された自動車用ヘツドレストの格納
   装置において、 上記ヘツドレストステイの近傍にロツクピンが
   設けられ、該ヘツドレストステイもしくはロツク
   ピンのいずれか一方に係止溝が形成され、他方に
   該係止溝と係脱可能になされ、係合時には上記ヘ
   ツドレストステイの下方移動を阻止するようにな
   された係止爪が形成されていると共に、 上記ロツクピンはロツク解除部材に係合され、
   該ロツク解除部材は上記シートバツクを略水平状
   態に倒したとき、該ロツクピンと上記ヘツドレス
   トステイとの係合を解除するように上記シートク
   ツシヨンにリンケージにより遊びを有して連結さ
   れ、 さらに、上記ヘツドレストステイの他端側には
   該ヘツドレストステイを格納方向に付勢する付勢
   部材の一端が取付けられ、該付勢部材の他端は上
   記リンケージに連結されていることを特徴とする
   自動車用ヘツドレストの格納装置。