JPS5851393Y2 - 内燃機関の燃料蒸気処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関の気化器のフロート室から機関の停
止時に燃料蒸気がエアベント通路を通じて外部に排出さ
れるのを防止するための燃料蒸気処理装置に関するもの
である。

従来、前記のような内燃機関の燃料蒸気処理装置として
、気化器のフロート室上部と連通ずるエアベント通路か
ら切換弁を介して燃料蒸気通路を分岐させ、この燃料通
路をキャニスタのような燃料蒸気貯溜室と連通させて、
キースイッチのオフ時に前記切換弁の作動により、エア
ベント通路のエアベント開口への連通を遮断すると共に
、フロート室上部と燃料蒸気通路とを連通させて燃料蒸
気貯溜室へ蒸発燃料を導くようにしたものが知られてい
る。

しかし、このような燃料蒸気処理装置は、フロート室の
上部と燃料蒸気貯溜室との間の距離が長かったり、燃料
蒸気通路の一部に燃料蒸気貯溜室側が高くなる傾斜があ
ったりすると、燃料蒸気通路内で蒸発燃料が液化してこ
の通路を塞いでしまい、燃料蒸気をその貯溜室内に確実
に導くことができなくなり、気化器のメインノズルから
の燃料の蒸発による蒸発燃料が多くなるなどの問題があ
った。

本考案は、前述の問題を解決するためになされたもので
、燃料蒸気通路内での燃料蒸気の液化を防止すると共に
、液化が生じても機関の再運転によって気化して燃料蒸
気貯溜室に送込むことにより、燃料蒸気通路が燃料蒸気
の液化によって塞がれるのを防止することを目的とする
ものである。

すなわち、本考案は、前記目的を達成するために、前述
のような内燃機関の燃料蒸気処理装置において、燃料蒸
気通路に、機関の温度の影響を受ける部分を通した加温
部を形成したことを特徴とするものである。

なお、フロート室上部と燃料蒸気貯溜室とを連通ずる通
路を、キースイッチの操作に関連して動作する切換弁に
より開閉するようにした構成としては特開昭５３−４４
７３８号公報に記載のものが知られているが、これに対
し本考案は、上記通路内における燃料蒸気の液化防止を
目的としてその通路中に加温部を形成した点に特徴を有
し、その目的、構成において全く異なるものである。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体的に説明
する。

図において、符号１は気化器で、フロート室２の上部と
連通ずるエアベント通路３が、気化器１の吸気通路４の
ベンチュリ部４ａより上流側に位置するエアベント開口
３ａと連通している。

前記エアベント通路３から電磁切換弁５を介して燃料蒸
気通路６が分岐され、この通路６は燃料蒸気貯溜部であ
るキャニスタ７に連通されている。

このキャニスタ７は、内部に活性炭などの吸着剤７ａが
収容され、図示しない燃料タンクの上部とも燃料蒸気導
入管８を介して連通され、燃料蒸気排出通路９によって
吸入管１０と連通され、前記燃料蒸気排出通路９には吸
入負圧によって作動する負圧応動弁１１が設げられ、こ
の弁１１はスロットル弁１２０所定開度以上の開度時に
だけ開くように構成されている０また、前記電磁切換弁
５は、キースイッチ１３を介して電源１４と接続され、
キースィッチ１３０オン時には燃料蒸気通路６を閉じる
と共にエアベント通路３をエアベント開口３ａを通じて
吸気通路４と連通させ、キースイッチ１３のオフ時には
燃料蒸気通路６を開いてフロート室２上部とキャニスタ
７とを連通させると共にエアベント通路３のエアベント
開口３ａへの連通を遮断する、切換動作を行なうように
構成されている。

この考案では、前記燃料蒸気通路６の一部に・機関の温
度の影響を受ける部分、すなわち吸入管１０の冷却水通
路（図示せず）に近接した部分を通した加温部６ａが形
成されている。

なお、図中符号１５は気化器１のメインノズル、１６は
フロート、１７はエアクリーナを示す。

以上のように構成された燃料蒸気処理装置は運転状態の
機関を停止させ、すなわち、キースイッチ１３をオフに
すると、電磁切換弁５の切換動作によって、フロート室
２の上部が燃料蒸気通路６ヲ介してキャニスタ７と連通
され、エアベント通路３のエアベント開口３ａへの連通
が遮断されるので、フロート室２内で蒸発した燃料蒸気
がキャニスタ７に導かれ、その吸着剤７ａに吸着される
ことによって貯溜される。

この場合に、燃料蒸気通路６には加温部６ａが設けられ
、機関が停止直後には暖くなっているので、燃料蒸気通
路６を通る燃料蒸気は加温部６ａで加温されることにな
り、液化することなく、キャニスタ７に導かれる。

そして、機関が冷却するに従ってフロート室２内での燃
料の蒸発が少なくなり、機関の冷却後はほとんど燃料の
蒸発がなくなるので、加温部６ａでの燃料蒸気の加温も
行なわれなくなるが、燃料蒸気通路６内での燃料蒸気の
凝縮による液化を、従来の加温部がないものに比べて少
なくすることができる。

また、機関を再運転すると、当然キースイッチ１３はオ
ンであるため、電磁切換弁５の切換動作によって、燃料
蒸気通路６が閉じ、フロート室２の上部がエアベント通
路３を介してエアベント開口３ａ部で吸気通路４と連通
される。

このため、キャニスタ７への燃料蒸気の導入が停止され
ると共に、一定負荷以上の機関の運転では、負圧応動弁
１１が開いて、キャニスタ７の吸着剤７ａに吸着されて
いた燃料蒸気は、吸入負圧によって燃料蒸気排出通路９
を経て吸入管１０に吸入され、この吸入管１０から燃焼
室に供給される混合気に混入されて燃焼される。

この場合に、機関が運転によって暖まると、燃料蒸気通
路６の加温部６ａに燃料蒸気が液化したものがあっても
、再び気化してキャニスタ７に送込まれることになる。

以上説明したよ→に本考案の燃料蒸気処理装置は、フロ
ート室上部とキャニスタのような燃料蒸気貯溜室とを切
換弁を介して連通させる燃料蒸気通路を、機関の温度の
影響を受ける部分に通したので、燃料蒸気通路内での燃
料蒸気の液化が防止され、また、液化が生じても機関の
再運転によって気化して燃料蒸気貯溜室に送込まれ、従
って、燃料蒸気の液化により燃料蒸気通路が塞がれるの
を防止でき、これに起因する前述した問題を解決するこ
とができて、燃料蒸気の外部への排出を従来のものに比
べ、より確実に低減させ得る効果がある。

なお、本考案において、燃料蒸気通路６の加温部６ａは
、必ずしも吸入管１０の冷却水通路に近接した部分を通
して形成することなく、パイプを機関本体の外壁に密着
させて構成するなど、機関の温度の影響を受ける部分を
通したものであればよい。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す構成説明図である。 １・・・・・・気化器、２・・・・・・フロート室、３
・・・・・・エアベント通路、３ａ・・・・・・エアベ
ント開口、４・・・・・・吸気通路、４ａ・・・・・・
ベンチュリ部、５・・・・・・電磁切換弁、６・・・・
・・燃料蒸気通路、６ａ・・・・・・加温部、７・・・
・・・キャニスタ、７ａ・・・・・仮着剤、８・・・・
・・燃料蒸気導入管、９・・・・・・燃料蒸気排出通路
、１０・・・・・・吸入管、１１・・・・・・負圧応動
弁、１２・・・・・・スロットル弁、１３・・・・・・
キースイッチ、１４・・・・・・電源、１５・・・・・
・メインノズル、１６・・・・・・フロート、１７・・
・・・・エアクリーナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器ノフロート室上部と連通ずるエアベント通路から
   切換弁を介して燃料蒸気通路を分岐させこの燃料蒸気通
   路を燃料蒸気貯溜室と連通させて前記切換弁の作動によ
   りキースイッチのオフ時にフロート室上部と燃料蒸気通
   路とを連通してエアベント通路のエアベント開口への連
   通な遮断するようにしたものにおいて、前記燃料蒸気通
   路に、機関の温度の影響を受ける部分を通した加温部を
   形成したことを特徴とする内燃機関の燃料蒸気処理装置
   。