JPS587083Y2 - 内燃機関の燃料蒸気処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジン停止の際に気化器から発生した燃料
蒸気を吸入系外に排出して再起動性をよくするための燃
料蒸気処理装置に関するものであるｑ 従来、前記のような燃料蒸気処理装置として特公昭４８
−４１１６２号公報に記載されているように、エアクリ
ーナのクリーンサイドの底部に設けた穴から燃料蒸気を
排出し、吸着装置の活性炭などの吸着剤に吸着させるも
のが知られている。

一般に、夏季や高負荷連続運転後は、エンジンルームが
かなり高温となる。

とくに、排気ガス浄化対策のために排気ガスを高温に維
持する方式のエンジンではエンジンルームが高温となる
。

このような高温の条件下では、エンジンの停止後にエン
ジンルームの軸射熱やエンジンからの伝熱により、気化
器のフロート室から気化して蒸気となった燃料がベント
パイプを経て吸入通路やエアクリーナなどの吸入系に溜
る。

このため、エンジンルームの高温時などには、エンジン
停止後、間もなくして再起動すると、前述のようにして
吸入系内に溜って燃料蒸気によって過濃こなった混合気
がエンジンのシリンダに吸入されるため着火しにくくな
り、起動不良を起こすことになる。

逆に、冬季などのエンジンルームが低温で、エンジンが
冷えている起動時には、吸入系内の燃料蒸気がその外部
に排出されると、混合気が過薄になって、エンジンの始
動不良を起こすことがある。

このため前述した従来の燃料蒸気処理装置のようなエン
ジンの運転、停止や温度条件に関係なく、エアクリーナ
のクリーンサイドに設けた穴を吸着装置に連通させたり
、大気に開放させたりするものでは、吸入系内の混合気
が過濃になり易い高温時のエンジンの再起動時には起動
不良の防止に有効であっても、過薄になり易い低温時に
は混合気の稀薄化を促進することになり、かえって起動
不良を起こし易くなるという問題があった。

本考案は、前述した事情に鑑みてなされたもので、エア
クリーナのクリーンサイドに設けた穴を、ソレノイド弁
の開閉作動によってエンジンの運転中および一定温度以
下の停止中に閉じるようにし、吸入系内の混合気の空燃
比が高温時も低温時も適正になるようにして、エンジン
の起動不良を解消できる、内燃機関の燃料蒸気処理装置
を提供することを目的としている。

以下、本考案の一実施例につき図を参照して説明する。

図において、符号２は気化器、３は吸入管、Ｉはエアク
リーナであり、これによって吸入系が構成されており、
前記気化器２のフロート室４がベントパイプ５を介して
吸気通路６と連通されている。

そしてエアクリーナ７のクリーンサイド（フィルタエレ
メント内側の空間）の最下部に位置されて穴８が設けら
れ、管９を介して大気に連通されている。

なお、穴８の径は１４闘程度が望ましい。また、穴８に
連設された管９にソレノイド弁１３が設けられ、この弁
１３の励磁コイルがイグニッションスイッチと連動して
開閉するスイッチ１４を介して電源に接続され、このス
イッチ１４と連動して逆に開閉作動する補助スイッチ１
６が、スイッチ１４と並列に電源に接続され、さらに補
助スイッチ１６は直列にエンジン温度、エンジンルーム
内の雰囲気温度、フロート室４内の温度、冷却水温度の
うちの１つ以上を検出して作動する温度スイッチ１７が
接続されてソレノイド弁１３の励磁コイルに接続されて
いる。

前述のように構成された燃料蒸気処理装置は、エンジン
運転中には、スイッチ１４が閉じて励磁コイルが付勢さ
れるため、ソレノイド弁１３が閉じて穴８を塞ぐ。

したがって、穴８から空気がエアクリーナ７のクリーン
サイドに吸入されることがなく、エアクリーナ７のフィ
ルタエレメントを通過した清浄な空気だけが吸入され、
気化器２によって混合気が作られてエンジンのシリンダ
に吸入される。

また、エンジンを停止すると、スイッチ１４が開き補助
スイッチ１６が閉じるが、高温時には温度スイッチ１７
が開いているので、励磁コイルが消勢されて穴８が開く
。

このため、エンジン停止後、フロート室４内で気化した
燃料蒸気は、ベントパイプ５を通って吸入通路６に入り
、この通路６を上昇してエアクリーナ７に達するが、そ
のクリーンサイドに溜ることなく、速やかに穴８から排
出され、効率よく大気に放出される。

さらに、エンジン停止中でも、一定温度以下の低温時ま
たは低温になった時には、温度スイッチ１７が閉じ、励
磁コイルが付勢されてソレノイド弁１３が閉じ、穴８を
塞ぐので、吸入系から燃料蒸気が大気に排除されること
がない。

以上説明したように、本考案によれば、吸入系の混合気
が過濃となる高温時のエンジン停止後には、ソレノイド
弁を開いて、エアクリーナのクリーンサイド底部に設け
た穴から燃料蒸気を大気に排除し、また、エンジンの運
転中および停止中の一定温度以下の低温時または低温に
なった時には、温度スイッチおよび補助スイッチの作動
でソレノイド弁が閉じて前記穴を塞ぎ、燃料蒸気が吸入
系から大気に放出されないようにすることができるので
、夏季などの高温時のエンジン停止後の再起動時に混合
気が過濃になること、および冬季などの低温時の再起動
時に混合気が過薄になることを防止でき、この場合に吸
入系外に必要以上に燃料蒸気を排除することがなく、温
度条件に関係なく起動時の混合気の空燃比を適正化する
ことができ、従来のような起動不良を起こす不都合を解
消することができる上に、さらに、エンジン運転中はソ
レノイド弁を閉じて穴を塞ぐため、従来のもののように
穴を燃料蒸気の吸着装置に連通させなくても、つまり吸
着装置を設けなくても、穴から空気を吸引してこれに含
まれた塵埃を吸入系に侵入させることを防止できるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す断面図である。 ２・・・・・・気化器、３・・・・・・吸入管、４・・
・・・・フロート室、５・・・・・・ベントパイプ、６
・・・・・・吸入通路、７・・・・・・エアクリーナ、
８・・・・・・穴、９・・・・・・管輸１３・・・・・
・ソレノイド弁、１４・・・・・・スイッチ、１６・・
・・・・補助スイッチ、１７・・・・・・温度スイッチ
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアクリーナのクリーンサイドの底部に設けた燃料蒸気
   を吸入系外に排除するための穴を、ソレノイド弁を介し
   て大気に連通させ、前記ソレノイド弁の電源回路に設け
   たスイッチと並列にこのスイッチと連動して逆の開閉作
   動を行う補助スイッチを設け、補助スイッチを温度スイ
   ッチを介してソレノイド弁に接続し、このソレノイド弁
   がエンジンの運転中および一定温度以下の停止中に閉じ
   るようにしたことを特徴する内燃機関の燃料蒸気処理装
   置。