JPS603971Y2 - 異種燃料切換使用機関の燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は異種燃料切換使用機関の燃料供給装置に関し、
殊に切換え直後のアイドリング時の燃料供給が適切にで
きるよう構成したものに関する。

異種燃料切換使用機関において燃料切換えをおこなうに
は一度機関を止めてから燃料切換スイッチを動かし、そ
の後に機関を再始動させるようにしている。

ところが再始動のとき、燃料切換前の燃料が燃料通路に
残っていて、当初の混合気が濃くなりすぎ機関不調にな
る恐れがある。

例えば、ガソリン燃料と液化石油ガス（以下ＬＰＧで代
表する）燃料ご併用する機関では、ガソリン−ＬＰ（４
料切換使用型気化器にはそれぞれガソリン燃料供給系と
ＬＰ（４料供給系とが接続されている（特公昭４４−６
６７２号公報参照）。

そして、ガソリン燃料からＬＰＧ燃料に切換え後、機関
を再始動させ、アイドリング回転させたとき、ガソリン
燃料供給系は燃料ポンプがとまっているので多量のガソ
リンが供給されることはないが、燃料ポンプより下流に
残っている燃料がスロー通路から同時に供給されてしま
い過濃混合気が形成される。

このため機関運転性能が低下し、アイドリング時に機関
停止に至る恐れがある。

本考案は上記の実情に鑑みてなされたもので、第１の燃
料を機関吸気通路に供給する第１低速燃料通路を有する
第１燃料供給系と、第２の燃料を機関吸気通路に供給す
る第２低速燃料通路を有する第２燃料供給系と、第１及
び第２燃料供給系の各燃料供給通路をそれぞれ開閉制御
する第１及び第２燃料供給手段を選択的に作動させて使
用燃料を切換える燃料切換装置とを備えた内燃機関にお
いて、第１及び第２低速燃料通路にそれぞれ通路開閉弁
を設け、一方の燃料供給系を選択したとき燃料切換装置
の切換動作に連動させて、選択側燃料供給系の燃料供給
手段と低速燃料通路の通路開閉弁を開作動させ、他方の
燃料供給系の燃料供給手段と低速燃料通路の通路開閉弁
を閉作動させる構成とすることにより、従来の欠点を解
消することを目的とする。

以下、本考案の１実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図において、機関本体１に接続たれた吸気通路には
吸気マニホルド２の上流側にガソリン−ＬＰＣ４料切換
使用型気化器３及びエアクリーナ４が取り付けられてい
る。

ガソリン−ＬＰ（４料切換使用型気化器３は絞弁５の上
流に第１の燃料用としてのガソリン燃料用気化器３Ａと
第２の燃料用としてのＬＰＧ燃料用ミキサー３Ｂとを一
体に備えて構成される。

ガソリン燃料用気化器３Ａにはガソリン燃料計量用ベン
チュリ部６及びこれに主燃料通路としてのメーンノズル
７を介して連通ずるフロート室８を備え、該フロート室
８とガソリン燃料タンク９とを結ぶ第１燃料供給通路と
してのガソリン燃料通路１０にはストレーナ１１及び第
１燃料供給手段としての電磁式の燃料ポンプ１２が介装
されガソリン燃料供給系が樹皮されている。

また、ＬＰＧ燃料用ミキサー３ＢのＬＰＧ燃料計量用ベ
ンチュリ部２０とＬＰＧ燃料ボワベ２１と結ぶ第２燃料
供給通路としてのＬＰＣ４料通路２２にはフィルタ２３
、第２燃料供給手段としての電磁弁２４及びベーパライ
ザ２５が介装されＬＰＧ燃料供給系が構成されている。

前記燃料ポンプ１２の駆動回路及び電磁弁２４の駆動回
路はそれぞれ燃料切換装置としての燃料切換スイツチ２
６のＧ接点及びＬ接点との接続を介しイグニッションス
イッチ２７からバッテリ２８へと接続される。

また、第２図の如くガソリン燃料用気化器３Ａのスロー
ポート１３Ａ及びアイドルポート１３Ｂに連通ずる第１
低速燃料通路としてのスロー通路１３には第１通路開閉
弁としての電磁式の開閉弁１４が介装され、該開閉弁１
４の駆動回路は燃料切換スイッチ２６のＧ接点側に接続
している。

前記開閉弁１４は通電時スロー通路１３を開きアイドリ
ング燃料を吸気通路に供給する。

１５はアイドリング燃料（ＣＯ濃度）を調整するアイド
ルアジャストスクリュである。

絞弁５のアイドル開度はアーム１６の絞弁調整ねじ１・
７とストッパ１８により全閉から２°〜３°に調整され
ている。

尚、第１図中１９は排気マニホルドである。

第３図はＬＰＧ用ベーパライザ２５のスロー系ヲ示し、
ＬＰＧ燃料通路２２に介装されたベーパライザ２５の第
２低速燃料通路としてのスロー通路３０にも燃料切換ス
イッチ２６のＬ接点側に接続した第２通路開閉弁として
の電磁式の開閉弁３１が介装され、通電時スロー通路３
０を開通し、アジャストスクリュ３２で調整されたアイ
ドリング燃料（ＣＱ農度）が供給される。

前記ベーパライザ２５はプライマリ室３３ （ＪｌカＬ
ＰＣ４１４ボンベ２１に接続し、セカンダリ室３４側が
ＬＰＣＪ料用ミ牛用ミキサー３Ｂチュリ部２゜に接続さ
れる。

ＬＰＧ燃料ボンベ２１からの燃料ハブライマリバルブ３
５とバルブシート３６の間からプライマリ室３３に流入
そ所定圧（約０．３ｋｇ／ｃ１ｆｔ）に減圧され、セカ
ンダリ室３４に流入し更に大気圧まで減圧される。

尚、前記プライマリバルブ３５は従来公知のものと同様
で、通常時はバルブシート３６に対して離間して開状態
にあるが、プライマリ室３３内が所定圧（約０．３ｋｇ
／ｃｙｄ）以上になると、プライマリ室３３のダイアフ
ラムの作用によりバルブシート３６に当接して閉状態と
なり、ＬＰＣ４料ボンベ２１側からプライマリ室３３へ
の燃料流入を停止するよう構成されている。

こ（７）ＬＰＣ４料は機関回転時、ミキサー３Ｂのベン
チュリ部２０に発生する負圧により吸い出され吸気通路
に供給される。

ＬＰ（４料によるアイドリング運転時にはプライマリバ
ルブ３５及び主燃料通路としてのセカンダリバルブ３７
は共に閉じており、低速燃料通路としてのスロー通路３
０を介してアイドリング燃料を供給するよう構成されて
いる。

かかる構成において、アイドリング時の燃料供給動作を
説明する。

予め燃料切換スイッチ２６をガソリン燃料側のＧ接点に
接続しイグニッションスイッチ２７をＯＮすると機関が
始動し燃料ポンプ１２の作動によりガソリン燃料タック
９内のガソリン燃料が気化器３Ａのフロート室８に供給
される。

燃料ポンプ１２の始動と同時に電磁開閉弁１４が開きス
ロー通路１３が開通しているので、フロート室８のガソ
リン燃料はスロー通路１３を通りスローポート１３Ａ及
びアイドルポート１３Ｂを介して吸気通路に吸い出され
アイドリング燃料が機関に供給されてアイドリング運転
が行なわれる。

このとき、燃料切換スイッチ２６のＬ接点は開放されて
いるので電磁弁２４及びスロー通路３０の電磁開閉弁３
１は閉弁状態にある。

このため、ＬＰＧ燃料ポンベ２１内のＬＰ（４料はベー
パライザ２５には供給されず、またベーパライザ２５の
プライマリ室３３内の燃料もセカンダリ室３４へは供給
されない。

従って、機関へはガソリン燃料のみ供給され、ＬＰＧ燃
料側のスロー通路３０からはＬＰＣＪ料が供給されない
ので、アイドリング時の混合気組成が良好となる。

また、過濃混合気の生皮が防止でき運転性が改善される
。

一方、燃料切換スイッチ２６をＬ接点側に接続すると、
ＬＰＧ燃料通路２２の電磁弁２４及びスロー通路３０の
電磁開閉弁３１が開状態となる。

アイドリング燃料はベーパライザ２５のスロー通路３０
を通りミキサー３Ｂを介して吸気通路に供給される。

このとき、ガソリン燃料側の燃料ポンプ１２及び電磁開
閉弁１４は供給作動せずフロート室８内に貯留されたガ
ソリン燃料はスロー通路１３を介して供給されることは
ない。

従って、特に問題であったＬＰＧ燃料側のアイドリング
時の混合気組成も極めて良好となるばかりか、ガソリン
燃料使用時と同様過濃混合気の発生が防止でき運転性が
向上する。

尚、ミキサーの燃料通路に絞弁と連動させたニードル弁
を装着したものに対しても適用できることは言うまでも
ない。

また、ＬＰ（４料は気体のため多気筒機関ではガソリン
燃料よりも分配性が良く、低速回転でも円滑に運転でき
るので、絞弁開度はガソリン燃料側を基準にして設定す
るとよい。

更に本実施例ではＬＰＣＪ料とガソリン燃料とを切換使
用する機関について述べたが、この他の異種燃料を切換
使用する機関にも適用できる。

以上述べたように本考案によれば、燃料切換装置で使用
燃料を選択し選択側燃料供給系の燃料供給通路及び低速
燃料通路が開通したとき、この燃料切換装置の切換動作
に連動して他方の燃料供給系の燃料供給通路及び低速燃
料通路が閉鎖されるので、アイドリング燃料の混合気組
成が極めて良好となる。

また、異なる燃料が同時に供給されることがなく過濃混
合気の発生が防止でき機関運転の不調、特にアイドリン
グ時における機関回転停止を防止することができ運転性
を大幅に改善できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す概略構成図、第２図及
び第３図は同上実施例の要部拡大図を示し、第２図はガ
ソリン燃料側のスロー通路、第３図はＬＰＧ燃料側のス
ロー通路をそれぞれ示す。 ３Ａ・・・ガソリン燃料用気化器、３Ｂ・・・ＬＰＧ燃
料用ミキサー、１３．３０・・・スロー通路、１４，３
１・・・電磁開閉弁、２５・・・ベーパライザ、２６・
・・燃料切換スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の燃料を機関吸気通路に供給する第１低速燃料通路
   を有する第１燃料供給系と、第２の燃料を機関吸気通路
   に供給する第２低速燃料通路を有する第２燃料供給系と
   、第１及び第２燃料供給系の各燃料供給通路をそれぞれ
   開閉制御する第１及び第２燃料供給手段を選択的に作動
   させて使用燃料を切換える燃料切換装置と、前記第１及
   び第２低速燃料通路にそれぞれ介装される第１及び第２
   通路開閉弁と、を備え、一方の燃料供給系を選択したと
   き前記燃料切換装置の切換動作に連動させて、選択側燃
   料供給系の燃料供給手段と低速燃料通路の通路開閉弁を
   開作動させ、他方の燃料供給系の燃料供給手段と低速燃
   料通路の通路開閉弁を閉作動させる構成としたことを特
   徴とする異種燃料切換使用機関の燃料供給装置。