JPS5850124Y2 - ポジ−ネガ併有型フロ−テイングキヤリパデイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポジーネガ併有型のフローティングキャリパデ
ィスクブレーキに関するものである。

一般にネガティブディスクブレーキは、非油圧作用時に
機械的ブレーキ力を安定に得ることができるため、特に
クレーン等の産業機械装置に好適なものとして使用され
ている。

しかし、ポジティブ型のように操者の細かいペダル制御
によって微妙な制動制御を得ることは、大きなバネ押圧
力を油圧作用によって解放する方式であるために難かし
いという問題点がある。

このため所謂パーキング用としてのネガティブ作動型Ｏ
バッド押圧機構と、サービス用としてのポジティブ作動
型のパッド押圧機構を夫々独立に備えたディスクブレー
キが既に提供されている。

本考案はこのようなポジーネガ併有型のディスクブレー
キの構成をよジ簡略化するためになされたものである。

即ち従来のこの種のディスクブレーキはポジティブ作動
型のパッド押圧機構とネガティブ作動型のパッド抑圧機
構を夫々独立に形成しているため、例えば、ディスクロ
ーターを挾んだ対向部にこれらを各々配設する構成をな
し、ディスクブレーキ全体の大型化が避けられない。

これに対し本考案ではネガティブ作動型のパッド押圧機
構の収容部材をキャリパ本体と別体となして、該収容部
材に一体に固定した油圧ピストンを該キャリパ本体に形
成したシリンダ部に滑合せしめ、該油圧ピストンとシリ
ンダ底部との間にこれらの相対的移動を行なわせる押圧
室を設けてポジティブ作動によるプレーキカを得るよう
にしたものである。

以下本考案を図面に示す一実施例によう説明すると、図
においては１はディスクロータ、２はサポー）、３．４
は摩擦パッド、５はサポート２によってディスクロータ
ー１の軸方向移動可能に支承されているキャリパ本体で
あり、ディスクローター１を挾んで一対の対向部６，７
を備えている。

この対向部の一方Ｔは反作用部をなし、他方の対向部６
にはシリンダ部８釦よび貫通穴８′が形成されている。

９はネガティブ作動型のパッド押圧機構の収容部材であ
り、その前端部は前記貫通穴８′を貫通して”ｔ ｓこ
の前端部に固定された油圧ピストン９′が前記シリンダ
部８に滑合されている。

また収容部材９はキャリパ本体５に固定された上下一対
のガイドピン１０．１１を介して該キャリパ本体５に対
しディスクローター１の軸方向相対移動可能に設けられ
ている。

１２はポジティブ作動型のパッド抑圧機構としての油圧
室であり１流路１３を介してポジティブ作動用の油圧源
に連通されている。

１４は油圧室１２のシリンダ底部であり、前記ネガティ
ブ作動型パッド押圧機構の収容部材９の後進係止部をな
している。

ネガティブ作動機構の構成は既知のものであり、簡単に
述べると、第１及び第２シリンダ１５．１６内に夫々第
１及び第２ピストン１７．１８が滑合されており、これ
らは第２ピストン１８に貫通螺着されているアジャスタ
ボルト１９を介して当合されている。

２０は第２ピストン１８を押圧する作動バネ、２１は第
２ピストン１８を後進させるネガティブ作動機構として
の油圧室、２２はブレーキ解放時に第１ピストン１１を
一定長後進させるピストン戻し装置、２３は間隙調整装
置であり、スピンドル２４を介して前記アジャスタボル
ト１９に回転力を与えるものである。

２５は第２ピストン１８の後退を係止するピストンスト
ッパであり、２６は作動バネ２０の押圧力を受止めるば
ねストッパである。

次にその作動について説明する。

パーキングブレーキ時 油圧室２１にネガティブ作動機構の油圧源からの油圧が
伝えられていないときには、作動バネ２０の押圧力が第
２ピストン１８、アジャスタボルト１９、−第１ピスト
ン１Ｔを介して摩擦パッド３に伝えられ、摩擦パッド３
がディスクローター１に圧接せしめられる。

この圧接の反力ばばねストッパ２６を介して収容部材９
に伝えられ、収容部材９はガイドピン１０．１１及びシ
リンダ部８に案内されて後進し、該収容部材９の前端部
に固定された油圧ピストン９′が油圧室１２のシリンダ
底部１４に当合し、キャリパ本体５が一体的に図の右方
に移動する。

しかして反作用部Ｉが摩擦パッド４をディスクローター
１に圧接せしめるものとなるのである。

パーキングブレーキ解放時 油圧室２１に油圧が伝えられると第２ピストン１８は作
動バネ２０の押圧力に抗して第２シリンダ１６内をピス
トンストッパ２５と当接するまで後進する。

このためネガティブ作動型のパッド押圧機構としての押
圧力は解放され、第１ピストン１１はピストン戻し装置
２２０作用によう第１シリンダ１５内を一定長後進する
。

従って摩擦パッド３，４によるディスクローター１の挟
圧は解放される。

尚、前述した第１及び第２ピストン１７．１８の後進量
にライニング摩耗に伴なって差異が生じた場合には間隙
調整装置２３０回転力にようアジャスタボルト１９が第
２ピストン１８から所定量螺出し、間隙の自動調整がな
されるものとなる。

サービスブレーキ時 油圧室１２にポジティブ作動用の油圧源（例えばブレー
キペダルへの踏力によう油圧を生ずるマスクシリンダ）
から油圧が伝えられると、ネガティブ作動型パッド押圧
機構の収容部材９、油圧ピストン９′は貫通孔８′、シ
リンダ部８内を一体的に前進し、この前進によりピスト
ンストッパ２５、ｉ２ピストン１８．アジャスタボルト
１９゜第１ピストン１７を介して摩擦パッド３がディス
クローター１に圧接される。

結局ネガティブ作動型バッド押圧機構は一つの剛体的な
ものとして動作スる。

一方キャリパ本体５は、シリンダ底部１４への油圧力に
ようサポート２上を図の左方へ移動し、反作用部Ｉが摩
擦パッド４をディスクローター１に圧接してプレーキカ
を得ることができる。

以上述べた如く本考案よりなるポジーネガ併有のフロー
ティングキャリパディスクブレーキは、従来のものと比
して比較的簡単で小型なディスクブレーキによりポジー
ネガ両者の機能を得ることが可能となって、その実用上
の利益は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すディスクブレーキの縦断
面図である。 １・・・・・・ディスクローター、２・・・・・・サポ
ート、３゜４・・・・・・摩擦パッド、５・・・・・・
キャリパ本体、６，７・・・・・・対向部、８・・・・
−・シリンダ部、９・・・・・・収容部材、ｉｏ、ｔｉ
・・・・・・ガイドピン、１２・−・・・・油圧室、１
３・・・・・・流路、１４・・・・・・シリンダ底部、
シリンダ、１６・・・・・・第２シリンダ、ピストン、
１８・・・・・・第２ピストン）ヤスタボルト、２０・
・・・・・作動バネ、１５・・・・・・第１ １７・・・・・・第１ １９・・・・・・アジ ２１・・・・・・油圧 室、２２・・・・・・ピストン戻し装置、２３・・・・
・・間隙調整装置、２４・・・・・・スピンドル、２５
・・・・・・ピストンストッパ、２６・・・・・・ばね
ストッパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ディスクローターの軸方向移動可能に支承されたキャリ
   パの該ディスクローターを挾んだ対向部の一方に作動バ
   ネによる機械的押圧力を油圧作用によう解放する方式の
   パッド押圧機構を備えたネガティブ型に構成したディス
   クブレーキにおいて、前記バンド抑圧機構は、キャリパ
   本体に形成したシリンダ部内をディスクローター軸方向
   に移動しうるように配設した別個独立の収容部材内に内
   蔵させると共に、前記キャリパのシリンダ部には前記収
   容部材の外周部に位置するよう形成したポジティブ作動
   用の油圧室の油圧作用を受けてディスクローター側に前
   進するピストンを設け、このピストンを前記収容部材に
   固着し、更に該収容部材のキャリパシリンダ内後進を一
   定位置で規制する係止部をキャリパに設けたことを特徴
   とするポジーネガ併有型フローティングキャリパディス
   クブレーキ。