JPS5848009Y2 - 工作物保持用マンドレル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として薄肉管の外径を精度よく加工するこ
とを可能にする工作物の内径保持用マンドレルに関する
。

従来、薄肉管の外径加工に当つ・ては、コレットマンド
レルが使用されているが 薄肉管は撓み易いため、その
内部形状がマンドレルの外形になじむように固定されて
し１つので、薄肉管をマンドレルに装着した状態でいか
に精度良く力任してもマンドレルから外した後で薄肉管
の内部形状が外径加工面に影響を及はし晴度が保証され
ないという問題がある。

この問題を解決する手段として、マンドレルを円筒状弾
性体により構成し、エイ乍吻の保持の際この弾性体をそ
の軸方向に挟圧して半径方向の寸法を増大させるように
した弾性体マンドレルが提案されている（実開昭４８−
１７７７５号公報参照あこの弾性体マンドレルによれば
、マンドレルが工作物の内径になじんだ状態で保持が行
なわれるので、前述の問題が解消する。

しかしながら、この弾性体マンドレルの構成では、弾性
体の締付けによってその径が軸方向の全長にわたって同
じように増大するので、工作物の軸方向に関して微妙な
締付は力の変化が要求されるような場合には用いること
ができない。

よって、本考案は以上のような場合に用いるに適した工
作物保持用マンドレルを提供しようとするものである。

本考案によれば、弾性体マンドレル本体が、複数枚の弾
性環状板と、はぼ同大の複数枚の非弾性環状間座とを軸
方向に交互に積層して構成される。

以下、図面によって本考案の実施例を説明すると、全体
的にＭで示す本考案の工作物保持用マンドレルは、６無
研削盤用として構成されており、その１わりに主として
薄肉管からなる工作物Ｗを内側から支持できるように、
全体的に円柱形状をなしている。

この実施例では、マンドレルＭは図における右側に全体
的にゴムからなる円筒状体１０を有し、左側に本考案の
特徴をなす積層円筒状体を有し、それらの間に間座２が
介装されており、これらの部材を軸方向に貫通して軸４
が挿通されている。

この軸４の両端部には端板５，６が設けられ、円筒状体
１０と端板６の間には間座３が介装されている。

一方の端板５は軸４に固定され、他方の端板６は軸４に
対し摺動自在とされている。

間座２．３、端板５，６はいずれも非弾性体、例えば金
属の環状板から構成されろ。

軸４の→端にはねじが形成され、それに端板６を介して
ナツト７がねじ込１れ、ナツト７は座金８を介して端板
６に接している。

左側の積層円筒状体は、複数枚の弾性環状板１１ａ 、
１１ｂ、１１ｃ、１１ｄ、１１ｅ、１２ａ１２ｂ 、１
２ｃ 、１２ｄと、これらとほぼ同大の複数枚の非弾性
環状間座１３とを軸方向に交互に積層して構成される。

間座１３は金属板から構成するのがよい。

この実施例では、弾性環状板のうち、図における左側寄
りの５枚の弾性環状板１１ａ。

１１ｂ、１１ｃ、１１ｄ、１１ｅがポリウレタンゴムに
よって構成され、またその右側にある４枚の弾性環状板
１２ａ、１２ｂ 、１２ｃ 、１２ｄが天然ゴムにより
構成されている。

マンドレルＭに工作物Ｗを装着するには、座金６に当接
する寸で工作物Ｗを同図の左方からマンドレル外周には
めた後、ナツト７を締付ける。

これによって、端板５，６０間で両方の弾性円筒状体が
軸方向に圧縮を受ける。

すなわち、弾性円筒状体１０は、間座２，３０間で挾圧
され、そのポアソン比に相当するだけ外径が増加する。

また、積層円筒状体の弾性環状板１１ａ〜１２ｄも端板
５、間座１３，２の間で挾圧され、各弾性環状板の特有
のポアソン比に相当するだけ外径が増大する。

すなわち、この外径の増大は弾性環状板の材質によって
異なる。

いずれにしても、このような外径の増大によって、ナツ
ト７の非締付は時に円筒状体の１わりにはめ込むことの
できた工作物Ｗの内側面に、円筒状体の半径方向膨張力
が作用し、工作物Ｗは円筒状体によって内側から強く固
持される。

なお、円筒状体は、マンドレルＭに装着する前に、工作
物内面に所定の締付力が働くように、適正な軸方向加圧
力を作用させた状態で外径方圧を施す必要がある。

マンドレルＭの保持力を解くには、ナツト７を緩めれば
よい。

これによって、円筒状体の外径が減少へ工作物Ｗは解放
される。

なお、円筒状体の弾性材料としては前記以外の他のエラ
ストマーを用いることもできる。

以上に説明した実施例では、一方の円筒状体１０が全体
的に弾性材料により構成されているが、この円筒状体１
０は省略してもよいし、またこの円筒状体１００代りに
左側の積層円筒状体と同じ円筒状体を設けてもよい。

いずれにしても積層円筒状体は少なくとも１個設けられ
る。

本考案のマンドレルでは、軸方向の加圧力が作用すると
、弾性環状板は間座より径が大きくなって、間座の径よ
り僅かに内径の大きい工作物内径に締けけ力を作用させ
るが、工作物の加工精度の上から言えは、間座の外径が
工作物内径に接近する程力ＯＩ精度は向上する。

なお、前述の実施例ではマンドレルの軸方向加圧は締付
ナツトによって行っているが、この軸方向加圧は、油圧
等の流体圧によっても行うことができる。

以上に実施例について述べたように、本考案によるマン
ドレルは、従来のマンドレルのように工作物の内側から
締付は力を作用させた時に、工作物の内径の仕上り具合
によっては工作物の外表面の形状にも影響を及ぼしてし
１うような剛性の大きな部材ではなく、弾性を有してい
るから、仮に工作物内径の仕上りに不具合かあっても工
作物の内側から全体的にそれを強く保持するだけで内径
の細かい不具合は吸収してし１う特性があり、締付は時
に工作物の外径に寸で影響を及ぼすようなことがないの
は勿論のこと、特に弾性円筒状体が軸方向に細分化され
た複数の弾性環状板により構成されているので、弾性環
状板を異なる材料により形成することによりポアソン比
を異ならせ工作物の形状等の条件に合せてマンドレルの
軸方向に関して微妙な締付は力の変化を得ることができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の断面図である。 Ｍ・・・マンドレル、Ｗ・・・工作物、２．３・・・間
座、４・・・軸、５，６・・・端板、７・・・ナツト、
１０・・・弾性円筒状体、１１ ａ〜１１ｅ、１２ａ〜
１２ｄ・・・弾性環状板、１３・・・間座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数枚の弾性環状板と、はぼ同大の複数枚の非弾性環状
   間座とを軸方向に交互に積層して形成した円筒状体の中
   央の孔に軸を挿通し、この軸の両端近くに、円筒状体の
   軸方向両端面に接して円筒状体を挾持する端板を設け、
   さらに、それら端板を軸方向に互いに接近させて円筒状
   体の弾性環状板の径を増大させる装置を設けてなる工作
   物保持用マンドレル。