JPS5846206Y2 - 開き窓の滑子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内倒し窓、外倒し窓、及び辷り出し窓等の開き
窓、特に建物用開き窓に用いられる滑子に関するもので
ある。

従来、一部の内倒し窓と外倒し窓、及び辷り出し窓は窓
枠を形成する一対の短枠のガイド溝内を摺動する滑子を
使用して窓を開閉し、その滑子を該ガイド溝の所定位置
に固定したストッパに係止することで窓の開き量を規制
している。

これら滑子のうち、最も一般的なものはガイド溝内に沿
って自由に摺動しつる形状に構成された略板状体である
。

しかし、この滑子ではあまりにも滑らかな摺動性を有す
るが故に充分な注意を以って開閉操作しないと窓が開く
ときに滑子がストッパに衝突し滑子・ストッパ・窓ガラ
ス等の各部品に衝撃力が作用し早期に損傷してしまうと
の欠点を有する。

また、実公昭４６−３１４９５号公報に開示される如く
、短枠のガイド溝内に強く接触しながら摺動するように
構成した滑子がある。

この滑子はガイド溝との間に大きな摩擦を発生させて摺
動を抑制することができるので前記の滑子と違ってスト
ッパに衝撃的に当接することがなく各部品の昇期損傷を
防止できる。

しかし、その反面窓の開閉が重くなるとの欠点を有する
。

また、この滑子の構造は滑子片・コイルスプリング・ハ
ウジング等の多数の部品の組み合わせから成り、構造複
雑で大型となるから滑子取付空間が相当大きくなってし
まうので辷り出し窓にしか使用できないと共に、部品が
多く構造が複雑であるから生産性が悪くコスト高となる
との欠点を有する。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであり、その目
的は何ら特別な注意をせずに衝撃なく開き窓を開放でき
ると共に、１種の開き窓だけでなく他の開き窓にも利用
できるようにした開き窓の滑子を提供することである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

一対の短枠１，１と上枠２と無目３とより方形状に枠組
みされた上部窓枠４には窓体５が開閉可能に取付けられ
、前記一対の短枠１，１と無目３と下枠６とより方形状
に枠組みされた下部窓枠７には障子戸８，８が引き違い
に嵌め込んである。

前記各短枠１は建物９の取付用開口内側面１０に取付け
られる内側壁１ａと取付用開口外側面１１に取付けられ
る室外側壁１ｂと室内側壁１Ｃとを備え、該内側壁１ａ
には室内・外ガイド壁１２．１２が間隔を有して内向に
一体形成されて内向に開口したガイド溝１３を形成して
いると共に、前記室内側壁１Ｃの室外側面１ｃ’には室
外側に開口した略コ字状の気密材取付溝１４が一体形成
され、該取付溝１４には竪気密材１５が嵌合取着しであ
る。

前記窓体５は一対の短根１６，１６と上框１７と下框１
８とより方形状に枠組みされた枠組体１９内にガラス２
０を嵌め込み取付けた形状であり、各竪框１６と上框１
７との接合隅角部には直角に折曲した取付金具２１がそ
れぞれビス止めしである。

該取付金具２１には支軸２２が前記短枠１と相対向して
設けられ、該支軸２２には前記ガイド溝１３内に摺動自
在に嵌合する滑子２３が揺動自在に取付けである。

２４は各短枠１の内側壁１ａと各短根１６とに亙り枢着
したアームであり、窓体５をその下框１８が室外側に押
し開き開放できるように支持している。

前記滑子２３は中央部に軸孔等の枢支部２６（以下軸孔
２６とする）を有する本体２７の一側に当該軸孔２６の
軸線と平行な滑動面２８を形成し、前記軸孔２６を境と
して該滑動面２８と反対側に板状のスプリング部２９を
形成した構造である。

すなわち、本体２７の反対側は薄肉板状で円弧状に彎曲
して板状のスプリング部２９を形成している。

しかして、窓体５をその下框１８が室外側に突出するよ
うに押し開くと滑子２３はガイド溝１３に沿って下方に
摺動し、ガイド溝１３の所定位置に設けたストッパ３０
に当接して窓の開き量を規制する。

また、窓体５の下框１８を室内側に引き寄せると滑子２
３はガイド溝１３に沿って上方に摺動して窓体５はその
下框１８、一対の短根１６，１６が上部窓枠４の無目３
、一対の短枠１，１（竪気密材１５）に密着して窓は閉
じる。

また、滑子２３は本体２７の一側に滑動面２８を形成し
、他側に板状のスプリング部２９を形成した構造である
から、滑動面２８、スプリング部２９が一対のガイド壁
１２，１２の内面１２ ａ 、１２ ａに摺接しながら
摺動するために適度のすべり摩擦が生じる。

したがって、窓の開き運動中ガイド溝１３と滑子２３と
の間には適度なすべり摩擦が生じて滑子２３がストッパ
３０に激しく衝突することがなく滑子２３、ストッパ３
０、ガラス２０等の各部品が早期に損傷することがない
。

また、滑子２３は前述のように軸孔２６を本体２７の軸
孔２６の両側に滑動面２８と板状のスプリング部２９と
を形成しただけの簡単、かつコンパクトな構造である。

したがって、滑子２３は狭い取付スペースに設けること
ができ、構造上の理由から滑子２３の取付スペースの狭
い内倒し窓、外倒し窓及び滑子２３の取付スペースの広
い辷り出し窓にも共通して滑子２３を用いることができ
ると共に、滑子２３を構成する部品の数が少なくて良く
構造簡単・安価な滑子となる。

また、図示の実施例では、滑子２３はスプリング部２９
が室内側ガイド壁１２の内面１２ ａに接し、滑動面２
８が室外側ガイド壁１２の内面１２ ａに接するように
してその軸孔２６を前記支軸２２に嵌合取付けしである
ので、窓を第８図矢印イ方向に開く時には滑子２３はス
プリング部２９の作用によって本体２７の滑動面２８が
室外側ガイド壁１２の内面１２ ａに摺接しかつスプリ
ング部２９が室内側ガイド壁１２の内面１２ａに摺接す
るのですべり摩擦が著しく大となる。

したがって、窓の開き運動中には滑子２３とガイド溝１
３との間に大きなすべり摩擦が生じ開き運動に制動がか
かるので何ら注意することなく窓を開いても滑子２３が
ストッパ３０に衝突することがなく、滑子２３、ストッ
パ３０、ガラス２０等の各部品が早期に損傷することを
より一層確実に防止できる。

また、窓を第８図矢印口方向に閉鎖する時には窓体５に
加わる力によって滑子２３のスプリング部２９は室内側
ガイド壁１２の内面１２ ａに強く押しつけられるので
スプリング部２９が撓み、滑動面２８が室内側ガイド壁
１２の内面１２ ａより離隔するためすべり摩擦が小と
なる。

したがって、窓の閉鎖運動中には滑子２３とガイド溝１
３とのすべり摩擦が著しく低減し、軽い力で窓を閉鎖す
ることができる。

なお、前記滑子２３は金属製、ポリエチレン等の合成樹
脂製としても良いが、合成樹脂製とすれば短枠１のガイ
ド溝１３の摩擦防止効果を奏するとともに、構造が簡単
であるから射出成形により製造できるので低コストで能
率良く生産できる。

なおまた、スプリング部２９を他の本体部分と別体に構
成しこれらをビス等で結合固定して滑子２３としても良
い。

このように構成すれば、スプリング力を任意に選定でき
、スプリング力を特に強くしたい場合などに好都合であ
る。

第９図、第１０図は本考案に係る滑子２３を内倒し窓に
用いた実施例を示すもので、第９図は窓を閉鎖した状態
の横断面図、第１０図は開いた状態の概略側面図であり
、アーム２４はその一端が竪框１６にビス止めした取付
金具４０に軸４１を介して揺動可能に連結され、他端に
はガイド溝１３に摺動自在に嵌挿された滑子２３が支軸
２２を介して揺動自在に取付けである。

また、滑子２３はスプリング部２９が室外側ガイド壁１
２の内面１２ ａに接し、滑動面２８が室内側ガイド壁
１２の内面１２ａに接している。

これは前記の第１実施例と同様に窓を軽い力で閉鎖でき
、窓を開放する時には滑子２３がストッパ３０に衝突す
ることを防止できるようにするためである。

また、気密材取付溝１４は室内側ガイド壁１２の室内側
面１２ｂに一体形成されている。

なお、他の部材の形状は前記の実施例と同一であるから
符号を同一として説明を省略すると共に、滑子２３の作
動も同一であるから説明を省略する。

なお、以上の各実施例では枢子部２６を軸孔としたが、
これに限るものではなく本体２７に軸を設けて枢子部２
６とし、その軸を取付金具２１に形成した軸孔に回転自
在に嵌合取付けるように構成しても良い。

本考案は以下のようになり、何ら特別な注意をせずに衝
撃なく開き窓を開放できると共に、辷り出し窓等の１種
類の開き窓だけではなく内倒し窓・外倒し窓等の他の開
き窓にも利用できる滑子となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１図は全体
正面図、第２図はそのＩＩ −ＩＩ線横断面図、第３図
は要部の斜視図、第４図は滑子の斜視図、第５図は正面
図、第６図、第７図はそのＶＩ −ＶＩ線、ＶＩＩＶＴ
Ｉ線断面図、第８図は滑子の動作説明用の第２図Ｖｌｆ
−Ｖｌｉｉ線断面図、第９図は本考案の滑子を内倒し窓
に用いた場合の横断面図、第１０図はその概略側面図で
ある。 ２６は枢子部、２７は本体、２８は滑動面、２９はスプ
リング部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に枢子部２６を有する本体２７の一側に該枢子部
   ２６の軸線と平行な滑動面２８を形成し、該枢子部２６
   を境として該滑動面２８の反対側に板状のスプリング部
   ２９を設けてなることを特徴とする開き窓の滑子。