JPS5841208B2 - 天秤吊り型トロリ線直接吊架装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気車等に給電するトロリ線の支持装置、特
に天秤吊り型トロリ線直接吊架装置に関するものである
。

トロリ線の吊架方式の１つに直接吊架方式が知られて（
゛る。

この直接吊架方式は、吊架線を使用せず、電気車の走行
路に沿って所定間隔で設けた例えばスパン線ビームや支
持柱等の支持物からハンガイーヤにより直接にトロリ線
を把持吊下げるものであり、構造簡単で建設費が安くな
る利点がある。

しかしながら、この種直接吊架方式によると、トロリ線
はその支持点間での弛みと高低変化が大きくなってしま
うばかりか、その支持点が大きな硬点となってしまう。

そのため、トロリ線に異常摩耗が発生してしまうばかり
か高速領域での集電が不可能である欠点があった。

本発明は、このような事情に鑑み、直接吊架方式におい
て、支持点の硬点を小さくし、かつ支持点でのトロリ線
が幾何学的に滑らかに湾曲し得るようになし、もって高
速領域の集電を行い得る直接吊架装置を提供するもので
ある。

これを第１図〜第４図に示した一実施例に基づき説明す
る。

図におち・て１は本発明になる天秤吊り型トロリ線直接
吊架装置を示し、これは図示していないが電気車の走行
路に沿って所定間隔で取付げられる。

この吊架装置１は、例えば支持柱に取付けた碍子２に支
持金具３を介して回動自在に吊下げた天秤アーム４を有
する。

天秤アーム４は例えば全長３ｍ〜６ｍのアルミニウム製
の箱枠状とし、その両端及び中間部には図示するように
イーヤ５を所定間隔、例えば０．５〜１ｍ間隔で取付げ
、このイーヤ５でトロリ線６を把持し支持している。

イーヤ５は、第２図に示すように例えばコイル状のスプ
リング７を介して天秤アーム４に取付げである。

この取付構造は図示する如く、天秤アーム４０所定部に
スプリング７を収納し、このスプリング７の中間部にイ
ーヤ５の上端を係止させ、スプリング７０反発力により
、トロリ線６を引上げ支持するようにしである。

各イーヤ５に取付けた夫々のスプリング７は、そのバネ
定数を選定し、その引上げ力が天秤アーム４の中間部で
犬となり両端に向って逓減するようにしである。

特に実施例では引上げ支持されたトロリ線６が第３図に
示すようなカテナリ曲線をもって湾曲するようにスプリ
ング７の各バネ定数を選定しである。

第３図に東トロリ線６が各スプリング７により引上げら
れたときの湾曲状態を示し、曲線ＢＤＣは天秤アーム４
内の湾曲形態、曲線ＣＢはこの天秤アーム４と他の天秤
アーム（図示せず）との中央部迄の湾曲形態を示す。

曲線ＢＤＣは上向きのカテナリ曲線、曲線ＣＥは下向き
のカテナリ曲線で、曲線ＢＤＣの両端ＢおよびＣの正接
はこれと連続する曲線筒の正接と等しく、例えば曲線Ｂ
ＤＣの右端Ｃの正接を曲線ＣＥの左端Ｃの正接と等しく
しである。

即ち、曲線ＢＤＣの軌跡をＺ（、、）とし、曲線ＣＥａ
Ｙ ａＺ の軌跡をＹし）としたときＣ−〕 ＝（−）ａＸ ｃ
ａＸ Ｃ となるようにしである。

またトロリ線６をち第４図に示すように、断面縦長の鋼
帯８をアルミニウム９で被覆した複合トロリ線としであ
る。

尚、本実施例ではトロリ線６を引上げる手段と４して、
イーヤ５と天秤アーム４との間にコイル状のスプリング
７を介して行ったが、これに限らなＬ・。

要はトロリ線を引上げ支持する際の引上げ力が天秤アー
ムの中間で犬となり、両端に向って逓減するように構成
されてＬ・ればよも・。

次に第５図〜第８図に示した他−の実施例につち・て説
明する。

第５図に示した実施例は、第１図〜第４図に示した実施
例におけるトロリ線６を引上げる手段として、格別なス
プリング７を使用することなく、天秤アーム４にバネ性
を具備させたものである。

この天秤アーム４は、撚線、可撓性パイプ等のバネ性材
からなり、これを複数本、図示するように多段的に組合
せ、その全体的なバネ定数が中央部を犬とし、両端に向
って逓減するように構成し、トロリ線６が第３図に示す
ような形態で引上げ支持されるようにしである。

また図にお〜・て１０は天秤アーム４０両端部に取付け
た例えば０．４〜０．８７？Ｚの長さを有する剛性材を
示し、この剛性材１０には、少なくても２個所以上にイ
ーヤ５′を設けてなり、このイーヤ５′でトロリ線６を
強固に把持してなる。

このような剛性材１０を設けることによりトロリ線６が
引上げ支持されカテナリ曲線に湾曲した際、天秤アーム
４内のカテナリ曲線と、この天秤アーム４と他の天秤ア
ーム（図示せず）との間のカテナリ曲線との渉りが滑ら
かとなる。

またトロリ線６が摩耗した際、この剛性材１００部分が
引留機能を呈する。

即ち天秤アーム４部分のトロリ線６が摩耗した際、この
部分のトロリ線６に負荷されて〜・た張力が、剛性材１
０の部分に分担され低下する。

従ってこの部分の摩粍恨度を高くでき、またトロリ線６
の摩耗の大きい天秤アーム４の中央部分の断線の危険性
を低下し得る等の利点がある。

第６図は、第５図に示した天秤アーム４を平板バネを複
数枚重合して構成した例を示す。

第７図は第６図に示した天秤アーム４を所謂重ね板バネ
状とすると共に、その両端の剛性材１０を省略して構成
した例を示す。

第８図は、第６図に示した天秤アーム４を支持した支持
金具３の上端にスプリング１１を介接し、パンタグラフ
等の集電体（図示せず）の通過時に発生する異常な押圧
力を緩和し、また集電体通過時に天秤アーム４を少し傾
げ、これにより集電体が滑らかに通過し得るようにしで
ある。

しかして本発明天秤吊り型トロリ線直接吊架装置によれ
ば、中央部を支持金具で回動自在に支持した天秤アーム
にイーヤを取付げ、このイーヤを介してトロリ線を引上
げ支持するようにすると共に、この引上げ力を天秤アー
ムの中間部を犬とし、両端に向って逓減するように構成
したので、トロリ線は幾何学的に滑らかに湾曲して支持
される。

従って、トロリ線の弛みが小さくなると共に高低変化が
少くなり、パンタグラフ等の集電体はこれを滑らかに通
過でき、しかも集中的な硬点を作らなＬ゛ので、トロリ
線の異常摩耗がなくなる。

更にトロリ線の天秤アーム部の張力と、これに連続する
他の部分との張力差がなくなり、波道伝播の連続性を確
実に保ち得るので、高速領域での集電が可能となる。

そのうえ、天秤アームは回動自在に支持されてＬ・るの
で、これが集電体の押上げに応じ回動傾斜するので、前
記引上げ力に基づく効果とあＬ・まつて集電体は一層滑
らかに通過できるばかりか高速領域での集電をスムーズ
に行Ｌ・得る等の効果を奏し、所期の目的を達し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明天秤吊り型トロリ線直接吊架装置の一実
施例を示す正面図、第２図は同要部断面図、第３図はト
ロリ線の引上げ支持状態を説明する説明図、第４図はト
ロリ線の一例を示す断面図、第５図〜第８図は本発明天
秤吊り型トロリ線直接吊架装置の他の実施例を夫々示す
正面図である。 ３・・・・・・支持金具、４・・・・・・天秤アーム、
５・・・・・・イーヤ、６・・・・・・トロリ線、７・
・・・・・スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中央部を支持金具で回動自在に支持した天秤アーム
   と、該アームの両端部と中間部とにイーヤを取付け、該
   イーヤを介してトロリ線を引上げ支持してなり、前記引
   上げ力を、天秤アームの中間部が犬となり、両端部に向
   って逓減するように構成したことを特徴とする天秤吊り
   型トロリ線直接吊架装置。