JPS5832987Y2 - 天秤吊り型トロリ−線直接吊架装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天秤吊り型トロリー線直接吊架装置に関するも
のである。

電気鉄道のトロリー線の吊り方として、第１図及び第２
図Ａ、Ｂ、Ｃに示す如き直接吊架方式がある。

図において、１はトロリー線、２は直接吊架装置である
。

このような直接吊架方式は、建設費が他のメツセンジャ
ーワイヤーを用いる吊架方式に比べて安い利点がある。

しかしながら、この方式の場合は、各直接吊架装置２に
よる吊架点が大きな硬点となってトロリー線１の摩耗が
大きく、また吊架点間でのトロリー線１のたるみと高低
差が大きく離線率が大きい等の理由で低速用として駅構
内でのみ使用され、高速用には適しない欠点があった。

特に、第２図Ｃの逆Ｖ吊りの場合は、第３図に拡大図と
して示すように逆Ｖ字状の・・ンガー３とその両端のイ
ヤー４とで吊られるので、吊架点での押上げが可能とな
り１．速度性能が向上するが、他の欠点はそのｌ＼であ
る。

最近、本出願人は、トロリー線の断線対策、耐摩耗性の
向上、耐熱性の向上（火災時に溶断しにくい）等を目的
として、第４図に示すような鋼帯５にアルミ被覆６を被
せて一体化した鉄−アルミ複合トロリー線（以下、ＴＡ
トロリー線と称する。

）７は開発した。

このようなＴＡトロリー線Ｔば、軽量のため波動伝播速
度が大きくとれるので、従来の銅系のトロリー線に比べ
直接吊架方式でも高速集電ができる。

しかしながら、従来の直接吊架装置２では、前述したよ
うな欠点が発生するので、折角のＴＡトロリー線Ｔの利
点が生かされない。

例えば、第３図に示すような逆Ｖ吊りの直接吊架装置２
でＴＡ）ロリー線Ｉを吊架した場合には、ハンガー３に
大きな張力がかかつているため、第５図Ａに示すように
して電車８の集電装置９が直吊ジ装置２に向って進行し
てくると、第５図Ｂに示すように直吊架装置２の下では
ＴＡ）ロリー線Ｉは図示のような動きとなり１高速集電
が困難となる。

本考案は、直接吊架方式であジながら高速集電が可能と
なる天秤吊す型トロリー線直接吊架装置を提案したもの
で、以下図面に示した実施例を参照して詳細に説明する
。

第６図に示すように本実施例の天秤吊り型トロリー線直
接吊架装置は、碍子１０に支持金具１１を介して鉛直面
内で回転自在になるように吊下げ支持された天秤アーム
１２を有する。

この天秤アーム１２の長さは、例えば２ｍ程度とする。

天秤アーム１２０両端には、ピン１３．１３にてバネ・
・ンガー１４，１４の上端が鉛直面内で回転自在に支持
されている。

各バネ・・ンガー１４．１４の下端にはそれぞれイヤー
４，４が鉛直面内で回転自在にピン１５．１５にて支持
されている。

各イヤー４，４には例えばＴＡトロリー線１が支持され
ている。

また、バネ・・ンガー１４．１４としては、コイルスプ
リングや撚線体などからなるバネ本体の両端にヒンジ構
造を具備させたものからなる。

第１図はこのような本考案の直接吊架装置２を用いたト
ロリー線１の直接吊架方式の実施状態を示したものであ
る。

即ち、この直接吊架方式に釦いては、トロリー線Ｔの布
設系路に沿って支柱（資）を立設し、この支柱３０かも
張り出した支持アーム３１に本考案の天秤量シ型トロリ
ー線直接吊架装置２をメツセンジャーワイヤーを介さな
いで直接支持させ、この装置２にトロリー線７を支持さ
せる。

このようにすると、メツセンジャーワイヤーを張る必要
がなくなう、資材及び工事費共にコストの低減を図るこ
とができる。

また、天秤量シ形式にし、且つノ・ンガー１４にばね性
をもたせると、第８図及び第９図に示すように電車の集
電装置９が進行した場合、支持点（イヤー）間でトロリ
ー線Ｔの張力を変えることなく支持点下の押上げが可能
になり、支持点付近のトロリー線Ｉが滑らかな曲線とな
る。

このため支持点付近での離線が大幅に減少し且つ支持点
付近での異常摩耗がなくなる。

以上説明したように本考案に係るトロリー線直接吊架装
置は、天秤吊り形式にすると共にハンガーとしてバネハ
ンガーを用いたので、支持点間でトロリー線の張力を変
えることなく支持点下の押上げが可能になり、集電装置
の通過時に支持点付近のトロリー線が滑らかな曲線をな
すようになる。

従って、支持点付近での離線が大幅に減少し、且つ支持
点付近でのトロリー線の異常摩耗がなくなる。

筐た、本考案によれば、従来の直接吊架方式の致命的な
欠点となっていた支持点間の張力の低下の問題及び支持
点下の押上げ不能の問題が前述したように解消されるの
で、直接吊架方式でも高速集電が可能となった。

これに伴って、資材及び工事費共にコストの低減を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図Ａ、Ｂ、Ｃは従来のトロリー線直接吊
架方式の各種の例を示したもので、第１図は斜視図、第
２図Ａ、Ｂ、Ｃは各側面図、第３図は第２図Ｃに示す直
接吊架装置の拡大側面図、第４図は複合トロリー線の断
面図、第５図Ａ、Ｂは従来の直接吊架装置で支持された
トロリー線が集電装置で集電を受けている状態の説明図
、第６図は本考案に係る天秤吊り型トロリー線直接吊架
装置の概略構成を示す正面図、第１図は本考案の直接吊
架装置による直接吊架方式の実施状態の斜視図、第８図
及び第９図は第６図に示す直接吊架装置で支持されたト
ロリー線が集電装置で集電を受けている状態の説明図で
ある。 ２・・・・・・直接吊架装置、４・・・・・・イヤー、
Ｔ・・・・・・トロリー線、１０・・・・・・碍子、１
１・・・・・・支持金具、１２・・・・・・天秤アーム
、１３・・・・・・ピン、１４・・・・・・バネハンガ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部が支持金具で回転自在に支持された天秤アームと
   、前記天秤アームの両端にバネハンガーを介して支持さ
   れたイヤーとを具備して成る天秤吊り型トロリー線直接
   吊架装置。