JPS5839807B2 - テトラフルオロエチレンのテロメル化反応方法 - Google Patents

テトラフルオロエチレンのテロメル化反応方法

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JPS5839807B2
JPS5839807B2 JP54113640A JP11364079A JPS5839807B2 JP S5839807 B2 JPS5839807 B2 JP S5839807B2 JP 54113640 A JP54113640 A JP 54113640A JP 11364079 A JP11364079 A JP 11364079A JP S5839807 B2 JPS5839807 B2 JP S5839807B2
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reaction
tfe
tetrafluoroethylene
isopropanol
telomerization
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晃 大森
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Daikin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はテトラフルオロエチレンのテロメル化反応方法
、特にテトラフルオロエチレンとイソプロパツールのテ
ロメル化反応により、一般式:〔式中、nは1以上の整
数を表わす。
〕で示されるフルオロアルカノールのうち、比較的低重
合度のものを製造する方法に関する。
テトラフルオロエチレン(以下「TFE」と略記する。
)とアルカノールのバッチ式テロメル化反応によってフ
ルオロアルカノールを製造する方法として、従来、米国
特許第2,559.628号明細書、同第2,562,
547号明細書等に記載の方法が知られている。
上記米国特許第2,559,628号明細書によれば、
イソプロパツール120部とベンゾイルパーオキサイド
15部を高圧反応釜に入れ、更にTFE50部を加えた
後、110’Cで9.5時間撹拌反応させ、18部の水
不溶性の液体と融点210℃のワックス状固形物とを収
得しており、この液体はTFEとイソプロパツールとの
反応比が3/1以上の成分(すなわち前記式〔I〕でn
≧3の化合物)を含んでいる。
したがって固形物のTFE/イソプロパツール反応比は
さらに高い。
最近、TFEとイソプロパツールから生成するテロマー
のうち、前記式CI)中、n < 3の低分子量テロマ
ーアルコールのメタクリル酸またはアクリル酸エステル
のポリマーは、屈折率が低いという特性を有しており、
ポリメタクリル酸メチルを芯材とする光伝送繊維の鞘材
として用いられ、また単独で感放射線レジストとして用
いられる為、需要が増している。
しかしながら、前記米国特許明細書に記載された方法で
TFEとイソプロパツールのテロメル化反応を行った場
合、生成するテロマーの分子量分布が広いため、所要の
低分子量テロマーに加え、工業的に無価値なn≧3の高
分子量テロマーが必然的に副生じ、工業的に不利を免れ
ない。
本発明者らは、従来のTFEとインプロパツールのバッ
チ法によるテロメル化反応を種々検討した結果、オート
クレーブ内に最初に仕込むTFEとインプロパツールの
モル比を小さくシ、且つ反応温度を高くすることにより
、ある程度まで生成テロマーの平均分子量を低下させ得
ることを見出した。
しかしながら、この場合でもなおEiTltりの量のn
≧3のテロマーの生成を免れない。
しかも、高分子量テロマーの生成を抑制するためにTF
Eとインプロパツールのモル比を更に小さくすると、1
バッチ当りのテロマー得量が低下するため工業的に著し
く不利となる。
W 、 T 、 Lin et al :Ko Fe
n Tsu TungHs u n (高分子通訳)1
.L 363〜369(1964)には、TFEとアル
カノールのバッチ法によるテロメル化反応において、酸
化バリウムまたは酸化マグネシウムを存在させると、反
応速度とテロマーの全収量を増大させるとともに、生成
するテロマーの平均分子量を低下させる効果があること
が記載されている。
しかし、この方法によってもなおn≧3のテロマーが全
テロマー巾約10φ以上の割合で生成することを免れ得
ない。
すなわち、このような添加物の使用によっても従来のバ
ッチ法を用いる限り高分子量成分の生成を抑えることは
極めて困難である。
一方、特公昭42−20782号明細書には、TFEと
メタノールとのテロメル化反応において、バッチ法の代
りに、TFEとメタノールとを一定割合で細長い反応塔
の一端に連続的に導入し、同時に他端から反応生成物を
連続的に取り出す製造方法が記載されている。
しかし、ここに記載された実施例によると、得られるテ
ロマー濃度が10多程度と低く、加えて生成テロマーの
平均重合度がきわめて高くなり、低分子量成分の生成量
も極めて少ない。
本発明者らは更に研究を進めた結果、TFEとインプロ
パツールを反応系内に最初から仕込むバッチ法あるいは
TFEとインプロパツールとを同時にかつ連続的に仕込
む連続法の代りに、重合開始剤を含むイソプロパツール
中にTFEを逐次導入することにより、n≧3の実質的
に無価値なテロマーの生成を抑制し、n < 3の有用
なテロマーを有利に得る方法を見出した。
すなわち、本発明は、テトラフルオロエチレンとイソプ
ロパツールのテロメル化反応によって。
で示されるフルオロアルカノールを製造するにあたり、
反応系内にテトラフルオロエチレンを連続的に導入する
ことにより、前記一般式においてn≧3の生成物の生成
を抑制し、n < 3の生成物を主としたテロマー混合
物を得ることを特徴とする、テトラフルオロエチレンの
テロメル化反応方法を要旨とするものであり、特に重合
開始剤を含むイソプロパツール中に40〜150℃の温
度でTFEとメタノールの分圧の比が60/1〜1/1
0であり且つ反応系の全圧力が1〜1lky/iゲージ
(以下圧力は全てゲージ圧である。
)、とくに第1図中ABCDEで囲まれた全圧力および
温度条件となるようにTFEを逐次導入してTFEとイ
ソプロパツールのテロメル化反応を行うことにより、所
期の目的を好適に達成するものである。
本発明の利点は、従来のバッチ法と比較して、第一に反
応を円滑且つ安全に行えることにある。
すなわち、従来のバッチ法では反応すべきTFEの全量
を最初から反応器中に添加し、更に反応を100〜25
0℃の温度で行うため、反応圧力は数十〜100 kg
/cr?iにも達する。
更に反応熱によって温度が上昇してテロメル化反応が加
速されるため、往々にして反応が暴走し、爆発すること
もある。
これに対し、本発明の方法では、低圧でしかもTFEを
逐次添加するため、反応容器の耐圧力もバッチ法のそれ
に較べて低いものを使用することが出来、反応速暇の調
節も容易で安全に操業しうる。
第二の利点は、生成するテロマーの平均分子量を170
〜210の範囲で、自由且つ容易に調節することができ
、更に工業的に無価値なn=3のテロマーの生成を極め
て低く押えることができることである。
本発明方法を実施するには、通常、撹拌機付きオートク
レーブに所定量のイソプロパツールと重合開始剤を入れ
、容器内の空気を真空ポンプで排除してから所定の温度
に加熱し、TFEを所定の圧力になるように逐次導入す
ることによって、円滑且つ危険なくテロメル化反応を行
うことができる。
重合開始剤としてはラジカル発生剤であってTFEに対
しテロゲン的に作用しないものなら何でもよいが、普通
、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物ある
いはジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
t−ブチルパーオキシドのような過酸化物が好適であり
、テロメル化反応温度に応じて適宜に選択、使用する。
本発明方法を効果的に実施するためには、反応温度と圧
力の条件が添付図面の第1図のABCDE線内にあるこ
とが望ましい。
上記の如く、本発明方法によってTFEとイソプロパツ
ールから有用なテロマーを選択的に得ることができるよ
うになったが、該方法においてテロマ収率を上げるため
反応時間を延長すると反応時間の経過と共に反応速度が
逐次低下して行く。
この場合、重合開始剤は温度一時間の関係から尚反応系
内に充分な量が残存していると考えられるにも拘らず、
反応速度が逐次低下することについてその原因を検討し
たところ、理由は明らかではないが反応の進行につれ系
内のpHが逐次低下することおよびとのpHの低下につ
れて反応速度も低下することが判った。
すなわち、反応初期におけるpHは6程度であるが、反
応の進行につれて逐次低下し、3程度まで低下すると、
反応速度にも明らかな低下が認められる。
この場合、反応系内に例えば水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムを添加し中性にすると再び反応速度は初期速度
に近い値となり、再び反応を継続できることが判った。
それ故、本発明の方法に従ってTFEとイソプロパツー
ルのテロメル化反応により有用なテロマーを得る場合、
反応の進行につれて反応系内に生成蓄積する酸性物質を
除くため、反応系内に受酸剤を存在せしめるのが望まし
い。
受酸剤としては、TFEのテロメル化反応を阻害せず酸
を除きうる物質であれば何でもよいが、特にアルカリ金
属(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属
(例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム)および
亜鉛の酸化物、水酸化物および炭酸塩ならびに水酸化ア
ンモニウムおよび炭酸アンモニウムのような無機化合物
が好適である。
酢酸ナトリウムのような有機弱酸塩も本発明の受酸剤と
しての効果を有するが、酢酸などはそれ自身がTFEの
重合におけるテロゲンとなり得るので、生成テロマーを
不純化する恐れがある。
これらの受酸剤は、TFEとイソプロパツールのテロメ
ル化反応において、反応開始後反応速度が低下し始めた
時点に、インプロパツールあるいはH(CF 2 CF
2 ) nC(CH3) 20H(n=1〜2 )のよ
うな反応原料あるいは生成物に溶解あるいは懸濁して反
応系に添加してもよいし、また反応前にイソプロパツー
ル中に添加しておいてもよいが、操作上は反応開始前に
添加しておくのが便利である。
受酸剤を反応前に添加した場合、一般に初期テロメル化
反応速度には特に目立った影響は認められないが、添加
しない場合に較べると著しく長時間にわたって反応を継
続させることができ、テロマーの収率を実質的に向上せ
しめることとなる。
通常、イソプロパツール可溶の受酸剤はイソプロパツー
ルに溶解して使用し、インプロパノール不溶の受酸剤は
イソプロパツールに懸濁させて使用する。
この場合受酸剤は粉末あるいは顆粒のいずれでもよいが
、できるだけ粒度の小さい比表面積の大きいものを用い
るのがよい。
受酸剤の添加量はイソプロパツール1モルに対し4X1
0−5〜4X10−3モル程度の割合で使用されてよい
が、2X10 ’〜2X10 ”モルの範囲が望ま
しい。
本発明において、反応系内に受酸剤を添加することによ
り、添加しない場合に較べ、反応時間を延長し、テロマ
ーの得量を増大させることになるが、一般にテロマーの
得量が増大するに従って、生成テロマーの平均分子量は
やや増大する傾向が認められる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明方法を更に具
体的に説明する。
実施例 1 撹拌機付21のガラス製オートクレーブに、インプロパ
ツール700.9.反応開始剤として1−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノネート7.5gおよび炭酸カ
ルシウム2gを加え、撹拌しながらイソプロパツールが
沸騰するまで減圧する。
その後、直ちにTFEを加えて常圧にする。
この減圧およびTFE注入の操作を3回縁7り返した後
、TFEを0.5 kg/cr?t G程度まで加えて
から加温を始める。
オートクレーブ内の温度が80℃に達したら、圧力が6
kg/ciLGとなるまでTFEを加えることにより加
圧する。
次いで、圧力が1 kg/crFJEr低下する毎にT
FEを導入して元の圧力(8kg/ff1G)を維持す
る。
この操作を100回繰、り返した後、反応を停止し、室
温まで冷却して未反応のTFEを放出し、1300gの
フルオロアルコールを含むイソプロパツールを回収した
得られたフルオロアルコールハ、一般式: を有し、n数の分布は、ガスクロマトグラフにより分析
したところ、次の様であった。
n=1 81.7重量φ n=2 16.0重量φ n=3 2.2重量多 n = 4 0.1重量多 n = 5 実施例2〜6および比較例1 実施例1と同様の方法により、第1表に示す反応温度お
よび反応圧力の下でTFEおよびイソプロパツールのテ
ロメル化反応を行なった。
得られたフルオロアルコールのn数の分布を第1表に示
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法実施に際して採用されるべき好ま
しい反応温度と圧力の範囲を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テトラフルオロエチレンとインプロパツールとのテ
    ロメル化反応によって一般式: 〔式中、nは1以上の整数を表わす。 〕で示されるフルオロアルカノールを製造するにあたり
    、反応系内にテトラフルオロエチレンを連続的に導入す
    ることにより、前記一般式においてn≧3の生成物の生
    成を抑制し、n〈3′の生成物を主としたテロマー混合
    物を得ることを特徴とする、テトラフルオロエチレンの
    テロメル化反応方法。 2 反応をテトラフルオロエチレンとイソプロパツール
    の分圧比60/1〜1/10ならびに第1図中ABCD
    Eで囲まれた範囲内の全反応圧力および温度条件下で行
    なう前記第1項記載の方法。 3 反応系に受酸剤を存在せしめる前記第1項または第
    2項記載の方法。 4 反応系に対する受酸剤の添加量が使用するイソプロ
    パツール1モルに対して4X10−5〜4XIO−3モ
    ルの範囲である前記第3項記載の方法。 5 受酸剤がa)アルカリ金属、アルカリ土類金属およ
    び亜鉛の酸化物、水酸化物および炭酸塩、b)アルカリ
    金属アルコラードならびにC)水酸化アンモニウムおよ
    び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれた化合物であ
    る前記第3項または第4項記載の方法。
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