JPS5839651B2 - アクリルケイフイルムノセイゾウホウ - Google Patents

アクリルケイフイルムノセイゾウホウ

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JPS5839651B2
JPS5839651B2 JP9418275A JP9418275A JPS5839651B2 JP S5839651 B2 JPS5839651 B2 JP S5839651B2 JP 9418275 A JP9418275 A JP 9418275A JP 9418275 A JP9418275 A JP 9418275A JP S5839651 B2 JPS5839651 B2 JP S5839651B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアクリロニトリル共重合体から溶融成形法によ
り優れた性能を有するフィルムを経済的に製造する方法
に関するものである。
アクリロニトリルを主成分とする重合体から製造された
フィルムは、優れたガス透過阻止性を有し、特に食品そ
の他ガスの存在によって変質する危険性のある物質の保
存または包装用として有用であり、近年プラスチック工
業の分野で大いに注目されるようになったが、このもの
は熱可塑性が乏しいため、その成膜、二軸延伸に種々の
困難さがあり産業用途としての見るべき発展はなかった
これまで、アクリロニトリル重合体あるいは共重合体お
よびこれらの混合物からのフィルムの成形法としては、
重合体を溶液として流延したのち、乾式または湿式法で
凝結せしめ、この凝結フィルム中に幾らかの溶媒を残し
た状態で延伸した後、さらに脱溶媒する種々の方法が提
案されている。
(特公昭35−13228.38−26582゜46−
4079.46−7458.48−27745゜49−
20695)これらの方法はいずれも工程が著しく長く
、設備に美大な費用を要する上に、重合体溶液を流延し
て凝結フィルムを得るまでの成膜工程が、通常の熱可塑
性樹脂を溶融成形法によりフィルムダイスから空気中に
押出し、引き伸してフィルムを製造する方法と比較して
著しく生産性が低いなどのためにコスト高となり、他の
熱可塑性フィルムとは製造コストの点でかなり割高とな
ることが問題であった。
また、熱可塑性を付与する十分な量の単量体とアクリロ
ニトリルを共重合させ、直接溶融成形、延伸する方法も
提案されているが、この方法で得られたフィルムはアク
リロニトリル以外の単量体成分がかなりの量を占めるた
め、アクリロニトリル重合体本来の好ましい性質、例え
ばガス、水蒸気透過阻止性、耐熱性等が損われ、物性上
のメリットが半減する欠点がある。
そのほか、有機溶媒で可塑化し、溶融成形後延伸、脱溶
媒する方法として、例えばアクリル系重合体と40〜6
50〜65重量部溶媒からなる組成物(米国特許第27
06674号)を用いる方法および65−30重量φの
ジメチルアセトアミドを含む可塑化重合体を溶融押出し
、延伸し、脱溶媒してフィルムを製造する方法(特公昭
4929946)等も知られているが、これらの方法は
前述した重合体溶液を流延して凝結フィルムを得る方法
に比較すれば設備の簡単さ、生産性の高さの点で優れる
ものの、比較的多量の溶媒を含む組成物を使用するため
、可塑物の軟化温度が低下し、成形機への供給の際、お
よび溶融押出フィルムの引取りの際の取り扱いがむずか
しくなること、延伸過程で多くの溶媒が共存するため分
子の配向度があまり上らず、また脱溶媒時にその配向の
緩和が激しく物理的性質の向上が小さいこと、脱溶媒工
程での時間、熱量を多く要し、またその過程で気泡を生
じ易いことなど、まだ多くの問題がある。
したがって、これまでアクリロニトリル系重合体から簡
単な装置および操作を用いて、経済的に良質なフィルム
を製造するための工業的に実施可能な方法の出現が、こ
の分野において大いに要望されていた。
本発明者らは、高含有量のアクリロニトリル重合体を通
常の熱可塑成形法で溶融成膜し、延伸することにより、
経済的で、しかも物理的強度、ガス、水蒸気透過阻止性
、耐熱寸法安定性、耐ボイリング性、食品衛生上の安全
性等に優れたフィルムを製造することを目的として、鋭
意研究を重ねた結果、従来二軸に延伸し、物理的強度を
発現せしめることが困難とされていた分子量約7万以下
の重合体(例えば特公昭48−27745号に記載)に
、水および環状アルキレンカーボネートからなる可塑化
助剤の量をできるだけ少なく加えて、所定の温度条件で
溶融混練して得た組成物から溶融成膜し、続いて所定の
温度条件で延伸抜脱溶媒する方法により、その目的を達
威しうろことを見出し、この知見に基すいて本発明をな
すに至った。
すなわち本発明は、(a)アクリロニトリルを85重量
φ以上含有し、且つ分子量約50000〜70000の
アクリロニトリル系重合体100重量部当り、水2.5
〜15重量部および、環状アルキレンカーボネート5〜
33重量部を加え、(b)120〜200℃の温度で溶
融混練し、組成物中の含水率を5重量係以下に減少せし
めた熱溶融組成物を(c)溶融押出してシートまたはフ
ィルムに成形し、次いで(d)前記成形物を80〜16
0℃の温度で一軸または二軸に延伸し、その後(e)緊
張状態140〜200℃の温度で前記フィルム中の有機
溶媒の量が3重量φ以下となるまで熱処理することを特
徴とするアクリル系フィルムの製造法を提供するもので
ある。
本発明法は、従来の重合体の有機溶媒溶液から流延、又
は押出法で成膜後延伸する方法、およびアクリロニトリ
ル重合体を比較的少量の有機溶媒で可塑化して溶融押出
法で成膜後延伸する方法とは、使用する溶媒の使用量が
格段に少ないことから、成膜以後の方法、条件、および
得られるフィルムの性能の点で全く異るものである。
本発明方法における熱溶融組成物は、通常の熱可塑性押
出成形機を使用して、溶融押出成形ができ、しかも溶融
時の溶融粘度が約5〜50万ポイズ(高化式フローテス
ターを用いて170℃で、ダイスL/D=1、直径1甜
の円筒ダイスを使用し、すり応力5 X 106dyn
e /Cr!の条件で測定した。
)と通常の熱可塑性樹脂と同程度若しくは、それ以上に
高く、さらに溶融状態での伸びが大きいために、フィル
ムダイスからのドラフトを高倍率で行なえるので高速で
フィルムが生産でき、さらに、溶融押出しされたゴ次フ
ィルムには、約5〜25重置板の溶媒しか含まないため
に、これを直接延伸することができ、しかも従来行われ
る25〜45重量多程度置板媒を残してなされる延伸(
特公昭48−27745)に比べて高い配向度を持つ高
強度のフィルムを製造できることが特徴である。
本発明法において使用するアクリロニトリル系重合体は
分子量が約50000〜70000を有するアクリロニ
トリルの単独重合体または85重量゛φ以上のアクリロ
ニトリルと15重重量板下のアクリロニトリルと共重合
しうるアルケニル単量体との共重合体およびそれらの混
合物である。
共重合体に含有される共重合可能な単量体としては、例
えばアクリル酸、α−クロロアクリル酸、メタクリル酸
およびアクリレート類例えばメチルメタクリレート、メ
トキシメタクリレート、エチルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、α−クロロアクリ
ル酸メチル、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド
、ビニルフルオライド、メタクリレートリル、メチレン
ゲルタロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド
、メチルビニルケトン、メチルビニルエーテル、酢酸ビ
ニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルフタ
ルイミド、イタコン酸およびそのエステル類、ビニルピ
リジン類、アルキル置換ビニルピリジン類、ビニルスル
ホン酸およびその塩、アリルスルホン酸、メタアリルス
ルホン酸およびそれらの塩類などが用いられる。
重合体は三元またはそれ以上の共重合体でも良い。
本発明方法に使用するアクリロニトリル系重合体は公知
のいかなる重合法によって製造することも可能であり、
水、有機溶媒中での乳化、懸濁、溶液重合法等が採用で
きる。
また、重合体は溶媒と均一に混合するため、できるだけ
微粒子の粉末状で得ることが好ましく、最適には水系で
水溶性の過酸化物または、これと還元剤を組合せたレド
ツク型触媒で公知の乳化重合法、懸濁重合法により重合
し、10〜100μ適度の粒子径を持った粉末の形態で
使用することが望ましい。
重合体の分子量は、得られたフィルムの強度、ガス透過
阻止性等の性能のみならず、溶融成形時の粘度と密接に
関係するが、できるだけ少量の有機溶媒で可塑化して、
通常の溶融成形法で溶融成形でき、しかも続く延伸工程
での配向効果を高めるために約50000〜70000
の分子量(ジメチルホルムアミド溶液での固有粘度値が
1.2〜0.9)を有していることが必要である。
本発明を実施する際の熱溶融組成物は、アクリロニトリ
ル重合体100重量部当り、水2.5〜15重量部およ
び、環状アルキレンカーボネート6〜33重量部を混合
し、120〜200℃の温度で溶融混練し、組成物中の
含水率を5重量φ以下に減少せしめることにより得る。
該熱溶融組成物は公知のアクリロニトリル重合体を有機
溶媒で可塑化した組成物とは、本質的に水を含む点で異
なり、また可塑化に必要な溶媒の使用量も公知の方法で
は前述した如く組成物中25〜65重量φ(重合体10
0重量部当り33.3〜186重量部)であるのに対し
、重合体100重量部当り10〜33重量部と極めて少
ない点でも異なっている。
このように、少量の有機溶媒で可塑化が可能となったの
は、水の存在が可塑化と成形途中の熱分解の防止を助け
ているためと考えられる。
本発明において使用する可塑化溶媒は、可塑化、成膜、
延伸までの工程中の蒸発、およびフィルムの発泡を防ぎ
、最後の乾燥工程で単時間、高効率で脱溶媒が可能であ
り、かつフィルムに残存した場合の安全性が高い溶媒と
して環状アルキレンカーボネート類が好適である。
アクリロニトリル重合体に対する良溶媒として一般に用
いられるジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキサイド等の有機溶媒を主成分と
して用いることは工程中での蒸発、フィルムの発泡をも
たらし不適当である。
これらの溶媒を用いた場合可塑化、成膜、延伸工程で失
われる溶媒の量は、溶媒の使用量、温度、速度等の条件
により違うが、大抵の場合、重合体に加えた溶媒のV2
〜y4の量が延伸を終えるまでに失われるため、延伸工
程での小繊維分裂化等により延伸を困難とし、また、蒸
発する溶媒の回収を全ての工程で行なわねばならない等
本発明の目的には適しない。
環状アルキレンカーボネートとはエチレンカーボネート
、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イ
ンブチレンカーボネートなどアルキル基の炭素数が2〜
6個の環状アルキレンカーボネート類の1種または2種
以上の混合物である。
また上記の環状アルキレンカーボネート類に、上記した
ジメチルホルムアルデヒド等の他の有機溶媒、および他
の極性有機溶媒、例えばプロピオラクトン、γブチロラ
クトンエチレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等を使用する有機溶媒量の72以下の範囲で
混合して使用することもできる。
アクリル重合体と可塑化溶媒および水とを均一に混合す
る方法は、通常の方法を行なうことができる。
例えば重合体粉末と上記の有機溶媒、および水を所定量
計量し、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサ−など
の高速せん断かくはん混合機により、室温から100℃
以下の温度範囲で混合する。
また、使用する水は、重合体にあらかじめ含まれていて
もよい。
該混合物は、すでにそれ自身熱可塑性を有し、通常の熱
可塑成形機で、シート、フィルムに溶融成形できるが、
大抵の場合気泡、ゲル状物を含み直接フィルムを製造す
るには適さない。
しかし、該混合物を次いで120〜200℃の温度で溶
融混練する工程を経ることにより上記の問題は一挙に解
決され、均一に練られることにより、組成物に極めて優
れた溶融成形性を与え、さらに該組成物をフィルムダイ
スを通して押出成形することにより、気泡やゲル状物の
入らない透明性、光沢性に優れた一次成形物が得られる
この溶融混練の工程の第1の目的はアクリル重合体に可
塑剤(水および環状アルキレンカーボネート)を均一に
分布させることであるが、第2の目的は、ニトリル基を
水分子を配位させることであり、さらに第3の目的は、
その水分子を除くことにある。
ニトリル基に対する水分子の配位の挙動は、例えば特開
昭48−49839号公報に詳細に記載されている。
おそらく、上記の温度範囲で溶融混練されている期間、
水分子はアクリル重合体の分子間に十分浸透し、重合体
のニトリル基に配位することによって分子間の水素結合
を解し、その分子間の間隙にアクリル重合体を溶解する
有機溶媒が均一に浸透することによって、水が揮散され
た後も水を使用しない場合に比べて高い可塑効果が発現
されるものと推察している。
水分子は溶融成形の温度に比べて沸点が低いために、た
とえ押出機の中で自発の圧力下でニトリル基に配位され
た水分子といえども、空気中に押出され、解放された状
態では沸騰状態となり、大気中に気散してしまうことが
予想され、その過程では成形品の中に細かな気泡を生起
せしめることになる。
したがって上記の混線工程を経ないで直接成形を行なう
ことは、気泡のないフィルムを得るには不適当で、溶融
混線工程で揮発しやすい水分子をできるだけ除くことも
必要である。
気泡のないフィルムを得るために、混練後に許容される
水の量は、組成物中に5重量多以下好ましくは2.5重
量φ以下にすべきで、必要ならばフィルム成形前に残存
する水を除くために100℃以下の温度で乾燥する。
上記の目的のために、溶融混線に供する配合物中に加え
る水の量は重合体100重量部当り2.5〜15重量部
の範囲で、2.5重量部以下では実質的に水を存在させ
る意味をなさず、また15重量部以上では、溶融混線の
工程を経た後も多量の水が残存するため成形品に気泡が
発生し好ましくない。
また、アクリル重合体と親和性を有する有機溶媒の配合
量は、アクリル重合体を溶融成形せしめるのに必要最少
量を用いることが好ましく、その必要量は重合体中に占
めるアクリロニトリル成分の割合、共重合成分の種類、
重合度およびその分布、末端基の構造等によって異なる
が、85重量φ以上のアクリロニトリル単位を含む重合
体に対して、重合体100重量部当り6〜33重量部で
ある。
溶融混練は押出機、混練ロール等公知の溶融混練機を用
いることができ、押出機を用いる場合には、混線過程で
蒸発する水分子を積極的に除くためにベント付きの押出
機が適する。
溶融混線の温度は、前述した理由から水分子がニトリル
基にいったん配位し、溶媒分子を重合体分子間に十分浸
透させ、その後蒸発させるに適した温度の下限120℃
と、重合体が熱により劣化し着色が激しくなる温度20
0℃の間を選ぶことが必要である。
フィルムは、上記の熱溶融組成物を通常の熱可塑成形法
により、フィルムダイスを付した押出機を通すことによ
り成形する。
溶融押出の温度は、組成物が溶融する温度約140℃と
分解により着色が激しくなる温度200℃との間に設定
することが好ましい。
この温度の範囲内では、フィルムダイスから空気中に吐
出され、引き取られたフィルムは5〜25重量φの環状
アルキレンカーボネートを含むが、気泡は全く入らない
本発明の熱溶融組成物は溶融状態での粘性の高く、また
伸びが大きいため、フィルムダイスから空気中に吐出さ
れ室温まで冷却される間で駆動ロールで引き落すことに
より吐出厚みの数分の−から数百分の一程度に引き伸ば
すことができ、その間に引き取り方向での分子配向が形
成され、縦方向の強度が高められる。
しかもこの場合、一般にアクリロニトリル重合体を一軸
方向に急速延伸して生起する小繊維分裂(fibril
lation)の現象は全く起らなく、幅方向にもかな
り強いフィルムが得られる。
フィルムダイスから引き伸ばされた上記フィルム、また
はシートは続いて延伸工程に移る。
延伸は選定した温度条件下で、フィルムの進行方向また
は、横輻方向の一軸に、または双方の直角する二軸に同
時または遂時に延伸する。
延伸の装置は、公知の延伸機が使用でき、例えば1対の
低速ロールと1対の高速ロールを有し通常4本のロール
装置からなる牽伸装置、および両端をチャックで固定し
て横方向に広がる幅出装置、および、チャックで固定し
た状態で縦方向、横方向が同時または遂時に広がる二軸
延伸装置等を延意に選択または組合せて用いることがで
きる。
本発明の望ましい方法は、上記した種々の延伸装置を用
いて引取方向に対して直角方向の横一軸または縦、横両
方向二軸に80〜160℃、特に好ましくは110℃〜
140°Cの温度範囲で、原長に対して2倍〜6倍の伸
長比で延伸することにある。
伸長の速度は通常工業的に実施しうる速度例えば100
0φ/分以上200000多/分の範囲で行いうる。
本発明法においては、前述した如く押出機からの成膜過
程で進行方向の分子配向がかなり生じるため、延伸工程
では従来のように必ずしも二軸に延伸することは必要で
なく、実用的に必要な強度の点からは、横方向の一軸延
伸のみでも充分である。
また、延伸温度はフィルム中に含有する溶媒の量によっ
て延伸性および、フィルムの機械的性質と密接に関係す
るので最適の延伸温度は個々の場合で決定されるが、一
般には80〜160℃の範囲にある。
延伸工程での溶媒の蒸発は、延伸性の低下、および延伸
装置から蒸発する溶媒回収の設備と手間等の点から極力
防止することが望ましく、本発明においては、延伸前に
含有されていた溶媒量の74以下に抑えることが必要で
ある。
所望するフィルムの厚みと、延伸の温度および速度によ
っても溶媒の蒸発量は異るが、本発明法においては例え
ば60μ程度の厚みのフィルムを130℃で5.000
〜50.000%/分程度の速度で3倍に延伸する場合
、延伸前に含有する溶媒量の×。
−Zooo程度しか蒸発しない。
延伸を終えたフィルムには約4〜25重量饅の範囲で溶
媒を含有するので、続いて該フィルムの溶媒量を3重量
φ以下、好ましくは0.5重量饅以下になるまで乾燥に
より溶媒を除く。
フィルムの乾燥は、少くとも延伸フィルムがその乾燥温
度条件下自由状態で収縮しなくなるまでの間緊張状態で
行なうことが望ましい。
収縮をほぼ止めるには、緊張状態で延伸の温度より約2
0°C程度以上高い温度、好ましくは140℃〜200
°Cの範囲で1秒〜1分程度の時間処理することが好ま
しい。
か\る時間、緊張乾燥する方法としては、例えばテンタ
一式の熱風乾燥機、または近接した加熱ドラム群からな
るドラム乾燥機などが使用できる。
一般に本発明の延伸フィルムの溶媒含有量を3重量φ以
下とするには160〜220℃の温度で約30秒〜10
分の熱風乾燥が必要である。
溶媒含有量はフィルム製品の物性および使用時の抽出移
行による安全性に重要な影響を及ぼす。
3重量係以上の溶媒を含有するフィルムは耐水性および
、フィルムの吸湿による物性低下の顕著であり本発明の
包装用フィルムとしては用途面での制約を受ける。
しかし3重量φ以下、好ましくは0.5重置板以下しか
溶媒を含まないフィルムは、実質的にそれらの影響はな
くなる。
本発明法によって作られたフィルムは強靭でかつ透明性
、ガス、水蒸気透過阻止性、耐熱寸法安定性、耐ボイリ
ング性、耐化学薬品抵抗性、電気的性質等に優れており
、そのままの形でも各種用途に使用できるが、さらに可
塑剤、滑剤、帯電防止剤、染料、顔料などを添カロする
ことによってフィルム性能を一段と向上させることがで
きる。
さらに木材、合板、アルミニウム箔あるいは他の金属板
、紙、種々のプラスチックフィルムにラミネートされた
形で使用することもでき、種々の用途をもつ有用なフィ
ルムである。
特に酸素透過阻止性が従来のフィルムの中で最も優れて
いるため食品、医薬品などの包装材料として有用である
次に実施例により本発明を説明する。
実施例 1 (a) 重合体 攪拌機、温度計、窒素入口および還流コンデンサーを付
した3007の反応釜に34kgのアクリロニトリルと
210kgの蒸溜水を仕込み、内温を48℃に昇温し、
窒素気流中で過硫酸アンモニウム300gと、重亜硫酸
ナトリウム601を加え4時間重合させ、沈澱した重合
体を済過後水洗して乾燥する。
得られた微粉末状の重合体は、28kg(収率78饅)
ジメチルホルムアミドの希薄溶液から固有粘度〔η〕を
測定した結果1.12であった。
この値からクリブバウムおよびコトレールの方程式(J
ornalof Polymer 5cience
、 32 323 C(58))を用いて推定した分
子量は66600であった。
また、重合体をジメチルホルムアミド中に溶解して重合
体の15重量係溶液を作り、溶液の24℃にお、ける粘
度(ストークス)を測定した結果880センチストーク
を示した。
(b) 重合体の可塑化 次に上記の重合体粉末(含水率0.6%)25kqを内
容積100TLlのへンシエルミキサーに投入し、エチ
レンカーボネート7、5 k、g、および水2kgを加
え、回転数180Orpmで20分混合した。
その槽内の温度は65℃まで上昇したが、粒子の融着は
生じなかった。
その後上記混合物を30關φ二軸押出機(L/D=26
)を用い、160℃の設定温度で溶融混練し、ペレッ
ト化した。
混練後のペレットは、重合体、エチレンカーボネート、
水を成分割合でそれぞれ75.2 、21.9 、2.
9重量饅含有していた。
次にこの組成物を60℃の恒温乾燥機で8時間乾燥し、
組成物中の水の割合を1.8重量饅まで減少させた。
この組成物の溶融粘度は、高化式フローテスターを用い
て、170℃で、ダイスにL/D=1、直径1關の円筒
ダイスを使用し、すり応力5 X 106dyne/−
の条件で測定して1.8X105ポイズ(1708C)
を有し、着色の少ない、溶融成形性に優れた可塑組成物
であった。
(C) 可塑化重合体のフィルム成形 上記ペレットを、コートハンガーダイスを付した30m
vtφの押出機を用いて、厚さ230μのシートに成形
した。
押出機の温度はダイス部で185℃、スクリューの圧縮
比2.5、回転数50回転、ダイスリップ出口の厚み2
nで引取比は約9倍であった。
成形されたシートはエチレンカーボネートの含有量とし
て約22係を含む、気泡のない、透明で光沢に豊む外観
を有していた。
(d) 重合体フィルムの延伸、乾燥 続いて上記の押出成形されたシートを10crIl角の
大きさでTM、Long社製の赤外線加熱方式による二
輪延伸装置にセットし、縦、横直角両方向に同時3倍の
延伸を行なった。
延伸の条件は、設定温度130℃、設定までの昇温に要
する時間70秒、延伸速度3000%/分、延伸後室温
まで冷却して固定チャックから取りはずした。
延伸の温度はこのシートの場合100〜150℃の範囲
で面積比6倍以上の延伸が可能で、最適温度の130℃
では面積比12倍までの均一な延伸ができた。
また延伸過程でのエチレンカーボネートの蒸発量は、含
有する量の約10咎にすぎなかった。
この延伸フィルムをいずれの方向にも弛緩しないように
金属フレームに固定し、強制熱風通気オーブン中で18
0°C5分間乾燥した。
最終乾燥フィルムは厚み20μで透明、光沢性に優れた
腰の強いフィルムであり、エチレンカーボネートの含有
率は約1重量饅であった。
得られたフィルムの性質を第1表に示す。
対比例として上記重合体を20重量多濃度のジメチルホ
ルムアミドの重合体溶液として、ガラス板上に厚み約1
000μの厚みでアプリケーターを用いて注型した溶液
のフィルムを62℃で約1時間部分的に乾燥し、溶媒を
約40重量係含有する厚み約300μのゲル状フィルム
となし、上記の二軸延伸装置を用いて80℃で、縦、横
直角両方向に同時3倍の延伸を行ない、続いて金属ブレ
ームに固定し、強制熱風通気オーブン中で180℃5分
間乾燥して、厚み約20μ、溶媒含有率約1重量φのフ
ィルムを得たが、その性質は第1表の対比例に示すよう
に極めて脆弱で、ガス、水蒸気の透過阻止性も本発明に
比べてかなり劣っていた。
実施例 2 実施例1に記載したと同様の方法で、レドックス触媒の
濃度を変更することにより、種々の分子量のポリアクリ
ロニトリルを作成し、水およびエチレンカーボネートの
配合割合を種々変えて押出成形性を調べて第2表の結果
を得た。
この結果から、重合体の分子量が5万以下の場合は重合
体の熱分解が起るために溶融成形が困難となること、お
よび重合体の可塑効果に水が顕著に作用し、可塑化に要
するエチレンカーボネートの使用量を重合体100重量
部当り15重量部程度減らして溶融成形できることが判
る。
次に上記の押出成形が可能となった実験番号1゜2.5
,6,8につき実施例1と同様の方法でフィルム成形、
2軸延伸、乾燥処理を行なった結果※※を第3表に示す
この結果から本発明の水を可塑化助剤に使用して少量の
エチレンカーボネートしか含まないフィルムからの延伸
フィルムは分子量が50000〜70000の範囲にお
いて、同じ分子量を有して多くの溶媒を含むフィルムか
らの延伸フィルム(実験5)および、70000以上の
分子量を有する延伸フィルム(実験6,8)と比較して
1.短い乾燥時間で脱溶媒ができ、しかも高い強度のフ
ィルムが得られることが判る。
実施例 3 水系懸濁重合法で作成したアクリロニトリル94重量宏
アクリル酸メチル6重量φからなり、ジメチルホルムア
ミド溶液での固有粘度1.10(分子量約65000に
相当)の共重合体の9%の含水率を有する半乾燥粉末1
10重量部(重合体として100重量部)とエチレンカ
ーボネート24重量部とをヘンシェルミキサーで均一に
混合後、ベントロ付二軸押出機を用いて、押出機ヘッド
の温度を165℃で溶融混練しペレット状に成形した。
該可塑化組成物は水2.0重量多置板チレンカーボネー
1−18.5重置板を有し、170℃での溶融粘度が1
.2 X 105poiseであった。
該組成物をTダイ押出成形機、ロール縦延伸機、テンタ
ー横延伸機、ドラム乾燥機の装置群からなる延伸フィル
ム製造装置を使用して延伸フィルムを製造した。
まずT−ダイ押出成形機から180℃に設定されたコー
トハンガーダイスを通して、16倍の引取比(押出され
た樹脂が成形される過程で伸びる倍率)で厚み240μ
のシートに成形された。
シートの引取速度は5m/viytであった。
次に該シートは予熱ロール、低速ロール、高速ロール、
冷却ロールの4本のロールからなる縦延伸機に移され、
3倍に縦延伸され約86μの厚みを持つ一軸延伸フイル
ムとした。
予熱、低速ロールの温度は120℃に設定し、延伸後の
速度は15m/癲であった。
※※ 続いて、予熱ゾーン
5乱、延伸ゾーン5m、熱固定ゾーン10′rrLの3
ゾーンよりなる全長20mの熱風循環室内に設置された
テンター横延伸機に移され、横方向をチャックで固定し
て3.5倍の横延伸を行った。
設定温度は予熱、延伸ゾーン130℃、熱固定ゾーン1
80℃でライン速度は15m/Wi!tであった。
引続き2軸に延伸されたフィルムは200℃に設定され
た直径125crrLのドラムが10本密接する乾燥ド
ラムを通し、エチレンカーボネートを除去し、巻取られ
た。
得られたフィルムのガス、水蒸気透過性を市販のガス透
過性の低いフィルムと対比して第4表に示し、また一般
的な性質を第5表に示す。
このことから、本発明のフィルムは従来、実用化されて
いるフィルムに比較し、プラスチックフィルムとして最
高のガス透過阻止性を有し、また一般的に相反する性質
とされる水蒸気透過性においても優れていることがわか
る。
実施例 4 実施例3の熱溶融組成物から押出成膜して、厚さ80μ
のフィルムを引取比48倍の速度(15胤/癲で得、続
いてロール縦延伸を行なわずに、直ちにテンダー横延伸
を120℃で3倍行ない実施例3と同ようにして熱固定
、乾燥して一軸延伸フイルムを得た。
一方、対比例として、上記の押出成膜を引取比144倍
(45m/mm)で行ない、26μの厚みで成膜したフ
ィルムを、延伸を行なわずに、熱固定、乾燥した無延伸
のフィルムを作成して性質を対比した結果を合せて第5
表に示す。
この結果、成膜引取時に高い倍率で引き伸すことにより
、成膜時の長さ方向の分子配向が可能となり、実質的な
延伸は横力向−軸の延伸のみでも強度的に優れ、かつ縦
方向、横方向にバランスされたフィルムが得られること
がわかる。
−万両方向にも延伸しない場合は、特に縦方向の強度が
弱く実用的なフィルムとはならない。
実施例 5 水系懸濁重合法で作成したアクリロニl−IJル88重
量饅、アクリル酸メチル12重量饅の共重合体(ジメチ
ルホルムアミド溶液での固有粘度0.96、分子量約5
5000に相当)100重量部に水7.0重量部とエチ
レンカーボネート13重量部を混合し、実施例1と同様
の方法で溶融混練し、押出成膜後、130℃で縦、横各
々3倍の2軸延伸を行ない、溶媒含有量9.6%(配合
時の85φ)で、厚み22μのフィルムを得た。
該フィルムを金属フレームで固定して200℃の熱風乾
燥機中で3分乾燥して溶媒含有量0.3多として得られ
たフィルムは、無く気泡、ゲル状物質を含まず、引張強
さ11.6に9/ma、衝撃強さ6.4に!g−CrI
L/mi 1 160℃での熱収縮率2宏酸素透過速度
0.05 c、c、mm/ m’25 hr−atmを
示す優れた美観と耐熱性強じん性を有するフィルムであ
った。
一方、上記の混合物を溶融混練することなく押出成膜し
た所、著しく発泡し、均一なフィルムを得ることはでき
なかった。
また、80重量φのアクリロニトリルと20重量φのア
クリル酸メチルからなりジメチルホルムアミド溶液での
固有粘度0.82 (分子量約45000に相当)を有
する共重合体を直接溶融成膜し、120℃で縦、横両方
向各々3倍に2軸延伸して得られたフィルムは、引張強
さ8.2kg/ma、衝撃強さ2.4kg−crfL/
mi 1.160℃での熱収縮率42%、酸素透過速度
0.12 c、c、 mrrt/yi’ ・24 h
r 。
atmを示したが、本発明のアクリロニトリルフィルム
と比較すると強じん性、耐熱性、ガス透過阻止性いずれ
にも劣り、実用的に意味のあるフィルムとはならなかっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1(a)アクリロニトリルを85重重量板上含有し、且
    つ分子量約50000〜70000のアクリロニトリル
    系重合体100重量部当り、水2.5〜15重量部およ
    び、環状アルキレンカーボネート6〜33重量部を加え
    、(b)120〜200℃の温度で溶融混練し、組成物
    中の含水率を5重量多以下に減少せしめた熱溶融組成物
    を(C)溶融押出してシートまたはフィルム状に成形し
    、次いで(d)前記成形物を80〜160℃の温度で一
    軸または二軸に延伸し、その後(e)緊張状態140〜
    200℃の温度で前記フィルム中の有機溶媒の量が3重
    量φ以下となるまで熱処理することを特徴とするアクリ
    ル系フィルムの製造法。
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