JPS5836858Y2 - 水力機械のステ−リング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水車、ポンプなど大形水力機械に釦けるステー
リング、特にそのステーベーンの構造改良に関するもの
であり、その目的は製作が容易で、しかも機械的強度が
犬なるステーリングを得ることにある。

頭記ステーリングは、上下のディスクプレートの間に跨
がり複数枚のステーベーンが周方向に並置されて構成さ
れるものであり、大形水力機械では溶接技術の進歩、お
よび分割構造にするなどの点から通常溶接構造のものが
多く採用されている。

その従来における構造を第１図ないし第４図に示す。

図において１，２は上下のディスクプレート、３はディ
スクプレート１と２の間に跨って溶接接合されたステー
ベーンである。

この溶接はステーベーン３の上下端面とディスクプレー
ト１，２との間に施され、符号Ｗがその溶接部分を示し
ている。

一方ステーベーン３は流水路内に配置されるものであり
、その流水抵抗を少なくするために。

断面形状を流線形にするようその前後域では両面を斜め
にカットして尖頭形状にされている。

図中３ａが尖頭部分域を示しており、この尖頭形状によ
りステーベー７３は第２図ａの如く流線形の断面形状に
なる。

ところで周知の如く、溶接を施すに際しては溶接箇所に
余盛が生じるが、特にステーベーン３の溶接施工の際に
は、その前後の尖頭部分域に溶接余盛が多く生じる。

一方ステーベー７３に関しては先記の如く流水抵抗を減
少させるために、その前後域では溶接部分といえども尖
頭形状にされることが要求される。

このために従来では図中にて黒く塗りつぶした部分Ｗａ
の溶接余盛域をグラインダにより恋人りに研磨し、ステ
ーベーン３自身の断面形状と同じく尖頭形状になるよう
仕上げている。

しかしながら上記のグラインダ仕上げ作業には多くの労
力、時間を要する難点がある。

加えて前記の尖頭形状によりステーベーン３は前後の尖
頭部分域３ａで断面積が縮小されることに伴なって、溶
接面の面積も前後域か中央域より小となる。

このために水圧などの外力によって溶接接合面に生じる
応力は第２図すの如く前後の尖頭部分域で犬となる。

このような応力分布の不均一は、特に水圧や外力に対し
強度的に過酷な条件にさらされるステーリングの機械的
強度の低下を招く恐れがある。

本考案は上記の点にかんがみなされたものであり、巧み
な構造でステーベーンの溶接箇所に作用する応力分布の
均一化を図って強度を向上させるとともに、溶接箇所の
仕上げ作業も簡単で製作が容易なステーリングを得よう
とするものであり、以下本考案の構成を図示の実施例に
基づいて詳細に説明する。

第５図ないし第９図において、ステーベーン３は従来と
同様に断面はＸ矩形の鋼板素材より作られている。

しかして流水抵抗を少なくするために前後域の両面を斜
めにカットして形成される尖頭部分域３ａは、ステーベ
ーン３に釦ける上下端域の付根部３ｂを除く範囲に限定
して形成されている。

従ってステーベー７３の上下中間域および付根部３ｂの
断面はそれぞれ第６図、第７図の如くである。

特に上下の付根部３ｂではその断面が鋼板素材のす１矩
形筒面となる。

上記のステーベーン３は上下付根部の端面とディスクプ
レート１゜２との間で溶接接合される。

しかもこの溶接施工に際して、付根部３ｂの前後にはデ
ィスクプレート１，２との間に符号Ｗとして示す如く肉
盛り溶接を施して、幅がステーベーン３の肉厚寸法に相
応した尖頭部４が形成される。

この尖頭部４は肉盛り溶接の後に、この溶接部Ｗをグラ
インダによる研磨作業でステーベーン３における尖頭部
分域３ａと連続して連なる面に仕上げられる。

上記の構成によれば、ステーベー７３の付根部３ａは鋼
板素材のｉｔであって、尖頭形状にカットされてない。

しかもステーベーン３の前後では積極的に肉盛り溶接を
施こすことにより尖頭部４を形成するものであるから、
従来の如く溶接施工後に長時間をかけて行う余盛の研磨
作業は不要となり、僅かに肉盛り溶接部分の表面を滑ら
かに仕上げるのみでよくその作業時間、労力は従来と較
べて大幅に軽減できる。

更にステーベーン３の付根部３ｂにおける断面積は前後
域で狭ばめられてなく長手方向の全域で同じである。

従って水圧、外力などが加わってステーベーン３とディ
スクプレート１，２との間の溶接接合面に生じる応力分
布は第７図すの如く全域で均一化される。

このことにより従来の構造と較べて機械強度が向上され
る。

上述の如く本考案の構成によれば、ステーベーンを溶接
接合した後に行うグラインダの仕上げ作業が従来と較べ
て大幅に軽減できて製作が簡易になるとともに、運転中
における水圧などの外力によりステーベーンの溶接接合
面に作用する応力分布の均一化が図れて構造的にも機械
的強度を高めることができるなど、実用的な効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来にむけるステーリングの断面図、第２図ａ
は第１図に釦ける矢視■−■断面図、第２図すは応力分
布図、第３図は第２図ａにおける矢視■−■断面図、第
４図はステーベーンの端面拡大図、第５図は本考案実施
例に基づくステーリングの断面図、第６図、第７図ａは
第５図における矢視ＶＩ−ＶＩ、■−■断面図、第７図
すは応力分布図、第８図は第５図における要部の拡大図
、第９図は第８図に卦ける矢視ＩＸ−ＩＸ断面図である
。 １．２・・・ステーリングの上下ディスクプレート、３
・・・ステーベーン、３ａ・・・ステーベーンの尖頭部
分域、３ｂ・・・ステーベーンの付根部、４・・・肉盛
り溶接で形成された尖頭部、Ｗ・・・溶接部、Ｗ・・・
肉盛り溶接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面がほぼ矩形で複数個のステーベーンを上下ディスク
   プレート間に溶接接合した水力機械の鋼板製ステーリン
   グにおいて、前記ステーベーンは水の流れ方向に対する
   前後端がディスクプレートとの接合部域を除いて尖頭形
   状であるとともに接合部域では該ステーベーンの前後端
   延長部を構成するディスクプレートとの間の肉盛溶接部
   が尖頭形状であることを特徴とする水力機械のステーリ
   ング。