JPS5836566Y2 - タイヤチエ−ンの緊締装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冬期降雪の際にタイヤチェーンを自動車のタ
イヤに装着して、緊締する時に使用されるタイヤチェー
ンの緊締装置に関する。

従来のこの種緊締装置は大別すると二種類ある。

その一つは中央部に環状等の支持体に多数のフックを具
備したもの、他の一つはタイヤチェーンの一側方（車外
方向）に多数の挿通リンクを設け、この挿通リンクに緊
締バンドを順次挿通し、その先端フックにて緊締バンド
の所定箇所に掛止めしたりするものがある。

近時後者のものがタイヤチェーンの緊締状態が良好であ
り、一度締付は巻装すると悪路等でタイヤが不規則に回
動してもタイヤチェーンが弛緩せず、はとんど脱抜しな
いことから賞用されている。

しかし緊締バンドの緊締部分の構造が複雑であり、製作
上、装着上において問題があった。

また、簡単な構造とする為コイルスプリングを採用して
いるものもあるが、構造は簡素化されている反面タイヤ
の側壁に突き当って、サイドウオール部を損傷させるお
それがあるし、車種によってはホイールキャップに摺接
し、その表面に損傷を与えることも少くなかった。

そこで本考案は、ピッチの密なコイルスプリングにピッ
チの粗なコイルスプリングを被装したスプリング体を有
する緊締バンドからなるタイヤチェーンの緊締装置を提
供し、雪中寒気の悪条件下において簡単に巻装でき、か
つタイヤチェーンの緊張状態がいかなる道路の条件下で
も弛緩することのないようにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

タイヤに装架するタイヤチェーン１の一側方（車外方向
）のサイドチェーン２に挿通リング３を適宜な間隔に多
数取付ける。

４は一端を上記挿通リング３に掛止した多数のリング９
よりなる緊締バンドであって、その他端にはピッチの粗
な大径のコイルスプリング６に内蔵せしめたピッチの密
な細径のコイルスプリング５からなるスプリング体Ａを
介してフック７が取付けられている。

尚、スプリング体Ａは車重しくは、細径のコイルスプリ
ング５が自由状態において、その両端がフック１とリン
グ９にそれぞれ取付けられ、一方大径のコイルスプリン
グ６は自由状態で、フック７とリング９との間で自在に
摺動可能とすることがよい。

このように構成すれば、緊締バンド４を緊張する際に先
ず細径のコイルスプリング５のみがある長さ！で引張ら
れ、ついで大径のコイルスプリング６と共に引張られる
ことになり、緊張当初にそれほどの力を要さないからで
ある。

また、両コイルスプリング５，６０巻方向を逆、例えば
細径のコイルスプリング５を右、大径のコイルスプリン
グ６を左とすれば、仮りに両コイルスプリング５゜６が
緊張状態で曲折しても、両コイルスプリング５．６が喰
い込むことを防止することができる利点がある。

このように構成してなる緊締バンド４を挿通リング３に
順次挿通した後、該緊締バンド４の適所に巻架し、つい
で緊締バンド４の適所にフック７を引掛けてタイヤチェ
ーン１を巻装するのである。

なお、フック７はサイドチェーン２に引掛けて使用する
ことも可能で、この場合はサイドチェーン２の緊張をよ
り犬とすることができる。

本考案は、ピッチの密な細径のコイルスプリング５とピ
ッチの粗なコイルスプリング６からなるスプリング体Ａ
を有する緊締バンド４としたので、自動車の走行中、特
に悪路等においてタイヤに加わる不規則な遠心力によっ
てスプリング体Ａがみだりに伸長されず、緊締バンド４
及びタイヤチェーン１が弛緩されて、異常な走行音を発
せず、タイヤのトレッド面、自動車のボデー、路面等を
損傷させるおそれがない。

また、本考案ではスプリング体Ａの外部をピッチの粗な
大径のコイルスプリング６としたので、タイヤのサイプ
ウオール部にゆるやかに彎曲して当接し、該部を破損さ
せるおそれが全くなく、タイヤの種類に応じて常にゆる
やかな彎曲面をスプリング体４がつくることにより、タ
イヤの寿命を著しく延ばすことができる。

更に、本考案では、前述のようにそれほどの力を要せず
簡単に引張操作ができる効果があり、オた仮りにコイル
スプリングの一方が破損することがあっても他のコイル
スプリングにて引張保持でき、危険性を回避することが
できる。

また、コイルスプリング５，６が破損しても簡単に取替
えること可能であり互換性がある。

さらに構造簡単で故障が少いなど実用上多大な効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は使用状態を示
す側面図、第２図は要部の斜視図である。 １・・・・・・タイヤチェーン、２・・・・・・サイド
チェーン、３・・・・・・挿通リング、４・・・・・・
緊締バンド、５，６・・・・・・コイルスプリング、７
・・・・・・フック、９・・・・・・リング、Ａ・・・
・・・スプリング体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タイヤチェーン１の一側方のサイドチェーン２に適宜間
   隔で多数取付けた挿通リング３の一個に、一端を掛止し
   た緊締バンド４の他端にピッチの粗な大径のコイルスプ
   リング６に内蔵せしめたピッチの密な細径のコイルスプ
   リング５からなるスプリング体Ａを介してフック７を取
   付け、上記緊締バンド４を他の挿通リング３に順次挿通
   し、前記フックＩを緊締バンド４等の適所に取外自在に
   掛止し、タイヤチェーン１を緊締するようにしたタイヤ
   チェーンの緊締装置。