JPS5835371Y2 - 渦巻き刃ボ−ルエンドミル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、切削性能がすぐれかつチップの再研摩の容易
な禍巻き刃ボールエンドミルに関するものである。

従来、エンドミルにふ・ける切刃は中心から放射方向に
直線またはそれに近い形状に形成されてかり、このため
切刃は切削に際して中心部から外周部に至るまで同一の
回転角位相で進み、かつ切屑を切刃の進行方向に押しつ
けるようにして切削することになり、このため切屑はす
（い面で圧縮され、刃先の単位長さに対し切削抵抗が大
きく、昔た切屑が溶着しやすく、チッピングの原因とも
なり、刃先の損耗が早いので鋼の高速重切削に支障があ
った。

昔た、近年被削材中に難難削材、高硬度材も多く含まれ
るようになってきてトリ、エンドミルにも超硬合金の採
用が必要となってきたが。

超硬合金の場合には一定速度以下で鋼を切削すると切骨
ないし構成刃先の圧着、脱落のために刃先が欠損すると
いう問題がある。

このためエンドミルに超硬合金を採甲すると、工具の回
転速度を高速にしても中心附近の切削速度は遅いために
、中心附近の刀先の損傷が切削能力を阻害するという現
象が起る。

さらに従来の切刃形状では鋼切削中に生成する切屑の排
出がなめらかに行なわれず、エンドミルの送り速度をあ
筐り高くできないという欠点がある。

また、チップの切刃の再研摩に際し、とくに中心部附近
の研摩に手間がか＼るという問題もあった。

本考案はこのような点に鑑み、チップの再研摩も容易で
、しかも切削性能もすぐれたエンドミルを提供すること
を目的とするものである。

以下、本考案を実施例の図面によって説明する。

エンドミルのシャンク１には一対のチップ２および３が
ろう付は等によって固着されている。

チップ２は第３図に示すように、底面視にお・いてその
始端６が回転中心附近にあって立上り部を有し、かつ回
転方向に凸なる曲線を有すると共に外周部の切刃曲線よ
り中心部の切刃曲線の方が大きな曲率をなすように構成
されている。

チップ３はその切刃５の始端５０が回転中心から少し離
れた位置にあって切刃４の切刃曲線と対称の形状で外周
に至る寸で切刃が構成されている。

７は切屑の逃し溝、９は切削の際にチップが被削材から
与えられる力を受けるバックメタルである。

なか、チップ２，３は、図示りように間隔をもって配置
せずに、互いに接触させて、即ち始端５０を始端６に一
致させて配置してもよい。

チップ２のすくい面２０は、半径方向には切刃４０曲線
に沿って彎曲し、軸方向には直線であり、かつチップの
エンドミル中心側横断面は半円状に形成されている。

またチップ３も同様の形状にしている。

チップの取付けはシャンク１に形成した溝内にチップを
嵌入させると共に鋼などのろう材１０を介在させて融着
させることによって行なっている。

従来はチップは角形であったために角部に卦いては融着
が完全には行なわれず、この部分に切削による応力が集
中してこの部分から破損するという問題があったが、こ
の構成のように横断面を半円状にすると融着がチップの
全体にわたって完全に行なわれるためにチップの保持強
度が向上する。

また、このエンドミルによって切削を行なうと、被削材
に対する切込みが中心点から開始し、切削が徐々に外周
に移動すると同時に回転方向の位相においても逆回転方
向に移動する。

即ち、切刃が渦巻状になっているために、切屑はエンド
ミルの回転と共に外周方向に移動する。

従来の中心点から放射状に直線的に形成された切刃では
、切刃は中心から外周捷で常に同一回転方向位相で進む
ことになって切刃各点の切込みの開始は同一回転方向位
相で同時になされることになり、また切屑は切刃にはｘ
ｉ直に切刃の進行方向に押されるために切削抵抗も大き
く、このため刀先に切屑が圧着されてスムースな切削を
妨げることになっていた。

しかるに上記構成では切刃４はその進行方向に対して傾
斜しているために、切屑は順次外周方向に押出されるこ
とになり、切刃に圧着されることがないためにスムース
に排出され、良好な切削がなされる。

さらに切刃の上記１渦巻形状においては、中心点附近で
大きな曲率となっているために、切刃の切削速度が遅い
にも拘らず切込みが確実に行なわれ、従来品のように上
すべりを生じることなく良好な切削が行なわれる。

切削によって刃先が摩耗した場合には再研摩が必要とな
るが、上記構成ではその研摩が容易である。

即ち、第５図に示すように、チップ２の表面を削り込ん
でいくと破線２１で示すような形状、即ち切刃４に沿っ
て均等に余肉が生じるのでその分だけ削り取れば新たな
切刃４が形成される。

これに対し従来法によるときはチップ２は角形であるた
めに仮想線２２で示すようなチップ形状となり、従って
再研摩も非常に削り代が多く手間がかかつていた。

なおチップ３についても同様であるが、本考案は上記２
枚刃に限らず、単一のチップのみを有するものにも同様
に採用可能である。

また、再研摩は通常チップの頂面と刃裏との両方を研摩
することによって行なうが、チップの形状を精密に形成
して釦き、刃裏は黒皮、の１＼でチップの頂面のみを研
摩するようにしてもよい。

以上説明したように、本考案は渦巻月形の採用によって
とくに中心部に釦ける切削性能の向上を図ると共にチッ
プの中、ｔＬ４則端部を曲面にして再研摩の容易化を図
り、かつチップの保持強度の向上をも図ったものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図はその右
側面図、第３図はその底面図、第４図は第１図のＩＶ−
ＩＶ線断面図、第５図はチップ先端部の底面説明図であ
る。 １・・・・・・本体、２，３・・・・・・チップ、４，
５・・・・・・切刃、７・・・・・・逃し溝、１０・・
・・・・ろう材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シャンクに切刃を有するチップを固着させてなるボール
   エンドミルに３いて、チップは横断面に釦いてエンドミ
   ルの中心側を半円状に形威し、チップはシャンクの溝内
   に嵌入させて融着させ、チップの切刃はその始端が回転
   中心付近に位置し、かつ回転方向に凸なる曲線をなすと
   共に外周部の切刃曲線より中心・部の切刃曲線の方が大
   きな曲率をなすように構成したことを特徴とする渦巻き
   刃ボールエンドミル。