JPS5833803B2 - 等方向性の通気孔を有する耐火煉瓦の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶融金属の脱ガス攪拌用としてアルゴン等の不
活性ガスを溶融−属容器の下部から吹き込む為の手段と
して用いられる等方向性の通気孔を多数穿孔された耐火
煉瓦の製造方法に関するものである。

従来から容器中にある溶融金属にアルゴンガス等の不活
性ガスを容器の下部から吹き込んで攪拌する精錬作業と
しては種々の手段に依って工業的規模で実施されている
が、斯かる精錬作業に使用される容器の材料たる耐火物
には下記の如き諸条件を具備することが要求される。

（イ）耐火物を通して溶融金属が透過することなくアル
ゴンガス等の不活性ガスのみが通過する微細な等方向性
の通気孔を多数有すること。

（ロ）溶融金属の脱ガス精錬は耐火物に接触して高温で
長時間荷なわれることから、耐火物は高耐熱性、高耐蝕
性であること。

（ハ）高温高圧下の溶融金属が耐火物に接触して激しく
攪拌されることから可成り熱間強度の高いものであるこ
と。

が挙げられる。本発明は上記の知見に基づいて高耐熱性
、高耐蝕性を有し、且つ熱間強度の高い耐火材料で微細
な等方向性の通気孔を多数有するガス吹き込用耐火物を
工業的に製造する方法を提供せんとするものである。

以前には等方向性の微細な通気孔を多数有するガス吹き
込用の耐火物を製造する為に第５図又は第６図に示す如
く、対向する小口側板８．８の多数の孔に、各孔部に１
木兄の繊維糸を通して両端部で係止せしめるか若しくは
１本の長い針金を両側の小口側板の対称孔部を通過後折
返して隣接の微細孔を通過さぞ、又折返して次の隣接微
細孔を通過せしめるようにして施行していたこともあっ
たが実施に際しては１回毎に繊維糸又は針金を多数の小
孔に挿通する準備作業が甚だしく面倒な手作業で行なわ
ねばならないので多くの時間と工数を要し、工業的に実
施するには適当な方法ではないとされている。

それ故現在では前記方法を使用することなく耐火物とし
ては専ら多気孔性耐火物が用いられているが、此のもの
は通気孔と称えられるものは一応所持するも其の通気孔
の孔の径が一定せず且つ、其の方向がそれぞれ異方向性
で而も骨材の結合が充分でない等から耐蝕性が低く熱間
強度が不足し、溶融金属の透過ならびにガス吹き込によ
る接合部の目地切れ等を起し易い欠点がある。

斯かる状況に鑑み、高耐熱性、高耐蝕性、ならびに高熱
間強度を具備して、而も等方向性の微細な通気孔を多数
有し、且つ工業的に製造可能な吹き急用耐火物の出現が
待望されている。

此処に於いて本発明者は従来のガス吹き急用耐火物の製
造装置として使用された成型枠の形態は之を利用するも
繊維糸又は針金の張り替えを行なわないで連続に目的の
等方向性の通気孔を有する耐火煉瓦を製造する方法を提
供せんとするものであって、之を装置図面に則して詳述
すれば、第１図の装置全体側面図及び第４図に示す如く
全面等位置に多数の小孔りを穿設された外端固定ガイド
板２ａ及び其の間で下部螺子棒１０に螺合する移動子１
１に支持されて把手１２の回転に依って前後に移動可能
のの移動ガイド板３ａ、３ｂの各等位位置小孔を通して
繊維糸又は針金を挿通し、次いて第２図、第３図に示す
ように外端固定ガイド板２と第１移動ガイド板３ａとの
間及び第１移動ガイド板３ａと第２移動ガイド板３ｂと
の間に第２図、第３図に示すように外端固定ガイド板２
に接触せしめて側板７ａ、？ａと締付ボルト６ａ。

６ａ、６ａ 、６ａ から成る第１戊型枠Ａ１を、第
１移動ガイド板３ａと第２移動ガイド板３ｂとの間に側
板７ｂ、７ｂと締付ボルト６ｂ、６ｂ。

６ｂ、６ｂからなる第２成型枠Ａ２を設け、之等成型枠
ＡＩ 、Ａ２の締付ポル）６ａ、６ａと６ａ 、６ａ
との内側及び６ｂ、６ｂと６ｂ 、 ６ｂの内側に近接
ぜしめて糸群各縦系列間間隙に其の巾に応する巾の高さ
が側板７ａｙ７ａｔ７ｂｙ７ｂ上縁と底板５の距離に等
しい多数の小割板４ ａ 、 ４ａ’、 ４ ｂ 、
４ｂ’を順次挿入して両側２枚宛の側板７ａ、７ａ、７
ｂ、７ｂで繊維糸もしくは針金を挾んだ状態で締付は用
ポル）６ａ、６ａ’を締め付ければ小割板４ａ、４ａ、
４ｂ、４ｂ’が一体となって小口側板８ａ、８ａ、８ｂ
、８ｂ が構成されることになり、之に支持されてい
る繊維糸又は針金は緊張状態に保持されている。

其処で第１成型枠ＡＩ、第２成型枠Ａ２のそれぞれ小口
側板８ａと８ａとの間及び８ｂと８ｂとの間に耐火材料
を鋳込めば所望個数の等方向性の通気孔が穿設された通
気煉瓦が出来上ることになる。

斯くて鋳込んだ耐火材料が乾燥すれば繊維糸又は針金１
は強固に乾燥耐火材料に把握されることになるから此の
時点で第１成型枠Ａ１の締付はポル）６ａｔ６ａ外側の
繊維糸又は針金を全部切断して第１成型伜Ａ１を引き上
げ、次に第２成型枠Ａ２（鋳込み耐火材料の乾燥済のも
の）を持って外端固定ガイド板２位置に迄移動させ、原
位置には第３成型枠を組み立てて又耐火材料を充填して
乾燥させて前方に引き寄せ、引上げるように連続。

鋳造を施行するのであり、成型枠内に鋳込豊れ乾燥され
た成型耐火材は之を焼成すれば繊維糸は焼却されてそれ
に応する細孔が生び針金を使用した場合は乾燥後絞針金
を一木兄引き抜いて細孔を造り出すようにするのである
。

叙上の如くして得られた等方向性の通気孔を有する耐火
煉瓦は第１表に示す如〈従来から慣用されている多孔性
のガス吹き込用耐火煉瓦と比較して冷間、熱間の強度お
よび耐蝕性等、共に優れた性質を示しているのである。

尚、又其の通気率の比較に於いては本発明方法で得られ
た等方向性の通気孔を有する耐火煉瓦は従来の多孔性の
ガス吹き込用耐火煉瓦に比較して数倍の値を示し、特に
使用条件に合わせて溶湯の透過を起さぬ範囲内で、架設
する繊維糸もしくは針金の径ならびに架設本数を変える
ことで自由に加減できる。

尚、図面は立方体耐火煉瓦な鋳込成型する型枠の場合を
示したが此のもののみに限られずプラグ煉瓦の如き形状
体の金属型を石膏型ケースに抱持せしめ、プラグ煉瓦の
截頭部と底面部を本発明の方法により小割板４ ａ ｔ
４ ａ ｙ ４ ｂ ｔ４ ｂ’にて仕切り通気性に
優れたプラグ煉瓦生地を効率よく生産することもできる
のである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明装置の一部截開側面図、第２図は要部拡
大平面図、第３図は第２図のＸ３−Ｘ３縦断側面図、第
４図は固定ガイド板および移動ガイド板の各等位位置に
穿設された微細孔の分布例を示す正面図、第５図は従来
の等方向性の通気孔を有する煉瓦製造装置、第６図は第
５図のＸ６−Ｘ６縦断面図である。 １・・・繊維糸又は針金、２，２ａ・・・固定ガイド板
、３．３ａ、３ｂ−・・移動ガイド板、４ ａ ｓ ４
ａ ｔ４ｂ、４ｂ ・・・小割板、５・・・底板、６
ａ ｔ ６ ｂ・・・鞘付ボ／Ｌ／／Ｉ／、７・・・
側板、８ａｔ８ａｔ８ｂｔ８ｂ’・・・小口側板、９・
・・繊維糸又は針金の緩み止め装置、９ａ・・・繊維糸
又は針金巻き取りドラム、１０・・・下部螺子棒、１１
・・・移動子、１２・・・把手。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 全面等位置に多数の小孔を穿設された外端固定ガイ
   ド板と内端固定のガイド板及び其の間で下部螺子棒に螺
   合する移動子に支持されて把手の回転に依って前後に移
   動可能な移動ガイド板の各等位置の小孔を通して所定数
   の繊維糸又は針金を挿通し、次いで外端固定ガイド板と
   第１移動ガイド板との間及び第１移動ガイド板と第２移
   動ガイド板との間に側板と締付ボルトから成る第１成型
   枠を、第１移動ガイド板と第２移動ガイド板との間に第
   ２成型枠を組立て、之等戊型枠の締付ボルトの内側に近
   接せしめて糸群各縦系列間間隙に其の巾に応する巾を持
   つ多数の小割板を順次挿入し、両端２枚宛の側板を介し
   て締付け、次いで第１成型枠、第２戊型枠のそれぞれ小
   口側板間に耐火材料を鋳込んだ後乾燥ぐせで両端の繊維
   糸又は針金を切断し、第１成型枠を取り除き、第２成型
   枠を前方に送り、原第２成型枠位置に第３成型を組立て
   、耐火材料を充填乾燥ｇ−ｅで前方に送り出す操作を繰
   り返して乾燥耐火物を得、之を焼成して煉瓦にするよう
   したことを特徴とする等方向性の通気孔を有する耐火煉
   瓦の製造方法。