JPS58335B2 - 巾着縫合糸通し器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば管形器官を縫合するために用いられ
る巾着縫合糸通し器に関する。

本願は米国特許第４，２０７，８９８号および米国特許
第４，３１９，５７６号の発明に関連し、上記両特許は
ともに、外科医療に用いられる管腟内吻合器に関する。

近年、外科手術に於て縫合糸の代りにステープル（縫合
針）を用いる事が益々通常になって来た。

ステープルの使用は縫合糸の使用よりも著しく時間を短
縮し、よって、患者を麻酔下に置く事を要する時間が短
縮され、この事は患者に対して極めて有利である。

ステープル縫合器は、食道から直腸に至る多くの器官の
手術にも用いられ始め、この場合にも多大の時間が短縮
され、さらに、困難な手術が容易に行われ得る。

上述の米国特許に係る発明は、種々な手術、例えば、結
腸の一部を切除して残りの部分を再結合する事を要する
場合に用いられる管腔内吻合器を示し、これらの吻合器
に於ては、結腸の二つの部分は二列のステープルにより
連結される。

上述の吻合器を用いる為には、結腸の各部分に巾着縫合
糸を通す事が必要である。

この事は通常、適当な縫合糸及び針を用いて手により行
われるが、この操作は困難で多大の時間を消費し、かつ
、種種な問題を惹起する。

例えば、縫い目が荒すぎると、引寄せられた（絞られた
）組織が吻合器のアンビルの直径より外に飛出す事が生
じ得、この場合には、組織ガステープル吻合されて吻合
器が脱された後に漏洩が生じ得る。

また、巾着縫合糸の線を超えて組織の縁が余り多く残さ
れると、吻合器内に入る組織の量が受入れられ得ない和
犬になり、よって、吻合器を吻合の為の適当な隙間迄閉
じる事が不可能になり、従って、吻合器が作動され得な
くなるかまたは、ステープルが余りに弛く成形されるか
または全く成形され得なくなる。

上述の状態は何れも重大な問題及び面倒な事態を引起す
。

市場には、巾着縫合糸を丸い中空器官中に通す事を容易
にする為に米国外科協会から販売された恒久的に再使用
され得る器具がある。

この器具は本質的には、二つの角度バーを有する鉗子で
あり、上記バーの中心には咬合い歯が付けられ、上記バ
ーの各々は貫通孔を有し、この孔中を、縫合針を取付け
られた真直な針が通過し得る。

腸管組織は、咬合い歯を有する二つのバー間に置かれ、
これらの歯により回旋状にクランプされる。

針は、上方バー中の孔を通過する時に、下方バーの歯に
より歯間に押込まれた組織を通過し、ついで、これと反
対の事が行われる。

この器具は種々な欠点を有する。

即ち、針は、平たくされた腸管組織の両側を通るから、
縫合糸は組織中に通される代りに組織の両側を縫合わせ
る事が生じ得る。

さらに、クランプされた組織はバーに直角な方向に容易
にすべり得、よって、バーの端に沿って最小の均等縁を
与える様に切断する事は極めて困難にされる。

また、この器具は恒久的であるので、注意深く維持され
る事を要し、また、各手術毎に殺菌される事を要する。

本発明による巾着縫合糸通し器は独特な設計により上述
の欠点を克服するものであり、予殺閑されて一回の使用
で使い棄てにされ得る。

本発明の器具は一組の顎から成り、上記両顎は一端に於
てヒンジ連結され、他端に掛金手段を有する。

上記両顎は歯を有するが、これらの歯は咬合い歯ではな
くて対抗歯である。

即ち、上方類の各歯は下方類の歯に接触する。

従って、結腸（または今様な器官）の部分が両顎間に置
かれてクランプされると、衝接する歯の間の部分は平た
くされて歯間の空隙中に膨れ出される。

各顔中には、歯の接触線のそれぞれ上方及び下方に貫通
孔が作られ、よって、真直な針及び縫合糸は上方顔中の
貫通孔を通った後廻されて（方向を変えられて）下方類
中の貫通孔を逆方向に通され得る。

針及び縫合糸は、歯間にそれぞれ上方及び下方に膨れ出
された結腸の部分を通過し、よって、器具が開かれると
縫合糸は適正位置に置かれている。

この器具は、縫合糸の線から適当距離々れた所に作られ
た切断案内を有し、これにより、所望長の縁が作られる
。

切断を容易にする為に、各類は、対抗する突起及び凹み
を有し、これらは、クランプされた結腸の部分に係合し
て切断の際のすべりを防ぐ。

以下、添付図面に従って説明する。

第１図に於て、本発明の器具は上方体１１と下方体１２
とから成り、上記画体はピン１５によりヒンジ連結され
る。

上方体１１には上方類１３が取付けられ、今様に下方体
１２には下方類１４が取付けられる。

上方類１３はスタッド１３ａにより上方体１１に取付け
られ、スタッド１３ａは上方体１１中に圧入され、下方
顎１４は今様にスタッド１４ａにより下方体１２に取付
けられる。

この有様は第８図に示す如くである。

上下何れの場合に於ても本体と顎とを一体に作る事も出
来る。

本体と顎とは、別々に作られる場合に於ても一体に作ら
れる場合に於ても、型成形され得て外科医療に適する（
即ち、オートクレー入酸化エチレン、照射等の標準法の
何れかにより殺菌され得る）プラスチック材料で作られ
る事が望ましく、型成形された後圧大または接着剤また
は超音波溶接により組立てられる事が望ましい。

上方類は一計の歯２３を有し、下方顎は今様に一計の歯
２４を有する。

これらの歯は、米国外科協会の器具に於ける如く咬合い
状態に置かれるのではなく、対抗する様に置かれる。

これらの歯は、歯の巾とははゞ等しい巾を置いて距てゝ
置かれる乍が望ましく、よって、間隙４３及び４４が設
けられる。

上方体１１は角度部分（斜めに出る部分）を有し、この
部分はヒンジピン１５及びスタッド１７を有し、スタッ
ド１７は鉗子または今様な器具により把握され得る。

上方体及び下方体には、器具を閉じる際に指がすべる事
を防ぐ為のすじ溝１１ａ及び１２ａが設けられる。

上方体は掛金孔１９を有し、下方体は掛金体１６を有す
る。

上方体は掛金ノツチ１８（第３図）を有し、掛金体１６
は、上記ノツチ１８に係合し得る掛金鼻端１８ａを有す
る。

掛金体１６は、第１０図に示す如く、充分に薄く、よっ
て、掛金を脱す為に時計方向に曲げられ得、また、時計
方向に曲げられた後反時計方向に弾ね返ってノツチ１８
上にスナップ係合され得る。

上方類は貫通孔２５を有し、下方顎は今様な貫通孔２６
を有する。

これらの貫通孔は第９図の拡大断面図に示す如くである
。

図示の如く、これら二つの貫通孔間には連通々路２７が
設けられ、上記通路は、貫通孔２５及び２６の各々から
、歯２３と２４との係合面に至る通路により形成される
。

上記通路２７の目的は、この器具が開かれた時に縫合糸
が取出される事を許す為である、と云うのは、縫合糸は
貫通孔２５中を通された後貫通孔２６中を逆方向に通さ
れるのであるから、これらの孔から縫合糸を取出す事を
許す為の手段が設けられる事を要するからである。

第９図にはさらに、突起２８の一つ及びこれに相当する
凹み２９が示されている。

突起２８は円錐形であり、尖端を有し、凹み２９はこれ
に従った円錐形である。

第１０図に示す如く、円錐形突起２８は各歯２３毎に設
けられ、一群の実記２８により、組織４０が切断の際に
滑らない様に確保される。

第１１図は、器具が結腸（または他の管形器官）４０の
部分上に閉じられた時の状態を示し、図示の如く、対抗
する歯２３及び２４の間の部分が、４５及び４６として
示す如く間隙４３及び４４中に膨れ出る。

第１１図に示す如く、貫通孔２５及び２６はそれぞれ、
歯２３と２４との接触線の上方及び下方にあり、よって
、針５０及び縫合糸５１が部分４５（間隙４３中に上方
に膨れ出した部分）を通過した後廻されて（方向を変え
られて）貫通孔２６中を通され、縫合針は部分４６（間
隙４４中に膨れだした部分）に通される事が許される。

この操作が完了すると、掛金１６が、第１及び３図で見
て時計方向に押され、よって、→端；１８ａがノツチ１
８から脱されて両顎を開く事が許される。

ついで、巾着縫合糸は通路２７を通り、縫合糸を通され
た組織が取出される。

第１２図は、結腸（または他の管形器官）の部分に巾着
縫合糸５１が通された時の状態を示す端面図であり、第
１３図はその側面図である。

管腔内吻合器はアンビル部及びカートリッジ部を有し、
アンビル部は第１４図に５４として示され、カートリッ
ジ部は５３として示され、調節ロッドは５２として示さ
れている、第１４図は、結腸（または他の管形器官）の
部分４０及び４０ａが巾着縫合糸５１により調節ロッド
５２の周りに取付けられた（絞り付けられた）状態を示
す。

幾つかの図面に切断案内が３０として示されている。

本発明の器具が巾着縫合糸を通す為に使われた後にメス
が案内３０に沿って動かされて過剰の組織が切除され、
予定長の縁が残される。

この縁の長さく巾）は単に縫合線２５及び２６と切断案
内３０との間の距離によって定められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の器具の正面図、第２図は同平面図、第
３図は第２図の３−３線による断面図、第４図はヒンジ
連結端から見た端面図、第５図は掛金端から見た端面図
、第６図は第１図の６−６線による断面図、第７図は第
１図の７−７線による断面図、第８図は第１図の８−８
線による断面図、第９図は第８図と同様な拡大断面図で
あり、貫通孔及びそれらの間の連通々路及び、すべりを
防ぐ為の突起及び凹みの詳細を示す図、第１０図は器具
が開かれてクランプされる腸管部分が置かれた、状態を
示す正面図、第１１図は器具が閉じられて針及び縫合糸
が通される状態を示す第１０図と同様な正面図、第１２
図は巾着縫合糸が腸管等の部分に通された状態を示す端
面図、第１３図は同側面図、第１４図は、管腔内吻合器
に巾着縫合が用いられる状態を示す説明図である。 １１・・・上方体、１２・・・下方体、１３・・・上方
顎、１４・・・下方顎、２３・・・上方顎の歯、２４・
・・下方顎の歯、２５，２６・・・上方及び下方顔中の
貫通孔、２７・・・連通々路、４０・・・吻合される組
織、５０・・・針、５１・・・縫合糸、５２・・・吻合
器の調節ロッド、５３．５４・・・吻合器のカートリッ
ジ部及びアンビル部。 （５） （６）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端を互いにヒンジ連結された下方類および下方類
   を有し、下方類には針通および歯が、下方類には針通お
   よび歯が設けられている管形器官に巾着縫合糸を通すた
   めの器具に於て、下方類の歯は直線把持線を形成するよ
   うに下方類の歯に対向配置され、下方類の針通が直線把
   持線の上方に位置し、下方類の針通が直線把持線の下方
   に位置し、上記両針通は歯に設けた通路を介して互いに
   連通していることを特徴とする器具。 ２ 上方歯及び下方歯の各−粗間の間隙の巾が上記歯の
   巾とほぼ同じであることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の器具。 ３ 上記両顎の一方には、鉗子等により把握され得るス
   タッドが設けられていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記範の器具。 ４ 上記両顎の各々には、過剰な組織が外科用小力によ
   り切除される時に適当な縁を与え得る距離丈上記針通か
   ら距てられた切断案内が設けられていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の器具。 ５ 上記両顎の一方には複数の突起が設けられるととも
   に他方にはこれら突起に対応した複数の凹みが設けられ
   、突起および凹みは共御して把持された組織を保持し、
   過剰な組織を外科用小力で切断する時動かないようにし
   たことを特徴とする特許請求の範囲第４項記載の器具。 ６ 上記突起は円錐形をなし、上記凹みは突起の円錐形
   に対応した形状をなしていることを特徴とする特許請求
   の範囲第５項記載の器具。 ７ 上記両顎は、協力する掛金手段を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の器具。 ８ 上記下方類は掛金孔及び掛金座を有し、上記下方類
   は、傾けられて上記掛金座と係合する掛金体を有し、上
   記掛金体は、上記掛金孔から飛出して外科医の指または
   適当な器具により把握され得る解放部を有することを特
   徴とする特許請求の範囲第７項記載の器具。 ９ 器具はプラスチック材料で作られ、上記掛金体は上
   記下方類と一体であって弾力性を有し、上記掛金座とス
   ナップ係合し得、上記解放部を指で作動する事により解
   放され得ることを特徴とする特許請求の範囲第８項記載
   の器具。 １０ ヒンジ連結の軸心は上記両顎の軸心に対して角度
   をなして置かれ、上記両顎の一つは、外科医に便利な角
   度に於て鉗子等により把握される為に上記ヒンジ連結の
   軸心に直角に置かれたスタッドを有することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の器具。